書籍『ディープ・ユートピア:解決された世界における生と意味』ニック・ボストロム 2024年

シンギュラリティ、AGI、ASIデジタルマインド・AIの意識トランスヒューマニズム、人間強化、BMIナノ病理学・ナノ技術・酸化グラフェンニック・ボストロム / FHIマルサス主義、人口抑制効果的利他主義幸福・ユートピア・ディストピア形而上学、神、ID説、目的論

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DEEP UTOPIA

ニック・ボストロム

タイトル

日本語タイトル:『深いユートピア:解決された世界における生と意味』ニック・ボストロム 2024年

英語タイトル:『Deep Utopia: Life and Meaning in a Solved World』Nick Bostrom 2024

目次

月曜日(MONDAY)

  • 温泉延期 / Hot springs postponed
  • 富裕層への論証 / Argumentum ad opulentium
  • ソーセージの壁 / Walls of sausages
  • ケインズの予測 / Keynes’s prediction
  • 新しいニーズと贅沢品 / New needs and niceties
  • 社会的プロジェクト / Social projects
  • より多くを求める欲求 / The desire for more
  • 完全または不完全な自動化 / Perfect or imperfect automation
  • 簡単な三要素モデル / A simple three-factor model
  • マルサス世界のパラドックス / Paradoxes of a Malthusian world
  • 異なる時間軸での上昇と下降 / Up and down on different timescales
  • 卓越性 / Excellence
  • 不均衡 / Disequilibria
  • 規模の経済 / Economies of scale
  • 時間不足 / Running out of time
  • 温泉へ / To the baths
  • キツネのフェオドル / Feodor the Fox

火曜日(TUESDAY)

  • 処刑の延期 / A stay of exequies
  • 復習 / Recapitulation
  • 我々の宇宙的遺産 / Our cosmic endowment
  • 技術的成熟 / Technological maturity
  • 協調 / Coordination
  • 慎重な障壁 / Prudential barriers
  • 価値論的輪郭 / Axiological contours
  • 形而上学 / Metaphysics
  • 機械があなたのためにできないこと / What machines can’t do for you
  • 不可能な入力 / Impossible inputs
  • キツネのフェオドル / Feodor the Fox

水曜日(WEDNESDAY)

  • 完全失業 / Full unemployment
  • けんか、盗み、食べ過ぎ、飲酒、寝坊 / Brawl, steal, overeat, drink, and sleep late
  • 余暇のテンプレート / Templates of otium
  • 余暇文化 / Leisure culture
  • 学部長からのメッセージ / Message from the Dean
  • 野生の目? / Wild eyes?
  • 目的問題の再考 / The purpose problem revisited
  • ケーススタディ1:買い物 / Case study 1: Shopping
  • ケーススタディ2:運動 / Case study 2: Exercising
  • ケーススタディ3:学習 / Case study 3: Learning
  • ケーススタディ4:子育て / Case study 4: Parenting
  • 浅い冗長性から深い冗長性へ / From shallow to deep redundancy
  • 進歩のパラドックス / Paradox of progress
  • 五重の防御 / A five-ringed defense
  • 兆候と目撃 / Signs and sightings
  • 夢の室内装飾 / The upholstery of dreams
  • 架空のキャラクター / Fictional characters
  • キツネのフェオドル / Feodor the Fox

木曜日(THURSDAY)

