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レスベラトロールの多彩な神経保護効果(認知症・アルツハイマー病)

トランス・レスベラトロール(認知症・アルツハイマー病)

一日の終わりに、私はグラス一杯のワインを自分に飲ませている。

ジェーン・セイモア

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概要

赤ワインに含まれる天然のポリフェノール、抗酸化作用、抗老化作用など非常に幅広い薬理学的特性をもつ。

神経保護効果も複数の経路を通じてあることから、アルツハイマーへの治療薬として期待されている。

「resveratrol」の画像検索結果

レスベラトロールの多彩な作用

一般的な効果・効能

レスベラトロールの効能は超多彩!
  • 神経保護
  • 心臓リスクの低下
  • インスリン感受性の増加
  • 脂肪細胞を減ら
  • 骨細胞の増加による骨の強化
  • 肝臓癌の抑制
  • 皮膚癌抑制(塗布)
  • 乳癌抑制
  • 白血病細胞の増殖阻害
  • 筋合成を高める
  • 好気性サイクルを向上させる
  • 放射線の軽減効果
  • 難聴予防
  • 性ホルモンの増加
  • オートファジーの誘発
  • 抗ウイルス活性
  • 抗真菌活性
  • 抗菌活性
  • ビタミンDの感受性を高める
  • 概日リズムの調整
  • 神経活性
  • シャペロンの活性
  • 免疫機能の強化
  • 成長因子の活性
  • 飢餓への応答

レスベラトロールの概日リズムへの影響

摂取タイミングに注意!

レスベラトロールは興味深いことに概日リズムによって吸収率が異なる。午前中がもっとも生体吸収率が高まる。ただバランスのとれた食事においては、吸収率に差は産まれない。

また、レスベラトロールは概日リズムをリセットするとも言われているため、摂取タイミングは重要かもしれない。サプリメントで中~高用量を摂取するのであれば、日の明るいうちに摂取しておいたほうが良さそうだ。

ワインなどに含まれている程度の量であれば、それほど気にしなくていいと思う。

運動とレスベラトロール

少~中用量であれば、ジョギングなどの前に摂るのもいいかもしれない。

運動の前後に摂取すると、運動による酸化ストレスを緩和する一方で、そのことによって運動で得られるホルミシス効果を損なうかもしれない。しかしこの差は軽微で実際的には問題がないという研究報告がある。

非常に高用量のトランスレスベラトロールをラットに摂取させると、1.2~1.8倍の力を発揮し、運動耐性を21%増加させることができる。

筋力トレーニング前に摂取すると、mTORの阻害などにより筋合成が阻害される可能性。

高用量のレスベラトロールは、筋トレとは組み合わせない方が良さそうだ。

レスベラトロールの長寿効果

長寿効果は疑似効果かもしれない。

よく言われるレスベラトロールの長寿命効果は、寿命が単純に延長されるのではなく、ガンや心臓疾患などの死因リスクを取り除くことによって、寿命が長くなっていくように見える疑似長寿効果だと現時点では考えられている。

レスベラトロールの作用メカニズム

レスベラトロールの神経保護機能

これを見ると、神経保護作用だけを見てもレスベラトロールがいかに多彩な機能をもつかがわかる。

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www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25525597

RES = レスベラトロール

AD = アルツハイマー

Aβ aggregation = アミロイドβの凝集

Neuron cell death =  神経細胞死

inflammetion = 炎症

Oxidative stress = 酸化ストレス

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26706021

・転写因子NF-κBを調節

・シトクロムP450アイソザイムCYP1 A1を阻害

・シクロオキシゲナーゼ酵素の発現および活性を抑制

・Fas / Fasリガンド媒介アポトーシス、p53、ラパマイシン、サイクリン、種々のホスホジエステラーゼを調節する。

・Epac1 /CaMKKβ/ AMPK / SIRT1 / PGC-1α経路を活性化するサイトゾルcAMPを増加させ、脂肪酸の酸化、ミトコンドリア生合成、ミトコンドリア呼吸、および糖新生を促進する。

・活性化されたT細胞のアポトーシスを誘発し、腫瘍壊死因子-α、インターロイキン-17(IL-17)および他の炎症誘発性分子を抑制するので、自己免疫疾患に有益。

・低酸素誘導性因子-1αおよび血管内皮増殖因子の発現を阻害し、抗がん効果をもつ。

・肥満、2型真性糖尿病およびメタボリックシンドロームの病因に関与する脳由来神経栄養因子(BDNF)が、うつ病、統合失調症、双極性障害および自閉症において変化する。BDNFはアロキサン、ストレプトゾトシン、およびベンゾ(a)ピレンの細胞毒性作用に対して保護する。

・ビスフェノールA誘発自閉症、2型糖尿病およびメタボリックシンドロームを予防し、BDNF合成および作用を増大させる可能性があることを示唆。

・レスベラトロールはリポキシンA4の産生を増加させる可能性、2型糖尿病ではBDNF濃度が低く、BDNFは抗炎症性脂質、リポキシンA4の産生を促進することも観察した。

・レスベラトロールは微生物叢を変化させ、幹細胞の増殖と分化に影響を及ぼす。

レスベラトロール 神経細胞死の低下

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25309423

図2

レスベラトロール 金属からの保護作用

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24860502

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はfnagi-06-00095-g0002.jpgです。

レスベラトロールは、誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)のアップレギュレートと関連し、過酸化脂質を減少させ、アミロイドβの毒性を保護する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22220203

レスベラトロール 認知症関連研究

「resveratrol」の画像検索結果

アルツハイマー患者の臨床研究

ランダム化プラセボ二重盲検 軽度から中度のアルツハイマー病患者へ500mgを一日一回投与、徐々に一日二回1000mgまで増量。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26362286

