
英語タイトル:The Mercury Detoxification Manual:A Guide to Mercury Chelation
Rebecca Rust Lee and Andrew Hall Cutler PhD PE [2019]
日本語タイトル:水銀デトキシフィケーション・マニュアル:水銀キレーションガイド
レベッカ・ラスト・リー、アンドリュー・ホール・カトラー [2019]
https://note.com/alzhacker/n/ne005c75686d3
目次
- 序文・謝辞・なぜアンディは亡くなったのか / Preface, Acknowledgements, Why Did Andy Die?
- 序論 / Introduction
- 第1章 どこでどのように毒性物質にさらされるか / Chapter 1 Where and How People Get Toxic
- 第2章 水銀中毒とはどのようなものか / Chapter 2 What Mercury Poisoning Looks Like
- 第3章 その他の毒性金属 / Chapter 3 Other Toxic Metals
- 第4章 慢性水銀中毒の検査方法 / Chapter 4 How to Test for Chronic Mercury Poisoning
- 第5章 歯科治療:最大のハードル / Chapter 5 Dental Work:The Biggest Hurdle
- 第6章 キレーションの仕組みと注意点 / Chapter 6 The Ins and Outs of Chelation
- 第7章 アンディ・カトラー・キレーションプロトコルの実践方法 / Chapter 7 How to Follow the Andy Cutler Chelation Protocol
- 第8章 途中で起こりうる問題と対処法 / Chapter 8 Problems You May Encounter Along the Way and What to Do About Them
- 第9章 食事:摂取するものが体調に大きな影響を与える / Chapter 9 Diet:What You Eat Has a Huge Impact on How You Feel
- 第10章 整理整頓と実践的な工夫 / Chapter 10 Organization and Practical Matters
- 第11章 妊娠・出産・授乳期 / Chapter 11 Conception, Pregnancy and Lactation
- 第12章 子どももキレーションが必要か? / Chapter 12 Does Your Child Need to Chelate Too?
- 第13章 結論:励ましの言葉 / Chapter 13 Conclusion:Some Encouraging Words
- 付録A よくある質問:/ Appendix A Frequently Asked Questions
本書の概要
短い解説
本書は、長年原因不明の慢性疾患に苦しむ人々を対象に、水銀および他の重金属中毒の可能性を指摘し、アンディ・カトラーが開発した「低用量・頻回投与」の安全な経口キレーションプロトコル(ACC)を具体的に解説する実践ガイドである。
著者について
アンドリュー・ホール・カトラー(Andy Cutler)はプリンストン大学で化学の博士号を取得した化学者であり、自身が水銀中毒に苦しんだ経験から独学で生化学・医学を学び、低用量頻回キレーション法を考案した。レベッカ・ラスト・リーは自身の健康問題を通じて重金属中毒を知り、健康コーチとして執筆に参加。両者は理論ではなく、実際の症例と当事者経験に基づく現実的なアプローチを重視している。
テーマ解説
- 主要テーマ:水銀中毒は歯科治療・ワクチン・魚介類など日常的な曝露で起こり得る隠れた原因であり、症状は精神・神経・身体の多岐にわたり、通常の医療では見逃されやすい。
- 新規性:従来の高用量・間欠投与キレーションが危険であるとし、キレーターの血中半減期に基づく「低用量・3時間毎投与」を提唱。これにより再分布(redistribution)を最小限に抑え、安全に脳や臓器の水銀を排出できる点が最大の特徴。
- 興味深い知見:水銀は単なる毒ではなく、基本的な生化学反応を広範に阻害するため、甲状腺・副腎・免疫・消化器など全身に影響を及ぼし、診断名が付く前の「原因不明の不定愁訴」段階で介入する必要がある。
キーワード解説
- アンディ・カトラー・プロトコル(ACC):キレーター(主にALA・DMSA・DMPS)を半減期ごとに少量頻回投与する手法。再分布を防ぎ、安全に重金属を体外へ排出する。
- 3ヶ月ルール:アマルガム除去などの最終曝露から3ヶ月待ってALAを開始する原則。早期使用は脳内再分布を招く危険がある。
- ダンプ期(stall/dump phase):解毒開始後6〜9ヶ月頃に一時的に症状が悪化する時期。臓器から血中へ水銀が大量放出されるためで、継続が重要。
- チオール(thiol)感受性:一部の人は高硫黄食品で感情不安定・震え・うつ症状が出現。食事調整が必要なケースが存在する。
- カウント・ルール:毛髪ミネラル検査で必須元素のパターンを統計的に評価し、水銀によるミネラル輸送異常を判定する独自基準。
3分要約
本書は、長年「原因不明」とされてきた慢性疾患の多くが実は水銀および重金属中毒によるものであると主張する。著者らは、通常の医療では診断・治療が困難であるため、患者自身が正しい知識を持ち、低用量頻回キレーション(ACCプロトコル)で自力回復を目指す道筋を示している。