  • 間隙の可能性 / Interstitial possibilities
  • 可塑性 / Plasticity
  • 自己能力 / Autopotency
  • エージェント的複雑さと運 / Agentic complications and luck
  • 希望に満ちた軌道 / Hopeful trajectories
  • 分類法 / Taxonomy
  • 冗長性の懸念 / The redundancy concern
  • 完璧な世界に住むのは退屈ではないか? / Wouldn’t it be boring to live in a perfect world?
  • シェイクスピアの面白さについて / How interesting is Shakespeare?
  • 162,329番目のテーブルの脚 / The 162,329th table leg
  • 美的ニュートリノ? / Aesthetic neutrinos?
  • 100年間の黄色 / A hundred years of yellow
  • 観察者における複雑性 / Complexity in the observer
  • 面白さへの欲求の根源 / The roots of our desire for interestingness
  • 内在化 / Intrinsification
  • 批判的遊戯精神 / Critical playful spirit
  • スケール演習 / Scale exercises
  • 面白さ:内包型対貢献型 / Interestingness: contained versus contributed
  • 小さな人々、大きな世界 / Small people, Big World
  • 狭量主義 / Parochialism
  • 時間と変化 / Time and becoming
  • ポストヒューマニティの空間 / The space of posthumanity
  • 学習・探索仮説の含意 / Implications of the learning & exploration hypothesis
  • 精神的万華鏡 / Spirited kaleidoscopes
  • 遠回りのルート? / The scenic route?
  • アイデンティティ、生存、変容、割引 / Identity, survival, transformation, discounting
  • 時間スーツ / Timesuits
  • 前衛兵 / Outriders
  • 純粋な快楽 / Pure pleasure
  • 愚者と楽園について / On fools and paradises
  • 根本的に異質な存在 / Radically exotic beings
  • 極端な狭量主義 / Extreme parochialism
  • 航海士の船室への訪問 / A visit to the navigator’s cabin
  • メタ哲学に関する若干の考察 / Some remarks on metaphilosophy
  • 充実 / Fulfillment
  • 豊かさ / Richness
  • 目的 / Purpose
  • ThermoRexの昇格 / The Exaltation of ThermoRex
  • 袋は空 / The bag is empty
  • 到着 / Arrival
  • 開会の辞 / Opening remarks
  • 評論と深遠さ / Punditry and profundity
  • 掴み袋概念 / Grab bag concept
  • タデウス・メッツの説明 / The account of Thaddeus Metz
  • ユートピア的意味への含意 / Its implications for utopian meaning
  • ゆとり / Slack
  • 役割 / Role
  • 方向性 / Orientation
  • 魅惑 / Enchantment
  • モットー / Motto
  • 動機 / Motivation
  • 推測的背景 / The speculative backstory
  • 包括的超越的目的としての意味 / Meaning as encompassing transcendental purpose
  • いくつかの観察との一致 / Concordance with some observations
  • 意味の危機 / Meaning crisis
  • ニーチェに関する一考 / A note on Nietzsche
  • シーシュポスの変奏曲 / Sisyphus variations
  • 主観性・客観性スペクトラム / A subjectivity–objectivity spectrum
  • 意味の発見と共有の方法 / How meaning could be discovered and shared
  • 可能な意味のカテゴリー / Categories of possible meaning
  • 人生の意味とは / The meaning of life is
  • 退場 / Exit
  • 墓地 / The graveyard
  • カーニバル / Carnival
  • ポエトリー・スラム / Poetry slam
  • 夏の空気 / Summer air

各トピックの要約

序文(Preface)

雪の夜明けに目覚めた子供のように、私たちは変容した風景を眺める。技術によって可能になった新しい世界は、発見と遊びの可能性で輝いている。本書は「解決された世界」における人生の意味と目的という問題を探求する。

月曜日

温泉延期(Hot springs postponed)

ニック・ボストロムの講義シリーズが始まる。現在の世界には白血病、貧困、戦争など多くの問題があり、これらは有意義な挑戦を提供している。しかし本講義では、すべての問題が解決された後に直面する「ユートピアの問題」について考察する。技術の目的は少ない努力でより多くを達成することであり、その論理的終着点は努力なしですべてを達成できる状態である。そこで私たちの生活に意味と目的を与えるものは何か。

富裕層への論証(Argumentum ad opulentium)

ビル・ゲイツとイーロン・マスクが「目的問題」について懸念を表明している。人工知能が人間よりも優れた仕事をするようになったとき、人間はどこに意味を見出すのか。このような懸念は贅沢な問題かもしれないが、ユートピア的繁栄がその頻度を増加させる可能性がある。問題は単なる物質的豊かさを超えて、はるかに深いところにある。

ソーセージの壁(Walls of sausages)

最も単純なユートピアの形は物質的豊かさである。中世の「コケーニュの国」の神話では、壁がソーセージでできており、魚が水から飛び出し、豚が背中にナイフを刺して歩き回る。現代の先進国では、すでにこの種の豊かさの多くを達成している。冷蔵庫は常に満杯で、24時間配送サービスがある。しかし私たちはまだかなりの時間働いている。

