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リコード法ダイエットKetoflex12/3
リコード法食事法ケトフレックス12/3の概要。リコード法でアップデートされた情報、またその他の情報ソース。個人の解説や注釈なども含まれている。
ケトフレックス12/3 基本三原則
半日断食(12~16時間)+就寝前の絶食(3~4時間)
認知症をすでに発症している場合、24時間を超える長期の断食は推奨されない
就寝前の絶食はアミロイドの排出に非常に重要
糖質制限 + 良質の脂質
第一段階で過剰な糖質を避け、第二段階でさらなる糖質制限によりケトン値を上げる
野菜たっぷりの食事(生または低温調理)
多くの人で緑の野菜が圧倒的に不足している。一般的なイメージよりも大量の野菜が必要。
追加の二原則
食物不耐症の検査・有害金属の検査 → リスク食品の除外
食物不耐症、腸管の検査を行い、腸の健康状態とどういった食物がリスク因子(グルテン、レクチン、乳糖、アレルギー食品など)となるかを把握する。
有害金属は、食事からの暴露源の可能性、そして制限食品を知るのに有用。例えば、ヒ素が高い→ひじき、海産物のとりすぎ。水銀が高い→海産物のとりすぎなど。
ケトンダイエット
ケトンダイエットを行うためには、PFC比率、カロリー計算、ケトン値測定が必須となる。
炭水化物
炭水化物摂取のポイント
1.血糖値を急上昇させてしまう食品を減らす。
食事全体のグリセミック指数を35未満にする。
炭水化物はまず、白砂糖などの単純炭水化物をさつまいも、グリーンバナナなどの身体に良い複合炭水化物に切り替えていく。
2.血糖値の上昇を緩やかにする野菜などを食べる。
根菜類は炭水化物が多いため、ケトンダイエットに移行する際はほどほどにしておく。
3.炭水化物の総摂取量を減らす。
糖質制限は二段階に分けて考える。まず糖質を普段から過剰に摂取している人は過剰分を減らすことから始める。例えばご飯を二杯食べている人はいっぱいにするなど。糖質量でいうと100g~/日何に糖質が多く含まれているか、わかっていない人が多いため、とにかく一度、糖質の計算をしてみる必要がある。
第2段階は、ケトン値を上げるための、より積極的な糖質制限。30~100g/日。人によって糖質をどの程度制限するべきかは、個人差がありケトン値を計測して判断する。この次のステージでは、ご飯(お米)を食べること自体が厳しくなってくる。第二段階は、痩せている人では注意が必要。
レジスタンススターチ
ほどほどならOK
(ケトンダイエットを阻害しない程度に)
- グリーンバナナ
- グリーンマンゴ
- グリーンパパイヤ
- さつまいもの片栗粉
- 米 リーキーガットがある場合は玄米は避けておいたほうが無難かもしれない。
- さつまいも
- カブ
- タロイモ
- ヤムイモ
甘味料・遺伝子組換え食品
ほどほどならOK
- ステビア、羅漢
- エリスリトール(特定の腸内細菌種を増殖させる可能性がある)
砂糖への渇望を緩和するために用いても良い甘味料。ただし使わなくても糖質制限食が実行できるならあえて使う必要はない。ステビアもインスリン分泌を刺激することがわかっており、インスリン分泌に問題がある患者さんでは使用は最小限にしておきたい。
糖質制限を始めて2週間はステビアなどの砂糖代替甘味料は使わないことを推奨する。2週間が経過して慣れてきてから、甘さへの渇望があるようであれば補助として代替甘味料を用いる。
ステビアは人によって下痢を引き起こす可能性があるため、下痢がある場合には控えてみる。
禁止
- 人工甘味料を避ける
- グリホサートを含むGMO遺伝子組換え食品
炭水化物サイクル
認知機能に問題が生じない限り、代謝の可塑性を維持するために週に1度は、炭水化物を一般どおり摂取する。
以下の条件に当てはまる人は2日に一度または3日に一度、炭水化物補給日が必要かもしれない。
- 痩せすぎ、肥満の両方
- サルコペニア
- 体重の大幅な減少を経験
- BMI18.5以下(十分に筋肉質で健康であれば許容範囲)
