書籍『労働廃絶論』ボブ・ブラック 1985年

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タイトル:労働廃絶論(The Abolition of Work)

本書の要約

ボブ・ブラック(Bob Black)による本書は、現代社会における労働システムの根本的な批判と、その完全な廃止を提唱する革命的な論考である。著者は「誰も決して働くべきではない」という大胆な主張から始め、労働が世界の苦痛の源泉であり、ほぼすべての悪は労働から、または労働のために設計された世界に住むことから生じると断言する。

ブラックは労働を「強制労働」すなわち「強制的生産」と定義し、経済的または政治的手段によって強制される生産活動であると説明する。現代の労働は単なる雇用関係を超えて、監視、規律、生産ノルマなど全体主義的な職場統制システムを含んでいる。これらの規律システムは工場、オフィス、店舗が刑務所、学校、精神病院と共有する歴史的に独創的で恐ろしいものだと指摘する。

著者は労働の対極として「遊び」を提示する。遊びは常に自発的であり、強制されれば労働になってしまう。遊びの本質は「結果の停止」ではなく、結果があっても無償的であることにある。遊びと贈与は密接に関連しており、どちらも結果に対する貴族的軽蔑を共有している。

現代の労働システムは民主主義や自由を謳いながら、実際には職場において全体主義的統制を行っている。労働者は部分的奴隷であり、上司は出勤・退勤時間、労働内容、労働速度を指示し、極端な場合は服装や トイレの使用頻度まで規制する。この支配システムは労働者の大半の覚醒時間を数十年間にわたって支配し、人々を退屈で愚鈍で単調にしてしまう。

狩猟採集社会の人類学的研究によると、原始社会の人々は現代人よりもはるかに少ない時間しか「労働」せず、その活動は遊びと区別がつかないものだった。マーシャル・サーリンズ(Marshall Sahlins)の研究では、狩猟採集民は平均して1日4時間しか「働かず」、その労働は身体的・知的能力を駆使する熟練労働だった。

著者は労働廃止の実現可能性を量的・質的両面から論じる。量的には、現在行われている労働の大部分は無用かむしろ有害であり、単純に廃止すべきだとする。ポール・グッドマン(Paul Goodman)とパーシヴァル・グッドマン(Percival Goodman)の推計によれば、当時行われていた労働のわずか5%が食料、衣服、住居の最低限のニーズを満たすのに十分だった。

質的には、残された有用な労働を楽しい多様なゲーム的・工芸的娯楽に変換することを提案する。これは他の楽しい娯楽と区別がつかないが、有用な最終製品を生み出すという点で異なる。シャルル・フーリエ(Charles Fourier)が実証したように、労働を遊びに変える秘訣は、さまざまな人々がさまざまな時期に実際に楽しんでいることを活用して有用な活動を配置することにある。

目次

労働批判と遊びの定義
労働の全体主義的性格
歴史的・人類学的視点
労働による健康被害と大量殺戮
労働廃止の実現可能性
労働から遊びへの転換方法
日常生活の再発明

各章の要約

労働批判と遊びの定義

Critique of Work and Definition of Play

労働は世界の苦痛の源泉であり、誰も決して働くべきではない。労働とは強制労働、すなわち経済的・政治的手段による強制的生産である。両要素が不可欠で、労働は決してそれ自体のために行われず、労働者や他者が得る製品や産出のために行われる。これに対し遊びは常に自発的であり、強制されれば労働になる。遊びの核心的報酬は活動そのものの経験にある。ベルニー・デ・コーヴェン(Bernie de Koven)の「結果の停止」という定義は、遊びが無意味だと示唆するため受け入れられない。重要なのは結果があっても無償的であることだ。(199字)

労働の全体主義的性格

The Totalitarian Character of Work

現代労働は自由と民主主義を謳いながら、職場では全体主義的統制を行う。労働者は部分的奴隷であり、上司は出勤・退勤時間、労働内容、労働速度を指示し、極端な場合は服装や bathroom使用頻度まで規制する。フーコー(Foucault)が複雑化した「規律」現象は、職場における全体主義的統制の総体である。監視、単調作業、強制的労働テンポ、生産ノルマ、タイムカード打刻などが含まれる。この規律システムは工場、オフィス、店舗が刑務所、学校、精神病院と共有する歴史的に独創的で恐ろしいものだ。ネロやジンギスカンのような古代の悪魔的独裁者でさえ、現代の専制君主ほど徹底的に臣民を統制する機械を持たなかった。(299字)

