
Grow or Die:The Good Guide to Survival Gardening by David the Good 2015
『育てるか、死ぬか:サバイバルガーデニングの良いガイド』デイヴィッド・ザ・グッド 2015
目次
- はじめに:/ Introduction
- 1. 方法:/ Methods
- 2. どのくらいのスペースが必要か?:/ How Much Space Does It Take?
- 3. 道具:/ Tools
- 4. 灌漑:/ Irrigation
- 5. 肥料:/ Fertilizing
- 6. 害虫対策:/ Pest Control
- 7. 大きくて膨大な作物リスト:/ A Big Ol’ Giant Crop List
- 8. 収穫物の保存:/ Preserving the Harvest
- 9.:結論 / Conclusion
- 付録1:緊急クイックスタートガイド / Appendix 1:The Emergency Quick-Start Guide
- 付録2:パントリーからサバイバルガーデンを植える / Appendix 2:Plant a Survival Garden From Your Pantry
本書の概要:
短い解説:
本書は、経済危機や社会の崩壊といった緊急時に備え、読者が自分自身と家族を養うための、実践的でシンプルな自給自足ガーデニングの方法を提供することを目的としている。
著者について:
著者デイヴィッド・ザ・グッドは、実践的な園芸家であり、自らの経験と実験に基づいた、手間をかけずに最大の食料を得るための方法を探求している。彼は趣味の園芸書ではなく、危機的な状況でも頼りになる、泥臭くも確かな知識を提供する。
テーマ解説
本書の主要テーマは、外部からの入力を最小限に抑え、シンプルな道具と手法を用いて、いかなる状況下でも持続可能な食料生産システムを構築することである。
キーワード解説
- KISS (Keep It Simple, Stupid!):複雑なシステムに頼らず、シンプルで基本的なガーデニング手法の重要性を強調する原則。
- ダブル・ディギング (Double-Digging):土壌を深くまで耕し、根の生育を促進し、保水性を高める、人手による土壌改良法。
- 自家製肥料 (Homemade Fertilizers):尿や堆肥、海藻など、身近な材料から作る、持続可能でコストのかからない肥料。
- コンパニオンプランツ (Companion Planting):異なる植物を混植することで、害虫を防ぎ、土壌の健康を保つ伝統的な栽培方法。
- 食用森林 (Food Forest):果樹やナッツ、多年生野菜などを組み合わせた、長期的でメンテナンスの手間がかからない食料生産システム。
3分要約
現代社会の不安定さへの懸念から、食料自給の技術が再評価されている。本書は、趣味としてのガーデニングを超え、危機的な状況で家族を養うための、実践的でシンプルなサバイバルガーデニングを指南する。著者は、複雑な灌漑設備や高価な道具に頼るのではなく、KISS(シンプルであること)の原則を重視し、人間の力と基本的な道具だけで持続可能な食料生産を実現する方法を説く。
最初に、現代の流行である「高畝」や「耕運機」による栽培法について、その利点と欠点を冷静に分析する。水はけや温暖化に有利な高畝も、乾燥地域では不利に働く。耕運機は素早く土地を整えられるが、土壌の生態系を破壊し、雑草の種子をまき散らす。これに対し、著者は「ダブル・ディギング」という、手間はかかるが、土壌を深くまで柔らかくし、保水性と通気性を劇的に向上させる伝統的な手法を高く評価する。
次に、どれだけの土地が必要かという問いに対し、気候、水資源、土壌の肥沃度、そして栽培者の労働意欲によって答えが異なると述べる。穀物よりも根菜類が効率的であり、カロリーベースではジャガイモやサツマイモ、カボチャなどが優れていることを指摘する。また、鶏などの家畜を導入することで、野菜だけでは得られないタンパク質や脂肪を補うことの重要性も説く。
