
https://link.springer.com/article/10.1007/s11024-022-09479-4#additional-information
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36340971/
英語タイトル:『Censorship and Suppression of Covid-19 Heterodoxy: Tactics and Counter-Tactics』Yaffa Shir-Raz, Ety Elisha, Brian Martin, Natti Ronel, Josh Guetzkow (2022)
日本語タイトル:『COVID-19異端説の検閲と抑圧:戦術と対抗戦術』ヤッファ・シル=ラズ、エティ・エリシャ、ブライアン・マーティン、ナッティ・ロネル、ジョシュ・ゲッツコウ (2022)
本論文の概要
短い解説
本論文は、COVID-19に関する公式見解に異議を唱えた医師・科学者が経験した検閲と抑圧の実態を、当事者の視点から質的に分析することを目的としている。
著者について
著者らは社会学、犯罪学、コミュニケーション学の専門家であり、科学的異議申し立ての抑圧という現象を長年研究してきた。本研究では、ハイファ大学、バル・イラン大学、ヘブライ大学、ウロンゴン大学など複数の機関に所属する研究者が協力し、COVID-19時代における検閲の新たな特徴を明らかにする。
テーマ解説
- 主要テーマ:科学的異議の組織的抑圧-医療機関、メディア、IT企業が協調して、正統的見解に反する専門家を排除する構造的メカニズム
- 新規性:IT企業の検閲への積極関与-FacebookやGoogleなどテクノロジー企業が、政府と連携して科学的言論を統制する前例のない事態
- 興味深い知見:バックファイア効果の可能性-検閲が逆に注目を集め、公衆の不信を招く逆説的結果
キーワード解説
- COVID-19正統説:政府・政府間保健当局が支持する支配的立場。ウイルスの起源、マスク義務化、ロックダウン、早期治療薬、ワクチンの安全性と有効性などについての公式見解
- 検閲のバックファイア効果:検閲行為が露呈すると、検閲された情報への注目が高まり、検閲者への不信が増大する現象
- 第三者戦術:一見独立した「ファクトチェッカー」や他の医師を動員して、異端者の信用を失墜させる隠蔽工作
3分要約
COVID-19パンデミックは、科学的論争を数多く生み出したが、政府見解に異議を唱える医師・科学者に対する前例のない規模の検閲と抑圧が行われた。本研究は、COVID-19関連の異端的見解を表明したために検閲・抑圧の対象となった13名の著名な医師・科学者(オーストラリア、カナダ、チェコ、ドイツ、イスラエル、英国、米国出身)への質的インタビューを通じて、彼らが経験した戦術と対抗戦術を探究した。
研究参加者は、医療機関とメディアの両方から多様な検閲・抑圧戦術の標的となったと報告した。主流メディアからの排除は初期段階で起こり、その後「反ワクチン派」「COVID否定論者」「誤情報拡散者」「陰謀論者」といった中傷的レッテルが貼られた。メディアは一見独立した「第三者」、たとえば他の医師や「ファクトチェック」組織を動員して彼らの信用を失墜させた。これらのファクトチェック組織は、製薬企業やワクチン利害関係者と結びついていると参加者は主張する。
FacebookやTwitter、YouTube、Googleといったソーシャルメディア企業によるオンライン検閲も顕著だった。投稿や動画、アカウント全体が「コミュニティ規則違反」として削除された。これらは学術的根拠のある資料であったにもかかわらず、である。一部の参加者は、Google Docsでさえ私的なコミュニケーションが制限されたと報告した。
医療・学術機関による抑圧も深刻だった。保健省の公式ウェブサイトで名指しで「誤情報拡散者」と非難されたり、所属機関から評判を傷つけられたりした。雇用契約が更新されなかったり、解雇されたり、権威ある委員会や学術誌編集職から突然資格剥奪されたりした例もあった。医師免許の調査や取り消しの脅迫、多額の訴訟、警察による家宅捜索など、公式調査も行われた。査読を経て出版された科学論文が、後から撤回される事例も報告された。
