
日本語タイトル:『より少なく、より豊かに:脱成長が世界を救う方法』ジェイソン・ヒッケル 2020年
英語タイトル:『Less is More: How Degrowth Will Save the World』Jason Hickel 2020年
https://note.com/alzhacker/n/n4893655cb705
目次
- 序文 – 共有された脆弱性と連帯によるビジョン(Preface – A Vision Informed by Our Shared Vulnerability, and by Our Solidarity)
- 序論 – 人新世へようこそ(Introduction – Welcome to the Anthropocene)
第一部:より多くはより少ない(Part One: More is Less)
- 第1章 – 資本主義:創世物語(Capitalism: A Creation Story)
- 第2章 – 巨人の台頭(Rise of the Juggernaut)
- 第3章 – 技術は我々を救うか?(Will Technology Save Us?)
第二部:より少なくはより多い(Part Two: Less is More)
- 第4章 – 良い生活の秘密(Secrets of the Good Life)
- 第5章 – ポスト資本主義世界への道筋(Pathways to a Post-Capitalist World)
- 第6章 – すべてはつながっている(Everything is Connected)
各章の要約
序論:人新世へようこそ
著者は子供時代のエスワティニで車のグリルに蓄積した無数の昆虫を覚えているが、近年の訪問では昆虫がほとんど見つからなかった。ドイツの自然保護区では25年間で飛行昆虫の75%が消失し、プエルトリコの熱帯雨林では昆虫の98%が減少した。これは第六次大量絶滅の始まりであり、資本主義システムによる生態系破壊の結果である。資本主義は絶え間ない成長を要求し、人間と自然を分離する二元論的世界観に基づいている。
第1章:資本主義 – 創世物語
人類は30万年間地球に存在したが、過去500年の資本主義の台頭が生態系崩壊を引き起こした。資本主義は市場や貿易とは異なり、絶え間ない成長を中心に組織される。14世紀以降、ヨーロッパの農民は封建制に反抗し、より平等な社会を築いたが、エリートは囲い込み運動で農民を土地から追放した。同時に植民地化で南半球から資源と労働力を収奪した。資本主義の台頭には人工的欠乏の創造、デカルトの二元論による自然の物象化、そして「安価な自然」の概念が必要だった。
第2章:巨人の台頭
資本主義は成長のための成長を追求するウイルスのようなシステムである。投資家は年3%の収益を求め、企業は成長するか死ぬかの選択を迫られる。1930年代以降、GDP成長が政府の中核目標となり、冷戦期に成長主義が確立された。新自由主義は成長のために労働法や環境保護を削減した。1945年以降の大加速期には、物質使用量が92億トンに急増し、地球の安全境界を2倍超過している。高所得国が生態系破壊の主要原因であり、気候変動の歴史的責任の92%を占める。
第3章:技術は我々を救うか?
パリ協定の排出削減目標は、BECCS(バイオエネルギー炭素回収貯留)という未実証技術に依存している。この技術は巨大な規模が必要で、食料安全保障を脅かし、生物多様性を破壊する可能性がある。グリーン成長も幻想である。再生可能エネルギーへの移行は必要だが、経済成長が続く限り間に合わない。太陽光パネルや風力タービンの製造には大量の鉱物が必要で、新たな環境破壊を引き起こす。効率改善はジェボンズのパラドックスにより、総消費量の増加をもたらす。真の解決策は経済の縮小である。
第4章:良い生活の秘密
GDP成長と人間の福利は必ずしも関連しない。生活改善の主要因は衛生設備、公的医療、教育への投資である。コスタリカはアメリカの5分の1の所得で同等の福利を達成している。所得8000ドルで高い生活期待年数、9000ドルで高い教育水準が可能である。幸福度も所得より平等な分配に依存する。公的サービスへの投資は私的代替手段より効率的で環境負荷も少ない。高所得国では成長なしに人間の進歩が可能であり、グローバル南部には公正な分配と国際制度の民主化が必要である。
第5章:ポスト資本主義世界への道筋
脱成長は物質・エネルギー使用の削減により生態系との均衡を回復することである。計画的陳腐化の終了、広告の削減、所有から使用への転換、食品廃棄の根絶、破壊的産業の縮小が必要である。労働時間の短縮により完全雇用を維持し、人々の福利を向上させる。不平等の削減、公共財の脱商品化、コモンズの拡大により人工的欠乏を逆転させる。債務の取り消し、新しい貨幣制度により成長圧力を除去する。民主主義の拡大により持続可能な資源管理が可能になる。
第6章:すべてはつながっている
生態系は驚くべき速度で再生可能である。熱帯林は66年で90%の回復が可能で、脱成長は脱植民地化のプロセスでもある。アニミズムの世界観では、植物や動物も人格を持つ存在として扱われ、互酬性の関係が重視される。現代科学は腸内細菌、菌根ネットワーク、植物の知性などを通じて相互依存を証明している。樹木は人間の健康と幸福に直接影響する。自然の権利の法的認定が世界各地で進んでいる。脱成長は支配から互酬性へ、分離からつながりへの転換を意味する。
アルツハッカーは100%読者の支援を受けています。
会員限定記事
新サービスのお知らせ 2025年9月1日よりブログの閲覧方法について
当ブログでは、さまざまなトピックに関する記事を公開しています。2025年より、一部の詳細な考察・分析記事は有料コンテンツとして提供していますが、記事の要約と核心部分はほぼ無料で公開しており、無料でも十分に役立つ情報を得ていただけます。 さらに深く掘り下げて知りたい方や、詳細な分析に興味のある方は、有料コンテンツをご購読いただくことで、より専門的で深い内容をお読みいただけます。パスワード保護有料記事の閲覧方法
パスワード保護された記事は以下の手順でご利用できます:- Noteのサポーター・コアサポーター会員に加入します。
- Noteサポーター掲示板、テレグラムにて、「当月のパスワード」を事前にお知らせします。
- 会員限定記事において、投稿月に対応する共通パスワードを入力すると、その月に投稿したすべての会員記事をお読みいただけます。
サポーター会員の募集
- サポーター会員の案内についての案内や料金プランについては、こちらまで。
- 登録手続きについては、Noteの公式サイト(オルタナ図書館)をご確認ください。
