ヒートショックプロテイン/HSP(神経変性疾患)覚書

シャペロン系 

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レビーにおいて、αシヌクレインの過剰発現による毒性をHSPが防御する。

HSP70 のmRNAはレビーにおいて増加したが、HSP90およびHDJ1についてのmRNAは変化しなかった。

散発的なレビーはαシヌクレインの毒性過剰発現と関連していない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16319716

Hsp70、Hsp90はATP依存性、APP代謝に関与。

シャペロンとUPSは通常、分解されたタンパク質を除去するために協調して働く。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18604452/

Hsp70

Hsp70は感染症、炎症、紫外線、毒素への曝露、飢餓、低酸素、水分不足等多くのストレス要因で増加する。

睡眠不足は、ヒートショックプロテインの著しい減少にむすびつく可能性がある。


アルツハイマー病におけるヒートショックプロテイン70(Hsp70)

神経変性疾患におけるHSP70の有益性

・HSP70はアミロイドβを凝集抑制、オリゴマーを改変

・HSP70はIDE発現、TGF-β1刺激を介してアミロイドβクリアランスを促進

・HSP70はタウ凝集を直接阻害し、UPS分解を助けタウホメオスタシスに劇的な影響を与える。

・HSP70はApaf-1カスパーゼ依存性およびAIFカスパーゼ非依存性経路の両方を調節することでアポトーシスを減弱させ、神経細胞死を抑制することを示す。

HSP70の治療戦略

HSP70を内因的に誘導

エストロゲンがストレス条件下でHSP70の発現を促進する可能性がある。

GGA(テプレノン)

クルクミン

セラストロール

HSP70を外因的に投与

Hsp70を鼻腔から投与

HSP70変異体を制御する

> HSP72を増やしHSC70を阻害する。

※HSP70変異体はタウクリアランスを促進する一方、構造的に不安定なタウを温存し病原性を促進する。

HSP70のATPアーゼ利用を阻害

メチレンブルーはATPアーゼの阻害剤

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4241292/


Hsp70ファミリー変異体の不均衡は、タウの蓄積を促進する。

タウの存在下ではHsp70ではなくHsp72が、タウのユビキチン化を促進する。

Hsp72発現を促進しHsc70を阻害することで、タウオパチー治療に寄与しうる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23271055/

Hsp70誘導剤

ペオニフロリン(芍薬)

培養した哺乳動物細胞においてHsp70、Hsp40、Hsp27を誘導

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15633296

グルタミン

グルタミン投与はHsp70発現の誘導に部分的に関与する。ラット

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19712257/

熱誘導によるHsp70シャペロン増加は、細胞内の亜鉛利用能と強く相関

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18304769

レスベラトロール

マウスへのレスベラトロール注入は、Hsp25およびHsp70を上昇させ、熱ショック因子1(HSF1)のアセチル化を減少させた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23000195

ヤマブシタケ

ヘリシウム・エリナセウス(ヤマブシタケ)がラットのHsp70をアップレギュレーションさせ胃粘膜を保護した。

www.hindawi.com/journals/ecam/2013/492976/

バルプロ酸

バルプロ酸 Hsp70誘導、抗アポトーシスによる神経保護効果

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16313906/

HSP90

Hsp90阻害

Hsp90阻害によるアルツハイマー病治療の二重治療アプローチ

・異常ニューロンタンパク質活性を減少させ、過剰リン酸化、凝集を改善。

・hsp90はHSF-1を強く制御する。>Hsp70誘導

Aktタウのリン酸化の原因であるGSK3のβ、CDK5はHsp90の依存性基質

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はBMRI2014-796869.001.jpg

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4211323/


アルツハイマー病バイオマーカーとしてのHsp90

MCI、若年性アルツハイマー病、老年性アルツハイマー病患者では、健常者と比較して有意にHsp90が低い

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23948885/


シャペロン依存性神経変性疾患へのHsp90阻害剤による治療の展望

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25258700


Hsp70の活性とHsp90抑制の二重標的、併用療法による膀胱癌治療への相乗効果

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4055347/


Hsp90阻害剤は、突然変異によって起きるニューロンの軸索成長の遅延を回復させる。パーキンソン病治療薬の潜在的な可能性

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18367605/


Hsp90シャペロンネットワークは、多くのタンパク質神経変性疾患を促進すると思われる。

Hsp70発現を増大化させHsp90を阻害する組み合わせ作用が、治療効果を最大化させることを示唆する。(Hsp70は熱ショックによる応答によって大きく増加)

