ナイアシンアミド/ニコチン酸アミド(NAM)
概要
ナイアシンアミド/ニコチンアミド/ニコチン酸アミド/ビタミンB3/NAM
ナイアシンアミドは、ナイアシンが変換された代謝物。
ナイアシンの大量摂取は副作用としてナイアシンフラッシュ、肝臓障害を起こすため、代謝物であるナイアシンアミドがナイアシン高容量補給療法として用いられる。
ナイアシンアミドは、微小管の安定性を助け、アルツハイマー病患者の記憶を保持する可能性がある。
インビトロ研究では高用量ナイアシンが血管内皮壁の炎症および、損傷を減少させることでアテローム性動脈硬化プラークの形成を防止することを示唆している。
ナイアシンアミドはSIRT1活性を阻害する。
作用機序
ニコチンアミドはADマウスの認知機能を回復させる。
・アミロイドβの病理に影響を与えない。
・Thr231リン酸化タウを選択的に著しく低下させる。
※Thr231リン酸化タウは微小管重合を妨げる。
・p25を増加させ、モノユビキチン化タウを減少
※p25発現は、ニューロンの構造およびシナプスタンパク質のアップレギュレーションを介して、学習および記憶を改善する。
・アミロイドβの存在がタウの正常な分解を妨げる可能性があり、ニコチンアミドがその妨害を回避する。
・NADHとニコチンアミドの役割は大きく異なり、ニコチンアミドはNAD+依存性SirT遺伝子のより強力な阻害剤として作用するだけでなく、NAD+の前駆体として機能し酸化的ATP生成に対しての還元等価物を生成する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2617713/
www.earthclinic.com/supplements/niacinamide-for-alzheimers.html
www.drmyhill.co.uk/wiki/niacinamide
臨床研究
ランダム二重盲検 初期、中期アルツハイマー病患者へのナイアシンアミド1500mgの徐放剤/日 投与 24週間
有意差なし、服薬尊守の低いグループで!?プラセボ群と比べ穏やかな単語想起とコマンドタスクの効果が見られた。
高齢者への高用量投与による有害作用は見られず安全性は高い。
www.clinmedjournals.org/articles/jgmg/journal-of-geriatric-medicine-and-gerontology-jgmg-3-021.pdf
ナイアシンアミド療法(高用量維持)
最良の摂取方法は、250mgのナイアシンアミドを90分ごとに摂取、一日12回繰り返す!(250mgが体が一度に吸収できる最高量)
大量ナイアシン療法において一日12回の摂取は現実的ではないため、通常高用量の徐放剤を用いる。
ナイアシン療法のベタイン消費
ニコチンアミドの分解は、同一用量のニコチン酸よりも多くのベタインを消費する。この違いはナイアシンの強化補充において考慮されるべきである。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27567458
同一モル容量のベタイン同時投与は、ナイアシン療法に伴う肝毒性やその他の副作用リスクを、費用対効果の高い方法として軽減することができる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10985907
サプリメント
ナイアシンアミド
一般的なナイアシン療法 → 一日 3錠 (8時間おきに1錠)
リコード法で用いられるメソッド → 寝る前に一錠摂取
一日 4錠 (6時間おきに一錠)
ベタイン(TMG)
ナイアシンアミドと同時投与 一回1~2錠