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グルテン・セリアック病・認知症 関連研究のまとめ

グルテン関連障害の症状・検査・診断・治療

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記事目次

概要

グルテンとは

グルテンとは小麦に含まれるタンパク質の一種。

グルテンは何百もの複雑な混合物であり、主にグリアジンとグルテニンの混合で構成されている。

ライ麦のセカリン、大麦のホルデイン、オート麦のアヴェンジン、などもすべて総称としてグルテンと呼ばれる。

ライ小麦、麦芽、カムートにもグルテンは含まれ、セリアック病を引き起こし、免疫を刺激することができる成分として同定されている。

グルテンタンパク質はイオウの含有量によって異なるサブグループに分類され、さらにタンパク質の一次構造に従って、α、β、γ、ωグリアジンに分類される。

グルテンはパンなどの生地の状態や品質に不可欠な要素。

グルテンは熱に対して安定しており、結合剤、増量剤、テクスチャー、保湿、風味を改善するために加工食品の添加剤として一般的に用いられる。

そのためグルテンはパンだけではなく、加工肉、魚介の加工物、ベジタリアンの肉代用物、アイスクリーム、バター、調味料、マリネやドレッシングの増粘剤、乳化剤、ゲル化剤、投薬、お菓子に使用される充填剤およびコーティング剤、としても用いられることがある。

西洋食での平均的なグルテン摂取量は5~20g/日

グルテンの毒性成分

グリアジン

「gliadin」の画像検索結果

グリアジンは胃腸管でのタンパク質分解酵素による消化に対して強い耐性をもつ。

これはアミノ酸プロリン、グルタミンのペプチド配列がプロテアーゼによって切断できないためである。

プロリンが豊富な残基が、セリアック病の有害な免疫応答を媒介することができる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28244676

グルテンのオピオイド誘発作用(中毒作用)

グルテンはグルテンエキソルフィンとよばれるモルヒネ様物質に分解することがありオピオイド作用をもつことが実証されている。このオピオイド作用がグルテンタンパク質が消化管の内層や機能に与える有害作用を覆い隠す可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26825414/

現代の小麦と古代の小麦は毒性が異なる

「kamut grain」の画像検索結果

古代の小麦カムート、ホラーサーン小麦の健康効果、低炎症性

ただしNCGSにとって有毒性をもつグリアジンは多く含む。

www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/09637486.2016.1247434

www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(05)01119-4/fulltext?referrer=https%3A%2F%2Fwww.ncbi.nlm.nih.gov%2F


ヒトツブコムギ などの古代の二倍体小麦種は現代の小麦と比べてセリアック病患者にとって毒性が低い。つまり品種改良された現代の小麦は少なくともセリアック病患者にとっては毒性が高い

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26016626/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27993525/

大麦の安全性

オートムギ(オーツ麦)は安全なのか?

「oat」の画像検索結果

多くのセリアック病患者ではオート麦摂取後のアベニンに特異性のあるT細胞反応の割合が低い。しかし一部のセリアック病患者では敏感な障害の反応を示す。

そのため、グルテンフリーにオート麦を加えるべきかどうかについては論争中となっている。

オート麦は、セリアック病患者が長期間消費しても安全

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28617328

麦茶は安全なのか

小麦に比べると含有量は少ないが大麦にはグルテンが含まれる。

またグルテンと類似する構造をもつタンパク質(ホルデイン)を大麦は含んでおり、それがグルテン不耐症患者でも、影響を与える可能性がある。

試験対象の麦茶ではグルテン陽性反応はなし。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26038920

グルテンへの感受性が高くなければおそらく気にしなくて良い。

厳格なグルテンフリーダイエットにおいては避けておいたほうが無難。

グルテン不耐症・セリアック病 定義

グルテンと関連する疾患名称

「グルテン不耐症」 グルテン摂取により消化器症状を引き起こす疾患。セリアック・小麦アレルギー・NCGSなどを含む総称として使われることもあるがそうでない場合もあり、定義が曖昧であるため研究者の間ではあまり使われない。

「セリアック病」 腸粘膜異常と遺伝的要因

「無症候性セリアック病」 腸粘膜異常はあるが症状(自覚症状)がない。

「潜在的セリアック病」 tTG抗体陽性だが腸粘膜異常はない。無症候性とは限らない。

「難治性セリアック病」 グルテンフリー食を12ヶ月以上行っても症状が続く

「非セリアックグルテン過敏症(NCGS)」 グルテンフリー食により症状が改善するが、セリアック病と小麦アレルギーの定義に入らない。

「フルクタン過敏症」小麦に含まれるフルクタンに反応(NCGSの可能性あり)