しかし、参加者全員が、初期の衝撃にもかかわらず、屈服せず反撃することを決意した。彼らは検閲行為自体と検閲された情報の両方を暴露しようとした。主流メディアから排除されると、ソーシャルメディアや代替チャンネルを活用した。政府による報復を避けるため、「秘密の」Telegramアカウントや匿名Twitterアカウントを開設せざるを得なかった科学者もいた。同様の見解を持つ科学者、医師、弁護士、政治家との支援ネットワークを構築し、新たなコミュニティを形成した。さらに、既存の機関が失敗したとして、代替的な医療情報システム、新しい学術誌、非営利組織の設立に取り組んだ。
本研究の知見は、メディア組織、特にIT企業がCOVID-19政策をめぐる議論を抑圧する中心的役割を果たしたことを示す。政府高官がTwitterやFacebookなどのテクノロジー企業と直接連携して医師、科学者、ジャーナリストを検閲していたことが、訴訟手続きから公開された電子メールで記録されている。参加者の報告は、製薬企業やIT企業といった強力な利害関係者が検閲に関与していることを間接的に示唆する。
参加者が経験した検閲戦術は、Jansen and Martinの検閲のダイナミクスに関する枠組みと一致する:隠蔽(第三者やファクトチェッカーの利用)、価値低下(中傷キャンペーン、解雇、資格剥奪)、再解釈(公衆を守るための検閲という枠組み設定)、公式チャンネル(医師免許調査、訴訟)、脅迫である。対抗戦術も同枠組みと一致する:暴露、正当化(科学的証拠の強調)、解釈(検閲としてのフレーミング)、方向転換(支援者の動員)、抵抗である。
COVID-19時代の検閲には三つの主要な特徴がある。第一に、その激しさと広範さが前例がない。科学雑誌やプレプリントサーバーまでが科学論文を検閲し、学術・医療機関が批判的声を検閲することに積極的に関与した。第二に、完璧な経歴と高い学術・医療的地位を持つ科学者や医師が定常的に検閲された。これは、どれほど著名であろうと誰も検閲から免れないというメッセージを送る。第三に、IT企業がCOVID関連の異論を検閲する上で顕著な役割を果たした。
検閲は公衆の信頼を損ない、特にパンデミックのように人命にかかわる情報が隠蔽され後に明らかになった場合、その影響は深刻である。科学的探究には議論と活発な討論が必要だが、COVID論争は議論されるのではなく、分断を煽り、代替的視点を悪魔化し、検閲し、主流見解を絶対的真理として押し付けるために利用された。異論を「誤情報」として検閲し退ける動きは、科学的「境界作業」と酷似しており、科学的権威が特定の探究分野を非科学的として排除することで維持される。検閲によって虚偽のコンセンサスを作り出すことは、科学者や政策立案者を支配的パラダイムに閉じ込め、危機に対処するためのより効果的な選択肢を無視させ、医学、科学、公衆衛生への信頼を侵食する。
本研究は、異論が検閲によって抑圧された主観的経験を記録することで、公衆衛生と科学における論争の分野で疑問や批判を提起する科学者や医師に声を与える。同時に、独裁的な「コンセンサス」に疑問を呈する著名人物に対してさえ用いられる検閲実践と攻撃的抑圧戦術の増加について、認識を高めることを目指す。検閲と沈黙の実践は、表現の自由と倫理原則の侵害、科学への損害、そして公衆衛生と安全への潜在的リスクという、広範囲にわたる帰結をもたらす可能性がある。
各章の要約
イントロダクション
