加速主義政治のための「加速宣言」
#ACCELERATE MANIFESTO for an Accelerationist Politics

01. 序論：接続について

1. 21世紀の第二の10年が始まった今、世界文明は新たな種類の大変動に直面している。来るべき黙示録は、国民国家の誕生、資本主義の台頭、前代未聞の戦争に明け暮れた20世紀に形成された政治の規範と組織構造を嘲笑する。

2. 最も重要なのは、惑星の気候システムの崩壊である。やがてこれは、現在の世界人口の存続を脅かす。これは人類が直面する脅威の中で最も重大なものではあるが、これと並行して、またこれと交差して、より小さいが同様に不安定化する可能性のある一連の問題が存在する。特に水とエネルギー資源の枯渇は、大量の飢餓、経済パラダイムの崩壊、新たな熱戦と冷戦をもたらす。金融危機の継続により、各国政府は緊縮財政、社会福祉サービスの民営化、大量失業、賃金低迷という麻痺した死のスパイラル政策を受け入れるようになった。「知的労働」を含む生産プロセスの自動化が進んでいることは、資本主義の恒常的危機の証拠であり、北半球の旧中産階級でさえ、現在の生活水準を維持することが不可能になりつつある。

3. こうした加速し続ける大災害とは対照的に、今日の政治は、来るべき滅亡に立ち向かい、解決するために社会を変革するのに必要な新しいアイデアや組織形態を生み出すことができないでいる。危機が力と速度を増す一方で、政治は衰え、後退していく。この政治的想像力の麻痺の中で、未来はキャンセルされている。

4. 1979年以来、覇権を握るグローバルな政治イデオロギーは新自由主義であり、主要な経済大国のいたるところで何らかの形で見られる。2007年から8年にかけての信用危機、金融危機、財政危機を筆頭に、新たな世界的問題が新自由主義に突きつけた深い構造的課題にもかかわらず、新自由主義的プログラムは深化という意味においてのみ発展してきた。この新自由主義的プロジェクトの継続、すなわち新自由主義2.0は、社会民主主義的制度やサービスの残存部分に民間部門による新たな積極的な侵入を促すという形で、最も顕著に、構造調整の新たなラウンドを適用し始めている。このような政策が直ちに経済的・社会的に悪影響を及ぼし、新たな世界的危機によって長期的な根本的障害がもたらされるにもかかわらず、である。

5. 政府、非政府組織、企業の右翼勢力が新自由主義化を推し進めることができたのは、少なくとも部分的には、左翼の残党の多くが麻痺し続け、無力であった結果である。新自由主義の30年間によって、ほとんどの左派政党は急進的な思想を失い、空洞化し、民衆の支持を得られなくなった。戦後の社会民主主義を可能にした条件がもはや存在しないという証拠にもかかわらず、彼らはせいぜいケインズ経済学への回帰を求め、現在の危機に対応しているにすぎない。私たちは、たとえそうであったとしても、不断の努力で大衆産業=フォーディズム的労働に戻ることはできない。南米のボリバル革命の新社会主義政権でさえ、現代資本主義のドグマに抵抗する能力には心を打たれるものの、20世紀半ばの社会主義を超えるオルタナティブを前進させることができないままである。組織労働者は、ネオリベラル・プロジェクトがもたらした変化によって組織的に弱体化し、制度レベルでは硬化しており、せいぜい新たな構造調整を緩和する程度の能力しかない。しかし、新しい経済を構築するための体系的なアプローチも、そうした変化を押し進めるための構造的な連帯もないため、今のところ労働者は相対的に無力なままである。冷戦終結後に生まれた新たな社会運動は 2008年以降に復活を遂げたが、同様に新たな政治的イデオロギー的ビジョンを打ち出すことはできなかった。その代わりに、彼らは戦略的な有効性よりも内部的な直接民主制のプロセスと感情的な自己承認に多大なエネルギーを費やし、グローバル化した資本の抽象的な暴力に、共同体の即時性という薄っぺらで儚い「真正性」で対抗するかのような、ネオ・プリミティヴなローカリズムの変種を頻繁に提唱している。