Hsp阻害剤はHSF-1活性および、Hsp70の誘発から生じる間接的保護効果

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4172285/


神経変性疾患におけるシャペロン活性の調節不全。

Hsp70アップレギュレーションおよび、hsp90阻害の両方を行うことにより哺乳動物のタンパク質凝集及び毒性を低下させる。

www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2017.00254/full


若年者と比較して、高齢者ではFKBP51が海馬、嗅内皮質で3~4倍発現している。

Hsp90とFKBP51と組み合わさってタウを毒性の高い可溶性タウオリゴマーに変える可能性。

FKBP51遺伝子を欠損させたマウスは健康である。

FKBP51阻害剤またはHsp90とFKBP51との相互作用を弱めるアルツハイマー病の治療戦略が考えられる。

dislocon.blog.fc2.com/blog-entry-494.html?sp

HSP90阻害剤候補

en.wikipedia.org/wiki/Hsp90_inhibitor

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2659174/

ゲルダナマイシン Geldanamycin

ベンゾキノンアンサマイシン系の抗生物質

強いHsp90阻害作用 しかし高い肝毒性のため臨床応用には適さない。

40mg/m2

17-N-Allylamino-17-demethoxygeldanamycin(17AAG)

ゲルダナマイシンの半合成誘導体、ゲルダナマイシンよりも毒性が低い。

ラディシコール Radicicol

Hsp90の最も強力な天然生成物阻害剤

機序的に発がん作用の可能性、インビボでの発がん活性は示されていない。

ポコニン Pochonin

ポコニンAおよびDは、Hsp90を直接阻害することが示されている

ノボビオシン Novobiocin(albamycin、cathomycin)

抗癌特性もち長年診療所で用いられている抗生物質

ブドウ球菌などのグラム陽性菌および一部のグラム陰性菌に有効

ハービマイシン Herbimycin

除草剤から見つかったベンゾキノンアンサマイシン系の抗生物質

クメルマイシンA1

ノボビオシンと同じくクマリン系抗生物質

タキソール
イチイの樹皮から取れる化合物、
紀元前からアメリカ先住民で消毒薬、皮膚癌の治療薬として利用されてきた。

臨床的に20年以上にわたって使用されている。

現在パクリタキセルという抗がん薬として世界各国で使用されている。

デラボン Derrubone

インドの樹木(Derris robusta)から単離されたプレニル化イソフラボン

ゲドニン gedunin

インドのニームの木から単離されたアザデラクタインディカ

hsp70をわずかに誘導

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23355466

エピガロカテキンガレート(EGCG)

緑茶のポリフェノール抽出物

HSP90だけでなくHSP70の発現を阻害してしまう。

EGCGは、Hsp90に直接結合し、Hsp90複合体を安定化させることができる。

パーキンソン病におけるミクログリア媒介性のドーパミン作動性ニューロン損傷を緩和として使用可能。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15794642/

セラストロール Celastroltripterine

中国の植物Tripterygium wilfordii Hook F(TWHF)中国名・雷公籐/lei gong teng/Demethylzeylasteralから単離されたキノンメチドトリテルペンニシキギ科植物のファミリーに属するキノンメチド。

en.wikipedia.org/wiki/Tripterygium_wilfordii


抗リウマチ薬として使用されてきた。

ATP結合を阻害することなくHsp90 ATPアーゼ活性を阻害する。

セラスロトールはHsp70発現を誘導する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2790967/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29274099

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18202019


セラスロトールはプロテアソーム活性を阻害

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20188206


セラストロールはインビボで、NF-κB活性化を強力に抑制、BACE-1発現を阻害、アミロイドβの阻害作用、慢性的な投与によりアミロイドβ班の負荷を緩和しミクログリア活性化が低下した。

