ヒートショックプロテイン(分子シャペロン)神経変性疾患

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シャペロンシステム・シャペロノロジー

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ヒートショックプロテイン(分子シャペロン)

HSP70の抗アルツハイマー病作用 30の活性方法

神経変性疾患の治療標的HSP90 16のHSP90阻害剤

ミトコンドリア熱ショックタンパク質 HSP60

低分子量HSP(スモールヒートショックプロテイン)

概要

シャペロンシステム

シャペロンとは、変性状態のタンパク質を正しく折りたたむことで正常に機能させるサポートを行うタンパク質の総称。

シャペロンシステムの概念には、分子シャペロン、コシャペロン、補因子が含まれ、これらのシステムを研究する科学分野をシャペロノロジー(chaperonology)と呼ばれる。

最近の研究により、分子シャペロンは、免疫系の調節、アポトーシス、発がんの促進など、シャペロン以外の役割をもつことが示されている。

熱ショックタンパク質(HSP)

多くの熱ショックタンパク質(HSP)は、他のタンパク質の生合成、折り畳み/展開、輸送、および集合において重要な役割を果たし、分子シャペロンとして機能する。

Proteomic data from human cell cultures refine mechanisms of chaperone-mediated protein homeostasis. - PubMed - NCBI
Cell Stress Chaperones. 2013 Sep;18(5):591-605. doi: 10.1007/s12192-013-0413-3. Epub 2013 Feb 21. Research Support, Non-U.S. Gov't

HSPは、熱によるショックによって発現が誘導される分子グループとして最初に発見された

HSPは進化的に保存されており、すべての生物および細胞タイプに見られる。

熱ショックという名前であるにも関わらず、HSPは低酸素症、虚血、重金属、エタノール、感染症などのさまざまなストレッサーやいくつかの疾患によっても誘発されることが多くの証拠によって証明されている。

Sick chaperones, cellular stress, and disease. - PubMed - NCBI
N Engl J Med. 2005 Oct 6;353(14):1489-501. Review

 

すべてのシャペロン遺伝子が熱によって誘導されるわけではないため、分子シャペロンとHSPはイコールでは結ばれない。

また、熱ショック遺伝子によってコードされていない、多くのヒト遺伝子も熱によって誘導される。(例、アルファヘモグロビン安定化熱ショックタンパク質)

シャペロノパシー

シャペロンシステムは、ヒト細胞の抗ストレスメカニズムの主要なコンポーネントであり、細胞のホメオスタシスに重要な役割を果たしている。

その機能不全はいくつかのヒト障害の病因因子として実証されており、シャペロノパシーとして知られている。

 

研究当初シャペロンは、熱ショック、化学的損傷、pHまたは浸透圧の急激な変化、炎症、虚血、低酸素など、細菌、古細菌、真核生物などのストレッサーに対して細胞を保護するる防御機構の一部とみなされていた。

Heat shock proteins and cardiac protection. - PubMed - NCBI
Cardiovasc Res. 2001 Sep;51(4):637-46. Research Support, Non-U.S. Gov't; Review

しかし、時間の経過とともに、さまざまな病理学的状態がシャペロンの障害または機能不全に関連しているようであることが発見されてきた。

Sick chaperones, cellular stress, and disease. - PubMed - NCBI
N Engl J Med. 2005 Oct 6;353(14):1489-501. Review

シャペロンは細胞損傷、組織異常、疾患を引き起こすメカニズムの中心にある可能性が示されてきたことから、シャペロンを標的とした治療開発を行う必要性も認識され始めた。

Chaperonopathies and chaperonotherapy
The study of molecular chaperones (genetics, structure, location, physiology, pathology, and therapeutics) has developed into a science with specific …
ネガティブシャペロン療法

シャペロンが主要な病因の因子であり、その活性を阻害する治療方法をネガティブシャペロン療法と呼ぶことがある。

反対に、シャペロンを活性する場合はポジティブシャペロン療法と呼ぶ。

Hsp60 chaperonopathies and chaperonotherapy: targets and agents. - PubMed - NCBI
Expert Opin Ther Targets. 2014 Feb;18(2):185-208. doi: 10.1517/14728222.2014.856417. Epub 2013 Nov 29. Research Support, Non-U.S. Gov't; Review