6. 根本的に新しい社会的、政治的、組織的、経済的ビジョンがなければ、右派の覇権勢力は、あらゆる証拠に直面しながらも、偏狭な想像を推し進め続けることができるだろう。せいぜい、左派は一時的に最悪の侵略に部分的に抵抗できるかもしれない。しかしこれは、最終的には抗いがたい潮流に対するカヌートである。新たな左翼の世界的ヘゲモニーを生み出すには、失われた可能性のある未来を取り戻すことが必要である。

02. INTEREGNUM：加速主義について

1. 加速の思想と結びついてきたシステムがあるとすれば、それは資本主義である。資本主義の本質的な新陳代謝は、経済成長を要求し、個々の資本主義主体間の競争は、競争上の優位性を達成するために技術開発を加速させる。新自由主義の形態では、そのイデオロギー的自己呈示は、創造的破壊の力を解放し、加速し続ける技術革新と社会革新を自由にするというものである。

2. 哲学者のニック・ランドは、資本主義のスピードだけで比類なき技術的特異点（シンギュラリティ）に向かって世界的な転換をもたらすことができるという、近視眼的でありながら催眠術のような信念をもって、このことを最も鋭く捉えている。このような資本のビジョンでは、人間は最終的に、かつての文明の破片から自らを急速に構築する抽象的な惑星の知性への単なる足かせとして捨て去られる。しかし、ランド的新自由主義は、スピードと加速を混同している。私たちは高速で移動しているかもしれないが、それは厳密に定義された資本主義のパラメーターの中だけであり、それ自体は決して揺らぐことはない。私たちが経験するのは、局所的な地平線の速度が増すだけであり、ナビゲーショナルでもある加速、普遍的な可能性の空間における発見の実験的プロセスではなく、単純な脳死的突進である。私たちが本質的だと考えるのは、後者の加速である。

3. さらに悪いことに、ドゥルーズとガタリが認識したように、資本主義のスピードは最初から、一方では非領土化し、他方では再領土化する。進歩は、剰余価値、労働予備軍、自由に流動する資本の枠組みの中で制約されるようになる。近代性は経済成長の統計的尺度に還元され、社会革新は共同体の過去からのキッチュな残滓にまみれる。サッチャー・レーガン的な規制緩和は、ビクトリア朝的な「基本に忠実な」家族的・宗教的価値観と並んで、心地よく収まっている。

4. 新自由主義におけるより深い緊張は、文字通り近代化と同義でありながら、近代化の手段としての自己イメージという点である。実際、新自由主義が進展するにつれ、個人の創造性を可能にするどころか、グローバル・サプライチェーンやネオ・フォード主義的な東方生産地帯と結びついた、台本化された相互作用の情緒的な生産ラインを優先して、認知的な創意工夫を排除する傾向にある。エリート知的労働者の認知的労働力は、年を追うごとに減少し、アルゴリズムによる自動化が感情労働と知的労働の領域で進むにつれ、ますます減少している。新自由主義は、自らを必要な歴史的発展であるとしながらも、実際には1970年代に出現した価値の危機を回避するための偶発的な手段に過ぎなかった。必然的に、これは危機の究極的な克服ではなく、危機の昇華であった。

5. 加速主義者の典型的な思想家であり続けているのは、ランドと並んでマルクスである。あまりにも有名な批評や、現代のマルクス主義者の行動とは裏腹に、マルクス自身は、自分の世界を完全に理解し、変革しようとする試みのために、利用可能な最先端の理論的ツールと経験的データを用いていたことを忘れてはならない。彼は近代に抵抗した思想家ではなく、むしろ近代を分析し、その中に介入しようとした思想家であり、その搾取と腐敗のすべてにおいて、資本主義は今日まで最も進んだ経済システムであり続けたことを理解していた。資本主義の利益は、資本主義的価値形態の制約を超えて加速されるのである。