COVID-19の出現は、ウイルスの起源、ロックダウンやマスク義務などの制限措置、治療薬の使用と排除、ワクチンの安全性と有効性、ワクチンパスポートの導入など、COVID関連の知識と政策をめぐる多数の論争を生み出した。パンデミック初期から、多くの科学者や医療従事者が、ロックダウン政策の倫理性や、パンデミック、罹患率、死亡率の数字が誇張されていることに疑問を呈した。一部の学者や医師は、COVID-19ワクチンキャンペーン開始後、mRNAワクチンへの緊急使用許可の性急さ、臨床試験の質、許可プロセスの透明性欠如、有効性推定の水増し、有害事象の最小化や無視について批判を強めた。批判者たちは、COVID-19をめぐる科学的・政策的言説が検閲と異論の抑圧により公平な場で行われていないと主張する。政府やFacebook、Google、Twitter、LinkedInなどのテクノロジー企業は、政府政策に異議を唱える見解は危険な誤情報であり、公衆衛生を守るために検閲が正当化されると主張して、反対意見を検閲する措置を講じた。
COVID-19異端説の検閲
COVID-19に関する見解や立場を異端的と表現することは、正統的立場の存在を意味する。ここでは、大多数の主要な政府および政府間保健機関が支持する支配的立場を指す。Liester(2022)は、COVID-19に関する支配的見解と異論的見解を比較するリストを提供している。SARS-CoV-2の起源(動物由来対実験室由来)、マスク義務化(拡散を防ぐ対防がない)、ヒドロキシクロロキンやイベルメクチンなどの薬剤による早期治療(無効で危険対有効で安全)、ロックダウン措置やその他の制限の有用性(有効で有益対無効で有害)、COVID-19ワクチン(安全で有効対危険で有害)、COVID-19ワクチン義務化とパスポート(必要で倫理的対有害で非倫理的)が含まれる。正統的立場は変化することもある。たとえば、2020年春半ばまで、SARS-CoV-2の実験室起源に関する議論はTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアサイトで禁止されていたが、最近では実験室流出説がより正当性を得ている。
2020年初頭以来、COVID関連の異端的見解や情報を提示する個人やグループからの検閲についての苦情が急増し、2021年のCOVID-19ワクチン展開後はさらに増加した。多くの事例はソーシャルメディア検閲に関わり、アカウントの削除(「プラットフォーム排除」)やユーザーに通知せずにコンテンツの可視性をブロックすること(「シャドウバン」)が含まれる。著名な例として、2020年10月に公開されたGreat Barrington宣言のウェブサイトがGoogleによって検索順位を下げられた。この宣言は、ハーバード、スタンフォード、オックスフォード大学の3名の疫学者が主導し、ノーベル賞受賞者マイケル・レヴィットを含む多くの著名な科学者や医師が署名した。
検閲、バックファイア効果、公衆の憤り
COVID-19検閲は、部分的には、異端的専門家や公式見解に疑問を持つ市民の見解を排除するものである。この種の検閲は、AIDS、環境研究、フッ化物添加、ワクチン接種など、科学と医学における他の多くの論争的分野の特徴でもあった。実際、検閲には長い歴史があり、その目的は、政府や企業といった強力な組織にとって脅威と認識される可能性のある望ましくない考えや立場の自由な発言、出版、その他の表現形式を抑圧することである。反対意見や代替意見の検閲は、特に不確実性を特徴とする流行病のような危機的状況では公衆にとって有害である。重要な見解、情報、科学的証拠が無視される可能性があるためである。さらに、反対意見の否定や沈黙化は公衆の不信を引き起こす可能性がある。研究は、リスク状況、特に不確実性を含むリスクにおいて、公衆は異なる見解を含む情報の完全な透明性を好み、それを提供しても行動面での否定的反応を引き起こさず、むしろ否定的感情を減少させ、リスク評価機関への尊敬を高めることを示している。検閲は逆効果になる可能性があり、検閲された情報への注目が高まり、検閲された人々への共感が生まれ、検閲に関与する主体や機関への公衆の不信が促進される可能性がある(バックファイア効果)。
方法
