書籍要約『太陽を抱擁せよ:最適な健康のためのビタミンDと太陽の力』 2018年

ビタミンD・紫外線・日光浴(総合)概日リズム・時間薬理学

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英語タイトル:『Embrace the Sun:Vitamin D and Solar Power for Optimal Health』 Marc B. Sorenson, Ed.D., William B. Grant, Ph.D. 2018

日本語タイトル:『太陽を抱擁せよ:最適な健康のためのビタミンDと太陽の力』 マーク・B・ソレンソン、ウィリアム・B・グラント 2018年

目次

  • 第1章 日光曝露はメラノーマの原因か? / Does Sun Exposure Cause Melanoma?
  • 第2章 日光曝露と正または負の関連を持つその他の疾患 / Other Diseases Related Positively or Negatively to Sun Exposure
  • 第3章 日光曝露不足に関連する致死的疾患の発生率推定 / Estimating the Incidence of Deadly Diseases Associated with a Lack of Sun Exposure
  • 第4章 骨を強くする:日光曝露が骨強度と関節の健康を維持・向上させる / Boning Up:Sun Exposure Maintains and Increases Bone Strength and Joint Health
  • 第5章 がん予防:日光曝露は不可欠である / Cancer Prevention:Sun Exposure Is Essential
  • 第6章 心臓、脳、血管系の疾患予防:日光曝露の重要な必要性 / Preventing Diseases of the Heart, Brain and Vascular System:The Vital Need for Sun Exposure
  • 第7章 2型糖尿病、1型糖尿病、その他の自己免疫疾患に対する太陽の保護効果 / The Protective Effect of the Sun on Type-two Diabetes, Type-one Diabetes and other Autoimmune Diseases

本書の概要

短い解説:

本書は、一般読者から医療専門家までを対象に、日光曝露がもたらす膨大な健康効果と、日光回避キャンペーンによってもたらされた害を科学的エビデンスに基づいて明らかにすることを目的としている。日光は、ビタミンD産生を超えた多様な生理的メリットを持つ必須の健康資源であると主張する。

著者について:

マーク・B・ソレンソン(教育学博士)は健康教育者であり、ウィリアム・B・グラント(博士)は大気科学・疫学を専門とする科学者である。両者は長年にわたり、日光・ビタミンD研究の第一人者として活動し、日光の健康効果に関する従来の認識に疑問を投げかけ、その重要性を世に知らしめることに尽力してきた。本書では、膨大な研究データを分析し、日光曝露の積極的な推奨を訴える実践的な立場を取る。

テーマ解説

  • 主要テーマ:日光曝露の健康への包括的恩恵と、日光恐怖症の是正 [日光が単なる皮膚がんの原因ではなく、多数の慢性疾患を予防する強力な治療法・予防法であることを示す]
  • 新規性:ビタミンDを超えた太陽光の多面的生理作用 [一酸化窒素、セロトニン、エンドルフィンなど、ビタミンD以外の光産物の重要性を強調]
  • 興味深い知見:日光曝露とメラノーマリスクの逆相関 [屋内労働者と比較した屋外労働者のメラノーマ発生率の低さなど、通説と逆のエビデンスを提示]

キーワード解説(1~3つ)

  • 日光曝露:皮膚が太陽光線(特にUVB、UVA)にさらされること。ビタミンD合成、一酸化窒素放出、神経伝達物質産生など、健康維持に不可欠な生理的プロセスを引き起こす。
  • ビタミンD:主に皮膚での日光(UVB)曝露により産生されるホルモン前駆体。骨代謝、免疫調節、細胞増殖抑制など多岐にわたる生理作用を持つ。
  • メラノーマ:悪性黒色腫。従来は日光曝露が主因とされてきたが、本書は日光曝露の「習慣的かつ非焼灼的な」形態がむしろ予防的に働くという逆説的エビデンスを提示する。