※炭水化物補給は連続日ではなく別々の日に行う。
※複合炭水化物で補給
推奨
- きのこ
- さつまいも
炭水化物補給日 または少量ケトーシスダイエット日に
- ポテトなどのデンプン野菜、とうもろこし、えんどう豆、かぼちゃ
- お米(農薬よりもカドミウムとヒ素により注意が必要)
- 玄米はリーキーガットが修復されればOK
禁止
- 砂糖
- パン
- ケーキ
- 炭酸飲料
- トロピカルフルーツジュース
タンパク質
日本でリコード法に基づく安全なタンパク質摂取は思いの外難しい。
もっとも安全かつ入手が可能なタンパク源は放牧で育てられた鶏の卵。
魚介類も海洋汚染、水銀汚染の問題は考えられている以上に深刻であり、大型魚はもちろんのこと中型魚も毎日は避けておいたほうが無難。新鮮な小型魚であれば毎日食べても良い。
可能であれば放牧の鶏、チキンボーンブロス、小魚、プロテインパウダーを利用しながらタンパク質を摂取していくのが現実的なところだろう。
標準 0.8~1g/体重kg
タンパク質の重要性が昨今語られているが、タンパク質の過剰摂取は糖原性アミノ酸が糖質エネルギーとして利用されてしまい、ケトフレックスの最大の目標であるケトンレベルを低下させてしまう。
そのため0.8~1gという少なすぎず多すぎずという、タンパク質量のさじ加減が求められる。
ケトンダイエットをまったく行なっていない場合では、この数値にこだわるメリットはあまりなく、腎臓機能が低下していない限り、下記の3型用量(1~1.3g/体重kg)程度を目指したほうが良いように思う。
3型/解毒の場合 1~1.3g/体重kg
組織の再構築の必要性が高い条件にある人では、より多くのたんぱく質を必要とする。
- 毒素3型
- 筋肉や体力を大幅に低下するサルコペニア
- 高齢者、65歳以上でBMIが20以下または著しい体重の減少を経験している。
- 怪我、外科手術など組織を損傷している。
- 高強度の筋トレを激しく行い筋肉などが損傷している。
不足タンパク質は、プロテインパウダーで補う方法もあるが、あくまで補助として考える。現状、選択しとしては以下の通り。
- 有機えんどう豆プロテインパウダー
- グラスフェッドホエイプロテイン(WPI)
- グラスフェッドプロテイン+乳糖分解酵素
推奨
- 放牧卵
ほどほどならOK
- 放牧鶏、放牧の赤肉(グラスフェッド肉)
- 養殖ではないサケ、サバ、カタクチイワシ、ニシン(中型魚は週二回程度に押さえておく。)
- イワシ(イワシは太平洋で採れたもの)
- 雄牛、羊、やぎのミルク製品(乳糖不耐性がある場合は禁止)
- 豆類(一晩浸水してレクチン、フィチン酸塩、酵素阻害化合物を緩和させる、圧力鍋を使ってもレクチンを緩和できる)
- 3型 グラスフェッドホエイプロテイン(乳糖不耐症がない場合に限る)
禁止
- 養殖エビ、スペイン産のサバ(スペイン産のサバは水銀が高い)
- 甲殻類、軟体動物は慎重に。
- マグロ、くじら、ハマチなどの水銀を含む大型魚、レバー、加工肉
- ソイプロテイン(レクチンを含む)
- カゼインプロテイン
脂質
ケトフレックスは肥満でない限り、痩せることが目的の食事療法ではないため、いわゆる単に糖質を減らす糖質制限食とは異なる。
糖質制限は行うのだが、その不足カロリー分は必ず良質の脂質で補ってあげなければならない。糖質制限ダイエットというよりも良い脂質補充ダイエットと言ったほうが適切だろう。
脳の構成成分は60%が脂質でできている。(体細胞は約40%)悪い脂質(過剰な飽和脂肪酸、酸化した脂質、高すぎるオメガ6の比重)を大量に補充すると、反対に認知機能を悪化させる。
推奨
- アボガド(LDL-pを減少させる)
- エキスラバージンオリーブオイル(スーパーの安物は避ける。ポリフェノールが高濃度に含まれている品種 ピクアル種など)加熱使用は避ける。
- アボガドオイル オリーブオイルよりは発火点が高く加熱に向く。
- クルミ油
- マカダミア油
- ゴマ油
- ココナッツオイル 揚げ物は原則禁忌だが、どうしても行いたい場合はココナッツオイルを使用。
- MCTオイル(ApoE4遺伝子キャリアは制限有)
