コロストリニン
概要
初乳成分コロストラムから抽出された成分。出産直後のヒトを含む哺乳動物の乳腺で産生される。
サプリメントのコロストラムはウシ、またはヤギ由来のものが多い。
ホエイタンパク質の摂取と類似する効果をもつが、初乳成分には、通常の乳製品にはない酵素、抗体、成長因子が豊富に含まれており、栄養補助食品としてのニーズがある。
新生児では腸管が未発達であり初乳に含まれる成長因子が腸壁を自由に通過することができるが、成長した哺乳動物の腸では、コロストラムに含まれる有益な化合物を消化酵素が分解してしまう。
ただし、成体であってもリーキーガットなど腸管の障害に対して修復作用をもつことが示されている。
認知症関連の研究
軽度から中等度のアルツハイマー病患者へコロストリニンを含む低脂肪乳製品を投与。治療患者の40%に有益な効果が示された。バランスの良い食事として含まれる低脂肪乳製品は高齢に伴う認知機能の健康に寄与する可能性がある。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21338538
コロストリニンはTh1およびTh2の免疫を調節、活性酸素と一酸化窒素の過剰産生を阻害、向精神作用の特性を有する。コロストリニンの成分のひとつであるノナペプチドはアミロイドβ凝集を阻害し、既に形成されたアミロイドβ凝集物を破壊する。
コロストリニンはシナプスの神経突起伸長を調節し、4-HNE媒介細胞の損傷を減少させることが見出されており、アルツハイマー病治療において重要な役割を果たすのみならず、神経変性障害への適応も示唆する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24200016
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19939229
アルツハイマー患者へのコロストリニン投与 二重盲検プラセボ対照研究
コロストリニン100μgを2日ごとに1錠投与、セレン100μgを2日ごとに1錠投与、プラセボ、コロストリニン投与群のみが15名のうち8名が改善、7名の疾患が安定。セレン投与群では疾患の安定は見られたが、セレン投与群とプラセボ投与群では両者とも改善は認められなかった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10608295
アルツハイマー患者で観察されるコロストリニンの有益な効果は、一酸化窒素過剰産生の阻害に起因する可能性がある。in vivo
www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0167011504002563
コロストリニンがマイトジェン誘発サイトカイン産生の調節を行うことにより、動物実験にて中枢神経系の病理学的進行を予防する可能性が示唆されている。
link.springer.com/chapter/10.1007/978-0-387-74087-4_9
コロストリニンの投与により、高齢ラットの空間学習が改善を示した。若いラットでは同様の利益を示さなかった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10495015
サプリメント
コロストリニン
メモリープロテクト(コロストリニン100μg & リチウム300μg)36カプセル
一日1錠 夕方、夜間
コロストラム