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HSP70の抗アルツハイマー病作用と30の活性方法 

Hsp70とアルツハイマー病

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関連記事

ヒートショックプロテイン(分子シャペロン)

HSP70の抗アルツハイマー病作用 30の活性方法

神経変性疾患の治療標的HSP90 16のHSP90阻害剤

ミトコンドリア熱ショックタンパク質 HSP60

低分子量HSP(スモールヒートショックプロテイン)

概要

HSP70は、ストレスから細胞を保護するために、さまざまなストレスに反応してタンパク質の凝集を防いだり折りたたみ機能を改善するタンパク質。

HSP70ファミリーは、主にタンパク質が生体膜を透過する際に穴を通りやすくするためにアンフォールディング(折りたたみの解除)に関与する。

HSP70シャペロンは、核、細胞質、ミトコンドリア、小胞体を含むほとんどの細胞コンパートメントに見られる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28559789/

さまざまなストレスによって増加するHSP70

Hsp70ファミリーメンバーは熱以外にも、虚血、重金属、栄養欠乏、水分不足、紫外線、感染、炎症、有機物や酸化剤など毒素への曝露等多くのストレス要因で増加する。

特にヒ素、カドミウム、銅、水銀などの重金属によって非常に強くアップレギュレーションを示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4837186/

HSP70ファミリーのアイソフォーム

Hsp70ファミリーは17個の遺伝子によってコードされており、ストレスによって引き起こされる誘導型と、ストレスがなくても存在する常時型が存在する。

・HSC70(HSP73/HSPA8)安静時にも発現

・HSP72(HSPA1A/HSPA1B)熱や酸化ストレスなどにより発現する誘導型

HSP70-2 脳と精巣で高度に存在し、腫瘍において過剰発現が認められる。

HSP70-5 神経変性疾患において関連性がある可能性。

mtHsp70(GRP75) ミトコンドリアHSP

HSP40 HSP70のコシャペロン(補助因子)として働く。

アンフォールディングシャペロン

HSP70はタンパク質の折りたたみと折りたたみの解除の両方を行うが、本質的にはタンパク質のアンフォールディングマシンとして機能する。

Hsc70は、ATPに依存したメカニズムによって(HSP90とは異なる)HSPと相互作用する(クライアント)タンパク質の折りたたみをサポートし、フォールディングされていないタンパク質の凝集を防ぐ。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3670260/

Hsp70は補助因子であるコシャペロンHsp40と結合し、さまざまな細胞区画でHsp90と協同で作用する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29930205/

Hsc70

Hsc70とHsp70

ヒトHsc70とヒトHsp70には、85%の相同性がある。

Hsp70とHsc70は同じ細胞の役割を担っていると長い間想定してきたが、現在ではこの仮定は不完全であることが判明している。

Hsc70は、標準的な熱ショックタンパク質とは異なり、熱ストレスのない通常の条件下でも発現しシャペロンとしての機能を実行する。

Hscは、タンパク質のユビキチン化や分解などの通常の細胞プロセスに関連する機能を実行する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26010904

HSP70と疾患

アポトーシスへの抵抗性

アポトーシスを誘導する薬剤に対して、Hsp70レベルのダウンレギュレーションは感受性を高め、反対にHsp70の過剰発現はアポトーシス誘導剤に対する抵抗性を決定することができる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24173532/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24729093/

腫瘍の促進

Hsp70レベルはさまざまな種類の腫瘍で増加し、乳がんおよび子宮内膜がんの予後不良と関連している。Hsp70は乳癌の細胞増殖と化学療法(抗がん剤)に対する耐性を増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24307543/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27658496/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23563090/

自然免疫応答の活性

Hsp70は、自然免疫と適応免疫の両方を刺激することにより、免疫応答の活性化を引き起こすことができる。

Hsp70は、エキソソーム経路を含む異常なタンパク質分泌経路を介して、さまざまなタイプの細胞から積極的に分泌される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16116176/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15958569/

糖尿病・インスリン抵抗性

HSP70は加齢に伴うサルのインスリン変化と関連しており、高いHSP70は健康な高齢者のインスリン抵抗性に対して保護効果をもつ。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24532784

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11916932/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12941774/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4216407/

HSP72は、肥満によるインスリン抵抗性を防ぐ

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18223156/

抗酸化活性

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17915557

アルツハイマー病

小胞体・HSP70-5

パーキンソン病、アルツハイマー病、などの神経変性障害では小胞体に常駐するHsp70-5レベルが変化していることが多くの証拠によって示されている。

これらの障害は小胞体ストレスによるUPRの活性化が関連していると考えられている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20368688/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23074209/

HSP70-5の機能喪失

HSP70-5の機能喪失が、パーキンソン病、アルツハイマー病、および加齢黄斑変性を含む多くの加齢性神経変性障害の素因となる可能性があるかどうか提起されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16720739/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17996725/

