「The End of Alzheimer’s Program」第7章 ピラミッドレベル1:大掃除

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The End of Alzheimer's Program

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断食は最大の治療法であり、内なる医師である。

-パラケルスス

Fasting is the greatest remedy—the physician within.

—PARACELSUS

夜食を食べてはいけないのだとすれば、なぜ冷蔵庫には明かりがあるのか?

(繭子) -WOODROW PAIGE(ウッドロウ・パイゲ)

If you’re not supposed to eat at night, why is there a light in the fridge?

—WOODROW PAIGE

我々が特定の食品を勧める前に ファスティング(断食)について話そう。それは重要なことだ。KetoFLEX 12/3ライフスタイルの12/3の一部は、あなたがどれくらい多く断食する必要があるか(少なくとも12時間)と、あなたが断食する必要があるタイミング(寝る前の少なくとも3時間)に言及している。

断食は、食糧不足への適応として、人類の進化の歴史的な一部となっているだけでなく、それはまた、心の明晰さと多くの健康上の利点の両方のために、創始以来、主要な宗教のすべてに組み込まれている。

断食の健康上の利点は、様々な回復メカニズムを通じて多数ある。私たちのアプローチの目的のために最も重要なのは、断食は、認知機能の改善につながるインスリン感受性の回復を促進することだ。現代の精製された糖分の多い加工された化学物質を多く含む食品へのノンストップのアクセスは、インスリン抵抗性と代謝の柔軟性の低下につながる。

インスリン抵抗性は、アルツハイマー病を含む慢性疾患パンデミックの中心にある。断食はインスリン感受性を回復するのに役立つ機会を提供する。インスリン感受性は食事の渇望サイクルをストップすることに役立ち、体が燃料を得るために脂肪を燃やすことを可能にする。

脂肪を十分に燃焼させる能力を得ること、インスリン感受性を高めること、そしてグルコースやケトン体を燃料として使用する代謝の柔軟性を得ることは、さまざまな改善の要素の鍵となる。また断食は炎症の減少につながり、ミトコンドリアの機能を高め、長寿を後押しする。さらに、断食は心臓病、癌、自己免疫疾患のリスクも減少させる。

 

断食、特に12時間以上の断食は、細胞がアミノ酸やミトコンドリアなどの成分を「大掃除」して再利用する進化的なヒーリングプロセスであるオートファジーを生み出す。ミトコンドリアのようなダメージを受けて消耗した細胞の構成要素は、貪食され、部品として剥ぎ取られ、新しい細胞の構成要素を作るために使用される。

オートファジーは、細胞のバッテリー器官であるミトコンドリアのエネルギー生産を促進する。健康なミトコンドリアは、神経変性の予防と治癒に重要な役割を果たしている。オートファジーを促進する他の方法としては、栄養のケトーシス、 運動、タンパク質制限、回復期の睡眠などがある。栄養性ケトーシスにより断食を破った後も、オートファジーは神経細胞レベルでは継続している。

わたしたちは睡眠の期間を利用して、毎晩の断食の自然な時間を最適化している。私たちは夜にエネルギーを最小限にする必要があり、睡眠は消化のためではなく解毒と修復のための時間であるため、寝る前の少なくとも3時間は食べ物を避けるのがベストだ。

グリコーゲンの貯蔵庫(貯蔵されたブドウ糖)を枯渇させるには、少なくとも12時間かかり、その後、脂肪の燃焼が始まる。

グリコーゲン貯蔵庫を空にするためにはるかに長い時間がかかることを主張する人もいるが、(おそらくそれは正しい)、しかしKetoFLEX 12/3の目標に達成するという文脈においては、毎晩の断食が複数のオートファジーメカニズムを介してより早い利益を提供することができると信じている。

これは、さまざまな方法で達成することができる。ある人たちは、早い夕食、軽い夕食、または夕食をスキップしている。他の人たちにとっては朝食をスキップするほうが容易かもしれない。あなたの家、仕事、そして社会の側からのニーズにも依存するあなた独自の概日リズムは、最良の断食期間を導くのに役立つだろう。


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パスワードは、原著の第6章、パラグラフにあるfから始まりdで終わる3単語、12文字(スペースを入れると14文字)のセリフです。(スペースを含める)

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お寄せいただいた感想・質問

役に立った、印象深かったところ

  • 内容ではないのですが、書き方が勇気をもらえる文章なので、前向きになれます!
  • KetoFLEX 12/3による脂肪中の毒素の放出と再暴露には驚いた。
    KetoFLEX 12/3による注意点、解決策が具体的に説明されており、わかりやすかった。
  • 「断食」という言葉に身構えてしまうが、朝飯を抜けば済むことなので、大きな支障はない。むしろ寝る3時間以上前に夕食を終えることが困難と思う。
  • 12/3で低血糖や、痩せすぎ、筋肉減少にならないようにかなり気を配っていますね。
    Fastingがオートファジーによる自浄作用の引き金になるということ。(本来は飢餓の時に自分の体を食べるためにオートファジーがあると理解していました。食べる順番があって軽い飢餓で食べ始めるのはまずごみのたまった細胞から、ということなんでしょうかね。面白い。)
  • 断食はリコード法の中でも取り組みやすく、また「できた」という結果も実感できる項目です。断食がなぜ重要かが丁寧に書かれていてよかった。
    問題はこれを本人にどれだけわかりやすく説明して納得してもらえるか、ということですが。