HSP サブタイプ

Hspは分子量により分類されている。

HSP27

主な機能は心臓の修復

HSP40

Hsp70の補助因子。

HSP60

通常はミトコンドリアと細胞質に局在し、ストレスがかかると変性タンパク質を修復する。

HSP70

最も豊富にあるHSP、ストレスの多い状況でタンパク質の折りたたみ、組み立て、修飾を仲介する。

HSP90

細胞内タンパク質の構成を維持する。ステロイド受容体と転写因子の維持。

Hsp110

極端な温度に対して細胞に熱耐性を与える。

アルツハイマー病

シャペロンは、アミロイド凝集体の毒性による酸化ストレスから保護するために、アミロイドの増加と損傷に対し著しく発現を増加させ神経保護作用を発揮する。

Modulation of neurodegeneration by molecular chaperones. - PubMed - NCBI
Nat Rev Neurosci. 2005 Jan;6(1):11-22. Research Support, Non-U.S. Gov't; Research Support, U.S. Gov't, P.H.S.; Review

シャペロン活性を持つHSPには、HSP60、HSP70、HSP90、HSP100、sHSPなどがあり、さまざまなシャペロングループに属している。(機能的には大きく3つのグループに分けられる)

Flexible nets of malleable guardians: intrinsically disordered chaperones in neurodegenerative diseases. - PubMed - NCBI
Chem Rev. 2011 Feb 9;111(2):1134-66. doi: 10.1021/cr100186d. Epub 2010 Nov 18. Research Support, N.I.H., Extramural; Research Support, Non-U.S. Gov't; Research...

アミロイド

HSP70の増加

アルツハイマー病患者の脳では、HSP70の発現レベルの増加が報告されており、アミロイドβに対する神経保護応答に関与する。

Heat shock protein 70 participates in the neuroprotective response to intracellularly expressed beta-amyloid in neurons. - PubMed - NCBI
J Neurosci. 2004 Feb 18;24(7):1700-6. Research Support, U.S. Gov't, P.H.S.
TGFβ1の媒介

HSP70レベルの増加は、アミロイドβ分解を促進する酵素TGFβ1発現の増加と関連している可能性がある。

Suppression of Alzheimer's disease-related phenotypes by expression of heat shock protein 70 in mice. - PubMed - NCBI
J Neurosci. 2011 Apr 6;31(14):5225-34. doi: 10.1523/JNEUROSCI.5478-10.2011. Research Support, Non-U.S. Gov't
HSP104

HSP104はアミロイドβ42プラークは分解できないが、Aβ42のアミロイド形成を強く阻害するようであり、パーキンソン病に関連するα-シヌクレインオリゴマーおよび線維の形成を阻害および逆転させることから、HSP104を治療薬として使用する方法を開発する期待が高まっている。

Applying Hsp104 to protein-misfolding disorders. - PubMed - NCBI
Biochem Cell Biol. 2010 Feb;88(1):1-13. doi: 10.1139/o09-121. Research Support, N.I.H., Extramural; Research Support, Non-U.S. Gov't; Review

タウ

シャペロンとUPSのクロストーク

分子シャペロンとユビキチン-プロテアソーム系の間のクロストークは、タウ沈着メカニズムにおいて重要であると考えられてきた。

Modulation of neurodegeneration by molecular chaperones. - PubMed - NCBI
Nat Rev Neurosci. 2005 Jan;6(1):11-22. Research Support, Non-U.S. Gov't; Research Support, U.S. Gov't, P.H.S.; Review
シャペロンによるタウ凝集の阻害

試験管研究においてタウタンパク質とHSP70およびHSP90との相互作用が示されており、これらのシャペロンは、タウタンパク質の可溶性かつ機能的な立体構造を維持することでタウの凝集を防ぐことが示唆されている。

Chaperones increase association of tau protein with microtubules
Molecular chaperones and their functions in protein folding have been implicated in several neurodegenerative diseases, including Parkinson's disease and Huntin...
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