6. 実際、レーニンでさえ1918年の『「左翼」の幼稚さ』でこう書いている：

社会主義は、近代科学の最新の発見に基づく大規模な資本主義工学なしには考えられない。社会主義は、何千万人もの人々を、生産と分配における統一基準を厳守させる計画的な国家組織なしには考えられない。われわれマルクス主義者は、常にこのことを語ってきた。このことさえ理解していない人々（無政府主義者と左翼社会主義革命家のかなりの半数）と話すのに、2秒を無駄にする価値はない。

7. マルクスが認識していたように、資本主義を真の加速の主体として特定することはできない。同様に、左翼政治が技術社会的加速に反抗的であるという評価も、少なくとも部分的には、深刻な誤情報である。実際、政治的左翼に未来があるとすれば、それはこの抑制された加速主義的傾向を最大限に受け入れるものでなければならない。

03. マニフェスト：未来について

1. 今日の左翼における最も重要な分かれ目は、ローカリズム、直接行動、執拗な水平主義の民衆政治を堅持する人々と、抽象性、複雑性、グローバル性、テクノロジーの現代性に安住する加速主義政治とでも呼ぶべきものを概説する人々との間にあると私たちは考える。前者は、非資本主義的な社会関係の小規模で一時的な空間を確立することに満足し、本質的に非ローカルで抽象的で、私たちの日常的なインフラストラクチャーの奥深くに根ざしている敵に直面することに伴う現実的な問題を避けている。このような政治の失敗は、最初から織り込み済みである。対照的に、加速主義的な政治は、後期資本主義の利益を維持しながら、その価値体系、統治構造、大衆の病理が許容する以上に前進しようとする。

2. 私たちは皆、労働時間の短縮を望んでいる戦後世界をリードした経済学者が、啓蒙的な資本主義は必然的に労働時間の激減に向かうと考えたのはなぜなのか、興味深い疑問である。ケインズは『孫たちのための経済展望』（1930年執筆）の中で、資本主義の未来について、個人の労働時間が1日3時間に短縮されるだろうと予測していた。その代わりに起こったことは、仕事と生活の区別の漸進的な撤廃であり、仕事は新興社会工場のあらゆる側面に浸透するようになった。

3. 資本主義は、技術の生産力を束縛し、少なくとも不必要に狭い目的へと向かわせ始めている。特許戦争やアイデアの独占は、資本が競争を超えて前進する必要性と、資本がテクノロジーに対してますます逆行的なアプローチをとっていることを示す現代の現象である。新自由主義の適切な加速的利益は、仕事の軽減やストレスの軽減にはつながっていない。そして、宇宙旅行や未来への衝撃、革命的な技術の可能性に満ちた世界ではなく、私たちは、消費者向けのガジェットがわずかに良くなることでしか発展しない時代に存在している。同じ基本的な製品の絶え間ない反復が、人間の加速を犠牲にして、限界的な消費者需要を支えている。

4. フォーディズムには戻りたくない。フォーディズムへの回帰はありえない。資本主義の「黄金時代」は、整然とした工場環境という生産パラダイムを前提としており、（男性）労働者は、退屈と社会的抑圧の生涯と引き換えに、安全保障と基本的な生活水準を受け取っていた。このようなシステムは、植民地、帝国、未発達の周辺地域という国際的階層、人種差別と性差別という国家的階層、女性の服従という厳格な家族階層に依存していた。多くの人がノスタルジアを感じるかもしれないが、この体制に戻ることは望ましくないし、現実的にも不可能である。

