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海馬神経細胞 非薬物療法
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海馬神経細胞を活性または再生させる可能性があるかもと思った非薬物療法を選別せずに羅列している。
運動
有酸素運動は海馬の体積を増加させ、多発性硬化症患者の記憶を改善する。
週に3回、30分間のセッションを3ヶ月間行った。有酸素運動は、 海馬の体積が 16.5% 増加し、記憶が53.7%増加
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24090098
有酸素運動はMCIリスクを抱える女性高齢者の海馬容積を有意に増加させた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24711660
運動訓練は年齢による海馬容積の損失を1~2年分元に戻す。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21282661
高齢者の低強度の毎日の歩行は、海馬容積の大きさと関連している。
onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hipo.22397/abstract
健康な女性よりも、激しい運動をする神経性食欲不振の女性の海馬のサイズが大きい。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25624068
有酸素運動とヨガは、初期段階の精神病女性の神経性認知機能を改善する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27336050
6週間の有酸素運動でも、海馬は急速に増大する。有酸素運動をやめると海馬は6週間で元に戻る。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26654786
有酸素運動フィットネス、ダンスとフィットネス両方グループで主に海馬(左のCA1、CA2、海馬台)が増加した。ダンサーはさらに、左の歯状回と右の海馬体も増加した。さらにダンサーだけが、バランスの総合スコアの大幅な増加を達成した。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674488
マウス 運動によって歯状回神経前駆細胞を誘導するには、骨格筋繊維のVEGFが必要である。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28597506
マウス 運動による神経新生が必ずしも認知機能の強化につながるわけではない。→ 運動には空間認知などの認知活動が必要 → ランニングは空間認知活動でもあり、運動の生理学的な効果とは独自の働きをもつ。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28474795
夜明けに運動をするマウスに比べ、日中または夜間に運動するマウスの記憶機能が大きく改善。 概日リズムが記憶の機能の改善力に関係する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27915477
有酸素運動群は、左右の海馬の容積が一年後に1.97~2.12%増加した。ストレッチを行った対照群は1.4%~1.43%減少した。
BDNF濃度の高さが、海馬容積の高さ、記憶能力と関連する。
海馬容積と、空間的奥の改善には関連がある。
有酸素運動は前海馬のみに影響を及ぼし、後海馬、視床核、尾状核には影響しなかった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3041121/
深部刺激療法
未調査
迷走神経刺激
移植による迷走神経刺激(VNS)によって治療抵抗性うつ患者の海馬容積が有意に増加
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28658013
行動パターン・認知パターンを変える
メタアナリシス 神経新生は歯状回のパターン分離に関わっている。
行動パターンを分離することの神経新生研究には驚くほどの一貫性がある。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28597491
新しい経験を求める
新しい経験、刺激を求める性格の人間と、海馬容積は相関する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17603086
恐怖学習
正体不明の恐怖に対する予測
予測ができない、はっきりとしない恐怖などに対して、予測のヒントを見つけようと適応的に働く時,海馬歯状回の神経新生が関与する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28388632
瞑想
瞑想はMCIのデフォルトモードネットワークの機能的な接続を向上させる可能性がある。
瞑想により、MCIにおける海馬体積の萎縮を減少させる可能性がある。
瞑想は、認知症と関連する脳領域にポジティブな影響を与える可能性がある。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4022038/
瞑想のエキスパートは、対照群と比べ、内側頭葉および脳幹の後帯状皮質、側頭頂接合部、角状回、眼窩前頭皮質、海馬および伏在部で灰白質体積を増加させる。
瞑想を練習することによって、自己認識および自己調節を含む自己参照プロセスに関与する領域において、機能的および構造的な脳の変更を誘導することを示唆している。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4471247/
電気けいれん療法(ECT)
パイロット研究 電気けいれん療法は、治療に反応しないうつ病患者の海馬および扁桃体体積を増加させた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24090511
うつ病の高齢者への電気けいれん療法は、血清BDNFとは異なる経路で海馬の体積を増加させる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27272769
うつ病患者への電気けいれん療法により海馬容積が増加し、抗うつ効果をもった。可逆的でありフォロアップ期間中に海馬の増大は持続しなかった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23745780
電気刺激がラットの海馬神経新生を刺激、海馬ニューロンが長期にわたって生存
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27756104
ヨガ
6ヶ月間のヨガ
6ヶ月間のヨガ練習によって、高齢者の海馬が増加(通常、高齢者は1~2%海馬が減少する)、後頭皮質では変化が見られなかった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3768219/
鼻呼吸ヨガ
鼻呼吸を左右交互に行うヨガによって、空間記憶課題のスコアが上昇。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3410187/
その他
運動
脳の可塑性を高めることが、直接間接的に海馬神経新生を増強する可能性がある。運動が脳の可塑性を維持するための因子。
フラバノール食品
海馬機能を間接的に高める方法 フラバノール食品の消費。
抗うつ剤
5HTのような抗鬱剤も神経発生増強が照明されている。しかしアルツハイマー病において、このアプローチをとることはそれほど単純ではない。最近の研究では、背側海馬、腹側海馬が感情および報酬行動の調節機能をもつことがわかってきている。
メタアナリシスでは、SSRIとアルツハイマー病患者の認知能力向上には相関がないことが見出されている。
メトホルミン
メトホルミンも神経新生を増強し、MWMタスクにおける逆転学習においてマウスにおけるパフォーマンスを改善する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4828289/
海馬萎縮
宗教的要因
少数派の宗教
海馬の萎縮はおそらく、急性ストレスではなく、累積したストレスによって生じる可能性が高い。 新生プロテスタント、カソリック信者、宗教に所属していない者の海馬萎縮が、新生プロテスタントではない者に比べ海馬の萎縮が観察された。これは、少数派メンバーであることがストレスを蓄積させることにより生じている可能性が潜在的にある。
最近の研究では、その他の宗教的な少数派に属する者、(少数民族も宗教なども)ストレスを経験するかもしれないことが示されている。
より大きな海馬萎縮も、人生の変化や、宗教的経験と関連していることが判明した。
既存の認知的枠組みや宗教的信念の中で、解釈されにくい精神的な経験は、主観的にはポジティブなものであっても、潜在的にはストレスの蓄積を誘発する可能性がある。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3068149/
食生活による海馬萎縮
西洋型の食生活は、海馬の萎縮と関連している。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26349802
コーヒー
コーヒーの消費量が多いと、ラクナ梗塞の発生率は低下したが、海馬体積、記憶機能の低下も伴った。
content.iospress.com/articles/journal-of-alzheimers-disease/jad160116