私たちは私たちが選択したものである。
-ジャンポール・サルトル
動物性タンパク質
先祖代々、野生動物は土地を放牧し、自然の食生活を送っていたため、私たちの祖先には、自然の赤身で、オメガ3脂肪酸と共役リノール酸(CLA)を豊富に含み、免疫機能の向上と炎症の軽減に関連したクリーンで健康的な動物性タンパク質が提供されていた。
効率と利益を上げるために、現代の大規模な農業企業は、今日の食料品店で売られている肉を提供するために、集中給餌事業(CAFO)を採用している。これらの施設では、動物を非常に狭い、しばしば不衛生な場所に収容し、病気に対処するために抗生物質を投与し、成長ホルモンを使用して動物のサイズを迅速に増加させる。
これらの抗生物質とホルモンは私たちの健康に影響を与え、抗生物質耐性とホルモンのバランスが崩れて、思春期の早まりやインスリン抵抗性につながる1 。CAFOの動物には非常に不自然な食事が与えられ、典型的にはグリホサートで汚染された安価な穀物が与えられ、その結果として生じる炎症が私たちの健康に影響を与えている2 。
沖縄県民のような伝統的な長寿の健康社会では、野生動物や放牧された動物を限られた量しか食べていなかった。これを、必須アミノ酸のメチオニンを豊富に含む筋肉肉(鶏胸肉や牛ひき肉など)を中心に大量に食べる現代の習慣では、コラーゲン、骨、皮膚、内臓肉に含まれる別のアミノ酸であるグリシンはほとんど消費されていない。
メチオニンの制限は、より良好な代謝画像(インスリン感受性と脂肪燃焼の増加)と長寿に関連付けられているが、メチオニンの過剰は、適切にリサイクルされていない場合は、ホモシステインの上昇に寄与するかもしれない。健康を最適化するためには、メチオニンはグリシンや他の アミノ酸とバランスをとる必要がある。
認知機能の低下を回復させるためには、個人のニーズに応じて適切な量のクリーンな動物性タンパク質を摂取することをお勧めする。つまり、動物が本来あるべき自然の状態に近い状態で生き食べていた動物を調達することを意味する。
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パスワードは、原著の第6章、パラグラフにあるfから始まりdで終わる3単語、12文字(スペースを入れると14文字)のセリフです。(スペースを含める)
お寄せいただいたコメント
印象的、役に立った箇所
- ビーツを今まで食べたことがないので、試そうと思います。改めてブルーベリーはこれからも続けていきたいと思います。
- 脳出血の家族を持つ、apoe4保有者の男性なので、オメガ6を極力減らさねばと思いましたが、献立幅が益々小さくなり、憂鬱です。
- この書籍が翻訳に止まらずに、日本国に居住する人向けの情報
源として発刊されるととても有難い。(お店情報も含めて) - 今回の章は、(個人的に)あまり心が折れる事なく読み進めら
れホッとしました(笑)
シーフード、果物…実践に参考になる箇所が多くためになりました。 - 『ホモシステインの上昇に対処していない限り、オメガ3系脂肪
酸は認知機能に効果なしと示唆されている』というところ。家の場合、ホモシステインが7以上あるので、対処しなければと思 います。これまでのオメガ3系の効果がなかったのか…と思うとシ ョックですが、改善への希望の一つにしていこうと思います。 - アサリ、牡蠣、ホタテなどは養殖のものでもOKというところ
- 当たり前ですがアメリカの話しですね。産地をいわれてもなかな
かピンとこず‥。和訳されたらどうなるのだろうと思いました。 - クリーンな動物性タンパク質より、クリーンなプロテインを探す方
が簡単そう‥ - 高度糖化最終生成物(AGEs)の危険性を知ると、バーベキュー
はダメだな‥と思った。 - ビーツが良いと知り手を出したものの、一般的な酢漬けがダメだっ
たとはショック。 - 個人ごとの必要なタンパク質量の割り出し方が、かなり具体的に示