- グラスフェッドバター、ギー
- カカオバター
- 卵黄
- カカオニブ(南米産は避けておく。アフリカ産推奨)
オメガ3が含まれる荏胡麻油などは酸化速度が非常に早いため、数週間以内に消費できない場合は避けておいた方が良い。
ほどほどなら推奨
- ローストしていない有機ナッツ、または低温焙煎の有機ナッツ(食べすぎない)
- くるみ(ローストは禁止)
- マカダミアナッツ(レクチンを含む)
- ピーカンナッツ(食べ過ぎによる過剰セレンに注意)
禁止
- 大豆油、とうもろこし油、キャノーラ油、ピーナッツ、ひまわり、紅花油、綿実油、パーム核などの種子油、穀類抽出の油(多価不飽和、オメガ6、熱抽出油、GMO精製油)はすべて避ける。※食用油の場合、高い温度で煙を発生させない。
- ピーナッツ(カビ毒、炎症の原因)
- クラッカー
- クッキー
- ケーキ
- ポテトチップス
- 電子レンジでチンするポップコーン
- 冷凍食材
- ピザ
- アイスクリーム
- マーガリン
- クールホイップのような偽のクリーム
- ファーストフードなどに含まれるトランス脂肪酸、加工食品
オイル全般
オイルはココナッツオイル以外は加熱して使わないこと。
オメガ3オイル
スーパーなどで売られている亜麻仁油などの液体ボトルのオメガ3脂肪酸は、酸化速度が非常に早い。
液体ボトルを新鮮なうちに消費するのは一般家庭ではむずかしいため、まずやめておいたほうが良いだろう。
食品としてか、品質の信頼できるサプリメントでの摂取にしておく。(オメガ3サプリメントの品質にも注意が必要)
オメガ6オイル
オリーブオイルなどに含まれるオメガ6は冷蔵庫保存で2ヶ月以内、常温(20度)で一ヶ月以内、夏場(30度)は2週間以内に消費する。期限を超えると酸化劣化は急激に高まる。
揚げ物は不可。基本加熱調理には使わない。使う場合は短時間、最後の仕上げで少量を使う程度にしておく。
ナッツ
くるみなどはローストされていると、良いオメガ3の供給源とならない。生くるみを推奨するが、一方で生くるみはレクチンの問題(3型にとってはカビの可能性も)があるため水に一晩浸けて乾燥させ冷蔵庫でアルミパウチに保管する。
ピーカンナッツは、セレンの良い供給源とされているが、セレン自体が過剰の閾値が狭く、そこへ加えてピーカンナッツも品種や栽培地域によって含まれるセレン濃度が異なる。そのため過剰症または欠乏にもなりやすい。サプリメントに拒否反応を示す場合を除いてサプリメントでの補給するほうが安全だろう。
また、ナッツは低くない確率で何らかの種のカビまたはカビ毒が基準値を超えて検出されており、特に3型のカビ毒感受性の高い患者にとっては低用量でもリスク因子となる可能性がある。これは主に生産国の保管状況(湿度、温度)に依存するため、オーガニックかどうかといったこととは関係ない。生ナッツはカビ毒リスクとしてはむしろ高い。
栄養価だけを見るとナッツは素晴らしい供給源だが、市販されているナッツは、認知症の治療食として使いづらい側面もある。購入後の保管は必ず湿気を遮断し冷蔵で。
カビが視認できるものは論外だが、カビを洗ったり加熱して除去してもカビの代謝産物は残っており有毒であるため惜しまずに処分すること。
マイルドケトーシスを維持する食事
ケトン値の理想は1.5~4.0(人によってはより高いケトン値で大きな効果を示す報告が相次いでいる)望ましくは1.0以上。
ケトン食を食べればケトンは上昇し、運動をすればケトンは下がったりもするため、ケトン値は変動する。そのため、24時間常に理想的なケトンレベルを維持する必要はない。
人によっては朝ケトンがもっとも高く、人によっては夜寝る前が最も高いことがある。
ココナッツオイル・MCTオイル
量を摂取すると下痢しやすいため、少量から始めて増やしていく。
脂質の消化
脂質の消化が不十分な場合は、リパーゼ、ベタインHCLを加えて消化の助けになるか様子を見る。
関連記事
食物繊維・野菜
非でんぷん質の野菜にする。
推奨
- ほうれん草(有機)
- レタス
- レモン
- ライム
- トマト(有機)
