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ケトン体質への道 14のステップ(認知症・アルツハイマー)
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1. ケトン値測定器、血糖値測定器を購入
糖質制限を試みている人の10人中9人は、認知機能改善に達するレベルではできていない。
仮にできていたとしても、今度は糖質制限に伴う低血糖のリスクが判定できない。
ケトンダイエットを行っているという思い込みをなくし、低血糖による認知機能低下リスクを避けるためにもケトン測定器と血糖値測定器は必ず用意して測定する。
2. 基礎代謝量、食事カロリー、PFCの計算
まず自分がどれくらいのカロリーを必要とするのか計算
食事に含まれるカロリーを計算するか、栄養管理ソフトなどを使ってカロリーの収支計算を行ってみる。
その際に、タンパク質、脂質、炭水化物の比率と摂取量も計算する。
上記のアプリ(クロノメーター)を使えば、その比率も算出してくれる。
3. 炭水化物の制限
優先順位としては甘い炭酸飲料やスイーツなどの単純炭水化物を少なくすること。
注意しなければならないのは、例えばさつまいもや玄米など良い炭水化物とされる食品であっても炭水化物の供給源でありケトン値の上昇を妨げることには変わらない。
そのため、まず食事や食品にどれだけの糖質が含まれているを理解すること。そして計算してみることが大事。
4. 良質な脂質の摂取
脳は水分を除けばその60%が脂質でできている。
オメガ3やオメガ6などの脂質摂取を心がけると同時に、バランスにも目を向ける。
多くの人の食生活ではオメガ6が多すぎるため、オメガ3の摂取を重視する。
5. 半日断食
半日断食は糖質制限と組み合わせることでより早くケトンレベルを上げることができる。
また半日断食のグレリンの活性による認知機能の改善、オートファジーの強い促進による神経細胞の修復などは糖質制限では限りがあるため、やはり組み合わせて実行したい。
6. 身体活動
運動は体内に残っているグリコーゲンを燃焼させるため、運動を行うと短期的には血糖値が増加しケトン値が下がる。しかし最終的にはグリコーゲンが早く枯渇するため、その後はより短時間でケトン値が上昇する。
このことにより少量の炭水化物を摂取しても、ケトンレベルは大きく降下しないため、長い時間マイルドケトーシスを維持することができるようになる。
グリコーゲンを枯渇させることがケトーシスを導く上でのポイントだが、散歩で降下させるためにはかなりの距離を歩く必要がある。グリコーゲンは肝臓以外に筋肉内にも蓄えられているため、筋トレやHIITなどの運動を行うと急速にケトンレベルを高める。
しかし、糖質なしの筋トレはパフォーマンスも落ちるため、ほどほどボリュームにとどめておくと良い。
7.微量栄養素の補給
ケトンダイエットによって、ビタミン、ミネラルなど微量栄養素の欠乏可能性が一部の研究で報告されている。セレン、ビタミンD、ビタミンC、マグネシウムあたり。
塩分が不足するケースもある。
リコード法のサプリメントを摂取している場合、塩分を除き摂取しているため心配する必要はないが、サプリメントを摂取していない人では各栄養素の欠乏に注意しておいたほうが良いだろう。
8. タンパク質の過剰摂取に注意
タンパク質を気にかけてこなかった人は、一日のタンパク質の必要量(体重1kgあたり1g)を計算してみよう。
一方でタンパク質が大事だと思って、体重1kgあたり1gを大幅に超えて過剰に摂取する人もいる。過剰なタンパク質はアミノ酸から糖新生によって糖質が利用されケトン体質が妨げられることになるため、タンパク質信仰をもつ人では摂取量に注意が必要。
9. アセチル-L-カルニチン
カルニチンは、脂肪を代謝させてミトコンドリアへエネルギーを供給ために必要不可欠なビタミン様物質。