「過敏性腸症候群(IBS)」 腹痛、腹部不快感が排便や排便習慣の変化に伴って発症する。

「小麦アレルギー」 免疫系の過剰反応(小麦タンパクのIge抗体陽性)

「穀物不耐症」 グルテンを含めた/または含まない穀物全般へのアレルギー

「小腸内細菌増殖症(SIBO)」 小腸の中で腸内細菌が爆発的に増加する疾患。IBS、セリアック病、フルクタン過敏症との関連が疑われている。

SIBOを改善する28の方法

症候性セリアック病 / Symptomatic CD

セリアック病の診断はtTG抗体で陽性、特定のビタミン欠乏の検査、生検によって行われる。症状の見られないセリアック病患者の存在が浮上してきたことから、その区別として症候性セリアック病という言葉も生まれてきた。

潜在的セリアック病 / Potential CD

潜在的セリアック病と無症候性セリアック病は異なる

潜在的セリアック病は、腸管の組織検査では正常だが、tTG抗体(組織トランスグルタミナーゼ抗体)または/および筋内膜の陽性によって特徴づけられる。

無症候性セリアック病を含むその他のすべてのタイプのセリアック病は、腸粘膜異常を特徴とする。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22345659/

潜在的セリアック病での食事療法は症状のある患者に必要とされる。

無症候性セリアック病患者 / Asymptomatic CD

悪性腫瘍リスクの増加は無症候性セリアック病で示されている。

無症候性セリアック病患者への無作為化グルテンダイエット食試験

グルテンフリーダイエットグループでは一年後、腸管組織は改善し、セリアック病関連抗体のレベルは減少、胃腸症状は患者に比べて大幅に改善した。グルテンを含む食事グループでは、社会的機能スコアがグルテン食グループよりも改善した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24837306/

グルテンのオピオイド効果

グルテン由来のグリアジン、乳製品由来のカゼインはDPP4の阻害、サブスタンPの増加によりオピオイド効果をもたらす可能性がある。

このオピオイド活性が無症候性セリアック病患者が症状を表わさない理由を説明するかもしれない。

図1

jhpn.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41043-015-0032-y

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5025969/

日本国内のセリアック病患者

日本人の非臨床集団でのセリアック病(CD)保有者は0.05%と少ない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28389733

日本の隠れセリアック病

セリアック病の発症に寄与する2つの主要なハプロタイプHLA-DQ2とDQ8、西欧諸国では30~40%。日本人集団では少ないと言われるが10~20%は存在する。

日本ではセリアック病のための臨床診断検査は行われておらず、急増するIBDなどと誤診されている可能性がある。IBD患者のtTG抗体の有病率は一般健常者よりも有意に高い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4019828/

難治性セリアック病 refractory celiac disease (RCD)

12ヶ月のグルテンフリーダイエットを行っても症状が改善されず絨毛萎縮が持続する患者

根本原因は不明 診断が不正確であった可能性もある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22345659/

グルテン関連障害の分類

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28244676

非セリアック病グルテン過敏症(NCGS)

NCGSバイオマーカーの欠如

NCGSの有病率は0.6~6%と10倍の差がある。一般集団におけるNCGS有病率の推定値は1%。これは症状のみに基づく高い推定値であると思われる。

有病率のバラ付きはバイオマーカーの欠如によるものと思われる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23155333/

未診断のセリアック病患者は米国で急増しており、4倍の死亡リスク増加と関連する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19362553/

IBSに潜む非セリアックグルテン感受性(NCGS)

セリアック グルテン感受性(NCGS)と小麦感受性過敏性腸症候群(IBS)の重複領域
図1

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29160841

NCGS診断の難しさ

バイオマーカーの欠如

非セリアック グルテン感受性患者は米国市民の6%。信頼の高い臨床検査は存在するが、信頼性のあるバイオマーカーはなく、NCGSの影響を有する個人を診断することは複雑である。

図1

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29142467

グルテン感受性の高い自己報告有病率

グルテン感受性の自己報告による有病率は13%(女性79%、平均年齢39.5歳)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24216570

グルテン関連障害の発症要因・機序仮説

脳関門の透過性増加

グルテンペプチドがゾヌリンを増加させ、腸と脳関門の透過性に関与する可能性。

academic.oup.com/schizophreniabulletin/article/39/4/867/1917452

フルクタンが原因?