- アーティチョーク
- アスパラガス
- セロリ(有機)
- きゅうり
- チコリー
- ナス
- にんにく
- ニラ
殺菌、抗ウイルス効果をもつハーブ・スパイス
アブラナ科の野菜
- ルッコラ
- チンゲン菜
- ブロッコリー
- 芽キャベツ
- キャベツ
- カリフラワー
- 大根
- わさび
- クレソン
- コールラビ
- マスタードグリーン
- ケール
- タンポポの若葉
ほどほどならOK
- 豆類(一晩水に漬け水は捨てる、圧力鍋で調理することでレクチンを減らす)
- なす
- 有機ピーマン
- 有機トマト トマトの酸性によるアルミ鍋、ステン鍋での長時間の煮込みに注意。
- えんどう豆 豆類の中ではレクチンが比較的少ない
- 人参 生が良い、大量は炭水化物源となる
- ビーツ ほどほどであれば、取り入れたい
禁止
- グルテンを含む野菜、穀類 ※制限食品に記載
治療効果をもつ食品の摂取
解毒作用をもつ食品
- コリアンダー
- アブラナ科の野菜(カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、ケール、大根、芽キャベツ、カブ、クレソン、カブカンラン、ルタバガ、ルッコラ、わさび、セイヨウワサビ(山わさび)、マカ、ラピーニ、チンゲンサイ)
- アボガド ほぼ毎日摂ってい良質な脂質源のひとつ。
- アーティーチョーク
- ビーツ
- たんぽぽ たんぽぽコーヒーは強力な糖尿病改善作用をもつ
- にんにく 低温調理、時々生で
- 生姜
- グレープフルーツ
- レモン 無農薬であれば皮も是非
- オリーブオイル 高ポリフェノールが理想
- 海藻 海洋汚染の問題もあるので摂りすぎに注意。ひじきはやめておく。
アブラナ科野菜の調理方法
・生でよく噛んで食べる。またはミキサーで粉砕
・60度で10分茹でる。(70度10分では酵素ミロシナーゼが破壊)
・高温で茹でる場合は、その他のミロシナーゼ供給源(大根、ワサビ等)を加える。
グリーンスムージーで摂取
有害金属を含む可能性のある食品・調理器具
- ヒ素が高い → ひじきを疑う。水域によってはその他の海産物も。お米
- 有機水銀が高い → 大型魚を疑う。中型魚でも毎日食べている場合は可能性あり。
- カドミウム → タバコ、お米(育成法、水域による)、カカオ(南米産)
- フェリチン・鉄 → 赤肉・レバー
- アルミニウム → アルミニウムの調理器具 × 酸性食品の調理 × 調理時間
抗炎症食品
- 緑の葉野菜、チンゲン菜、有機セロリ
- ブロッコリー (低温調理または生)
- 青魚(スペイン産のサバは避けておく)
- 天然のサーモン
- 有機生くるみ(レクチン感受性がある場合は一晩水につける)
- トマト (レクチン感受性に注意)
- 玉ねぎ、生姜、にんにく
- ターメリック(肝臓の悪い人は摂りすぎに注意)
- シナモン(特に糖尿病リスクのある人)
- ブルーベリー 生125g~ ドライ25g~
- 緑茶(80度の温度で数分煎れる)
- きのこ類
- 発酵食品(納豆、キムチ、味噌など)
- 豆腐 国産大豆、食べすぎに注意
- オリーブオイル(ポリフェノールを多く含む)
- 無農薬チェリー
- ケール 解毒野菜
- ビーツ 一酸化窒素の増強
- 海藻(コンブ、ノリ、ひじき、わかめ、もずく等) 摂りすぎに注意
- さつまいも ケトンレベルを阻害しない範囲で。
ハーブ・スパイス
推奨
-
- バジル
- ローリエの葉
- シナモン(抗糖尿病)
- コリアンダー(金属キレート)
- クミン
- しょうが
- ラベンダー
- マージョラム
- ミント
- オレガノ
- パセリ
- ローズマリー
- サフラン
- セージ
- タイム
- ターメリック
腸内環境の回復
推奨
- ザワークラウト
- キムチ 韓国産がいいかも
- ボーンブロス(骨スープ) カレー、ビーフシチューなどのベーススープとして使おう。
- テンペ
- コンブチャ(紅茶キノコ)
- コロストラム(初乳) サプリメントが手っ取り早いかもしれない。
- 味噌 長期熟成は避けておく 八丁味噌?