高脂肪食では、より多くの脂肪酸がミトコンドリアに輸送される必要があるため、カルニチンの必要量も増加する。
カルニチンは、肉や魚などにも多く含まれるが、リコード法で推奨されるケトフレックス12/3食事プログラムを厳格に実行すると、相対的に肉屋魚の摂取量が少なくなることからも、サプリメントでも摂取することが望ましい。
10. 脂肪吸収不良の改善
ケトンダイエットでは、糖質を制限して不足カロリー分を脂質で補充するため大量の脂質を分解する必要がある。
体内に取り入れられた炭水化物、タンパク質、脂質すべてが酵素などによって分解されるが、脂質の分解過程はもっとも複雑。
ケトンダイエットを確実に実行してもケトンが上昇しない、または脂質量を増やして下記の症状が複数思い当たる場合脂肪吸収不良を起こしている可能性がある。
脂肪吸収不良の症状
膨満感
けいれん
便が脂っこい悪臭を放つ
肌が異常に乾燥する。
胆嚢が痛む。
ホルモンバランスの崩れ。
胆嚢の除去手術を行なった。
大量の脂質摂取後、不安感を感じる。
脂溶性ビタミン欠乏(A、D、E)
脂肪吸収不良の原因
・肝臓が十分な胆汁を産生できない
・胆汁の乳化能力が低下、または胆嚢からの胆汁分泌が低下
・膵臓酵素のリパーゼが不足している。
塩酸
食べた食物が胃に到達すると、酸、ペプシン、胃アミラーゼ、とリパーゼを胃壁が分泌して分解をサポートする。
その後食物は十二指腸または小腸の上部に移動し、その酸性のphによってセクレチンの分泌を引き起こす。セクレチンは肝臓を刺激して胆汁を作る。
塩酸(HCL)が足りないとセクレチンは刺激されない。
塩酸の産生は、大さじ一杯のアップルサイダービネガー、レモン汁などを飲むことで刺激できる。
アップルサイダービネガー(液体ボトル)
または、ベタインなどのサプリメントを摂取
塩酸ベタイン(錠剤)
11.リパーゼ
脂肪吸収不良は脂肪分解過程で必要となるリパーゼ消化酵素が十分に分泌されていない可能性もある。
リパーゼの産生は、膵臓の問題を診断るLPSテストを受けることで正常に行われているかを検出できる。
リパーゼの産生がうまく行われていない場合、リパーゼ消化酵素を摂取することで解決がつくかもしれない。
リパザイム脂質消化酵素(カプセル)
一般に消化酵素サプリメントには複数の消化酵素がブレンドされているが、特に消化酵素が欠乏していない人が摂ると、食品のグリセミック指数をいたずらに上げて高血糖値をまねく可能性もあるため、リパーゼだけを含む消化酵素にしておくことを推奨する。
12. 外因性ケトンを試してみる
ココナッツオイルはもとより、MCTオイルの摂取でもケトン値が上がりにくい体質の人がいる。肝臓機能が弱い、ApoE4遺伝子保持者、長らく炭水化物だけを摂取してきた人、高齢者など。
適切に糖質制限と、必要十分な脂質を摂取し、空腹時にMCTオイルを摂取してもケトン値が上昇しない場合は、検討してみる価値がある。
13.オフ日をもうける
ケトンダイエットを継続的に長期間続けていると、糖質を利用する能力が衰えてくる。
そのため、週に1~2回程度は、炭水化物をケトンダイエット中の量の2~4倍にまで、増やすことで、ケトン代謝とグルコース代謝の可塑性を維持していく。
ただし、糖質を増やす際は認知能力に細心の注意を払い、認知機能の低下が見られるようであれば糖質の摂取量や回数を調整すること。
14.解毒と並行して行う
体内の脂肪組織はエネルギーの蓄積部位であると同時に、脂溶性の毒素も蓄積させる可能性がある。
ケトンダイエットを行うことで、脂肪組織が代謝され過去に蓄えられた毒素の循環器系への放出を誘発し、脳神経へ到達して神経毒として作用する可能性も理論的にはあり得る。
これは、脂肪組織に蓄えられた毒素の量に依存するため個人差が存在するが、特にケトンダイエットの初期の段階ではサウナに通う、グルタチオンなどの抗酸化剤を積極的に投与しておくことでリスクヘッジとなる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28915320