本研究は質的研究であり、この現象を経験した人々の視点から内部的認識を特定することを目的とする。研究参加者は、世界各国(オーストラリア、カナダ、チェコ、ドイツ、イスラエル、英国、米国)の13名の確立された医師・科学者(男性12名、女性1名)である。そのうち11名は様々な分野(疫学、放射線学、腫瘍学、心臓病学、小児科、婦人科、救急医療管理など)で正式な医学訓練を受けており、2名は医学学位を持たない研究科学者(リスク管理と心理学の分野)である。参加者全員がMDまたはPhD学位を持ち、4名は両方を保有する。大半は自分の分野でよく知られており、多数の学術出版物を含む実証された研究背景を持つ。目的的サンプリング法を使用し、研究対象の現象について教えてくれる個人を意図的に選択した。匿名性を保つため、回答者の識別につながる可能性のある詳細は省略した。研究は半構造化インタビューガイドを用いた詳細インタビューに基づく。質問は、回答者のCOVID-19に対する論争的とみなされた立場、その立場により経験した出来事、職業的・個人的生活への影響、これらの出来事への対応に焦点を当てた。
知見:異論の沈黙化-検閲と抑圧の戦術
研究参加者は、COVID-19に関する批判的で非正統的な立場により、医療機関とメディアの両方から多様な検閲・抑圧戦術の対象となったと報告した。戦術には、排除、中傷的レッテル貼り、メディア(主流およびソーシャル)による敵対的コメントや脅迫的声明、雇用者による解雇、公式調査、医師免許の取り消し、訴訟、出版後の科学論文の撤回が含まれる。
排除:回答者は、流行の初期段階で批判や異なる立場を表明し始めたとき、それまで望ましいインタビュー対象者とみなしていた主流メディアが、彼らへのインタビューや意見記事の受け入れを停止したことに驚いたと報告した。
中傷:排除は最初の段階に過ぎず、その後すぐにメディアによる名誉毀損の対象となり、「反ワクチン派」「COVID否定論者」「誤情報/虚偽情報拡散者」および/または「陰謀論者」として中傷された。
「第三者」の動員による信用失墜:回答者が主張する、メディアが彼らの信用を失墜させるために使用した顕著な戦術の一つは、一見独立した「第三者」(他の医師など)を利用して彼らを攻撃することだった。たとえば中傷記事を書かせることによって。メディアが使用したもう一つの「第三者」は「ファクトチェック」組織だった。一部の回答者は、ファクトチェックグループが企業や他の利害関係者によって動員・運営され、彼らの信用を失墜させ、彼らが提示した情報を信用できないものにしようとしたと主張した。一部の参加者は、メディアが彼らを職場で中傷し、解雇や辞職を余儀なくされるまで迫害したと述べた。
オンライン検閲:一部の回答者は、ソーシャルメディアネットワーク(Facebook、Twitter、TikTok、YouTube、Google、LinkedIn)で検閲され、投稿、ツイート、動画、さらにはアカウントがネットワークによって削除されたと報告した。回答者は、ソーシャルネットワークによる資料削除に「コミュニティルール」違反の通知が伴ったと強調した。これらは学術資料であり、科学的に裏付けられていたにもかかわらず、である。一部の回答者は、Google Docsでさえ検閲されたと報告し、これは私的コミュニケーションさえ検閲されていることを意味する。
医療・学術機関による検閲と抑圧:一部の回答者は、自分の所属機関から名誉毀損の対象となり、明らかに評判とキャリアに損害を与える意図があったと報告した。たとえば、イスラエル保健省の公式ウェブサイトに、誤情報を流布している唯一の医師として自分の名前が掲載された。一部の参加者は、インタビューや証言を行う際、または見解を表明する際に、所属機関との関連付けが許されないという明確なメッセージを受け取ったと述べた。場合によっては、これが契約更新の条件だった。一部の事例では、回答者は立場や批判を表明した後、所属機関から解雇されたり、契約が更新されないと通知されたりしたと報告した。同様に、回答者は、適正手続きや透明性なしに、主要な保健委員会や科学委員会への参加、医学雑誌の編集など、権威ある職位から即座に解雇または資格剥奪されたと述べた。ある事例では、回答者は自国のCDCに相当する機関が介入し、大学に自分の「事例を調査」するよう要請したことを知った。一部のインタビュー対象者は、保健機関が評判を傷つけ、厳しい措置を講じただけでなく、メディアと協力し、これらの措置に関する情報をメディアを通じて確実に拡散したと述べた。