5. 加速主義者は、潜在的な生産力を解き放ちたいと考えている。このプロジェクトでは、新自由主義の物質的基盤を破壊する必要はない。共通の目的のために再利用する必要がある。既存のインフラストラクチャーは、粉砕されるべき資本主義の舞台ではなく、ポスト資本主義に向けて発進するための踏み台なのである。

6. 技術科学が資本主義の目的に隷属させられていることを考えれば（特に1970年代後半以降）、現代の技術社会的身体に何ができるのか、私たちはまだ知らないに違いない。すでに開発された技術に、どのような未開発の可能性が待ち受けているのか、私たちのうち誰が完全に認識しているだろうか。私たちが賭けるのは、私たちの技術的・科学的研究の多くに真の変革の可能性が未開拓のまま残されており、近視眼的な資本主義社会主義を超える転換を経て、決定的なものになりうる、現在冗長な機能（あるいは前適応）で満たされているということだ。

7. 私たちは技術進化のプロセスを加速させたいと考えている。しかし、私たちが主張しているのは、テクノ・ユートピア主義ではない。テクノロジーが私たちを救うのに十分であるとは決して考えてはならない。確かに必要ではあるが、社会政治的な行動なしには決して十分ではない。テクノロジーと社会は互いに密接に結びついており、どちらかの変化がもう一方の変化を促し、強化する。テクノ・ユートピア主義者たちが、テクノロジーは自動的に社会的対立を克服するとして加速化を主張するのに対し、私たちの立場は、テクノロジーは社会的対立に勝利するために必要であるからこそ加速化されるべきだというものである。

8. ポスト資本主義は、ポスト資本主義的な計画を必要とする。革命の後、民衆が自発的に、単に資本主義への回帰ではない新しい社会経済システムを構成するだろうという考えに置かれた信頼は、良く言えばナイーブであり、悪く言えば無知である。そのためには、既存のシステムの認識地図と、将来の経済システムの推測的イメージの両方を発展させなければならない。

9. そのためには、左翼は資本主義社会が可能にしたあらゆる技術的・科学的進歩を利用しなければならない。我々は、数量化は排除されるべき悪ではなく、可能な限り最も効果的な方法で使用されるべき道具であると宣言する。経済モデリングは、簡単に言えば、複雑な世界を理解しやすくするために必要なものである。2008年の金融危機は、数理モデルを盲信的に受け入れることの危険性を明らかにしたが、これは数学そのものの問題ではなく、非合法な権威の問題である。ソーシャルネットワーク分析、エージェントベースモデリング、ビッグデータ分析、非平衡経済モデルなどに見られるツールは、現代経済のような複雑なシステムを理解するために必要な認知的媒介物である。加速論者の左派は、こうした技術分野の知識を身につけなければならない。

10. 社会の変革には、経済的・社会的実験が不可欠である。チリのサイバシン計画は、この実験的な姿勢を象徴している。高度なサイバネティック技術と、高度な経済モデリング、そして技術インフラ自体にインスタンス化された民主的プラットフォームを融合させたものだ。1950年代から1960年代にかけてのソビエト経済学でも同様の実験が行われ、最初の共産主義経済が直面した新たな問題を克服しようと、サイバネティクスと線形計画法が用いられた。いずれも最終的には失敗に終わったが、それは初期のサイバネティシャンが政治的・技術的制約の下で活動していたからである。

11. 左翼は社会技術的ヘゲモニーを発展させなければならない：思想の領域においても、物質的プラットフォームの領域においても。プラットフォームはグローバル社会のインフラである。行動的にもイデオロギー的にも、何が可能であるかの基本的なパラメーターを確立する。この意味で、プラットフォームは社会の物質的な超越性を具現化するものであり、特定の行動や関係、権力を可能にするものである。現在のグローバル・プラットフォームの多くは資本主義的社会関係に偏っているが、これは必然的な必然ではない。生産、金融、物流、消費といった物質的なプラットフォームは、ポスト資本主義に向けて再プログラムされ、再構築される可能性がある。