ケインズの予測(Keynes’s prediction)

1930年、経済学者ジョン・メイナード・ケインズは「我々の孫の経済的可能性」で、2030年までに生産性が4〜8倍向上し、週15時間労働が可能になると予測した。生産性の向上は予測通りだったが、労働時間の短縮は限定的で、週約36時間程度にとどまっている。私たちは生産性向上を主に消費の増加に使い、怠惰よりも貪欲が勝利した。

新しいニーズと贅沢品(New needs and niceties)

高い収入水準でも働き続ける理由として、新しい消費財の可能性がある。生物医学的強化技術により、お金を生活の質や量に変換する新しい方法が生まれるかもしれない。デジタルマインドの場合、より多くの計算資源はより長い生活、より速い思考、より深い意識体験を意味する。現在のような収益逓減の法則が将来も適用されるとは限らない。

社会的プロジェクト(Social projects)

利他的な理由で長時間働く動機もある。野生動物の病院システム構築のような野心的なプロジェクトは、膨大な資源を必要とする。理論的には、時給が高いほど追加労働の利他的理由は強くなる。より多くの幸福な存在を創造することも可能で、特にデジタルマインドの数は計算資源に比例する。

より多くを求める欲求(The desire for more)

相対的地位への欲求は、収入水準に関係なく働く動機を提供する。他者より多く持ちたいという欲求は、すべての人の収入が上昇しても満たされない。順序的ランキングが重要な場合、小さな増分利得でも非常に魅力的であり続ける。しかし協調により、地位競争を思いとどまらせたり、より建設的な方向に向けることは可能である。

完全または不完全な自動化(Perfect or imperfect automation)

これまでの議論は人間の労働に対する需要が残るという前提に基づいている。しかし機械知能の進歩により、資本が人間労働の代替品になる可能性がある。機械がすべての人間の仕事をより安価にできるようになれば、人間は労働市場から押し出される。不完全な自動化の場合、影響は複雑で、賃金への下降圧力と上昇圧力が競合する。

簡単な三要素モデル(A simple three-factor model)

労働、資本、土地の三要素経済モデルを考える。完璧なロボットが発明されると、資本が蓄積し、人間は働かなくなるが土地と知的財産から収入を得る。平均収入は極めて高くなる。しかし人口増加が制限されなければ、最終的にマルサス的状態に戻り、平均所得は生存レベルまで低下する。これは歴史上の人類と野生動物の大部分の状況と類似している。

マルサス世界のパラドックス(Paradoxes of a Malthusian world)

マルサス的状況では、不平等は一部の人々が生存レベル以上の収入を享受できる唯一の方法である。平等、食料供給の安定、平和、応急処置などの改善は、中期的には平均福祉に負の影響を与える可能性がある。これらの改善は死亡の原因を戦争や事故から貧困や栄養失調に移すだけかもしれない。しかし長期的には、これらの発展は産業革命への道筋であった。

異なる時間軸での上昇と下降(Up and down on different timescales)

マルサス世界では、異なる時間軸で進歩の影響が変わる。短期的(数世代)には改善は福祉を向上させる。中期的(100年程度)には新しい平衡状態で平均福祉が低下する。長期的には産業革命への道筋となった。現在約1000億人の人類のうち100億人以上が脱マルサス的状況で生活している。

卓越性(Excellence)

同じ収入水準でも、社会経済的文脈により物質的福祉は大きく異なる。健康な狩猟採集民は産業革命初期の炭鉱労働者よりもはるかに高い福祉を享受する可能性がある。客観的幸福の完全主義的概念では、極度の貧困と過度の富の両方が人間能力の発達を妨げる可能性がある。平和と繁栄への進歩は偉大さへの動機を弱める可能性もある。

不均衡(Disequilibria)

完全自動化の場合でも、人口動態により時間軸の問題が残る。全員が贅沢に暮らせば、人口増加により平均収入が生存レベルに戻る。豊かさの時代は長い暗夜の中の一瞬の閃光に過ぎないかもしれない。この問題を回避するには人口増長の調整が必要で、これには世界的協調が求められる。