画像、イラストなどを保持する外部ファイルオブジェクト名はNEUROLOGY2015640441FF2.jpgです。

CSF、血清のアミロイドβ40、42とも有意ではないが増加。※スケールに注意

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脳室の容積を増大させたが、脳全体の容積減少の増加もさせている。

有意差にはいたっておらず微妙なところだが、高用量での使用は控えたほうがいいかもしれない。

ヒト認知機能での臨床研究

プラセボ二重盲検、健康な高齢者への投与研究 26週間200mg/日投与

www.jneurosci.org/content/34/23/7862.long

記憶保持能力が上昇、海馬(前頭部、頭頂部および後頭部)の機能的結合が有意に増加、HbA1cが減少

摂取期間を十分に長くすることで行動改善につながる可能性がある。

研究モデルでは、6ヶ月間、200mg/日

その他 アルツハイマーと関連した研究

PDE4サブタイプに関連するcAMP–CREB-BDNFシグナル伝達を介して、ニューロンの炎症アポトーシスを調節する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26980711


レスベラトロールがビタミンDの効果を増強し、小胞体ストレスの改善、タウのリン酸化抑制によってニューロン変性を改善する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27133915


ビタミンDとの組み合わせによって、アミロイドβ42濃度を低下させ、マウスの認知低下を予防する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28176624


レスベラトロールはCSFのMMP9を減少させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28086917

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26454022


デフェリプロンとレスベラトロールのハイブリッドにより、強力な金属キレート効果

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28061347


レスベラトロール二量体であるパリドールは、一重項酸素に対して強力な抗酸化作用をもつ。ヒドロキシラジカル、スーパーオキシドアニオンへの抗酸化作用はなかった。

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006291X0802425X

ApoE4対立遺伝子保有者

ApoE4遺伝子を保有する人ではSirt1の活性低下が見られるため、Sirt1活性作用をもつレスベラトロールの摂取はApoE4患者にとって特に有益。

リコード法ではApoE4を保有するアルツハイマー病患者への多いレスベラトロール摂取が推奨されている。

レスベラトロールの摂取

レスベラトロールを含む食品

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赤ぶどう (果糖に注意)

ダークチョコレート (鉄、銅、マンガンを含むので、とりすぎに注意)

ピーナッツバター (たくさん食べれない、ナイアシンとマンガンの補給源)

ブルーベリー (赤ぶどうは含まれていない)

レスベラトロールだけに焦点を当てた場合、健康効果を期待できる現実的な摂取量となると、赤ワイン一択だろうと思う。

動物研究に基づくと、赤ワインに含まれるレスベラトロールの量では健康的な利益を得られないとされている。

一方で、ワインから摂取するレスベラトロールは吸収率が高いという仮説があり、またレスベラトロールを増強させる栄養因子、黒胡椒などを食事で一緒に摂ることで、ワインに含まれるレスベラトロールであっても有効域に届く可能性は十分にあるように思われる。

レスベラトロールを多く含むワインの品種・地域

レスベラトロールは白ワインよりも赤ワインにより多く含まれる。

白ワインにも赤ワインの数割程度だが、レスベラトロールは含まれる。

赤ワインによっても含有量に大きな差がある。

赤ワイン一杯に含まれるレスベラトロールは0~2.78 mg(平均0.27mg

品種

ピノ・ノワールワイン (原産国関係なし)

「pinot noir wine」の画像検索結果

地域性 

南米などの暖かい地域よりも、低温地域のワインが高濃度

特にカベルネソーヴィニヨン、イタリアのサンジョヴェーゼワイン、オーストラリアのシラーズ、フランスのワイン

小耳情報

ワインソムリエは平均的にアルツハイマー病に罹患しにくく、記憶領域と記憶と深く関わる嗅覚ネットワークを司る脳部位が肥大していることがわかっている。

明確な証拠に基づくわけではないが、ワインの臭いを嗅ぐことは、アルツハイマー病への抵抗性を高める可能性があるとの研究者の見解がある。

レスベラトロールサプリメントの摂取量

摂取量は明確にわかっていない。一般的に健康な人の病気予防、長寿効果としては5~10mg/日、健康ではない人が特定の疾患を目的にした場合には150~500mgの投与量が用いられている。

高用量では活性酸素を発生するプロオキシダント効果によって健康効果をもつ可能性がある。

経口摂取による吸収率は70%あるが、肝臓での酵素活性により0.5%にまで生物学的利用率が下がる。これを回避するために舌下吸収させる方法も考えられている。

ラットの研究では、胡椒に含まれるピペリンを併用すると血中のレスベラトロールが数千倍に増加した。ヒトでは実験的に証明されていない。(おそらく2倍~数十倍)

半減期は1~3時間

レスベラトロールとの相乗作用

レスベラトロールは他の栄養素と組み合わせることで多彩な効果を発揮する。

ケルセチン 

血管保護と脂質合成の抑制に相乗的に働く

ロイシン/HMB

SIRT1、SIRT3活性

インドール-3-カルビノール(ブロッコリー)
抗癌効果
クルクミン

抗炎症作用

β-1,3-グルカン(アガリクス、メシマコブ、霊芝などに含まれる多糖類)

メラトニン

低用量のレスベラトロールとの併用により神経保護効果、抗酸化特性をもつ。

グレープシード抽出物

p53経路を介して癌細胞を破壊する。

糖質制限

サプリメント

ApoE4陽性 認知症患者

朝か昼 200mg

トランスレスベラトロール 200mg

+プテロスチルベン

プテロスチルベン50mg

ApoE4陰性 認知症患者

朝か昼 100mg

トランスレスベラトロール 100mg

健康、認知症予防目的

低用量(5~20mg~100mg)

カプセルを分割して摂取