12. 私たちは、直接的な行動だけではこのようなことを達成できるとは考えていない。行進し、看板を掲げ、一時的な自治区を設けるという習慣的な戦術は、効果的な成功の気休めの代用品になる危険性がある。「少なくとも私たちは何かをした」というのは、効果的な行動よりも自尊心を優先する人々の叫びである。優れた戦術の唯一の基準は、それが重要な成功を可能にするかどうかである。特定の行動様式にこだわるのはもうやめよう。政治は、紛争、適応と反適応、戦略的な軍拡競争が渦巻く一連のダイナミックなシステムとして扱われなければならない。つまり、個々の政治的行動様式は、時間の経過とともに、他方が適応するにつれて鈍化し、効果がなくなっていくのである。いかなる政治行動様式も、歴史的に不可侵なものではない。実際、時間の経過とともに、対抗する勢力や組織が効果的な防御と反撃を学ぶにつれ、慣れ親しんだ戦術を捨てる必要性が高まっている。現代の左翼がそうすることができないのは、現代の不調の核心に近い部分である。

13. プロセスとしての民主主義という圧倒的な特権は捨て去る必要がある。今日の「急進的」左派の多くが持つ、開放性、水平性、包摂性のフェティシズムは、非効果的な舞台を用意した。秘密主義、垂直主義、排除主義もまた、効果的な政治的行動においてその役割を担っている（もちろん、排他的なものではないが）。

14. 民主主義は、単にその手段によって定義することはできない。投票や議論、総会を通じたものでもない。真の民主主義は、その目的である集団的自己統治によって定義されなければならない。これは、啓蒙主義の遺産と政治を一致させなければならないプロジェクトであり、自分自身と自分たちの世界（社会的、技術的、経済的、心理的世界）をよりよく理解する能力を活用することによってのみ、自分自身を支配することができるようになるということである。専制的な全体主義的中央集権主義や、私たちのコントロールを超えた気まぐれな創発的秩序の奴隷になることを避けるために、私たちは、分散された水平的な社会性の形態に加えて、集団的に統制された合法的な垂直的権威を想定する必要がある。プランの指揮は、ネットワークの即興的な秩序と結びつかなければならない。

15. これらのベクトルを具体化する理想的な手段として、特定の組織を提示するわけではない。必要なのは-常に必要とされてきたのは-組織の生態系であり、それぞれの比較的な強みに共鳴し、フィードバックする複数の勢力である。分派主義（派閥主義）は、中央集権主義と同様に左翼の命取りであり、この点で、私たちは異なる戦術（たとえ私たちが反対するものであっても）の実験を歓迎し続ける。

16. 私たちには3つの中期的な具体的目標がある。第一に、知的インフラを構築する必要がある。新自由主義革命のモン・ペレラン協会を模倣し、今日の世界を支配しているやせ細った理想に取って代わり、それを凌駕する新しいイデオロギー、経済・社会モデル、善のビジョンを創造することである。これは、思想だけでなく、それを教え、具現化し、広めるための制度や物質的な道筋の構築を必要とするという意味でのインフラストラクチャーである。

17. 広範なメディア改革を構築する必要がある。インターネットやソーシャルメディアによって一見民主化されたように見えるが、伝統的なメディアは、調査報道を告発するための資金を持つとともに、物語の選択と構成において依然として重要である。こうした機関を可能な限り民衆のコントロールに近づけることは、現状の体裁を覆す上で極めて重要である。

18. 最後に、さまざまな形態の階級権力を再構築する必要がある。このような再構築は、有機的に生成されたグローバル・プロレタリアートがすでに存在するという概念を超えて行われなければならない。その代わりに、ポスト・フォーディズムの不安定労働の形態に具現化されることの多い、部分的なプロレタリアのアイデンティティのばらばらの配列を結び合わせることを模索しなければならない。