規模の経済(Economies of scale)

人間社会は動物社会よりもはるかに大きな規模の経済を示す。大きな人口はより多くの発明を生み出し、分業の利益も大きい。非競合財のコストを大きなユーザーベースに分散できる。しかし技術進歩が困難になるにつれ、人口増加の利益と発見の困難さのバランスが変化する。歴史的に進歩は加速してきたが、最終的には資源制約が支配的になる。

時間不足(Running out of time)

講義時間が不足し、次のクラスが待っている状況で急いで終了する。

温泉へ(To the baths)

講義後、参加者たちが温泉に向かう計画を立てる場面。

キツネのフェオドル(Feodor the Fox)

フェオドルが叔父パスターノートへの手紙で、哲学者ピグノリウス豚との出会いと議論を描く。世界の苦しみについて考察し、改善の可能性について絶望的な結論に達するが、無知がある限り希望があるという言葉にすがる。彼らは知識の断片化の問題と、それを解決するための通信インフラの必要性について議論する。

火曜日:処刑の延期(A stay of exequies)

葬式が延期され、参加者が全講義に出席できることになる。

復習(Recapitulation)

月曜日の内容を要約。物質的豊かさのユートピア、ケインズの予測、三種類の消費機会、自動化の影響、三要素経済モデル、マルサス的状況のパラドックス、進歩の異なる時間軸での影響、そして人口増長の制御の必要性について振り返る。

我々の宇宙的遺産(Our cosmic endowment)

宇宙論的制約により、文明が到達・利用できる資源は有限である。光速制限と正の宇宙定数のため、アクセス可能な宇宙の体積と物質量は限られている。計算能力の観点から、技術的成熟期には10^85回の演算が可能で、これは膨大な数のデジタルマインドを支えることができる。ただしこれは現在の物理理論が正しく、シミュレーションではないという前提に基づく。

技術的成熟(Technological maturity)

技術的成熟とは、自然に対する最大限の制御を可能にする能力の状態である。原子精度の製造、機械超知能、宇宙植民地化、仮想現実、医学の完全制御、心の工学、センサー・セキュリティなどが含まれる。これらの能力により、従来不可能だった多くのことが実現可能になる。技術的成熟に到達すれば、下限として非常に高い能力セットにアクセスできる。

協調(Coordination)

技術進歩は多くの協調問題の解決に役立つ可能性があるが、同時に新たな問題を生み出すこともある。あるレベルでの協調を助ける技術が、別のレベルでの協調を阻害する場合もある。人類の運命は「結び目」のようなもので、技術進歩は紐を引っ張るようなものかもしれない。一部の結び目は解けるが、他の結び目はより緊密になる可能性がある。

慎重な障壁(Prudential barriers)

最適な結果を達成するために必要な技術が存在的リスクを伴う場合、慎重な障壁が生じる。例えば、より速い宇宙旅行を可能にする技術Xが真空崩壊のリスクを伴う場合、合理的な文明はそれを開発しないかもしれない。一部の文明は「量子トンネル」のように無謀にリスクを取る可能性もある。

価値論的輪郭(Axiological contours)

我々の価値の性質から生じる改善への内的制約。地位的・競合的財、影響、目的、新規性、飽和、道徳的制約などが含まれる。これらの制約は、無限の資源と技術があっても残存する根本的限界である。例えば、地位財は本質的に希少であり、技術進歩では解決できない。

形而上学(Metaphysics)

哲学的ゾンビ(意識のない存在)の創造可能性など、形而上学的事実による制約。意識、道徳的地位、個人のアイデンティティなどに関する形而上学的または自然法則的事実が、ユートピア的ビジョンの実現可能性を制限する可能性がある。

機械があなたのためにできないこと(What machines can’t do for you)

自動化の完全な限界について分析。DJ、セラピストなどの職業において、機械が人間と同等またはそれ以上の性能を発揮できる場合でも、顧客が人間による服務を好む理由を検討。感情、道徳的地位、規制、地位象徴主義、連帯、宗教・慣習・感傷・特殊な利益、信頼・データなどが人間労働への需要を維持する要因として挙げられる。

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