全粒コーヒー果実抽出物のBDNF増強効果
概要
WCFCとは
コーヒー豆(種)が取り出された後のコーヒー果実(実)はこれまで特に価値がない不要なものとして捨てられていた。しかし、最近の科学的研究によってコーヒー果実には強力な抗酸化物質を含んでいることがわかってきた。
またWCFCは、認知機能に多大な影響をおよぼす脳由来神経栄養因子BDNFを強力に増加させることも証明されており、これは認知症患者さんにとっても大きな利益をもつ可能性がある。
有効成分プロシアニジン
コーヒー果実の抽出成分であるWCFCはポリフェノールなど多くの成分を含み、その中でもプロシアニジンがBDNFを劇的に高め脳の保護効果をもつことが研究によって示されている。
抽出方法への特許が取得されているため、入手経路が限られており比較的高額。
しかし、BDNFの増強効果が非常に高く、限られた証拠ではあるものの治療レベルの効果があるため、リコード法でも特にBDNFが低い患者さんへの摂取が推奨されている。
本格的な運動継続までのつなぎとして
BDNFは多くの要因で増加するがもっとも望ましいのは運動。特に有酸素運動はBDNFだけではなく多くの認知機能改善への恩恵を得ることができる。
そのため運動などが難しくBDNFが低いことが予想される認知症患者さんは、まずWCFCを3ヶ月間摂取してBDNFの遺伝子発現を高め、それまでに運動へと徐々に切り替えていくことが望ましい。(リコード法より)
BDNFが低いと予想される疾患・症状
- アルツハイマー病
- パーキンソン病
- 統合失調症
- うつ病・不安障害
- ハンチントン病
- PTSD
- 高齢者
- 睡眠不足
- 高いストレス
- 太陽を浴びない
- 運動不足
- 常に食べている(空腹時間が短い)
- 低い認知刺激、活動
- 毎日生活リズムが崩れている。
研究
WCFC100mgの投与によるBDNFの増加
プラセボ二重盲検ランダム化比較試験
コーヒー果実抽出物(WCFC)の100mgの投与は、投与後60分後に健常者の血漿BDNF濃度をベースラインから143%(2.4倍)増加させた。
グリーンコーヒーカフェインパウダーでは42%
ブドウ種子エキスパウダーでは30%の増加にとどまった。
クロロゲン酸、トリゴネリンはBDNFの顕著な増加には関与していない。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23312069
プロシアニジン
WCFCは、グリーンコーヒー、ブドウ種子エキスと比べて、プロシアニジンを豊富に含む。プロシアニジンは老齢ラットにおいてBDNFを活性化させることが示されている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20530246
おそらくプロシアニジンオリゴマーが、カフェインよりもBDNFレベルを増加させる能力を有する。
プロシアニジンを含むその他の食品・ハーブ類
- リンゴ(特にレッドデリシャス、グラニースミス)
- ピクノジェール
- シナモン
- アロニアベリー
- カカオ豆
- グレープ
- グレープシード
- グレープスキン
- 赤ワイン
- ビルベリー
- クランベリー
- スグリ
- 緑茶
- 紅茶
- アサイオイル
その他のBDNFの増加
運動によるBDNFの増加
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16213062
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15314244
カフェインによるBDNFの増加
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20493822
購入先
フューチャー・シューティカル
www.futureceuticals.com/organic-whole-food-powders-and-extracts
バレットプルーフコーヒー社のWCFC
一錠 200mg
www.bulletproof.com/products/neuromaster-30ct
フルーツグリーン
kate.fruitgreens.com/coffeeberry.html
アイハーブ
ガーデンオブライフ メモリー&フォーカス
※表記上抽出物ではない。