グルテン感受性(NCGS)の発症原因はグルテンではなく、小麦に含まれるフルクタン。

低FODMAPs食(発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類およびポリオール)の有効性

NCGS患者へのグルテンフリーダイエットは、穀物繊維や全粒穀物の消費量を減らす可能性があるため、セリアック病ではない場合推奨されるべきではない。

www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(18)30025-8/fulltext?referrer=https%3A%2F%2Fwww.ncbi.nlm.nih.gov%2F

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29102613


フルクタンはフルクトースが重合した多糖類で、グリコシド結合を加水分解する酵素がないため、腸管に侵入し腸内細菌によって過剰発酵したり水を引き込んで鼓腸や下痢を起こす可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3934501/


フルクタンを持続的な摂取は、腸内で炎症を起こす可能性がある。

フルクタンを分解する細菌の多くが、フルクタンを生産しもする。

そのため、フルクタンの閾値を超えた量の摂取がフルクタンのさらなる増殖を誘発し、毒性フルクタナーゼ産生細菌の応答により腸内の炎症を誘発する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3576823/

イヌリンはフルクタンの一種

水溶性食物繊維として知られるイヌリンはフラクタンの一種。


腸内細菌によって腸管内で分解された短鎖炭水化物がアミロイドβ凝集物の形成を強力に阻害する。(in vitro)

www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14737175.2018.1400909

NCGSは短鎖炭水化物の摂食が原因かと考えられていたが、短鎖炭水化物である高FODMAP食がアルツハイマー病対策になる?

投薬はセリアック病を模倣することがある。

セリアック病を模倣する疾患に対しては多くの標的療法があり、患者に不必要なグルテンフリーダイエットを生涯要求するのではなく、正しい診断と治療を提供する必要がある。

セリアック病を模倣する疾患、投薬
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
  • 炎症性疾患(IBD)
  • オルメサルタン
  • イピリムマブ
  • コラーゲンの沈着
  • 複合型免疫不全CVID
  • 小腸細菌の過剰増殖
  • トロピカルスプルー(TS)
  • 自己免疫性腸疾患
  • ホイップル病

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28817113

「nsaid」の画像検索結果

穀物不耐症とセリアック病

穀物不耐症はセリアック病に特異的に生じる特徴ではない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11063153

グルテンによる神経伝達物質の撹乱

グルタミン酸脱炭酸酵素(グルタミン酸デカルボキシラーゼ)GADは、グルタミン酸をGABAに変換する。

GAD抗体はGAD酵素を減少させる。> GABA↓、グルタミン酸塩↑、概日リズムの崩れ

※ビタミンD(活性型)はGAD67を増加させる。

GADは視床下部の質室周囲核(PVN)にあり、低レベルのGADはCRHの増加によりうつ病と関連。

CRHプロモータ(CRE)がメチル化されないことがCRH増加のメカニズム

ADHD症状はセリアック病で過剰発現する。グルテンフリー食で74%が改善

批判

グルテン関連障害に関する疑念

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28462603

ガイドラインと一致するサイトは3%

セリアック病(CD)、グルテン感受性(GS)、小麦アレルギー(WA)関連の115ウェブサイトのうち、3つのウェブサイトだけが欧州小児胃腸症学会、肝臓栄養学会(ESPGHAN)、世界消化器学会(WGO)のガイドラインと一致していた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28927776

セリアック病と関連する疾患

1型糖尿病患者のセリアック病

1型糖尿病患者のセリアック病有病率は大幅に上昇している。1型糖尿病とセリアック病両方を有する患者の3分の2は、診断時セリアック病に対して無症状である。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27574884

メタアナリシス 20人中一人以上が生検でセリアック病と診断される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25270960/

高齢者で多いセリアック病合併症

セリアック病の合併症リスクは、60歳以上の患者では18~40歳の患者よりも18倍高い。無症候性患者の合併症リスクは事実上存在しない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29277481

関節リウマチ
橋本甲状腺炎

オランダでの橋本甲状腺炎患者104人中16人が血清学的検査によりセリアック病陽性であり、絨毛萎縮症の5人がセリアック病と診断された。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17461476/

自己免疫疾患

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16028438/

非ホジキンリンパ腫

セリアック病は非ホジキンリンパ腫、特にT細胞型のリスクと関連。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11903028/

セリアック病患者の認知機能リスク

セリアック病患者の脳異常

セリアック病患者の脳萎縮
セリアック病患者の皮質灰白質、尾状核の容積は対照群と比べ減少を示しており、疾患の期間と容積には負の相関が見られた。また有意に高い白質高信号(WMH)がセリアック病患者の特に両側等前頭皮質、後部頭頂皮質で見られた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23615718

