
英語タイトル:『What the Nurses Saw:An Investigation Into Systemic Medical Murders That Took Place in Hospitals During the COVID Panic and the Nurses Who Fought Back to Save Their Patients』Ken McCarthy 2023
日本語タイトル:『看護師たちが目撃したもの:COVIDパニック下の病院で起こった組織的医療殺人と、患者を救うために闘った看護師たちに関する調査』ケン・マッカーシー 2023年
目次
- 第一部 早期の警告―最初は無視され、次に抑圧された / Early Warnings – First Ignored and Then Suppressed
- 第1章 世界中のニュースメディアによって検閲されたショット / The Shot Censored by the News Media Around the World
- 第2章 あなたが耳にしなかった公聴会 / The Hearing You Didn’t Hear
- 第二部 早期の警告―2020年 / Early Warnings – 2020
- 第3章 最前線での恐怖
- 第4章 英国国民保健サービス(NHS)の制御された解体 / The Controlled Demolition of the UK’s National Health Service
- 第三部 残虐行為、抵抗、言論の自由への攻撃 / Atrocities, Resistance, and the Attack on Free Speech
- 第5章 看護師の解放、患者の解放 / Freeing Nurses, Freeing Patients
- 第6章 ハートランドでの看護
- 第7章 3年後の見解
- 第四部 カナダで看護師たちが見たもの / What the Nurses Saw in Canada
- 第8章 高齢者と病弱者の見捨て / The Abandonment of the Elderly and Infirm
- 第9章 妊婦、新生児、その家族への人道的ケアの否定 / Denying Pregnant Women, Newborns, and Their Families Humane Care
- 第五部 三つの確実な証拠 / Three Smoking Guns
- 第10章 国連やその他のNGOがどのようにトロール集団を後援し、看護師への死の脅迫を支援したか / How the UN and Other NGOs Sponsored Troll Mobs and Underwrote Death Threats Against Nurses
- 第11章 ベテラン呼吸療法士の目を通した大惨事 / The Catastrophe Through the Eyes of a Veteran Respiratory Therapist
- 第12章 金銭の流れを追う
本書の概要
短い解説:
本書は、COVID-19パンデミックの混乱下、各国の病院において標準的な医療倫理と看護実践が崩壊し、患者に対して有害な「プロトコル」が強制される中で、良心に従って抵抗した看護師たちの証言を集め、記録することを目的とした調査報告である。医療従事者、政策関係者、そしてパンデミック対応の真実を求める一般読者に向けて書かれている。
著者について:
著者ケン・マッカーシーは、メディア戦略家であり、Brasscheck Pressの出版者である。長年にわたり独立系メディアの運営に関わり、主流メディアでは報道されない視点からの情報発信を行ってきた。本書では、多くの看護師や医療従事者へのインタビューを通じて、パンデミック対応における医療現場の「暗部」を暴き、システム的失敗と意図的な害悪の可能性を追及するジャーナリストとしての立場を取る。
テーマ解説
- 主要テーマ:パンデミック下における医療倫理の崩壊と看護師の抵抗 [医療システムが患者保護よりもプロトコル遵守を優先した結果、看護師の良心と専門的判断が圧迫された過程を追う]
- 新規性:「組織的医療殺人」という強い主張 [COVID-19治療に関する特定の医療行為(レムデシビル投与、早期挿管など)を意図的な害悪と断じ、これを「殺人」と表現する強硬な立場を取る]
- 興味深い知見:言論統制と看護師への報復 [異議を唱えた看護師たちが、職場内での迫害だけでなく、ソーシャルメディア上の脅迫、免許の剥奪脅し、法的嫌がらせなど、組織的な報復に直面した実態]
キーワード解説(抜粋)
- プロトコル:病院や政府が定めたCOVID-19治療の画一的手順。本書では、これが科学的根拠に乏しく、患者を死に至らしめたと主張される。
- レムデシビル:COVID-19治療薬として緊急承認された抗ウイルス薬。本書ではその有害性と利益相反が強く批判される。
- 早期挿管:呼吸不全患者への早期の気管挿管と人工呼吸器管理。本書ではこれが誤った方針であり、多くの死亡の原因となったと主張する。