19. グループや個人はそれぞれすでに取り組んでいるが、それだけでは不十分だ。必要なのは、この3つが互いにフィードバックし合い、それぞれが現代の連関を修正し、他の連関がより効果的になるようにすることである。インフラ、イデオロギー、社会、経済の変容の正のフィードバック・ループが、新たな複合ヘゲモニー、新たなポスト資本主義の技術社会的プラットフォームを生み出す。歴史は、体系的な変化をもたらしたのは、常に幅広い戦術と組織の集合体であったことを示している。

20. これらの各目標を達成するために、最も現実的なレベルでは、効果的な新しい政治インフラを構築するために必要な資源と資金の流れについて、加速主義左翼はもっと真剣に考えなければならないと私たちは考えている。街頭で活動する人々の「ピープル・パワー」だけでなく、政府、機関、シンクタンク、労働組合、あるいは個人の篤志家などからの資金が必要である。私たちは、効果的な加速主義左翼組織の生態系を再構築し始めるためには、そのような資金の流れの場所と導線が不可欠であると考えている。

21. 私たちは、社会と環境を最大限に支配するプロメテウスのような政治のみが、地球規模の問題に対処し、資本に勝利することができると宣言する。この支配は、啓蒙思想の思想家たちが愛したそれとは区別されなければならない。十分な情報があれば簡単にマスターできるラプラスの時計仕掛けの宇宙は、真剣な科学的理解の課題からはとっくに消えている。しかし、これはポストモダンの疲弊した残滓に同調するためではない。私たちの行動の正確な結果を予測することはできないが、確率的に起こりうる結果の範囲を決定することはできる。このような複雑なシステム分析に結びつけなければならないのは、新しい行動様式である。即興的で、地社会的な芸術性と狡猾な合理性の政治において、行動している最中にのみ発見される偶発的な事態に対処する実践を通して、デザインを実行することができる。複雑な世界で行動するための最良の手段を模索する、帰納的な実験の一形態である。

22. 資本主義は不正で倒錯したシステムであるだけでなく、進歩を抑制するシステムでもある。私たちの技術開発は、それが解き放たれたのと同様に、資本主義によって抑制されている。加速主義とは、資本主義社会が課す制限を超えることで、これらの能力を解放することができ、また解放すべきだという基本的な信念である。現在の制約を超えるための運動には、単に合理的なグローバル社会を目指す闘い以上のものが含まれなければならない。19世紀半ばから新自由主義時代の幕開けまで、ホモ・サピエンスが地球と私たちの肉体の限界を超えて拡大することを探求し、多くの人々を夢中にさせた夢を取り戻すことも含まれなければならないと私たちは信じている。これらのビジョンは今日、より無垢な時代の遺物とみなされている。しかし、これらのビジョンは、現代における想像力の驚異的な欠如を診断し、知的活力だけでなく、感情的にも活力を与える未来を約束している。結局のところ、20世紀半ばの宇宙計画の約束手形を実現することができるのは、加速主義政治が可能にしたポスト資本主義社会だけなのだ。集団的な自己管理の時代へ、そしてそれが意味し可能にする異質な未来へ。自己批判と自己修養という啓蒙主義的プロジェクトの完成に向けて。

23. グローバル化されたポスト資本主義か、原始主義、永続的危機、惑星生態系の崩壊に向かう緩慢な分断か。

24. 未来は構築される必要がある。それは新自由主義資本主義によって破壊され、より大きな不平等、紛争、混沌を約束する切り売り価格に成り下がった。このような未来像の崩壊は、政治的なスペクトルを超えた皮肉屋が私たちに信じ込ませようとしているように、懐疑的な成熟の兆候というよりも、むしろ私たちの時代の歴史的な後退の兆候である。加速主義が押し進めるのは、より現代的な未来であり、新自由主義が本来生み出すことのできないオルタナティブな現代性である。未来は今一度解き放たれ、アウトサイドの普遍的な可能性へと私たちの視野を広げなければならない。