されたのは参考になりました。その他の栄養素に関しても、 体調や栄養素同士の関連性が、以前より詳しく示されており、計画 的に実践し易くなったと思いました。 - グラスフェッドに関しては、牛肉はともかく、豚・鶏・卵は日本で
はムリと思え、魚を選ぶしかないかと思いました。 - 放牧飼育の動物の肉、野生の魚介類、野生の果物など入手困難な
ものが多く今回も実践が難しそうですが、 できることからやっていくしかないなと思いました。 - エビをやめて養殖でも安全なホタテや牡蠣に変えようと思います。
- ビーツは食べたことがなかったのですが、今回優秀だということが
わかったので取り入れていきたいです。 - ケトジェニックダイエットを始めてから劇的に体調が良くなりco
gnitive decline止まったと思うのですが体重減少があまりにも著し いのでもうちょっと食べなければと思い魚とか動物を食べるのを増 やしていました。除脂肪体重とは何のことやら。
もう少し勉強しなければと思いました。
除脂肪体重が何のことかわからないんですが除脂肪体重が例えば50 kg の人を例にとってだいたいこんな感じとかお話ししていただけると 嬉しいです
よく理解できなかった点、批判・疑問点など
炭水化物もタンパク質も制限しながら、カロリー不足にならないよ うにするのは難しいと思いました。
『認知機能の低下を回復させるためには、個人のニーズに応じて 適切な量のクリーンな動物性タンパク質を摂取することをお勧めす る。』とありますが、「個人のニーズ」及び「適切な量」 をどのように評価・測定すればいいのかが分かりません。
*12章に書かれているのでしたら、それを待ちます。すいません 。
12章で説明しますのでお待ち下さい。
『オートファジー(細胞のハウスキーピングプログラム)を促進 し、治癒を促進するために』とありますが、アルハカサイトの「 オートファジー」の新着記事を読んでも、果たしてオートファジー が良いのか又は逆に悪いのかが分かりませんでした。
この議論のむずかしさは、0、1の議論ではないことに加えて、病理学的な問題と、治療に関しての不確実な証拠が、それぞれ複数関与していることです。ポイントを掲げておきます。
- 動物研究の結果をどう翻訳するか(家族性ADマウスモデルのひとつの研究では、初期での間欠断食により、神経炎症活動が悪化、その他の5xFADマウスでは、改善。)マウスレベルでも矛盾がある。
- オートファジー障害とオートファジー過剰活性 両者とも可能性がある。
- オートファジー標準経路と非標準経路両者とも障害の可能性がある。
- オートファジーは細かく30のステップで精密に制御されている複雑なプロセス
- オートファゴソームの形成、オートファゴソームの成熟、リソソーム分解によるクリアランスの間の平衡状態が(オートファジーフラックス)知られている。
- オートファジーのどこステップにどういった障害があるのかによって、対処は変わってくる。個別要因、進行過程による違いの可能性もある。
- オートファジーの最初の段階であるファゴフォアという隔離膜がADで蓄積していることがわかっているが、これが膜形成自体に問題があり融合できないのか、内容物を認識しないせいのなのか、またはオートファゴソームが作られたあと除去されないのか、3つの仮説が考えられるているが、わかっていない。
- 現在、有力な標的候補となっているのは最終工場のリソソーム機能障害とTFEB、オートファジーの
- 確実性の高いアプローチは、オートファジーの負荷を軽減すること、そのひとつにアミロイドβ42を減少させること。アミロイドβ42凝集体がオートファジー活性を低下させる。
- 絶食によるーオートファジー促進は、オートファジーの初期のプロセスを始動させることがわかっている。最近の研究では、リソソームも促進することがわかった。
- ヒトでの絶食によるアルツハイマー病臨床研究は知る限り存在しない。
- ミクログリアの慢性的アミロイドβ暴露によるオートファジーの過剰活性と障害も疑われている。ミクログリアはゲノムワイド関連研究(GWAS)で、最近急浮上してきたADの危険因子で、ミクログリアが初期の段階に関与していることから、介入のタイミングにも注意が必要かもしれない。
