食料自給率の議論は本質的な問題を見落としている
農業分野の労働力の減少に対処することなしに、農業生産を拡大することは困難である

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食糧安全保障・インフラ危機

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吉川雄策による寄稿

2022年5月13日

Japan’s Food Self-Sufficiency Debate Overlooks the Core Problem

クレジット:Depositphotos

2020年度、日本のカロリーベースの食料自給率は過去最低の37%並んだ。同年度の日本の食料自給率は、生産額ベースで67%であった。農林水産省は以前から、日本はもっと自前で食料を生産すべきだと主張してきた。

しかし、このコンセプトは、食と農業におけるこの国の課題を表すのに本当に適切なのだろうか。

国連食糧農業機関(FAO)は、食糧自給率を「その国の食糧需要を国内生産で満たすことができる程度 」と定義している。したがって、ある食料品目の食料自給率とは、国内生産量を国内消費に必要な供給量で割ったものである。

FAOは、食料の入手可能性、食料へのアクセス、利用、安定性が、食料安全保障の構成要素であると概念化している。日本の外務省によると、カロリーベースの食料自給率は、その国の食料の入手可能性を示す指標である。

日本の食料・農業・農村基本法では、食料の安定供給は国の基本であり、「世界の食料需給や貿易には不確実性がある」として、主に「国内農業生産の拡大」によって確保する必要があると説明されている。

確かに日本のカロリーベースの食料自給率は時代とともに低下している。1960年当時、日本は国内消費のほとんどを自給していた。米は102%、野菜と果物は100%、肉類は91%であっ

現在、日本は多くの食料品を輸入に頼っている。2021年、日本が消費する米の98%は国産であるのに対し、その割合は果物が30%、野菜が76%、畜産農産物が16%であった。その他の食料品では、大豆が21%、小麦が15%、牛肉が11%となっている。

2018年、農水省はアメリカ(132%)、カナダ(266%)、フランス(125%)など諸外国のカロリーベースの食料自給率を算出した。この試算を参考に、農水省は日本の食料自給率の低さについて繰り返し懸念を表明している。

農林水産省は、最新の2020年食料・農業・農村基本計画において、20-30年までに自給率をカロリーベースで45%、生産額ベースで75%まで引き上げるという目標を掲げている。

農水省の計画では、国内生産に占める小麦の割合を40%、大豆の割合を60%、野菜の割合を15%、飼料の割合を48%増加させるという意欲的な目標が掲げられている。この目標を達成するために、多くの作物で高収量品種や耐病性新品種の導入が予定されている。

しかし、その実現性には大きな疑問がある。これらの食料品の生産量は、最近減少傾向にある。新しい品種の開発・導入には時間がかかる。労働者や農地の急激な減少は、新技術の影響を凌駕する。

日本は年間5万人の産業従事者が減少し、農業人口も1980年と比較して3分の1以下になっている。しかし、需要に対する供給の食料自給率では、このような国の食料生産に不可欠な背景要因が考慮されていない。

実際、食料自給率だけでは状況を正しく把握できないことも多い。例えば、多様な食料を入手しにくい途上国は、一般に食料自給率が高い。それは本当に国民にとって良いことなのだろうか?

そこで農水省は最近、「日本の潜在的な生産能力をフルに活用した場合に得られる食料のカロリー」を指す食料自給力指標を導入した。つまり、日本が国民のために最大でどれだけの食料を生産できるかを示す試算である。

この試算によると、日本は現在ある農地と人的資源では現在の国民の食生活を満足させることはできない。国民全員が2,168kcalのエネルギーを必要とするためには、農地を芋類や根菜類に転換しなければならない。

2020年の食料自給率指標の試算では、農地の減少が生産性の上昇に影を落としていることが示された。米と小麦を最も多く作付けしている作物とすると、日本が国内生産で国民に提供できるのは、EERを下回る1,759kcalに過ぎない。

提案された農地転換には実際には長い時間がかかるなど非現実的な点もあるが、さまざまな農業資源を考慮したこの新しい潜在的指標は、食料自給率の議論では見落とされていた視点を提供するものである。

重要なのは、農業従事者と農地の両方が減少している日本の農業部門の弱体化が、日本が自給自足したい時に、日本の食糧安全保障を脅かしているという点である。しかし、農水省の計画では、これらの重要な要素について具体的な目標は設定されていない。

つまり、食料自給率だけでは、日本が直面している総合的な食料安全保障の課題を説明することはできない。そのためには、単に一定の比率を上げることを目指すのではなく、日本の農業生産の基礎的な能力を強化することにコミットする必要がある。

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