奇跡ではなかった母の進行抑制

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Everyone knows a cancer survivorbut no one knows an Alzheimer’s survivor.

だれもがガンで生き残った人を知っている。
だが、だれもアルツハイマー病で生き残った人を知らない。

進行抑制の本当の理由

2年後に服が着れなくなる

最初に母が診断されて、慌てて病気がどう進行していくかを聞いたところ、医者から伝えられたのは

「あと2年で、自分では服を着るれなくなります」

という言葉でした。

6年後も日常生活を維持

しかし、家族の会などで知り合った同時期に発症した他の認知症の方々がみるみるうちに病態が進行、悪化していく中で、実際に2年が経過しても、日常生活を送る能力は維持したままで、医者からは首をかしげられていました。

現在は、それからさらに6年が経過しましたが、記憶障害の部分を除けば、会話をしてて違和感があるとかいったこともありません。

もちろん、今でも自分で服を着替えて日常生活を過ごしており、ともすれば病気であることを忘れてしまいそうなほどです。

医学的証拠に基づく多因子標的

なぜ進行抑制がこれほど続いているのか、厳密に、医学的な水準で聞かれるなら、「わからない」という答えになります。

しかし、結局ふり返って、なにをしてきたと言えば、医学的根拠、薬の仕組みなどを可能な範囲で理解し、それらに基づいて改善方法を可能な限り多く多面的に実行した、ということだけです。

このように書くと難しそうに聞こえますが、砕いて言うと[医学的に良さそうなものをあれこれ組み合わせた」ということであり原始的といえば原始的なやり方です。

進行がおだやかに進む潜在的理由

若年性アルツハイマー病進行の進展に早いケースはあるものの、進行が抑制されたケースというものはほとんど見られないといわれています。

とはいえ、まったくその例がないわけではなく、いくつか進行抑制が続く可能性、例について箇条書きにしてみます。

他のタイプの認知症との誤診

誤診の多いレビーなどでは、進行が緩やかに続くケースがある。

アルハカ母 → 臨床的にも画像診断においても明白なアルツハイマー型。

典型例ではない亜型のアルツハイマーである

海馬温存型、亜型アルツハイマー病、当サイトで紹介している3型などには進行の遅い例がある。(変動幅が大きい)

アルハカ母 → 海馬障害が著しく、臨床的にも亜型の可能性はありえない。

高学歴、知的労働に関わっていた

知的労働に関わっている認知予備力がもともと高い人は、それだけ長く生きる可能性がある

アルハカ母 → 普通の主婦

なにか魔法の特効薬を摂っている

アルハカ母 → 初期の段階ではエビデンスに基づいたサプリメントと行動療法だけ。

認知症のリスク遺伝子であるApoE4が陰性

ApoE4陽性患者に比べると、個人差やプラセボ効果、3型では初期の自然療法的なデトックス効果による進行遅延の可能性が見られる。

アルハカ母 → ApoE4/4(ApoEでもっとも厳しいタイプですorz)

治験を受けている、受けていた

アルハカ母 → 治験を受けたが除外基準となってしまったため初期の段階で中止、また後になって、受けていた治験薬がApoE4陽性には有効ではなかったことを知る。

高齢期のアルツハイマー病である

65歳以上で発症する老齢期の認知症、またはアルツハイマー病患者さんでは、個人差により非常に遅い進行を示すことがあります。この遅い進行をもってして「アルツハイマー病であっても遅い進行、長い余命をもつことがある」という事例して取り上げられることがあります。

 

そういうわけであれこれ、考えつくかぎり書いてみましたが、他に進行が抑制される要因要素が「個人差」「運が良かった」的な事を含めたとしても、まったく思い当たらないのです。

気がつくと生き残っていた

おそらくほとんど人にとって、仮に不治の病を患い、その後なにか独自の治療により回復したとすれば、自分が選択した治療法の正しさを疑うのは、非常にむずかしいでしょう。

脳はあらゆるトリックを用いて、個人の経験を一般化させようとします。手練れた医者や研究者でもプラセボを見抜けないことも現在の二重盲検制度につながっています。

奇妙に聞こえるかもしれませんが、私もこれまで自分がずっと行ってきた改善策に、絶対と思えるような確信を持ったことは一度もありません。

(全体の方向性としては間違っていないだろう、という確信はありますが。)

存在しない奇跡の若年性アルツハイマーサバイバー

ただ、少しでも治る方向へと軌道修正を幾度となく繰り返してきた結果、母は認知機能を維持し、医者から驚かれ、そして周囲を冷静に見渡すと、真の意味での若年性アルツハイマーサバイバーが、誰もいないことに気がついたようなところがあります。

もし母の病気がガンで生き残ったとかであれば、私は単に運が良かったケースかもと考えていたかもしれません。また、ブレデセン博士の論文を読まなければ、このように発信しようと思うほどには確信をもてなかったとも思います。

アルツハイマーサバイバーに明確な定義はありませんが、完全に回復を果たすという意味ではおそらく文字通りゼロでしょう。これはわたしの母も例外ではありません。

 

また、アルツハイマー病には誤診の例や亜型が多く存在し、特殊ケースによっては長く生きるケースもあるようですが、典型的なアルツハイマー病と診断され平均余命を大きく超えて健常者として生活できるという意味であれば、わたしの知る限り、国内に3万8千人いる若年性アルツハイマー病患者で、おそらくゼロです。

サイトや書籍で紹介されいているアルツハイマー病回復例、進行抑制例のおそらくほとんどすべてが、亜型かMCI段階での早期介入だったか、誤診、亜型のいずれかだと推察しています。

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