3.カロリー制限によるBDNF効果(認知症・アルツハイマー)
カマーラ 「あなたから愛について学びたい」
シッダールタ 「私にできることは、考えること、待つこと 断食することの三つだけだ」
ヘルマン・ヘッセ 「シッダールタ」
BDNFの増強
一日600kcalのカロリー制限、または半日断食で脳内のBDNFが増加する。
その増加率は50~400%にも及ぶらしい!
※脳の部位によって増加率は異なる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16011467
食餌制限を行ったマウスでは、海馬歯状回の細胞数が増加、BDNFとニュートロフィン3が増加する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11905999/
NGF・セロトニンを増強
絶食によって増加するのはBDNFだけでなく、脳神経細胞の成長を促進する神経成長因子NGFも含む。
そして不足がうつ病の原因とされるセロトニンをも増加する。このセロトニンは認知症患者でも不足していることが示唆されている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28713531
インスリン抵抗性を改善
半日断食はBDNFを発現させるだけでなく、インスリン抵抗性を改善させる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15640462
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC329619/
HSP70を増強
さらには、HSP70というタンパク質を増やす作用があることがマウス実験で認められている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20186857
このHSP70はアルツハイマー病をはじめ多くの神経変性疾患の主要な原因と言われるタウタンパク(神経原線維変化)を修復する作用がある。
成長ホルモンを増強
絶食は成長ホルモンを増強し、ホルモン分泌のリズムを強めることで、ホルモンの恒常性を改善する可能性がある。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC329619/
運動との相乗効果
以下の研究では運動をしただけではBDNFの発現を促す遺伝子に変化は見られなかったが、空腹時に運動を行うことで最大3.5倍にまでBDNF発現に変化が見られている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25494871
つまり運動と絶食を組み合わせることによる相乗効果が期待できる。
半日断食で午前中そのまま散歩をすると、BDNFの増加量は飛躍的に増すことになる。
断食時間
例えば、夕食を8時にすませたとしたら、次の日の8時のまで食事を一切摂らない。(水やお茶はOK、ジュースなどの炭水化物源はダメ)
※24時間を超える過剰な断食は避ける。
ApoE4遺伝子陽性 → 14~16時間断食
ApoE4遺伝子陰性 → 12~14時間断食
空腹時に運動するためには、朝食前または昼食前(朝食を抜く場合)となる。
まとめ
そういうわけで、半日断食にはBDNF増加以外にも、非常に多くの効能があり、その他の認知機能改善策の効果を倍増させる作用がある。
認知機能を改善させていく上で、断続的な絶食は選択オプションではなく必須項目!
お腹をすかせて運動しよう!