セリアック病患者の小脳異常

セリアック病を有する患者では、対照群より有意に小脳体積が少なく低い灰白質密度が見出された。これらの高い患者グループでは頭痛、バランス障害、感覚喪失などの神経学的な症状に苦しんでいた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22906616

血管性認知症リスクの増加

セリアック病を有する患者の認知症リスクは高くないが、サブグループ分析では血管性認知症のリスクが高い可能性が示唆されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26444775

グルテンフリー食による認知障害・ブレインフォグの改善

パイロット研究

セリアック病患者によって報告される軽度の形態の認知障害は、「ブレインフォグ(脳の霧)」と呼ばれている。

多くの患者ではグルテンフリーダイエットを実行すると、ブレインフォグが消失すると報告する。

60歳以上でセリアック病と診断された患者7人の患者のうち2人がアルツハイマー病に起因する認知低下を示したが、グルテンフリーダイエット開始後に改善を示した。

3人の患者ではグルテンフリーダイエット開始後、末梢神経障害が完全に解消した。

onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/apt.12809/full

認知障害に寄与するメカニズム

認知障害へのメカニズム

セリアック病(CD)および非セリアック グルテン感受性(NCGS)は、神経学的合併症、運動失調および末梢神経障害だけでなく、認知障害へも関与する。

この認知障害への関与の期間そして予後は一定しておらず、一時的かつ可逆的な関与から、認知症の発症まで変化を示す。
グルテン関連病変が認知機能におよぼす有害な影響を説明するためのメカニズム

・栄養欠乏

・全身性炎症

・脳のセロトニンレベル低下によるサイトカインレベルの低下

アルツハイマー病、血管性認知症、前頭側頭型認知症などがセリアック病と関連して報告されている。

記憶障害、計算不能症、不注意、視空間的欠損および執行機能障害は、神経心理学的診断基準によって体系的に探求されなければならない。

認知障害に関する限り、セリアック病またはNCGSを有する患者への病理学的な放射線学的検査は存在しない。

効果は議論の余地があるものの、グルテンフリー食は潜在的な保護効果があるため、可能な限り早期に実行すること。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29247390


セリアック病におけるグルテン誘導認知障害

onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jgh.13706/abstract

セリアック病による認知障害 3つの仮説

仮説1 微量栄養欠乏

セリアック病では微量栄養素の欠乏が起こるため、鉄、ビタミンD、葉酸などの栄養欠乏が認知障害と関連している。しかし、研究では鉄分濃度は関連していない。

仮説2 炎症性サイトカインの上昇

全身性炎症に関連するサイトカインレベルの上昇

仮説3 トリプトファン濃度の低下

動物研究では食事中のグルテンが、脳のトリプトファン濃度を低下させる可能性があることが示されている。

グルテン摂取>トリプトファン濃度の低下>セロトニンレベルの低下>認知機能の低下

検査

認知機能検査 TRAILS A、ROCF、SCIT-RT H が非侵襲的かつ費用効果の高い腸の治療マーカーを提供する可能性を持っている。

※TRAILS AとSCIT-RT Hは処理速度に強く依存する。

onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/apt.12809/full

補体C1qの光と影

補体タンパク質C1qは、抗原に結合した免疫グロブリン複合体に結合してそれらを排除する。C1qはカゼインおよびグルテン抗原と結合した免疫グロブリンにも優先的に結合するため、

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22801085

C1qは神経突起伸長を増強し、in vitroで神経細胞のストレス、炎症を抑制する遺伝子プログラムの発現を誘発する。

アルツハイマー病では補体C1qが、脳の損傷応答として合成されていることが示されている。

一方、補体C3aおよびC5aは直接的な神経保護作用を有さず、C1qの神経保護作用を低下させる。

www.jneurosci.org/content/31/9/3459

DPPⅣ

DPPⅣの阻害により誘導されるグリアジンペプチドの増加は、C1Q発現を刺激する。

jhpn.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41043-015-0032-y

炭水化物摂取は、GIP、GLP両方のインクレチンの分泌を増加させるが、通常はDPPⅣによって急速に分解される。

DPPⅣの阻害は、インクレチンを増加させることによって抗糖尿病効果を有することが知られている。グリアジンはDPPⅣを阻害する作用があるため、グリアジンの摂取も抗糖尿病効果を有する可能性がある。

このことが全粒粉摂取による健康効果の一部を担っている可能性がある。

診断

NCGS・セリアック病・IBS・小麦アレルギーの診断

組織トランスグルタミナーゼ

セリアック病を診断するための正確な検査方法

tTG IgA検査のおよびEmA IgA検査の感度にすぐれた特異性がある。

DGP IgAおよび免疫グロブリンG試験の感度は、tTG IgAの場合よりもわずかに低い。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26937544