ガーデニングに必要な道具は、機械式のものではなく、シャベル、スペイディングフォーク、鍬、ブロードフォーク、鎌など、何世紀にもわたって使われてきた手道具が中心である。これらの道具は、燃料や電力を必要とせず、いかなる状況下でも頼りになる「終末論的な道具」として位置づけられる。水についても、雨水タンクや池の設置、手動ポンプの活用など、電力を前提としない代替案を提示する。
肥料は、化学肥料の即効性と有機肥料の土壌改良効果を比較し、緊急時には化学肥料も選択肢に入れる柔軟性を推奨する。しかし、長期的な視点では、堆肥、緑肥、血粉、骨粉、さらには尿の利用など、身近な材料から作る有機肥料の価値を強調する。害虫対策においては、殺虫剤に頼るのではなく、作物の輪作、コンパニオンプランツ、益虫の生息環境を整えるなど、生態系のバランスを活用する方法を重視する。
本書の大部分は、具体的な作物の解説に割かれている。ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ、エルサレムアーティチョークなどの根菜類から、カボチャ、豆類、トウモロコシ、ケール、キャベツ、そしてタバコやサトウキビ、ヤーコンなどの嗜好品まで、約40種類の植物について、栽培方法、収穫時期、保存方法、そしてサバイバル作物としての価値が詳述される。特に、手間がかからず高カロリーな作物や、多年生で何度も収穫できる作物が高く評価されている。
収穫した作物を長期間保存するため、缶詰、乾燥、発酵、冷凍の4つの主要な方法を解説する。缶詰ではボツリヌス菌の危険性に注意を促し、発酵食品の健康効果や、蒸留によるアルコール製造の可能性にも触れる。最後に、緊急時にすぐに実践できるクイックスタートガイドと、スーパーやパントリーにある乾物(豆類、トウモロコシ、ジャガイモ、スパイスなど)から種を確保する方法を紹介し、読者に具体的な行動を促す。
各章の要約
第1章 方法
ガーデニングの方法は多種多様だが、サバイバルガーデニングにおいては「KISS(シンプルであること)」の原則が最も重要だと説く。複雑なアクアポニックスや特殊な灌漑システムは、電力や外部入力を前提としており、危機時に脆弱となる。高畝は排水性や温暖化に優れるが、乾燥地域では不利であり、資材費や毒性の問題もある。耕運機は手軽だが、土壌の生態系を破壊し雑草の種子を撒き散らす。これらの方法を批判的に検討した上で、著者は「ダブル・ディギング」という伝統的な手法を推奨する。この方法は、土壌を深くまで耕すことで根の生育を促進し、保水性と通気性を高め、化学肥料や複雑な設備に頼らずに高い収量を得ることを可能にする。
第2章 どのくらいのスペースが必要か?
自給自足に必要な土地の広さは、気候、水資源、土壌の肥沃度、そして栽培者の労働意欲に大きく依存するため、単純に答えを出せないと述べる。降雨量が少ない地域では植物の間隔を広くとる必要があり、肥沃な土壌ほど少ない土地で済む。穀物よりも根菜類の方が単位面積あたりのカロリー効率が高いと指摘し、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャなどを主要なカロリー源として推奨する。さらに、鶏などの家畜を導入することで、野菜だけでは補いきれないタンパク質と脂肪を確保することの重要性を説く。理想的な自給は広大な土地を必要とするが、工夫次第で一般的な住宅地でも可能であるとし、まずは小さな土地から始め、徐々に範囲を広げるアプローチを提案する。
第3章 道具
本書では、燃料や電力に依存しない、永続的に使える手道具の重要性が強調される。必須の道具として、シャベル、スペイディングフォーク、スカッフルホー、グラブホー、リッジングホー、ホイールホー、ブロードフォーク、鎌、マチェーテなどが挙げられる。これらの道具は、土壌の準備、除草、植え付け、収穫など、あらゆる作業において、機械に頼らずに労働力を最大化するために不可欠である。特に、深く土を耕すブロードフォークや、大面積の除草を効率化するホイールホーは、人手による持続可能な農業の要とされる。道具を選ぶ際には、安価で華美なものよりも、頑丈で修理が効く、アンティーク品や質の高いものを推奨している。
第4章 灌漑