公式調査:一部の医師は、医師免許の調査や取り消しの脅迫など、公式調査が開始されたと報告した。ある回答者は、100万ドル以上の訴訟を起こされたと報告している。別の回答者は、自宅の個人診療所で警察による捜索が行われたと報告している。
科学論文の撤回:一部の研究者や医師は、出版後に雑誌から研究論文が撤回された経緯を語った。インタビュー中に繰り返し浮上した別のテーマは、COVID-19政策と正統説に批判的な研究が、キャリアにおいて経験したことのない方法で扱われたことだった。これには、査読なしで雑誌から論文が拒否される(多くの場合複数回)、雑誌の査読・出版プロセスが通常より数ヶ月長くかかる、さらにはMedRXivなどのプレプリントサーバーから論文が拒否されることが含まれた。ある事例では、インタビュー対象者は医療機関から非常に脅威を感じたため、他の研究者と共同執筆した論文に自分の名前を載せることを控え、名前が掲載された人々は論文が出版されるまで身を隠したり、目立たないようにしたりしようとしていたと述べた。
知見:反撃-対抗反応
回答者は、攻撃と検閲に対する最初の反応は衝撃と驚きだったと指摘した。人生で初めて科学的/医学的コミュニティから排除され、メディアや時には雇用者から攻撃され、および/または公衆衛生を危険にさらす「陰謀論者」として中傷されたと感じたためである。しかし、検閲、個人攻撃と名誉毀損、解雇、評判への損害、経済的代償にもかかわらず、回答者全員が、これらのいずれも自分たちを阻止しなかったと述べ、様々な対抗戦術を用いて反撃することを決意した。
最初の反応:衝撃と驚き:ほとんどの回答者は、経験した迫害と検閲に対する最初の反応を衝撃として説明している。一部は脅威を感じ、初めて科学的/医学的コミュニティから排除されたと述べた。回答者は、脅迫、解雇、攻撃は実際には自分たちを沈黙させようとする試みであり、単に意見が当局によって指示されたものと一致しなかったためだと感じたと述べた。一部の回答者は、検閲と前例のない攻撃が特に悪質だったのは、実行者が彼らが評価され影響力があることを知っていたためだと感じたと述べた。
反撃の決意:回答者は、経験した検閲と抑圧により、表現の自由と公衆衛生への懸念に基づいて、さらに反撃し、自分たちの声を届けたいと思うようになったと述べた。一部の回答者は、攻撃により、検閲されていた情報を暴露する決意がさらに強まったと指摘した。一部の回答者は、自分たちを検閲した組織に対して公式または法的措置を講じることを決定したと述べた。
回答者の対抗反応は複数の方法で表現された:検閲行為と検閲された情報を暴露したいという願望(証拠に基づくと主張)、COVID-19に関する立場や見解を公に広めるための代替チャンネルの利用、同僚との支援ネットワークの確立、代替医療・保健情報システムの開発である。つまり、彼らは主流機関に対する一種の並行世界を創造した。
検閲の暴露:一部の回答者は、検閲行為そのものを暴露したいと強調した。
代替チャンネルの利用:回答者は、主流メディアから検閲されていることを理解したとき、ソーシャルメディアプラットフォームなどの代替チャンネルを使用して、自分たちの立場や反対情報を広め、公に意見を表明することを決定したと指摘した。一部の回答者は、自分自身を保護するために、「秘密の」Telegramアカウントや匿名Twitterアカウントを開設せざるを得なかったと述べた。ある参加者は、科学者が政府に免許を取り消されたり評判を傷つけられたりしないように秘密のTelegramアカウントを運営しなければならないのは不条理だと指摘した。
社会的支援ネットワークの構築:一部の回答者は、同様の見解や意見を持つ仲間の科学者、医師、弁護士、政治家の支援ネットワークを構築したことを明らかにした。これらのネットワークは情報交換だけでなく、自分たちのような「部外者」から支援と共感を受け、新しい友人を作り、新しいコミュニティを創造するためにも使用された。
