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by パトリック・J・ブキャナン 投稿日: 2022年4月29日
「戦争がいったん私たちに強制されたら、それを速やかに終わらせるために利用可能なあらゆる手段を適用する以外に選択肢はない。戦争の目的は勝利であり、優柔不断を長引かせないことだ」。
ダグラス・マッカーサー元帥は、朝鮮戦争の司令官としてハリー・トルーマン大統領から解任された後、1951年4月に議会で行った演説でそう述べている。
そして今、ウクライナ戦争に新しく重いNATOの兵器を大量に投入したアメリカの目標は何なのだろうか。
ロイド・オースティン国防長官は、キエフでのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領との日曜会談から帰国後、こう述べた。
米国は、「ロシアがウクライナへの侵攻のようなことができない程度に弱体化するのを見たいのだ」と述べた。
ロシアは、「すでに多くの軍事能力と軍隊を失っており、…私たちは、彼らが非常に迅速にその能力を再現する能力を持たないことを見たい 」とオースティンは言った。
このように、ウクライナにおける米国の政策の新しい、あるいは新たに明らかになった目標は、侵攻したロシア軍を敗北させ撤退させるだけでなく、世界の大国としてのロシアを機能不全に陥れることだ。
ロシアへの制裁とウクライナへの最新兵器の輸送は、同国の独立と領土保全を可能にするだけでなく、母なるロシアに不可逆的な損害を与えるためである。
プーチンのロシアは、私たちがウクライナ人を使って長期間にわたって行う殴打から、すぐに回復することも、永遠に回復することもないだろう。
トルコのメヴルット・カヴソグル外相は、NATOの一部の同盟国の真の目的を見抜いている。
「NATOの中には、ウクライナ戦争の継続を望んでいる国がある。NATOの中には、ウクライナ戦争の継続を望む国々がある。彼らは戦争の継続がロシアの弱体化につながると考えている。彼らはウクライナ情勢をあまり気にしていない」。
しかし、ロシアの経済や軍事への損失を確実かつ大幅に増やすには、戦争が長引かなければならない。
そして、戦争が長引くと、ロシアを倒すために血の代償を一人で払っているウクライナ人の損失がますます大きくなる。
オースチンは、最後のウクライナ人までこの戦争を戦うことを約束しているのだろうか?
何人のロシア兵が死んだら(現在、ロシアの損失は侵攻部隊の1万5千人と推定されている)オースティンとアメリカ人は満足するのだろうか。
例えば、5万人のロシア兵の死者を出すためには、何人のウクライナ人が同様に命を落とさなければならないのか?マリウポリのような運命をたどることになるウクライナの都市はいくつあるのだろうか。
明らかに、ロシアを無期限に消耗させるというジョー・バイデン=ロイドの戦略は、マッカーサーの口述「戦争の目的はまさに勝利であり、長引く優柔不断ではない」に矛盾するものである。
相手を血祭りに上げるための戦争は、正義の戦争の道徳的条件にも反するのだろうか。
次に、現実的な考慮がある。
ロシアが再び近隣諸国を脅かすことができないよう弱体化させると言うとき、それは通常兵器と力のことを言っている。
この2カ月間の戦争でウクライナで行われたことは、ロシアが保有する世界最大の核兵器6,000発を減少させることにはならない。
ロシアの通常兵器を破壊すればするほど、モスクワは核兵器というエースに頼らざるを得なくなる。
火曜日に、紛争から派生する核戦争のリスクについて質問されたロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、こう答えた。
「現在のリスクは相当なものだ。そのリスクを人為的に高めようとは思わない。多くの人がそれを望んでいる。危険は深刻であり、現実だ。そして、私たちはそれを過小評価してはならない」。
プーチンはこのように言っている。
「もし誰かが外部から現在の出来事に介入しようとし、戦略的な性質の受け入れがたい脅威を私たちに作り出そうとするならば、私たちの対応は電光石火であることを知るべきだ…」
「私たちは、他の誰も持っていることを誇りに思うことができないこのためのすべてのツールを持っている。…必要なら使う。そして、私は皆にそれを知ってほしい。」
極超音速ミサイルに搭載される戦術核弾頭は、まさにプーチンの言っていることに合致するように思われる。
そこで疑問が生じる。
プーチンは、米国が引き起こすロシアの大国としての地位の永久的な低下を受け入れるのか?それともロシアは、そのような運命を回避できる兵器に頼り、一部のアメリカ人が彼の国に課そうとしている長く衰弱した「永遠の戦争」をも回避するのだろうか?
もし、われわれがロシアから血を流し、取り返しのつかない戦略的衰退を招くのであれば、プーチンは静かにおやすみなさいをするような考え方を持つ支配者なのだろうか?
プーチンとその仲間は、この暗黙の核の脅威でハッタリをかますのだろうか?
2008年にグルジアが南オセチアに侵攻した時、プーチンのロシア軍は即座に反応し、グルジア人を追い出し、グルジアそのものに突入した。
2014年にアメリカがキエフの親ロシア政権の打倒を支援すると、ロシアは突っ込んでクリミア、セヴァストポリ海軍基地、ルハンスクとドネツクを占領した。
ウクライナがNATO加盟をちらつかせ、バイデンがその可能性を否定すると、プーチンは2月に侵攻した。
彼が軍事行動を警告するとき、プーチンはある程度の信頼性を持っている。
そして、ロシア自身の敗北、屈辱、衰退を防ぐために戦術的な原子兵器を使用するというこの話において、ウラジミール・プーチンはハッタリをかますのだろうか?
パトリック・J・ブキャナンは、『チャーチル、ヒトラー、そして「不要な戦争」』の著者である。How Britain Lost Its Empire and the West Lost the World(イギリスは帝国を失い、西洋は世界を失ったのか)』の著者。パトリック・ブキャナンについての詳細や、他のクリエイターズライターや漫画家による特集は、クリエイターズのウェブページ(www.creators.com)を見てほしい。