※L-グルタミンを先に摂らない → プロバイオティクス、プレバイオティクスは後で摂取
プレバイオティクス
- 有機オオバコの種皮
- じゃがいも
- アカシア繊維
- プランテン
- グリーンバナナデンプン
- イヌリン
- FOS
SIBOをもつ人ではプレバイオティクスが疾患を促進する可能性がある。
控えめならOK
- ワイン(ただし非ApoE4のみ)
- プレーンヨーグルト、有機または生牛乳
- ヤギミルク(ただし乳糖不耐症ではない場合)
- A2ミルク(ただし乳糖不耐症ではない場合)
ヤギミルクパウダー30gに含まれる乳糖を分解するには、約10000FCCの乳糖分解酵素が必要。乳糖分解酵素はアイハーブなどで販売されているため、予め必要分投入しておくと便利。
ヨーグルトは発酵過程で約半分の乳糖が乳酸菌よって分解される。100%ではないことに注意。βカソモルフィンの分解は菌種、phなどに依存する。
禁止
- 市販乳製品(最小限に)
制限食品
乳製品
乳製品に含まれるラクトース(乳糖)は、乳糖分解酵素を持たない場合炎症性として作用する。また、乳糖分解酵素を持っていたとしても、国内で販売されている実質ほとんどすべての乳製品はA1ミルクであり、レクチン同様炎症性のタンパク質(βカソモルフィン、BCM-7)を生産する。
乳製品の摂取が許容されるケースは、乳糖不耐症の存在がなく、かつA2ミルクである場合に限る。日本人のほとんどは遺伝的に乳糖分解酵素を保有しないため、実質、乳製品の摂取は特にリーキーガットを抱えている患者にとっては推奨されない。
グルテン不耐症を有する場合も、乳製品と交差反応を起こしてグルテン同様の症状を引き起こす可能性がある。
発酵乳製品は?
A1ミルクで作られているヨーグルト、ケフィアは、乳製品最大のリスク成分と考えられるBCM-7が乳酸菌・温度・phの影響により形成されるケースと分解されるケースがあるため、判断が難しい。
A2ミルク
雄牛乳、羊乳、やぎ乳、A2ミルクとして販売されている乳製品。A2ミルクを選択し、かつ乳糖分解酵素サプリメントを摂取すれば理論的には炎症を最低限抑えることができる。
低温殺菌の乳製品はより炎症性であるためより注意が必要。乳製品は推奨しないが、生の乳製品はまだ多くの栄養と酵素を含むためベター。
国内でA2ミルクを製品化している工場
グルテンを避ける
tTG抗体の検査
まずは組織トランスグルタミナーゼ抗体(tTG)を検査すること。(できればCyrex Array2または3)陰性でありグルテンを食べても症状がでなければグルテン食品を食べることはある程度許容される。
ちょっとぐらいなら?