よく理解できなかった、疑問に思ったところ

  • 最低12時間の断食は、ねる前の3時間絶食が行われなければ効果がないのでしょうか?6時に夕食にしても、遅くとも8時にはベットにいってしまいます。テレビも読書も今はあまり興味ないので夕食後の過ごし方のアイデア欲しいです。
  • タンパク質を適切に消化するために十分な胃酸を出す、その方法を教えていただけないでしょうか。
  • ミネラル補充として「海塩」が推奨されているが、「岩塩」(ピンクソルト等)は如何であろうか。精製された塩化ナトリウムでなければOKと言う理解で良いだろうか。
  • 朝食を食べずに、ブラックコーヒー+ココナッツオイル+MCTオイルだけにしているがこれは厳密には、オートファジーを阻害すると書いているし、可能ならココナッツオイルやMCTは止めたほうがいいということでしょうか。
  • 体のエネルギー源の切り替えは、グリコーゲン→糖新生→脂肪燃焼 の順で、脂肪燃焼でケトン値が立ち上がってくるのは12時間よりかなり後だと思っていたのですが、この章の書き方は グリコーゲン→脂肪燃焼ですね
    George F. Cahill 「Fuel Metabolism in Starvation」(2006)
    Morey W Haymond 「Difference in Circulating Gluconeogenic Substrates During Short Term fasting in Men,Women, and Children」(1982)
    うーむ、Heymondのデータだと12時間で脂肪燃焼ゼロとも断言できませんが。本当に12時間で有意の脂肪燃焼が始まるんだろうか? (なお、血中のインスリン濃度は12時間でかなり落ちていますね。インスリン抵抗性の改善に関係ありそう。)
  • 夕食後はお風呂に入る他は、同じ位置に座り続けて TVを観たりぼーっと過ごしています。これでは寝ているのと同じでは?と思っています。
    これから寒くなると散歩も難しいし、ブルーライトもカットできていないし、どう過ごすのが正解か知りたいです。

その他

  • 介護者である私は一日一食(夕食のみ)にしているが、頭脳が明晰になるとか、昼間に眠くならないとかの利益は一切感じません。また、ケトフルーという症状も一切ありません。体感できないが故に誠に失礼ながら「効果あるやろか。」と思ってしまいます。ただ浮いた昼食代を嫁のサプリ代金に回せるというオマケはあります。(笑)
  • 参考情報です。12/3 の 3 について。
    寝る2~3時間前までに食事をすれば、食べたものは小腸のなかで消化・吸収され、翌朝には大腸まで運ばれて排せつの準備が整えられます。これはモチリンというホルモンが夜のうちに分泌されて消化管を動かして準備しているのです。
    モチリンは、十二指腸で分泌されるホルモンで、胃の中が空のときやリラックスした状態の時、また睡眠中によく分泌されます。
    モチリンが分泌されると、腸管全体に「空腹時収縮」という収縮が起こります。それと同時に、モチリンは消化酵素や消化管ホルモンの分泌を促して、消化管の内部をきれいに掃除してくれるのです。
    モチリンの分泌を良くするために、寝る2~3時間前には食事を終え、胃や十二指腸を空にすることが重要なのです。
    「寿命の9割は腸で決まる」(松生恒夫)より
    この著者は「停滞腸」が腸内環境を悪くし、諸病の原因となるという視点で、便通を重視しています。
    という視点から、同書の「朝食を抜くな」説:
    空っぽの胃に食べ物が入ると、胃・結腸反射が起こり、その刺激で(下降結腸からS字結腸にかけての強い収縮運動である)大ぜん動が起こります。この大ぜん動により、結腸に詰まっていた便は直腸内に移動します。
    大ぜん動は、食べ物や水分の摂取によって、1日に1~3回起こりますが、特に朝食後1時間の間に起こりやすく、10~30分しか持続しません。次に起こるのは半日後から1日後ですから、この機会を失うと便秘の原因を作ることになります。朝食抜きダイエットなどとんでもない、という理由がお分かりいただけるでしょう。
    (私はこれを読んでから、朝一で青汁をコップ一杯飲んでいますが、便通は確かによくなります)
  • 本人が断食になかなか慣れません。
    ApoE4キャリアでこれまでは14時間を何とかキープしていました。今回16時間とのことで実践していますが、朝起きてから食事までの時間が長いです。コーヒーが好きではない場合、水・お茶の他に口にしていいものはありますか?
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