水は生命の源であり、サバイバルガーデニングにおいて最重要課題の一つである。電力網がダウンした状況を想定し、都市水道や電動ポンプへの依存から脱却する必要性を説く。具体的な代替案として、雨水タンク、池、中古のジャグジーを利用した貯水槽などを紹介する。また、井戸水を汲み上げるための手動ポンプの設置も検討すべきと述べる。灌漑方法自体も、電力に頼らないものへと見直す必要がある。高密度植栽は頻繁な水やりを必要とするが、植物間の間隔を広くとることで土壌水分の競争を減らし、降雨のみでも生育が可能になる。さらに、ダブル・ディギングによる土壌の保水性向上や、マルチングによる蒸発抑制も、効果的な節水対策として挙げられている。
第5章 肥料
植物の生育に不可欠な三大栄養素(窒素、リン、カリウム)を説明した後、化学肥料と有機肥料の利点と欠点を比較する。化学肥料は即効性があり、保管に場所を取らないという利点があるが、長期的には土壌の生態系を損ない、作物の味や栄養価を劣化させる可能性がある。一方、有機肥料は土壌を健全に保ち、微生物の活動を活発にするが、堆肥作りには手間と時間がかかる。著者は、理想は有機肥料だが、緊急時には化学肥料も選択肢に入れるべきという柔軟な姿勢を示す。具体的な有機肥料として、血粉、骨粉、魚乳液、海藻粉、そして無料で豊富に入手可能な「尿」を挙げ、その効果と使用方法を解説する。堆肥は、土壌にミネラルと腐植をもたらし、長期的な地力向上に不可欠である。
第6章 害虫対策
害虫対策の基本は、生態系のバランスを活用することにある。単一作物の大規模栽培は害虫を誘引するため、同じ場所に同じ科の作物を続けて植えない「輪作」が重要である。さらに、異なる種類の植物を混ぜて植えることで害虫を混乱させ、花や雑草を生やしてテントウムシやクモ、スズメバチなどの天敵の生息地を提供することで、自然の捕食バランスを機能させる。殺虫剤は天敵までも殺してしまうため、最終手段とすべきである。日常的な管理として、こまめに畑を見回り、害虫の卵や初期段階の幼虫を手で取り除くことが最も効果的だと説く。どうしても必要な場合には、唐辛子やニンニクを使ったスプレー、あるいはニコチン抽出液などの自家製の有機殺虫剤の作り方を紹介している。
第7章 大きくて膨大な作物リスト
約40種類の作物について、栽培方法、収穫時期、保存性、サバイバル作物としての価値が解説される。特に重要な作物として、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、キャッサバ、キャベツが挙げられる。これらの作物は、カロリーが高く、保存性に優れ、手間がかからずに多収を得られるからである。豆類はタンパク源として、ケールやコラードは栄養価が高く寒さに強いグリーンとして評価されている。また、タバコやサトウキビ、ヤーコンホーリー(カフェイン源)など、直接的な栄養源ではないが、精神的な充足や交易に役立つ嗜好品についても詳述されている。各作物の解説は、著者自身の栽培経験に基づいた実践的なアドバイスにあふれており、初心者でも挑戦しやすい内容となっている。
第8章 収穫物の保存
収穫した食料を長期間保存するための4つの主要な方法を解説する。缶詰は、ボツリヌス菌の危険性を理解し、酸性度の低い食品は圧力鍋で処理するなど、安全な方法で行う必要がある。乾燥は太陽熱や自作の乾燥機を利用した最も古くからある方法であり、果物やキノコなどの保存に適する。発酵は、塩漬け(ザワークラウトなど)とアルコール発酵(ワイン、蒸留酒など)の2種類があり、食品を長期保存できるだけでなく、健康にも有益である。蒸留酒の製造は法的規制があるものの、技術的には可能であり、緊急時には消毒や燃料としての価値がある。冷凍は最も簡単だが、電源を必要とするため、グリッドダウン時には信頼性に欠ける。
第9章 結論
本書の結論は、食料を自給する能力は、個人と家族を守る最も確かな手段の一つであるという点に集約される。著者は、読者に対して、高価な道具や複雑なシステムに頼らず、今すぐに小さな菜園を始め、土に触れ、栽培する喜びを体験することを強く勧めている。株式市場の暴落や遠くの紛争といった外部の出来事への不安は、自分の手で食料を生み出すという根源的な力を持つことで和らぐと述べる。このスキルを子供たちに伝えることも、将来への重要な投資である。最後に、著者は自身のウェブサイトでさらなる情報を提供し、読者がこの先の困難な時代を生き抜くための自信と技術を身につけることを願って本書を締めくくっている。

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