多くの人が普通に毎日パンを食べているのだがから、少しぐらいならグルテンを含むパンは摂取しても大丈夫だろうと考える方が多い。
グルテンの認知機能への影響は無症候性であることがあるため、一般のグルテン不耐症の診断基準にはあてはまらない。
検査を受けていない場合は、予防原則の立場からグルテン不耐症があることを前提に考えておいたほうが無難。
少なくとも、腸管に問題を抱えるセリアック病患者さんの唯一の認められている医学的治療方法は完全にグルテンを断つかどうかにかかっており、ほんのわずかのグルテン(20mg-50mg パン一切れの100分の1)であっても腸バリア機能の回復は止まってしまう。
認知症患者さんでも、本人や周囲が関連性に気がついていないだけで、腸管バリアの問題を抱えている患者さんが高確率で存在する。
少量のグルテンを中途半端に摂取したりやめたりをすることで回復しないまま、ずるずると腸バリア機能が損なわれた状態が続くこともリコード法医より報告されている。
安全な閾値は10mg
セリアック病患者のグルテンの安全な閾値は定まっていない。625mgのグルテンで十分だと考える人もいれば、10mgでも問題であると考える人もいる。メリーランド大学でのセリアック病研究では50mgのグルテン摂取により90日後に小腸絨毛の萎縮を発症したが、10mgでは腸壁に大きな変化がなかった。
このことから10mgのグルテンであれば、多くの病気を回避するのに安全であると仮定することができるかもしれない。
米国のグルテンフリー食の基準値は1kgあたり20mg未満となっているため、グルテンフリー食と記載されていても必ずしも油断はできないが、適度な消費であれば多くの人で害は最小限に抑えられるだろう。
グルテン分解酵素
グルテン分解酵素は一定の役割を果たすが、完全にグルテンを分解してくれるわけではない。そのためグルテン分解酵素を摂取するからパンを食べても良いとはならないが、どうしてもパンを食べてしまうという患者さんでは加えていくといくらか有害性を緩和できるかもしれない。
3ヶ月の100%グルテン制限を試してみる
検査が難しい場合は(ほとんどの方がそうだろうが)まず3ヶ月だけ、厳格なグルテン制限(100%)を行って欲しい。一ヶ月では腸管の修復時間としては足りない。
そして認知機能の変化を確認すること、実際にこのグルテン制限を行なったことで認知機能にポジティブな変化が見られるケースが多い。
腸バリア機能が完全に回復した後では、多少のグルテン食が許されるケースもある。
グルテン感受性検査マーカー
- tTG抗体(抗グリアジン抗体検査の併用は可だが、単独では不可)
- Cyrex Array3,2
- HLA-DQ2,HLA-DQ8
グルテンを含む食品
小麦、小麦胚芽、ライ麦、大麦、でんぷん、グラハム粉、クスクス、セモリナ粉などの穀物
グルテンを含むことが多い食品
麦芽、スープ、スーパーで売られているブイヨン、フライドポテト、加工チーズ、マヨネーズ、ケチャップ、サラダドレッシング、ベーコン、ソーセージ、シリアル、ホットドッグ、アイスクリーム、エナジーバー、シロップ、ウォッカ、ビール、ローストナッツ、ミートボール、調理済みの缶詰肉、モルトビネガー、テリヤキソース、醤油、偽物の蟹肉、乳製品が使われていないクリーミングパウダー類、オートブラン、
他のグルテン供給源
シャンプー、化粧品、口紅、リップクリーム、おもちゃ、薬、封筒や切手の舐める糊、ビタミンやサプリメント(ラベルをチェックする)
www.drperlmutter.com/eat/foods-that-contain-gluten/
レクチン
、レクチン・フリーダイエットにどこまで本格的に取り組むべきかどうかは、レクチンの消費量だけで決まるわけではなく、多様性(レクチン同士で競合し合う)レクチンの遺伝的感受性、リーキーガット、レクチンと結合する糖類やプロバイオティクスなどの同時摂取量、レクチンが効果を発揮する感染症の有無など様々な要因によって変わってくるため、判断は難しい。
おそらく、レクチンは低用量では病気ではない人にとっては有益な効果をもつ可能性もああるが、認知症・神経変性疾患患者さんは一定期間(2~3ヶ月)厳格なレクチンダイエットを試みてみることをおすすめする。
回復後は、ケトフレックス12/3に加えてレクチン食を完全に避けた食生活を長期間続けると栄養バランスを大きく損ねる可能性があるため、レクチンを適度に避けつつ、圧力鍋を用いた調理や、D-マンノース、グルコサミンなどのオリゴ糖を併用しながらレクチンと付き合っていくのが良いだろう。(レクチン感受性がある場合を除く)
またレクチンフリーダイエットは(レクチンフリーの食材も同様)栄養不良も招きやすいため、食事のバランスにも注意していく必要がある。
以下、ガンドリー博士に基づくレクチンフリーダイエットを簡単に紹介する。
レクチンを含む食品群