代替医療・保健情報システムの開発:情報とデータの普及における活動を超えて、一部の回答者は、保健情報と医療治療を開発・提供することに特化した新しい代替プラットフォームや組織(新しい雑誌や非営利団体を含む)を確立するために活動していると指摘した。彼らは、これを経験した検閲と抑圧に対処する手段として説明し、希望の感覚と「新しい世界」を構築しているという感覚を与えると述べている。
考察
本研究の目的は、COVID関連の異端的見解を表明した後に検閲と抑圧を経験した、達成度が高く資格の確立した主流医師・科学者の主観的認識を探究し、医療機関とメディアが使用した戦術と標的が採用した対抗戦術を検証することだった。研究回答者は、メディア(主流メディアと、Google、Facebook、Twitter、Instagram、LinkedIn、TikTokなどのソーシャルメディア企業を含む)と医療機関の両方から使用された多様な検閲・抑圧戦術について報告した。メディアが使用した戦術には、中傷的コメントやレッテル、しばしば一見独立した「第三者」(匿名の「ファクトチェッカー」や他の医師など)を利用すること、ソーシャルメディアやインターネットコンテンツ・アカウントの削除を含むオンライン検閲が含まれる。一部の回答者は、メディアが職場で彼らの名前を汚すところまで迫害したと報告した。
医療機関が使用した戦術には、名誉毀損と脅迫、出版後の科学論文の撤回、解雇または雇用契約の不利な変更、重要な委員会への参加や科学雑誌編集職などの個人の他の重要な役割を妨害することを目的とした積極的行動も含まれる。一部の回答者は、長年にわたって築いた評判を傷つけながら、保持していたすべての地位から一貫して剥奪され、キャリアを標的にして妨害されたと報告した。一部は、医師免許の調査や取り消しの試み、多額の訴訟、警察による家宅捜索など、虐待的な正式手続きの対象となったと報告した。
本研究の知見は、メディア組織、特にIT企業がCOVID-19政策をめぐる議論を抑圧する上で中心的役割を果たしたことを示している。事実、回答者が記述する内容は検閲をはるかに超えており、異なる立場を取ることを敢えてしたというだけで、評判とキャリアを破壊することを意図した広範な抑圧方法を含む。以前の研究でも、完璧な履歴書や高い学術的・医学的地位を持つ研究者や医師が異論的意見を表明することを敢えてした場合に検閲された孤立事例が示されていたが、本研究は、COVID-19の場合、この地位の医師や研究者を検閲することが定常的現象になったことを示している。
COVID-19時代の検閲には三つの主要な特徴がある。第一に、検閲と抑圧の激しさと広範さが前例がない。科学雑誌や学術・医療機関が批判的声の検閲に積極的かつ関与的な役割を果たしている。第二に、完璧な経歴と高い学術的・医学的地位を持つ科学者や医師が定常的に検閲されている。これは、どれほど高い学術的・医学的地位であろうと、検閲に対する保証された盾ではないというメッセージを示している。第三に、COVID-19パンデミック中のメディア組織、特にIT企業が果たした重要な役割である。本研究の知見は、関係の方向性を示していないが、医療機関とこれらの企業の間の協力を示唆している可能性がある。最近公開された裁判文書は、少なくともこの検閲の一部が政府高官によって組織されたことを示している。
参加者が経験した検閲戦術は、Jansen and Martinの検閲のダイナミクスに関する枠組みと一致する:隠蔽、価値低下、再解釈、公式チャンネル、脅迫。対抗戦術も同じ枠組みと一致する:暴露、正当化、解釈、方向転換、抵抗。本研究の主な貢献は、公衆衛生と科学における論争的分野で疑問、疑念、または批判を提起する科学者や医師、特に危機の時代に、声を与えることである。同時に、独裁的な「コンセンサス」を批判または疑問視することを敢えてする著名人物に対してさえ標的とされる、検閲実践と攻撃的抑圧戦術の使用の増加について認識を高めることを目指す。検閲と沈黙化の実践は、表現の自由と倫理原則の侵害、科学への損害、公衆衛生と安全の潜在的リスクとして現れる、広範囲にわたる帰結を持つ可能性がある。
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