3分要約

本書『太陽を抱擁せよ』は、過去数十年間にわたって「公敵No.1」として悪者扱いされてきた太陽の、人類の健康に対する計り知れない恩恵を科学的に検証し、その名誉を回復することを目的としている。著者らは、日焼け止め産業や皮膚科学界の一部によって推進されてきた日光回避キャンペーンが、むしろ公衆衛生に壊滅的な影響を与えていると主張する。

第1章では、メラノーマと日光曝露の関係に焦点を当てる。通説に反し、日光曝露が減少しているにもかかわらずメラノーマ発生率が急増している事実、屋外労働者が屋内労働者よりもメラノーマ発生率が低いこと、メラノーマの多くが日光の当たらない部位に発生することなど、日光がメラノーマの主要原因であるという見解を覆す強力なエビデンスを提示する。著者らは、習慣的で焼かない日光曝露はメラノーマリスクをむしろ低減させると結論づける。

第2章・第3章では、日光曝露の健康影響をリスクベネフィットの観点から定量化する。日光曝露過多に関連する疾患(主に非メラノーマ皮膚がん)による死亡数が年間約5,125人であるのに対し、日光曝露不足に関連する疾患(がん、心血管疾患、糖尿病、自己免疫疾患、感染症、骨疾患など)による死亡数は年間約168万5,000人に上ると推定する。その比率は約329対1であり、日光を避けることのリスクが、浴びることのリスクをはるかに上回ることを示す。

第4章では、骨の健康における日光の役割を論じる。日光曝露によるビタミンD産生が骨密度維持と骨折予防に不可欠であることを示し、日光を求める生活習慣が骨折リスクを大幅に低減させる研究を紹介する。また、骨粗鬆症、関節炎、くる病などの疾患が日光不足と強く関連していることを明らかにする。

第5章は、がん予防における日光の重要性に焦点を当てる。乳がん、大腸がん、前立腺がん、卵巣がん、リンパ腫など、少なくとも19種類もの主要ながんについて、日光曝露量の増加とリスク低下の逆相関を示す多数の生態学的研究および観察研究を詳述する。ビタミンDの抗がん作用(アポトーシス促進、血管新生抑制など)に加え、ビタミンDを超えた日光そのものの直接的保護効果の可能性にも言及する。

第6章では、心血管疾患への影響を探る。日光曝露、特にUVAによる一酸化窒素の放出が血管拡張と血圧降下をもたらし、心臓発作、脳卒中、高血圧のリスクを低減させるメカニズムを説明する。季節変動や緯度・高度による心血管疾患発生率の違いも、日光の保護効果を示唆している。

第7章では、2型糖尿病、1型糖尿病、多発性硬化症(MS)、喘息などの自己免疫疾患に対する太陽の保護効果を論じる。特にMSについては、日光曝露がビタミンD産生とは独立した経路で免疫調節を行い、疾患の発症と重症度を抑制するメカニズムについて最新の知見を紹介する。

本書全体を通じて、著者らは「日焼けしない習慣的な日光浴」を推奨し、太陽を恐れるのではなく、賢く利用することを読者に呼びかける。太陽は、人類の最も忠実な友であり、健康への道を照らす「偉大なる医師」なのである。

各章の要約

第1章 日光曝露はメラノーマの原因か?

日光曝露がメラノーマの主要原因であるという通説を、5つの核心的な問いを通して検証する。日光曝露量が1935年以降劇的に減少しているのにメラノーマ発生率が3,000%も増加している矛盾、屋外労働者が屋内労働者よりメラノーマ発生率が低いという逆説的事実、メラノーマの多くが日光非曝露部位に発生すること、日焼け止め使用の増加がメラノーマ減少につながっていないこと、良性病変の過剰診断が「メラノーマ急増」の一因である可能性などを示す。結論として、習慣的で焼かない日光曝露はメラノーマから保護的に働き、日光回避こそがリスクを高める要因であると主張する。