歴史的・人類学的視点

Historical and Anthropological Perspective

古代人は労働の本質を理解していた。ソクラテスは肉体労働者は友情と市民権の責任を果たす時間がないため、悪い友人で悪い市民になると述べた。ヘロドトスは労働への軽蔑を古典ギリシャ文化の頂点における属性として特定した。キケロは「労働で金を得る者は自分を売り、奴隷の地位に身を置く」と述べた。マーシャル・サーリンズ(Marshall Sahlins)は現代の狩猟採集民のデータを調査し、ホッブズ的神話を爆発させた。彼らは我々よりもはるかに少なく働き、その労働は我々が遊びと見なすものと区別しにくい。平均して1日4時間働き、その「労働」は身体的・知的能力を駆使する熟練労働だった。(299字)

労働による健康被害と大量殺戮

Work-Related Health Hazards and Mass Murder

労働は健康に危険であり、大量殺戮や集団虐殺である。直接的・間接的に、労働はこれらの言葉を読む人々の大部分を殺すだろう。年間14,000から25,000人の労働者がこの国で職場で殺され、200万人以上が障害を負い、2,000万から2,500万人が毎年負傷する。これらの数字は労働関連傷害の非常に保守的な推定に基づいており、年間50万件の職業病は含まれていない。10万人の鉱夫が黒肺病を患い、そのうち4,000人が毎年死亡している。これはAIDSよりもはるかに高い致死率だ。自動車事故の大部分の犠牲者は労働義務的活動を行っているか、それを行う人々の犠牲になっている。癌と心疾患は現代の病気で、通常直接的・間接的に労働に遡ることができる。(298字)

労働廃止の実現可能性

The Feasibility of Abolishing Work

労働廃止は量的・質的両方向からのアプローチが必要だ。量的には、現在行われている労働量を大幅に削減する必要がある。現在の労働の大部分は無用かむしろ有害であり、単純に廃止すべきだ。ポール・グッドマン(Paul Goodman)とパーシヴァル・グッドマン(Percival Goodman)は、当時行われていた労働のわずか5%が食料、衣服、住居の最低限のニーズを満たすのに十分だと推計した。直接的・間接的に、労働の大部分は商業や社会統制の非生産的目的に奉仕している。営業員、兵士、管理者、警察、株式仲買人、聖職者、銀行家、弁護士、教師、地主、警備員、広告業者とその従事者を即座に解放できる。雪だるま効果により、大物を遊ばせるたびにその取り巻きや部下も解放される。(299字)

労働から遊びへの転換方法

Methods for Converting Work into Play

労働を遊びに変える秘訣は、シャルル・フーリエ(Charles Fourier)が実証したように、さまざまな人々がさまざまな時期に実際に楽しんでいることを活用して有用な活動を配置することにある。第一に、「仕事」と「職業」の概念を捨てる必要がある。既にある程度の遊戯的内容を持つ活動でも、特定の人々だけが他のすべてを排除して強制的に行う「仕事」に縮小されると、その遊戯的可能性の大部分を失う。第二に、人々が時々やりたがるが、長時間ではなく、確実に常時ではない事柄がある。第三に、一人で行ったり、不快な環境や上司の命令で行うと不満足だが、これらの状況が変われば、少なくともしばらくの間は楽しめるものがある。フーリエは、異常で倒錯的な嗜好を文明後社会でどう活用できるかについて推測の達人だった。(297字)

日常生活の再発明

The Reinvention of Daily Life

日常生活の再発明は我々の地図の端を歩いて行くことを意味する。フーリエ、モリス、そして時にはマルクスの示唆的推測に加え、クロポトキン(Kropotkin)、サンディカリストのパトー(Pataud)とプーゲ(Pouget)、古い無政府共産主義者ベルクマン(Berkman)や新しいブックチン(Bookchin)の著作がある。労働によって阻害された創造力を解放することで何が生じるかは誰にも言えない。何でも起こりうる。使用価値の生産が楽しい遊戯活動の消費と共存的になれば、自由対必要性という神学的含意を持つ退屈な討論者の問題は実際的に解決される。人生はゲーム、むしろ多くのゲームになるが、現在のようなゼロサムゲームではない。最適な性的出会いは生産的遊びのパラダイムだ。参加者は互いの快楽を潜在化させ、誰も点数をつけず、全員が勝つ。(295字)


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