- 看護師の倫理的ジレンマ:患者を守るという看護師の宣誓(ナイチンゲール誓詞など)と、有害と信じる病院の指示に従う義務の間で生じた葛藤。
- 医療言論統制:パンデミック中、標準的治療の見直しやワクチン安全性への疑問を公に発言した医療従事者が、SNSでの削除、メディアからの排除、職場での迫害を受けた現象。
3分要約
本書は、2020年から2023年にかけてのCOVID-19パンデミック対応において、特に米国、英国、カナダなどの病院で、看護師たちが日常的に目撃し、時に抵抗した医療行為の実態を告発するものである。
著者はまず、パンデミック初期から存在した警告が無視され、検閲されたと指摘する。例えば、中国武漢からの早期のビデオ証言や、治療薬の有効性を訴える医師の声は主流メディアで抑圧された。これは、公衆が真実を知る権利を奪い、後に続く一連の過ちへの道を開いた。
続くパートでは、2020年の危機の最中、前線の看護師たちが直面した「恐怖」が描かれる。彼らは、呼吸状態が比較的良好な患者にまで早期の気管挿管と人工呼吸器管理を強制する「プロトコル」を目の当たりにする。また、英国のNHSでは、高齢者に対する「DNACPR」(心肺蘇生を行わない指示)が濫用され、一種の「制御された解体」が行われたと主張される。
第三部では、このような状況に抵抗した看護師たちの個人と集団の戦いが焦点となる。彼らは、職場内で発言すれば解雇や免許剥奪の脅しを受け、外部で発言すればソーシャルメディア上で組織的な中傷や死の脅迫の標的となった。にもかかわらず、ネットワークを組んで情報を共有し、法廷闘争を挑み、患者のための闘いを続けた。
第四部では、カナダにおける事例が詳述される。特に、老人ホームでの悲惨な状況、および妊婦や新生児に対する画一的で非人道的な感染対策(家族の立ち会い出産の禁止、母子分離など)が、「患者のため」という名目で行われたことが批判される。
最終部では、この「大惨事」を可能にしたより広範な構造が分析される。国際機関やNGOが、異論を封じるためのオンライン・トロール行為を間接的に支援した可能性、呼吸療法士という別の専門職からの証言で治療プロトコルの誤りが確認されること、そして何よりも、レムデシビルの使用を促進した製薬会社と医療機関・政府の間の金銭的関係(「金の流れ」)が、医療判断を歪めた根本原因として浮かび上がる。
著者は、これらを「三つの確実な証拠」と位置づけ、パンデミック対応が単なる過失ではなく、利益と統制のために行われた組織的な害悪であったと結論づける。巻末の資料では、看護師の倫理規定、ニュルンベルク綱領、そして著者の主張を補強する統計やQ&Aが提示され、読者にさらなる考察を促している。
各章の要約
第一部 早期の警告―最初は無視され、次に抑圧された
第1章 世界中のニュースメディアによって検閲されたショット
本章では、パンデミックのごく初期、2020年初頭に中国の武漢から流出したとされる映像の存在が取り上げられる。その映像には、路上で倒れる人々、混乱する病院の状況などが写っており、ウイルスの深刻さと中国政府の発表との乖順を示していた。しかし、この映像はYouTubeなどの主要プラットフォームで急速に削除され、多くの主流メディアはこれを無視または「デマ」として扱った。著者は、これが最初の大規模な「検閲」の事例であり、公衆が危機の真の規模を理解する機会を奪ったと主張する。情報統制が、後の世界的なパニックと誤った政策決定の基盤を作った。
第2章 あなたが耳にしなかった公聴会
パンデミック初期の数ヶ月間に、様々な専門家や前線医師による警告や代替治療法(例えばヒドロキシクロロキンの使用)の有効性についての証言が、地方議会やオンライン集会などで行われた。しかし、これらの公聴会や討論は、主流メディアではほとんど報道されず、SNSでは「誤情報」のレッテルを貼られて拡散が制限された。著者は、科学的議論が封殺され、「唯一の正しい見解」としての特定の物語(ロックダウン、マスク、後のワクチン)だけが許容されたと述べる。これにより、効果的かもしれない早期治療の選択肢が公衆から隠され、病院に殺到する重症患者のみが焦点となる状況を招いた。
第二部 早期の警告―2020年
第3章 最前線での恐怖
2020年春、欧米の病院が「第一波」に襲われた時期の看護師の体験記が集められている。看護師たちは、急速に変更される治療プロトコル、特に「早期挿管」の方針に直面する。彼らは、まだ自分で呼吸できている患者が、プロトコルに従って鎮静剤を投与され、気管挿管される様子を目の当たりにする。多くの場合、この処置が患者の状態を悪化させ、回復の見込みを奪ったと感じた。著者はこう述べる。「看護師たちは、自分たちが患者をケアするのではなく、プロトコルを実行する装置の一部にされていると感じ始めた。」
第4章 英国国民保健サービス(NHS)の制御された解体
英国では、NHSがパンデミック圧力にさらされる中、特に高齢者ケアにおいて倫理的に重大な決定が広範に行われた。本章では、「DNACPR」(心肺蘇生を行わない指示)が、患者や家族の十分な同意なしに、時に施設全体の高齢者に対して一括で適用された事例が報告される。著者はこれを、限られた医療資源の下で特定の集団(高齢者、障がい者)を見捨てる「トリアージ」の名を借りた「制御された解体」、すなわち意図的な見殺し政策であったと強く非難する。この方針が、多くの「COVID-19による死亡」を実際には引き起こしたと主張する。