第2章 日光曝露と正または負の関連を持つその他の疾患

日光曝露の増加と関連する疾患(主に有棘細胞癌、基底細胞癌などの非メラノーマ皮膚がん)と、それによる年間死亡数を概説する。これらの疾患による死亡数は、米国では年間約5,125人と、全がん死亡数の1%未満であることを示す。この章は、次の章で論じられる日光不足に関連する膨大な死亡数との対比を準備する役割を果たす。

第3章 日光曝露不足に関連する致死的疾患の発生率推定

日光曝露不足が関連する致死的疾患(骨粗鬆症、各種がん、心血管疾患、糖尿病、自己免疫疾患、感染症など)による年間死亡数を推定し、第2章の数字と比較する。その結果、日光不足関連死(約168万5,000人/年)は、日光過多関連死(約5,125人/年)の約329倍に上ると算出する。この圧倒的なリスクベネフィット比に基づき、日光回避キャンペーンの非合理性を強く批判し、公衆衛生メッセージの転換を訴える。

第4章 骨を強くする:日光曝露が骨強度と関節の健康を維持・向上させる

日光曝露によるビタミンD産生が、骨代謝と骨強度維持にいかに重要であるかを論じる。高緯度地域や冬季における骨折リスクの増加、日光を求める生活習慣が骨折リスクを90%近く減少させたスペインの研究、サンベッド使用による骨密度向上などを示す。また、骨粗鬆症、関節炎(変形性関節症、関節リウマチ)、くる病の予防と改善における日光の役割を強調し、胃バイパス手術後の骨量減少に対する日光療法の重要性にも言及する。

第5章 がん予防:日光曝露は不可欠である

乳がん、大腸がん、前立腺がん、卵巣がん、リンパ腫など、少なくとも19種類のがんについて、日光曝露量の増加とリスク低下を示す膨大な研究をレビューする。ビタミンDの抗がんメカニズム(アポトーシス促進、血管新生抑制、転移抑制など)を説明するとともに、多くの研究で、日光曝露そのものがビタミンD補給以上の保護効果をもたらす可能性が示されている点を指摘する。メラノーマについても、習慣的日光曝露がリスクを低減させるという逆説的エビデンスを再確認する。栄養(果物・野菜の摂取、アルコール・加工肉の制限)も皮膚がんを含むがん予防に重要であると付記する。

第6章 心臓、脳、血管系の疾患予防:日光曝露の重要な必要性

心血管疾患(心臓発作、脳卒中、末梢動脈疾患など)と高血圧に対する日光の保護効果を論じる。冬季や高緯度地域での心血管イベント増加、高高度地域での発生率低下など、日光可利用性と疾患リスクの逆相関を示す。そのメカニズムとして、UVBによるビタミンD産生に加え、UVAによる一酸化窒素の放出とそれに伴う血管拡張・血圧降下作用を特に重視する。病院の日当たりの良い部屋の患者の生存率が高い研究は、ビタミンDを介さない日光の直接的有益効果を示唆する。また、勃起障害も血管疾患の一種であり、一酸化窒素を介した日光の改善効果が期待されると述べる。

第7章 2型糖尿病、1型糖尿病、その他の自己免疫疾患に対する太陽の保護効果

2型糖尿病では、夏季の血糖値低下や日光浴習慣によるリスク低減を示す。1型糖尿病では、高緯度地域での発生率の高さと、妊娠中の日光曝露が子どもの発症リスクを低減させるという研究を紹介する。自己免疫疾患全体において、日光の免疫調節機能が重要であると説く。多発性硬化症(MS)については、緯度と発生率の強い相関、子どもの頃の日光曝露の保護効果、移民研究で示される環境要因の重要性を詳述する。特に、動物実験などで、日光曝露そのものがビタミンDとは独立した経路でMSを抑制するメカニズムが明らかになりつつある点を強調する。喘息や炎症性腸疾患についても、日光曝露不足がリスク因子であることを示す研究を紹介する。


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