グルテン関連障害による症状
  • 腹痛(68%)
  • 湿疹と発疹(40%)
  • 頭痛(35%)
  • “脳の霧” ブレインフォグ(34%)
  • 疲労(33%)
  • 下痢(33%)
  • うつ病(22%)
  • 貧血(20%)
  • 脚、腕または指のしびれ(20%)
  • 関節痛(11%)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29057833

遺伝子

セリアック病とPTPN22塩基多型

セリアック病と関連する可能性のあるPTPN22変異体はrs1310182のみであった。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28481156

グルテンフリーの食事療法で改善例

血清アルブミン低値、血清コレステロール低値、血清組織トランスグルタミナーゼ免疫グロブリンA(IgA)および内分泌抗体は陽性、HLAタイプはDQ2

食道胃十二指腸内視鏡検査(EGD)は、十二指腸の第2部分への球からモザイク模様の粘膜を示す。

組織病理学的所見は、セリアック病の改変MARSH分類のMARSHタイプ3cと一致。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29094324

グルテンフリーダイエット

グルテンフリーの定義

グルテンフリーの定義のコンセンサスが不足している。ニュージーランドとオーストラリアでは、グルテンフリーの最も感度が高い試験方法によって検出されない値5ppmとされている。

米国FDAでは20ppmまでが検出可能なため、20ppmがグルテンフリーの定義となっている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28244676

グルテンフリーダイエット

「gluten free diet」の画像検索結果

寛解・無症状には厳格な遵守が必要

セリアック病患者では、グルテンフリーダイエットの厳格な尊守が胃腸症状、腸管外症状の解消にむすびつく。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28514243

グルテンフリー食の厳格な実行は、セリアック病の治療のファーストチョイス。

グルテンフリー食はNCGSも改善するが、長期間のグルテンフリー食は栄養欠乏と関連するため経過観察と指導が必要

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29413009

20ppmで多くはOK

ほとんどの患者は20ppmの閾値以下でグルテンは許容されるが、一部のグループでは更に敏感に反応する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29057833/

若年者では回復が容易

セリアック病診断時の年齢が低いと、グルテンフリー食による腸粘膜の回復が容易、メタアナリシス

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29095937

グルテンフリー食による金属蓄積リスク

グルテンフリー食には高濃度の金属を含む魚や米などを多く摂取しており、グルテンフリーダイエット参加者の金属蓄積が増加する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28223206

未加工グルテンフリー食(GCED)による改善

グルテンフリーダイエットで改善を示さない17人の患者は、食事から微量のグルテンを排除するため未加工のグルテンフリー食品を用いたグルテン汚染除去ダイエット(GCED)を3~6ヶ月実行すると82%で無症状を達成することができた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23448408/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6267495/

グルテンフリー食は一生続けなければならないのか

セリアック病と子供の頃診断された患者が粘膜および臨床的に改善した後、グルテンを含む通常の食事を再開したところ、約5分の4で絨毛萎縮を示したが症状は現れなかった。(無症候性セリアック病。)

残りの5分の1では十二指腸生検では萎縮を示さなかった。(潜在的セリアック病)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17303598/

症状の改善 ≠ 粘膜の改善

グルテンフリーダイエット開始後2年で35%の改善、5年で66%の腸粘膜改善が見られた。しかし82%で症状の改善は見られた。臨床的な改善は粘膜の信頼できる指標ではない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20145607/

グルテンフリーダイエットを中止したが、無症状を維持する患者の症例が報告されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29620596/

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の改善

グルテンフリー食は、セリアック病の子どもの閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29415685


非セリアック小麦感受性(NCWS)患者は、グルテンフリーダイエットによって有意に症状が緩和されるが、数年経過しても腸または腸以外の症状を訴える。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29306516

その他のグルテン毒性緩和策

小麦の発芽

小麦を発芽させることで、セリアック病に関連するグルテンペプチドを46%減少させることが可能。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29059515

「sprout wheat」の画像検索結果

グルテン分解酵素

グルテンが腸に影響をおよぼす前に、グルテン分解酵素(酵素アスペルギルス・ニガープロリルエンドプロテアーゼ(AN-PEP)/クロコウジカビ)を摂取して有害作用を無効化する治療戦略

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26040627/

麹、醤油、味噌、甘酒(手作り)と一緒に食べると、グルテンを分解してくれるかも。

グルテン消化酵素サプリメント

グルテン消化酵素

※アスペルスニガー由来のグルコアミラーゼ消化酵素含有