水銀は歯科アマルガム、ワクチン、魚介類など身近な経路から蓄積し、脳・神経・内分泌・免疫系を広範に障害する。症状は精神症状(うつ・不安・強迫)から身体症状(極端な疲労・化学物質過敏・消化不良)まで多岐にわたり、進行性である。
従来のキレーションは高用量・間欠投与が主流だが、これらは金属を動かすだけで脳など感受性組織へ再分布させ、かえって悪化させる危険がある。カトラーは化学者としての知見から、キレーターの血中半減期(ALA約3時間、DMSA約4時間など)に合わせた少量頻回投与を提唱。これにより金属を「動かす」ではなく「排出する」方向へ誘導できる。
まずアマルガム完全除去が必須。除去後4日でDMSA/DMPS、3ヶ月後からALAを開始可能。必須サプリ(マグネシウム・ビタミンC・E・亜鉛)を常時服用し、副腎・甲状腺・肝臓・消化器などのサポートを行う。症状に応じた補助サプリや食事調整(特に高チオール食回避)も詳細に解説されている。
子どもへの適用も重視。発達遅延・自閉スペクトラム・ADHD・アレルギーなどの多くが水銀関連である可能性を示し、成長曲線・発達マイルストーン・歯の生え変わりなどで早期発見を促す。
全体を通じて「医師は水銀中毒をほとんど知らない」「正しいキレーション以外は危険」という強い警告が貫かれている。回復には1〜5年以上かかるが、根気強く継続すれば劇的な改善が期待できると励ましの言葉で締めくくられている。
各章の要約
第1章 どこでどのように毒性物質にさらされるか
水銀は極めて少量でも生涯にわたる健康被害を引き起こす。主な曝露源は歯科アマルガム、ワクチン(チメロサール)、大型魚、皮膚美白クリーム、壊れた温度計・蛍光灯、古い塗料・採掘跡など多岐にわたる。医師が職業性曝露以外を疑わないため、見逃されやすい。家族性感受性や肝疾患歴が蓄積を加速させる。
第2章 水銀中毒とはどのようなものか
水銀は数百の生化学反応を阻害するため、症状は精神(うつ・不安・OCD)、神経(振戦・脳霧・記憶障害)、身体(極端な疲労・化学物質過敏・自己免疫疾患)に及ぶ。典型的な診断名(多発性硬化症・パーキンソン病・線維筋痛症など)の裏に水銀が隠れているケースが多い。著者は「原因不明の不定愁訴が長引くなら水銀を疑え」と強調する。
第3章 その他の毒性金属
水銀が主犯だが、アルミニウム・アンチモン・ヒ素・カドミウム・銅・鉛も併存しやすい。水銀が解毒経路を阻害するため二次的に蓄積する。症状は重複するが、各金属に特徴的な徴候(例:鉛→痛風・高血圧、アンチモン→心臓障害)がある。キレーション剤の選択が変わるため、毛髪検査などで見極める必要がある。
第4章 慢性水銀中毒の検査方法
血中・尿中水銀は慢性中毒では役に立たない。毛髪検査(特にDoctors Data社)で必須元素のパターンを「カウント・ルール」で評価し、ミネラル輸送異常を判定するのが最も有用。アマルガムがない場合は低用量ALA試験投与で反応を見ることも可能。症状と照らし合わせ総合判断する。
第5章 歯科治療:最大のハードル
アマルガムが残っている限りキレーションは危険。除去は熟練した「水銀フリー」歯科医に依頼し、ラバーダム・高流量吸引・冷却水・低速切削などの厳格な安全対策が必要。クラウン下の隠れアマルガムは特に厄介。除去後すぐにキレーションを開始せず、一定期間待つ。
第6章 キレーションの仕組みと注意点
従来の高用量キレーションは再分布を招き危険。ACCは半減期に基づく低用量頻回投与で安定血中濃度を保ち、安全に排出する。ALA(脳内到達可能)、DMSA、DMPSを使い分ける。禁止事項(高用量EDTA・DMPS点滴・グルタチオン・特定の薬剤など)が非常に多い。
第7章 アンディ・カトラー・キレーションプロトコルの実践方法
アマルガム除去後4日でDMSA/DMPS開始、3ヶ月後からALA追加。3時間(夜間は4時間)毎投与、最低64時間ラウンド、4日以上休薬。症状を見ながら少量から漸増。必須サプリを常時服用。投与忘れ・時間ずれは即ラウンド中止。忍耐強く継続することが鍵。
第8章 途中で起こりうる問題と対処法
副腎疲労・甲状腺機能低下・低血糖・化学物質過敏・うつ・不安・不眠・消化不良・酵母増殖など多彩な症状が出現。状況に応じたサプリ(副腎皮質・適応促進ハーブ・消化酵素・プロバイオティクスなど)や生活調整で対処。医師の協力が必要な場合もあるが、基本は自己管理。
第9章 食事:摂取するものが体調に大きな影響を与える
農薬・添加物・高チオール食品(ニンニク・玉ねぎ・卵・乳製品など)が症状を悪化させる。有機栽培食品中心にし、チオール感受性がある場合は低硫黄食を実践。個人の反応を見ながら調整することが重要。
第10章 整理整頓と実践的な工夫
脳霧で投与忘れが頻発するため、ピルケース・アラーム・チェックリスト・日誌を駆使して管理。生活全般を簡素化し、掃除代行・自動引き落としなどを活用。健康回復を最優先任務とし、他の責任を最小限にする。
第11章 妊娠・出産・授乳期
妊娠中・授乳中のデトックスは厳禁。アマルガム除去後18ヶ月、キレーション終了後6ヶ月は避妊徹底。ワクチンも徹底回避。胎児・乳児への水銀移行リスクが極めて高い。
第12章 子どももキレーションが必要か?
発達遅延・自閉スペクトラム・ADHD・アレルギー・てんかんなどの多くが水銀関連。成長曲線・歯の生え変わり・発達マイルストーンで早期発見可能。子どもは大人より反応が早く出るため、短期間の試験的キレーションで判断できる。
第13章 結論:励ましの言葉
回復には数年かかるが、毎ラウンドごとに少しずつ体が本来の健康な状態に戻っていく。根気強く継続すれば「幸せを感じられるようになった」と驚く日が来る。諦めずに自分を信じて進むよう力強く励ましている。
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