玄米、パン、パスタ、蕎麦、シリアル、ジャガイモ、豆類、豆腐、枝豆、ピーナツ、カシューナッツ、チアシード、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、メロン
レクチンを除去する方法
・圧力鍋を使った高温高圧力によるレクチンの分解
・レクチンと結合するグルコサミン・コンドロイチン、MSM、D-マンノース、オリゴ糖などの摂取。
レクチンと結合する糖鎖・食品
- D-マンノース
- こんにゃく、クランベリー
- N-アセチル-D-グルコサミン
- 甲殻類の殻
- グルコサミン硫酸塩サプリメント
- コンドロイチン
- 鳥の軟骨
- コンドロイチン硫酸サプリメント
- MSM(メチルスルフォニルメタン)
- 生のポリサッカライド(RPS)
- オクラ、海藻
- ペプチターゼ
- ブラッダーラック
超加工食品の回避
加工食品、特に高度加工食品を避ける。どうしても難しい場合は、まず摂取量を食事全体の20%までに抑える。
成分表に以下の添加物が1つでも含まれていれば、高度加工食品と識別できる。
- 転化糖
- マルトデキストリン
- デキストロース
- 可溶性繊維、不溶性繊維
- 硬化油
- エステル交換油
- 風味増強剤
- 着色剤
- 乳化剤
- 乳化塩
- 甘味料
- 増粘剤
- 消泡剤
- 炭酸化剤
- ゲル化剤
- 艶出し剤
[R]
アルコール
非ApoE4 控えめならOK
- 赤ワイン 一杯/日(非ApoE4キャリアに限る)
ワインは一般に心臓と神経の保護効果をもつが、ApoE4キャリアでは少量であっても影響がある。
ApoE4 禁止
タバコほどの害はないものの、すべてのアルコールはわずかであっても神経毒性を有する。どれだけ有害性があるかは、肝機能にも依存する。
酒飲みだった人の禁酒
これまでずっとお酒を大量に飲み続けてきた酒飲みであれば、突然の禁酒が逆に認知機能低下を招く可能性もある。これはアルコールを代謝させた酢酸を脳のエネルギーとして使うよう長年の飲酒によってできた体質による。(禁酒が酢酸エネルギーの枯渇となる)
そのケースにおいては、禁酒を酢酸、酢などと併用しながら段階的に行う必要がある。
ダーティー12 & クリーン15
有機か無農薬にしておくべき果物と野菜 12品
農薬の毒性が高いまたは大量に使われて危険なため、有機、無農薬にしておいたほうがよい野菜と果物。ただし米国での非営利団体の独自の調査に基づくため、日本国内の農産物では異なる可能性がある。
- リンゴ
- セロリ
- トマト
- キュウリ
- ブドウ
- ネクタリン(ズバイモモ)
- 桃
- ジャガイモ
- ホウレンソウ
- イチゴ
- ブルーベリー
- 赤ピーマン
農薬を使ったものでもOKな果物と野菜 15品
農薬の毒性が低いまたは大量には使われないため、食べても安全な市販の野菜と果物
- タマネギ
- アボカド
- スウィートコーン(GMOには注意)
- パイナップル
- マンゴー
- えんどう豆
- ナス
- カリフラワー
- アスパラガス
- キウイ
- キャベツ
- スイカ
- グレープフルーツ
- さつまいも
- ハネデューメロン
www.fullyraw.com/dirty-dozen-clean-15/
ダーティー12に対しての批判論文
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3135239/
米国における農産物許容残留レベルの比較研究
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3297498/
リコード法と関連するダイエット書籍
認知機能改善目的に作られたケトフレックス12/3の食事プログラムをベースに、患者さんの問題に応じてその他の食事プログラムを参考にする。
認知機能改善 食事プログラム
ケトフレックス12/3
グルテンフリー 食事プログラム
パールマター/Dr Perlmutter
レクチンフリー 食事プログラム
ガンドレー/Dr Gundry
糖尿病・心臓病関連 食事プラグラム
The Nutritarian Diet
ファーマン Dr Fuhrman
肥満・メタボ関連 食事プログラム
Eat Fat Get Thin
マーク・ハイマン/ Dr Hymanc
毒素の解毒 食事プログラム
ジョセフ・ピッゾルノ/Joseph Pizzorno
食事管理アプリケーション
クロノーメーター(英語)
ブレデセン博士らが推奨する栄養管理アプリケーション。
英語なのでとっつきにくいとは思うが、サプリメントも含めた栄養計算、脂質の組性まで表示されるなどリコード法の求める機能が充実している。
日本国内の無料アプリケーションでは、これだけ高機能なものは見当たらない。
個人的には必ずしも使い続ける必要はなく、一定期間、または時々チェックとして使ってみるだけでも、栄養状態をかなり高いレベルで把握することができるうようになる。
グーグルの英語翻訳を使えばなんとかなるので、ぜひ使ってみることをおすすめしたい。