アミロイドβ・オリゴマーの阻害

マウスのHSP70の過剰発現は、アミロイドβオリゴマーの阻害とアミロイドβの食作用により細胞保護効果を発揮する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21471357/

アミロイドオリゴマー凝集阻害

自然に折りたたまれたアミロイドオリゴマーは、シャペロンタンパク質HSP70によって凝集を阻害するように進化上できているようである。

しかし、ヒトの長寿命化などいくつかの条件によって生じたアミロイドオリゴマーの多種多様性によって、そのタンパク質凝集を抑制するための生体システムから逸脱してしまっているのかもしれない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2528939/

プロテアソームを介したアミロイドとタウの分解

Hsp70はプロテアソーム系を介してタウおよびアミロイドβオリゴマーを分解する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25386560/

HSPがアミロイドβ凝集を阻害するメカニズムは2つ提案されている。

1.シャペロンはミスフォールディングされたアミロイドをATPに依存しない方法で結合し、凝集を防ぐ。

2.シャペロンはATP依存的にアミロイドβと結合し、アミロイドβの立体構造を凝集しにくいいものに変化させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16973602/

タウの分解

Hsp70を含むシャペロンタンパク質は、異常タウに直接結合し、分解と脱リン酸化を促進することで濃度を低下させることができる。

図2

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28559789/

IDE・TGF-β1活性によるアミロイドβクリアランス

HSP70はIDE発現、TGF-β1刺激を介してアミロイドβクリアランスを促進

抗アポトーシス

HSP70はApaf-1カスパーゼ依存性およびAIFカスパーゼ非依存性経路の両方を調節することでアポトーシスを減弱させ、神経細胞死を抑制することを示す。

ALS

二重盲検無作為化プラセボ対照試験ALS患者へのアリモクロモール(HSP誘導剤)投与

clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00706147

アリモクロモール200mg tid 12ヶ月の投与は、安全性かつ忍容性が高い。プラセボ郡と統計的に有意な違いは示さなかったが、臨床的には意味のある差が見いだせた。

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はNEUROLOGY2017818120FF2.jpgです。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5818014/

Hsc70とHsp72の異なるタウへの作用

HSP70タンパク質はタウ分解の加速と減速の両方を引き起こすとも考えられている。

Hsc70とHsp72には、相対的な発現レベル、タウの親和性、およびC末端相互作用ドメインによって駆動されるタウに対する反対の効果があることがわかった。

HSP72は熱ショック同族の70(HSC70)と比較してタウに対する親和性が高いことが示されている。ただし、脳組織ではHSC70がHSP72よりも豊富。

Hsc70およびHsp72のC末端のダイナミクスがタウの分解の加速または減速するために不可欠であることを示唆している。

アルツハイマー病ではHsp72レベルが誘導されないこともわかった。

Hsp72レベルは、疾患初期に上昇する可能性があるが、その後、慢性的なタンパク質毒性ストレスのために、時間とともに減衰してベースラインレベルに戻る。

したがって、HSC70の増加はタウのクリアランスが遅くなる可能性が高くなる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23271055

HSP70の治療戦略

HSP70を内因的に誘導
  • エストロゲンがストレス条件下でHSP70の発現を促進する可能性がある。
  • GGA(テプレノン)
  • クルクミン
  • セラストロール
HSP70を外因的に投与

Hsp70を鼻腔から投与

HSP70のATPアーゼ利用を阻害

メチレンブルーはATPアーゼの阻害剤

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4241292/

HSP70変異体を制御する

HSP72を増やしHSC70を阻害する。

※HSP70変異体はタウクリアランスを促進する一方、構造的に不安定なタウを温存し病原性を促進する。

HSP72の促進・HSP70の阻害

Hsp70ファミリー変異体の不均衡は、タウの蓄積を促進する。

タウの存在下ではHsp70ではなくHsp72が、タウのユビキチン化を促進する。

Hsp72発現を促進しHsc70を阻害することで、タウオパチー治療に寄与しうる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23271055/

HSP70の阻害要因

肥満

肥満は加熱に対するHSP70の応答障害と関連する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5605168/

高脂肪食

高脂肪食による肥満はHSP発現を低下させる可能性があり、HSP発現を増加させることは、高脂肪食による肥満によって引き起こされる細胞損傷を緩和し、インスリン感受性を高目、炎症を軽減する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6024325/

低い有酸素運動能力

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27554472/

銅欠乏

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8299895

ケルセチン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24530315/

HSP70の活性

ライフスタイル

熱誘導によるHsp70シャペロン増加は、細胞内の亜鉛利用能と強く相関

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18304769

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3418130/

サウナ

サウナなどの急性的な加熱を利用したHSP70の増加による健康享受は、運動を行わない個人の代替的ツールとなるかもしれない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5605168/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5605168/

