書籍『グローバル内戦:パンデミック後の資本主義』ウィリアム・I・ロビンソン 2022年

グローバリゼーション・反グローバリズムデジタル監視・デジタルID・テクノ封建制パンデミック・ポストコビッドポストコビッドワクチン社会抵抗運動・抵抗思想(オルタナ派)階級闘争・対反乱作戦・格差社会

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日本語タイトル:『グローバル内戦:パンデミック後の資本主義』ウィリアム・I・ロビンソン 2022年

英語タイトル:『Global Civil War: Capitalism Post-Pandemic』William I. Robinson 2022年

https://note.com/alzhacker/n/nab4dd277e457

目次

  • 序論 パンデミック後のグローバル資本主義 – Introduction: Global Capitalism Post-Pandemic
  • 第1章 資本主義支配の危機 – Chapter One: The Crisis of Capitalist Rule
  • 第2章 デジタル独裁:グローバル資本主義の変容 – Chapter Two: Digitalized Dictatorship: The Transformation of Global capitalism
  • 第3章 グローバル反乱の行方 – Chapter Three: Whither the Global Revolt?
  • 結論 始まりの終わりか、終わりの始まりか – Conclusion: The End of the Beginning or the Beginning of the End?

全体の要約

本書は、Covid-19パンデミックが既に深刻な危機にあったグローバル資本主義をいかに激化させ、世界を「グローバル内戦」に向かわせているかを分析した作品である。

著者のロビンソンは、パンデミックは資本主義危機の原因ではなく、既存の構造的矛盾を劇的に加速させる触媒として機能したと論じる。世界経済は2008年の金融危機以降、慢性的停滞と過剰蓄積の問題に直面しており、パンデミックはこれらの問題を爆発的に表面化させた。

第1章では、資本主義の構造的危機を詳細に分析している。グローバル資本は利潤率の低下と投資先不足に直面し、金融投機、債務拡大、軍事化された蓄積に依存するようになった。パンデミックは既に脆弱だった経済を直撃し、政府は数兆ドルを企業救済に投じる一方、労働者階級には最小限の支援しか提供しなかった。この過程で、富の集中は前例のないレベルに達し、社会的不平等が極端に拡大した。

第2章は、パンデミックが加速させたデジタル変革に焦点を当てる。第4次産業革命技術に基づく新たな資本主義の再編が進行中であり、巨大テック企業、金融資本、軍産複合体が融合した新たな資本ブロックが世界経済の主導権を握りつつある。AI(人工知能)、ビッグデータ、5G技術などが労働過程を根本的に変革し、大規模な労働力の余剰化を引き起こしている。同時に、デジタル技術は前例のない監視と社会統制を可能にし、「グローバル警察国家」の拡大を促進している。

第3章では、世界各地で勃発している民衆蜂起を検証する。2008年以降、アラブの春、ウォール街占拠運動、インディグナードス運動、香港での抗議、インドの大規模ストライキ、米国の反人種差別運動など、前例のない規模の民衆反乱が世界を席巻している。しかし、これらの運動は4つの重要な困難に直面している:組織された社会主義左派の不在、国民国家レベルでの変革の限界、アイデンティティ政治パラダイムによる階級意識の希薄化、そして極右・ファシスト勢力の台頭である。

著者は、現在の状況を「革命的情勢」と位置づけつつも、支配階級が古い方法で統治することができず、被抑圧階級の苦痛が激化し、大衆の歴史的行動が活発化している状況だと分析する。しかし、革命的変革には、システム変革が達成可能で価値があるという広範な信念、革命的イデオロギーと綱領、そしてそのような闘争を指導できる組織が必要であり、これらはまだ存在しない。

パンデミックは支配グループに、デジタル技術を活用してより厳格な社会統制を実施し、「グローバル警察国家」を拡大する機会を与えた。同時に、新自由主義の限界が明らかになり、より積極的な国家介入と経済の規制が必要になっている。しかし、根本的な富と権力の再分配なしには、システムの安定化は不可能である。

結論として、著者は世界が歴史的な岐路に立っていると主張する。デジタル化された独裁、世界規模のファシズム、文明の崩壊という3つの可能性が存在する一方で、民主的社会主義への道も開かれている。第4次産業革命の技術は、適切に活用されれば人類を解放する潜在力を持っているが、それには資本主義の抑圧的社会関係を打倒することが前提となる。

現在は「古いものが死につつあり、新しいものがまだ生まれることができない」グラムシの言う「中間期」にあり、この期間には「病的な症状」が現れる。しかし、この危機は同時に支配階級ヘゲモニーの危機でもあり、実行可能な対抗ヘゲモニーの構築に向けた巨大な可能性を開いている。

各章の要約

序論:パンデミック後のグローバル資本主義

Covid-19パンデミックは既に危機にあったグローバル資本主義を劇的に悪化させ、世界を「グローバル内戦」の瀬戸際に押しやった。パンデミックは危機の原因ではなく、既存の構造的矛盾を加速させる触媒として機能した。本書は、デジタル化に基づく資本主義の急進的再構築、世界各地での社会的・政治的闘争、そして「デジタル化された独裁」の出現を分析する。

第1章:資本主義支配の危機

グローバル資本主義は2008年以降、過剰蓄積と慢性的停滞に苦しんでいた。パンデミックはこの構造的危機を爆発的に表面化させた。支配階級は金融投機、債務拡大、軍事化された蓄積に依存し、数兆ドルの企業救済を実行する一方、労働者階層には最小限の支援しか提供しなかった。結果として社会的不平等は前例のないレベルに達し、政治的正統性の危機が深刻化している。

第2章:デジタル化された独裁:グローバル資本主義の変容

パンデミックは第4次産業革命技術に基づく資本主義の再編を加速させた。巨大テック企業、金融資本、軍産複合体が融合した新たな資本ブロックが世界経済を主導している。AI、ビッグデータ、5G技術が労働過程を根本的に変革し、大規模な余剰労働力を創出している。同時に、これらの技術は前例のない監視と社会統制を可能にし、「グローバル警察国家」の拡大を促進している。

第3章:グローバル反乱の行方

2008年以降、世界各地で前例のない規模の民衆蜂起が発生している。アラブの春、ウォール街占拠運動、米国の反人種差別運動など、多様な闘争が展開されているが、4つの重要な困難に直面している:組織された社会主義左派の欠如、国民国家レベルでの変革の限界、アイデンティティ政治による階級意識の希薄化、極右・ファシスト勢力の台頭。これらの課題を克服しなければ、真の変革は困難である。

結論:始まりの終わりか、終わりの始まりか

世界は歴史的岐路に立っている。デジタル化された独裁、グローバルファシズム、文明崩壊という破滅的可能性が存在する一方で、民主的社会主義への道も開かれている。第4次産業革命の技術は人類解放の潜在力を持つが、それには資本主義の抑圧的社会関係の打倒が前提となる。現在はグラムシの言う「中間期」にあり、支配階級ヘゲモニーの危機は実行可能な対抗ヘゲモニー構築の巨大な可能性を開いている。


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