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イリシン健康情報と関連研究
関連記事
骨密度と認知機能を高める運動ホルモンイリシン 10の増加方法
概要
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6262319/
筋肉、骨、脳に発現するミオカイン
イリシンとは運動によって誘導される骨格筋由来のホルモン(ミオカイン)
イリシンは、エネルギー代謝に関与する膜タンパク質であるフィブロネクチンIII型ドメイン含有タンパク質5(FNDC5)のタンパク質分解産物として2012年に発見された。
イリシンは当初、骨格筋と脂肪組織から分泌されることが示されていたが、骨や脳を含む多くの組織で発現していることもわかった。
www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S014341791500061X?via%3Dihub
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30550785
イリシンの効果
骨格形成
骨細胞では運動によって増強したイリシンは骨芽細胞形成を増強し、破骨細胞数を減少させ骨形成(皮質骨量)の増加につながることが示されている。
www.pnas.org/content/112/39/12157
イリシンの血中濃度の低下は、骨折の増加および低い股関節骨密度と関連する。
link.springer.com/article/10.1007%2Fs00198-014-2673-x
イリシン投与による骨密度増強
イリシンの外因性投与はマウスの皮質骨の密度と強度を高め、動きを制限されたことによる筋肉萎縮を防ぐことを発見した。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28588307
イリシンの認知機能への効果
BDNFの発現
イリシンはBDNF産生の上流のメディエーター。運動による末梢からのFNDC5 /イリシン放出の増加は、ニューロンのFNDC5 /イリシンの増加と、ニューロンのBDNF産生の増加をもたらす。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24120943/
学習と運動のモチベーションを増加させる。
irisin-BDNF軸は、学習の報酬効果を高め記憶機能を強化することができる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27063080/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27793098/
シナプス可塑性と記憶
脳のFNDC5 /イリシンのノックダウンは、マウスの長期増強と新規オブジェクト認識記憶を損う。反対に、FNDC5 /イリシンの脳レベルを高めると、アルツハイマー病マウスモデルのシナプス可塑性と記憶が回復する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6262319/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30617325
イリシン治療は、虚血性脳卒中マウスモデルにおいて神経保護効果を有する。
link.springer.com/article/10.1007%2Fs11064-018-2569-9
イリシンによるWnt /β-カテニンシグナル伝達活性
イリシンがWntシグナル伝達成分であるLRP5、β-カテニン、RUNX2をアップレギュレートし、これらがすべて骨形成を促進することを示した。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31507448
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31556133
イリシンはWntに拮抗し骨形成を負に調節する因子スクレロスチンを抑制した。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28588307
アンチエイジング・健康効果
テロメアを長くする
イリシンは体細胞のテロメア伸長を促進する
link.springer.com/article/10.1007/s10517-016-3167-y
糖代謝の改善
イリシンはインスリン抵抗性の低下と関連する。
bmcendocrdisord.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12902-016-0123-9
抗癌作用
肝臓がんにおける肝臓障害に対しての保護的役割
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28012856
脂質代謝の改善・体重減少
血中濃度のイリシンの増加はUCP1発現を刺激しエネルギー消費が増加する。
PPARαを介し白色細胞か褐色細胞への変換を促進する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3522098/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22932392
イリシンの概日リズム
ヒトのイリシンレベルは早朝には最低レベルを示し、午後9時にピークを迎える。
academic.oup.com/jcem/article/99/9/3247/2538260
イリシンを増やす10の方法
運動・環境の変化
運動による神経保護効果はBDNFの発現増加によって媒介されると考えられている。運動はBDNFだけではなく、FNDC5遺伝子発現を増加させる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24120943
イリシンの外因的投与は、海馬、前頭前野のPGC-1α、 FNDC5、BDNF の遺伝子発現を時間依存的に調節する可能性がある。
www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278584617308254?via%3Dihub
筋力トレーニング
レジスタンストレーニングは、老化マウスのイリシン発現を増加させ筋肉機能を改善させる。
筋肉量・筋力
イリシンは筋肉量、筋力、代謝と正の関連がある。空腹時血糖症とは負の関連があった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24297848/
HIIT
pdfs.semanticscholar.org/c06e/5613b89ba4a4c22593f3fe4836e2635bd7f6.pdf
持久トレーニング + 高強度
17人の肥満成人の、自転車、ウォーキング、ランニング、ダンス、球技、筋力トレなど持久トレーニングと高強度トレーニングを組み合わせた8週間のプログラム
コールドシャワー(寒冷曝露)
被験者への冷水による寒冷曝露は、イリシン分泌を増加させた。分泌量は震えの強さに比例して増加しており、運動刺激による分泌量と類似していた。
www.nih.gov/news-events/nih-research-matters/shivering-triggers-brown-fat-produce-heat-burn-calories
栄養化合物
運動後のタウリン
タウリンの補給は、肥満女性の高強度の身体トレーニングの後、イリシンのレベルを増加させる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31226435
ビタミンD
肥満患者の血清ビタミンDレベルとイリシンレベルには関連性がある。インスリン抵抗性のために代償応答によってイリシンが排出されている可能性がある。
www.clin-lab-publications.com/article/2876
運動とビタミンD
運動とビタミンDの補給は、糖尿病ラットの血清イリシンレベルと脂質プロファイルを改善した。
zumj.journals.ekb.eg/article_42515.html
ハーブ・漢方
ウルソール酸
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5928337/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4211129/
イカリイン(Horny Goat Weed)
イカリインは、AMPK経路を介してイリシン/FNDC5発現を誘導する。in vitro
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31055234
アピゲニン
パセリやセロリなどに含まれる天然のフラボンアピゲニンは、トレッドミルマウスのイリシンを増加させFNDC5のmRNA発現をアップレギュレートさせた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5667963/
栄養化合物
オメガ3脂肪酸
二重盲検無作為化プラセボ対照試験 1日3回1250mgのn-3 PUFA補給は、糖尿病患者の血清イリシンレベルの上昇が示された。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5554612/
ビタミンA誘導体(レチノイン酸)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29587291
薬剤・ホルモン
エストロゲン
安静時のイリシンレベルには性差がある可能性があり、女性でより高いイリシンレベルが報告されている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24915120/
卵巣切除手術によるイリシンレベルの低下の発見は、17βエストラジオールとイリシンの間に正の関連性があることが示唆される。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5069305/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23018146/
成長ホルモン
www.endocrine-abstracts.org/ea/0037/eposters/ea0037ep344_eposter.pdf
フェノフィブラート
pdfs.semanticscholar.org/6b3b/d5f95fc7cc03700d99c47e2dff3da6411b7a.pdf
pdfs.semanticscholar.org/86ac/4f4b20ea9e00a2e6f840854b0db386ade360.pdf
メトホルミン
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31139382
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25675380
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31121610
イリシン低下要因
カロリー制限・絶食
www.nature.com/articles/srep29898
睡眠時無呼吸症候群
www.ijcem.com/files/ijcem0014306.pdf
respiratory-research.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12931-019-1033-y
低酸素(高地登山)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28732027