マイルド加温療法

www.youko-itoh-hsp.com/hsp%E3%81%A8%E3%81%AF/

運動

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10519062

www.fightaging.org/archives/2009/09/heat-shock-proteins-and-exercise-in-humans/

睡眠

睡眠不足は、ヒートショックプロテインの著しい減少にむすびつく可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12535952

食事制限

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9751432

カロリー制限

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22778258

食事

スルフォラファン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3302153/

ブルーベリー

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15869824

オリーブオイル

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3594257/

牛の初乳

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21148400

ニンニク(アリシン)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27573340

チアシード

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25837222

ホエイプロテイン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28326005/

www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0963996916300679?via%3Dihub

プロバイオティクス(ラクトバチルスGG)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16306130/

ハーブ

クルクミン

クルクミンは、Fyn抑制によるHSP90阻害を介してその神経保護効果の一部を発揮している可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25386560/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23264626/

ペオニフロリン(芍薬)

培養した哺乳動物細胞においてHsp70、Hsp40、Hsp27を誘導

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15633296

レスベラトロール

マウスへのレスベラトロール注入は、Hsp25およびHsp70を上昇させ、熱ショック因子1(HSF1)のアセチル化を減少させた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23000195

ヤマブシタケ

ヘリシウム・エリナセウス(ヤマブシタケ)がラットのHsp70をアップレギュレーションさせ胃粘膜を保護した。

www.hindawi.com/journals/ecam/2013/492976/

イチョウ葉抽出物
ライオンズメーン(ヤマブシタケ)

www.hindawi.com/journals/ecam/2013/492976/

セラストロール

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22865541/

緑茶エキス

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16982771

プロポリス

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27044811/

ミリセチン

ATPase活性を最大で75%抑制

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21338918

栄養化合物・ホルモン

グルタミン

グルタミン投与はHsp70発現の誘導に部分的に関与する。ラット

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19712257/

敗血症および肺損傷に対するグルタミンの保護は、熱ショックタンパク質70の発現に依存する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17234954/

グルタミンの保護作用は用量依存的

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19837405/

L-スレオニン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24103518/

亜鉛

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18304769

エストロゲン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15725946/

薬剤

テプレノン(セルベックス)GGA
ゲラニルゲラニルアセトン/geranylgeranylacetone (GGA)

www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0304394005013819?via%3Dihub

GGAは、哺乳動物Hsp70-1の発現を誘導する

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8690199/

GGAの経口投与はAPP23マウスのHSP70レベルを有意に増加させ、アミロイドβ、アミロイドβプラーク沈着、シナプス喪失のレベルの低下させ認知機能の改善を示した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24098472/

経口投与されたGGAのすべての用量(200、400、800 mg / kg /日)は、APPマウスモデルの認知障害を有意に改善しアミロイドβレベルの低下を示した。

また、GGA治療は、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1(LRP-1)のレベルを増加させ、炎症性サイトカイン(腫瘍壊死因子-α、IL-1β、シクロオキシゲナーゼ-2)レベルを有意に減少させた。

HSP70阻害剤であるケルセチン投与は、ERK/p38 MAPKのリン酸化が促進され大幅に低下した。(24時間の促進と、48~96時間のの抑制の二相性を示す)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29285052/

GGAはHSC70のC末端に優先的に結合しHSF-1を解離させる。放出されたHSF-1はリン酸化および活性化され、熱誘導性HSP70遺伝子の熱ショックエレメント(HSE)と結合することが可能となりHSP70発現の誘導をもたらす。

www.nature.com/articles/srep13738

GGAはHsp90発現を誘導しeNOSを活性化させた。ラットの脳虚血および再灌流による神経機能異常、脳浮腫、炎症、酸化的損傷、認識機能障害は、用量依存的にGGAにより有意に逆転した。

www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/ATVBAHA.111.237263

メチレンブルー

メチレンブルー、およびアズールCは、Hsp70のATPアーゼ機能の阻害を介して総タウおよびリン酸化タウのレベルを低下させることができる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22361619/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20523917/

バルプロ酸

バルプロ酸 Hsp70誘導、抗アポトーシスによる神経保護効果

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16313906/

アリモクロモル

アリモクロモールは、血液脳関門を効率的に透過し、小胞体常駐型HSP70関連のHSPを誘導することで、リソソーム蓄積症(ゴーシェ病)のグルコセレブロシダーゼのリフォールディング、成熟、およびリソソーム活性を改善する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6306395/

ゲルダナマイシン

ゲルダナマイシンはHSP70を誘導、神経原線維変化の形成を抑制することでタウの凝集を抑制した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12522269/

HSP70の外因的投与

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23985416/