第三部 残虐行為、抵抗、言論の自由への攻撃
第5章 看護師の解放、患者の解放
病院内で声を上げた看護師たちが直面した報復について詳述する。解雇、脅迫、看護師免許を管理する州委員会への「不適格」報告などが横行した。一方で、このような弾圧に抵抗する動きも生まれた。例えば、免許剥奪の脅威に対して法的支援を行う団体や、解雇された看護師たちが集まり独立した情報発信プラットフォームを構築する動きが紹介される。彼らは、「患者を守る」という看護の本質的使命を取り戻すための戦いを「解放」と位置づけた。
第6章 ハートランドでの看護
米国の中西部(「ハートランド」)など、比較的人口密度が低い地域の病院における経験が語られる。これらの地域では、大都市のような圧倒的患者数はなかったにもかかわらず、同じ「プロトコル」が上から強制された。地元の医師や看護師が患者の状態に応じた柔軟な対応を望んでも、病院経営陣や保険会社は全国一律のガイドライン遵守を要求した。ここでも、特にレムデシビルの使用をめぐって看護師と医師・管理者との対立が生じた。看護師は薬剤の有害反応を目の当たりにしても、投与を止める権限がなかった。
第7章 3年後の見解
パンデミック宣言から約3年が経過した時点での、抵抗した看護師たちの回顧と現状分析である。多くの看護師が医療現場を去り、あるいは以前の職場に戻れない状況にある。彼らは、パンデミックが「終息」した後も、医療システムの根本的な問題―製薬産業との癒着、管理者の権限肥大、看護師の臨床判断の軽視―は何も解決されていないと感じている。同時に、自分たちの闘いが多くの人々の意識を変え、医療の透明性と説明責任を求めるより大きな運動の一環となったという確信も語られる。
第四部 カナダで看護師たちが見たもの
第8章 高齢者と病弱者の見捨て
カナダ、特にケベック州やオンタリオ州の長期療養施設(LTC)で発生した大規模な感染と死亡の事例を検証する。著者は、単にウイルスが脆弱な施設に侵入したというだけでなく、政府や施設管理者の政策が惨事を拡大したと主張する。例えば、感染した患者を病院から療養施設に戻す方針、スタッフの個人防護具(PPE)不足、スタッフが複数の施設で働くことを禁止しなかったことなどが、火に油を注いだ。看護師たちは、見捨てられた高齢者が脱水や栄養失調で亡くなるのを看取るしかなかった。
第9章 妊婦、新生児、その家族への人道的ケアの否定
カナダの病院で実施された厳格な出産・産後ケアのプロトコルが、妊婦と家族に深刻な心理的トラウマを与えたと報告する。パートナーや家族の立ち会い出産の禁止、COVID-19陽性またはその疑いのある母親からの新生児の隔離、産後の母子接触の制限などが、医学的必要性を超えて行われた。看護師たちは、母子の絆形成を妨げ、産後うつリスクを高めるこうした政策に内心反対しながらも、命令に従わざるを得なかった苦悩を語る。
第五部 三つの確実な証拠
第10章 国連やその他のNGOがどのようにトロール集団を後援し、看護師への死の脅迫を支援したか
異論を唱える医療従事者に対するオンライン上の嫌がらせや脅迫が、自発的な「市民」の行動だけではなく、より組織的な支援を受けていた可能性を探る。著者は、国連の「Verified」イニシアチブや特定のNGOが、パンデミック情報環境の「浄化」を目指し、「誤情報」とラベル付けされたコンテンツや発信者を特定・攻撃するための資金やツールを提供したと主張する。これが結果的に、看護師のような個人に対する集中砲火的なネットいじめと脅迫を可能にしたとしている。
第11章 ベテラン呼吸療法士の目を通した大惨事
長年、呼吸器管理に携わってきた呼吸療法士の証言を紹介する。この専門家は、COVID-19肺炎の病態生理が従来のARDS(急性呼吸促迫症候群)とは異なる「無声低酸素症」であることを指摘し、早期の挿管が逆に肺を損傷させる危険性を強調する。彼/彼女は、高流量鼻カニューラ酸素投与や伏臥位(うつ伏せ)療法など、侵襲性の低い方法がより有効であったと述べ、なぜこれらの選択肢が初期のプロトコルから排除されていたのかという疑問を投げかける。専門家の観点から、治療方針の誤りを裏付ける。
第12章 金銭の流れを追う
本書の主張の核心とも言える章である。なぜ有害なプロトコルが変えられなかったのか、その根本的な動機を「金銭」に求める。具体的には、レムデシビルを製造するギリアド・サイエンシズ社と、医療機関、政府関係者、専門家団体との間の複雑な資金関係が分析される。また、人工呼吸器の使用が病院への連邦政府からの支払い額(診断群別包括評価)を増加させた点も指摘される。著者は、患者の最善の利益ではなく、製薬会社の利益と医療機関の収益が治療方針を決定づけたと結論づけ、これが「組織的医療殺人」の経済的基盤であったと主張する。
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