Hsp90阻害はAPPプロセシングBACE1発現には影響しない。

セラスロトールはHsp90ではなくcdc37と直接相互作用し、複合体の形成防止によりNF-κB活性化を阻害 > BACE1発現の調整 > アミロイドβ産生の阻害

jneuroinflammation.biomedcentral.com/articles/10.1186/1742-2094-7-17

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2841120/

10~30mg/日? 栽培雷公籐(セラストロール0.4%)

ガンボゲン酸 Gambogic acid

ガルシニア・ハーベリー(Garcinia harburyi)からの抽出液

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21486005

kongensin A

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27028885

ファルカリノール/Panaxynol(田七人参)

伝統的な漢方薬、田七人参に含まれるサポニンの一種、BBBを通過

Hsp70発現は誘導しない。

ベルベリン

ベルベリンはHsp70、90を阻害

journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0054234

sphinxsai.com/2015/ch_vol7_no5/1/(2130-2132)V7N5.pdf


www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2659174/

sHSP(スモールヒートショックプロテイン)

分子量12-43kDa

ATPに依存しない。

sHSPの働きは従来の見解と異なり多面的であることがわかってきている。

sHSPは、抗炎症性、抗血栓性、免疫調節性をもつ。

sHSPの突然変異はミオパシー、神経障害、白内障をもたらし、その発現においてアルツハイマー病、パーキンソン病、ガンなどの疾患において調節される。

sHSPであるHsp20、Hsp22、Hsp27、αB-c(αB-クリスタリン)に神経保護機能の証拠がいくつかある。

発現の増強が治療介入の標的となりうる。

シャペロンタンパク質は、細胞内のαシヌクレイン凝集を素材するのに利用できるが、特定の状況下ではそれらの蓄積を防止できず、αシヌクレイノパチーの一部となりうる。

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925443914002014

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925443914002014

Hsp20

アミロイドβペプチドの凝集を阻害

血管新生

Hsp22(HspB8)

αシヌクレインの変異体を弱く一時的であるが、特異的に結合する。

Bag3と協調してマクロオートファジーの誘導を介し突然変異ハンチントンタンパク質の分解を促進。

アミロイドβペプチドの凝集を阻害

高血小板凝集

αB-c(αB-クリスタリン)

αシヌクレイン凝集形成を阻害、フィブリルの数が大幅に減少、

αシヌクレイン凝集を抑制するαB-cの能力は温度とともに上昇する。

αシヌクレインモノマートへの作用は弱く一過的。

野生型アミロイドβに結合

アミロイドβオリゴマー種に結合してフィブリルへの増殖を防止する。

高血小板凝集、VEGF分泌、血管新生

Hsp22、αB-cとも神経学的ストレスに応答して高度に誘導される。

プロテアソームの分解のために嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節タンパク質をミスフォールディングすることを標的とする。

αB-cは多発性硬化症病変にもっとも多く存在する。

炎症性サイトカインの分泌を制限し、抗炎症性サイトカインの分泌を増加させる。

その多くが温度感受性、23、37、42℃ 温度依存性結合によって抗炎症効果を示す。

αB-cは、リン酸化依存的にNF-κBの活性化を促進、TNF-α誘導性細胞死を防ぐ。

αBクリスタリンの細胞保護的役割の模式図

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1570963914003355?via%3Dihub

Hsp27

強力な神経保護効果、

ドーパミン作動性ニューロンをαシヌクレイン毒性から保護する。

sHspのうちWTα-シヌクレインのフィブリル形成を阻害するのに最も効果的

免疫調節、抗炎症機能、血管新生

アミロイドβペプチドの繊維形成を阻止することはできない。

二価の銅と結合、Hsp27の過剰発現は二価の銅による誘導細胞死から保護する。

異常なCu2 +細胞におけるsHspの保護的役割の模式図

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1570963914003355

Hsp27の高発現は、いくつかの原発腫瘍の攻撃性および乳癌細胞の骨転移能と相関。

樹状細胞成熟へのHsp27誘導性阻害は、癌細胞による免疫応答の回避を促進することができる。

Hsp27阻害剤

レスベラトロール

イチョウ葉抽出物

ケルセチンはHspをダウンレギュレートする。

www.jbc.org/content/280/39/33097

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