- ただし、日本人や東アジア人においてはその原因遺伝子であるTREM2が、関連していないため、それらの仮説が妥当であれば、(推測を重ねる話だが)ADにおけるオートファジー障害のリスクは日本人では、欧米人に比べて低い可能性がある。
- トレハロースは、オートファジー促進剤と思われていたが、AMPK活性剤であり、部分的阻害剤でもある。解釈はむずかしい。
- アルツハイマー病における絶食治療は動物研究では成功している。ヒトで実施された研究はおそらくない。ケトジェニックダイエットの間接的証拠のみ。
- mTORC1シグナリングはTFEBを活性化させるが、機序的にTFEBとは独立している。PGC-1αがTFEBの発現を促進。
- マイトファジーはTFEBを誘導する。
- ブレデセン博士の16時間断食(24時間を超えない)は、安全マージンをとっているように見える。
- アミロイドβとタウを低減させるアプローチは、オートファジーフラックスを促進するうえでも、安全で確実な方法。PGC1α、SIRT1、AMPK は重要なも鍵になる。運動は万能。GSK阻害も重要。
『アルツハイマー 3型の場合、多くの食事のプロテインを必要とするわけではない』 というところがよく理解できませんでした。
もともと3型では、毒素の解毒にタンパク質が必要とされることから、タンパク質量を多少増量させることが、前回の著作で述べられていました。タンパク質を代謝させるための運動や、利用するための胃腸の働きなどが伴わないと増加させても解毒効果が望めないことから、このような表現になったのだと思います。
『タンパク質の代謝不足』であるとすれば、特定の根本原因はどの ように見分け、、、改善されたかどうかはどのように判断すべきか …疑問です。
体組成、アルブミン、トランスフェリン、免疫力(リンパ球数など)が使えるかと。
ベジタリアン(ビーガンではなく)になるデメリットはありますか ?
- タンパク質補給のバランス
- 鉄
- カルシウム
- ビタミンDを補給
- ビタミンB12
- オメガ3脂肪酸
- 外食の難しさ
- 代替肉の危険性
- コスト要因、労力
www.livestrong.com/article/482780-disadvantages-of-being-vegan/
biomes.world/en/intersting-facts/nutrition/vegan/pros-and-cons/
シュウ酸塩の影響は、食してから様子を見るしかないですか?
些か余談かも知れませんが、コリン摂取による改善効果が、妊婦か ら数世代に渡って引き継がれる事が興味深いです。参照を見ると、 胎児や授乳期に摂取すれば、ホモシステイン減少などの効果が一生 かつ次の世代にも引き継がれるようですが、 遺伝子の発現による効果と言う事は、人生の一時期で効果的に摂取 すれば一生効果が続くと考えられるのでしょうか?
もうすぐ秋鮭の季節が終わります。。すると鮭は養殖のトラウトサ ーモンばっかりになっちゃうでしょうかね、、 そうすると食べない方がマシなのでしょうか。
野生の鮭よりも養殖の鮭でより多くの抗生物質、環境汚染物質が見つかっていることは事実です。ただし、地域差があるのと、また野生の鮭にも汚染物質は含まれており、相対的に少ないというだけで、以下の論文述を読むと、どちらも平均的な量を超えて積極的に摂取することがさほど望ましいようには思えませんでした。厳し目のマージンを取るなら野生は週一まで、養殖はヨーロッパ産は避けて、月1以下にといったところでしょうか。
関連する体験談・お役立ち情報など
- グラスフェッドのステーキがありました。特に癖はなく、美味し
いと思いました。
我が家で購入している平飼い卵は黄身がオレンジ色ではなく…黄色 に近いです、、、色味がちょっと疑問に思っているのですが…そのような平飼い卵も あるのでしょうか?
色で判断すべきなのでしょうか?
自信のない答えです。むしろ、教えてもらいたい。