ケトン体ダイエットのためのケトン測定方法
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はじめに
ケトン値計測の重要性
リコード法で認知機能改善治療の一環として行うケトンダイエットでは、血清ケトン値を指標にして行うことが推奨されている。
食品に含まれる炭水化物、脂質を、代謝カロリーなどを正確に計算してケトンダイエットを行えば必ずしもケトン値を測る必要はないのだが、初心者にはかなり至難の技。
多くの初心者は、炭水化物を少し減らしただけのケトンダイエットもどきとなってしまっており認知機能の大きな改善に至っていない。
むしろ初心者こそ、正しいケトンダイエットが行われているか最適化していくためにケトン値の測定が求められる。
マイルドケトーシス
リコード法における認知症患者さんが目指すケトンレベルは、ゆるやかなケトーシス状態(マイルドケトーシス)0.5~4mmo/L。
ただしリコード法のアップデートにより、現在では理想的に1.5以上、できれば1.0以上のケトン値が強く推奨されている。(1.0を超えることで著効を示す認知症患者さんの症例が増加)
再計測の頻度
一度マイルドケトーシスに一度身体が適応したなら、ケトンメーターを毎日または毎週使う必要はない。
食事内容や時間を変えてみたり、MCTオイルを摂る、運動始めてみるなどケトン体に影響を与える機会に再び測ってみるといいだろう。
1 ケトンメーター (推奨)
もっとも正確に血清ケトン濃度(ベータヒドロキシ酪酸)の計測が可能。
リコード法でも唯一推奨される、ケトン測定器。
デメリットは簡易血糖測定器と同様、毎回針で血を出す必要があるのと、一回の計測に約300円と継続していくには安くない費用がかかる。
残念ながら穿刺するツールが医療器具扱いとなるため、日本からのamazonUSAサイトでの直接購入はできない。針なしのメーターとストリップだけであれば購入できるかもしれない。
血糖値を計測する器具をすでにもっている人は、その方法が使える。
ケトモジョ Keto-Mojo
ケトンストリップがプレシジョンXtraよりも安く購入できる。
計測器+ランセットとは別にケトン体試験紙が別途要
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2 呼吸テスト
一度買ってしまえば後は何度でも無料ででき息を吹き込むだけで負担が少ない。
しかし、呼気の場合計測するのはBHBではなくアセトンの計測。
また環境要因によって誤差が生じやすく、判定は4段階のため大雑把な把握しかできない。リコード法におけるマイルドケトーシスを把握するのは難しい。
10~20秒吹き続けて、30秒後に判定結果が現れる。
www.ketonix.com/index.php?lang=en
3 ケトンストリップ (尿で計測)
海外ではストリップ100枚で1000円強で販売されている。
海外で購入できれば、一回あたりの計測コストがもっとも安く、簡便かもしれない。
ケトンストリップの一番の問題は、尿に排泄されるケトン値で血清ケトン値を予測するのだが、体がケトンに適応するとケトンを尿に排出するようになるため、初期の頃とケトン適応後で血清ケトン値に誤差がでてくるため、あまり役に立たない。
特にリコード法で目指すのはマイルドケトーシス(0.5~2.0)であるため、最小単位が0.5、そしてその次は1.5というケトン尿ストリップの分解能は非常に使いにくい。
4 血糖値の計測
ケトンに適応すると、血糖レベルは70mg/dl未満となるため、血糖レベルを血糖値を測ることでケトン濃度の予測ができるようになる。
体がケトンに適応した後で使える技。
ケトン食によるHgA1Cは4.5~5.2%
簡易血糖測定器は医療器具扱いだが、薬局で相談すれば入手が可能。
まとめ
ケトンメーター一択
リコード法で求められるケトン濃度はマイルドケトーシス、過剰なケトン濃度は求められず、それなりの精度がもとめられるため入手方法に難点はあるものの、ケトンメーターが唯一推奨できるケトン値測定器具となる。
他のケトン濃度計測器具は、単に測定精度が不足しているだけでなく、計測方法や外因的要因による環境誤差が生じやすい。
ケトンメーターで感覚を掴む
検査費用は高いものの、計測で正確な数字を一度知ってケトン値の感覚を把握してしまえば、そう何度も測る必要はないというのもある。
ケトンメーターを基準値に、それ以外のケトン計測器具を補正しながら組み合わせて使う使い方が、もっとも効率よく継続的にケトン濃度を測る方法かもしれない。
ケトーシス適応の判断
リコード法では、計測の目的はケトーシスへ体質が移行したかどうかを見極めるためにある。そのため、MCTオイルやココナッツオイルを摂取した後のケトン値はケトーシス適応の判断材料にはならない。
目標は0.5-3.0mmol/Lのケトン濃度、より認知機能が進行ししまっている場合ではより高いケトン濃度が必要かもしれない。
就寝前に計測すると、その日のもっとも高いケトン濃度を示すことがよくある。
ケトン濃度は、糖質制限だけでなく、睡眠不足、ストレス、病気など多くの要因に影響される可能性がある。
ケトンダイエットのオンオフ
ケトンダイエットをサイクルで繰り返すことで、グルコースと脂肪の両方をエネルギーとして使い代謝の柔軟性を維持させることができる。
グルコース消費を行っている時の認知機能への影響に注意を払い、認知低下を感じたら、食事でケトンダイエットを再開してみる。