ビタミンK2(認知症・アルツハイマー)

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神経伝達物質・シグナル伝達

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ビタミンK2の効果 サプリメント・納豆

ビタミンKの効果・研究

ビタミンKの効能

一般的な効能

脂溶性ビタミンであり、血液の凝固や組織の石灰化に関わる。

欠乏すると → 出血傾向、骨粗鬆症、動脈硬化に関連

骨を強くする

ビタミンKの有名な効果として、骨密度を上昇させ、骨折のリスクを押し下げる効果がある。

ビタミンKの骨を強くする作用は強力で、他の骨強化サプリメント(例えばビタミンDやカルシウムなど)と比べてワンランク上の効果がある。

※MK-4、1.5mg~45mgの容量範囲で

ミトコンドリア

ビタミンK2はミトコンドリア機能を促進し、ミトコンドリア内の電子輸送を行うのに役立つ。

ビタミンK2と認知症

アルツハイマー病患者の少ないビタミンK2摂取

アルツハイマー病患者において(特に高齢者)、平均的に食事からのビタミンK2摂取が少ないことが研究でわかっている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19027415

認知障害と関連するビタミンK欠乏

食事からの低ビタミンK摂取は、加齢に伴う認知障害と関連していることがわかっている。(ラット研究)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21653572

ビタミンK2の神経保護効果

メチル水銀への保護効果

ビタミンKは(ビタミンK1、フィロキノン、K2、MK-4)、インビトロでメチル水銀による細胞障害、グルタチオンを枯渇させる薬剤に対してニューロンを保護する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21488088

酸化ストレス防御

ビタミンK1およびMK-4が、乏突起膠細胞前駆体および未成熟胎児皮質ニューロンにおいて、グルタチオン枯渇による酸化細胞死を強力に阻害する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12843286

MK-4は、ビタミンK1(フィロキノン)よりも強力な酸化ストレスからの保護効果をもち、それ自体が生体内で蓄積される。

細胞増殖因子Gas6の神経成長効果

細胞増殖因子Gas6は、抗アポトーシス作用をもつビタミンK依存性のタンパク質。

ニューロンの成長誘導特性もち、ミエリン形成に関与、cAMP活性のフォルスコリンとも相乗的な効果をもつ。

またGas6の欠損は、希突起膠細胞の生存率の低下、細胞損失の増大、有髄軸索の減少、および髄鞘化全体の減少と関連している。

advances.nutrition.org/content/3/2/204.full

ビタミンK2の抗炎症効果

ビタミンK1、MK-7は、骨芽細胞のNF-κBの活性化を抑制、それによって破骨細胞形成が抑制され新しいの骨のマトリクス生成を刺激する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21072493

ビタミンK2の脂質代謝

ビタミンKは、脂質においてもっとも重要なクラスのスフィンゴ脂質の合成に関与。

スフィンゴ脂質は脳細胞膜中に高濃度で存在し、神経脂質に大きな影響を及ぼす。

スフィンゴ脂質は、細胞増殖、分化、老化、細胞間の相互作用に関わり、近年の研究でスフィンゴ脂質の代謝の変化が、アルツハイマー病などの神経変性疾患に関連していることがわかってきている。

MK-4独自の効果

新たなデータでは酸化ストレス、炎症に対するMK-4の作用が指摘されている。

試験管研究では、ビタミンKはセラミド形成とリン酸化、セラミドの取り込みを促進するものと考えられている。※ビタミンKサイクルとは独立している

MK-4の大量摂取は、スルファチド類の脳濃度を上昇させる。

 

ビタミンKの種類

K1・K2(MK-4・MK-7)

天然のビタミンKはK1とK2の二種類。(K3、K4、K5まである)

 

全てのビタミンKはナフトキノン環構造をもち、その飽和度と側鎖中の「イソプレノイド単位」と呼ばれる結合炭素原子の数がビタミンKの種類により異なる。

ナフトキノン誘導体は、タウ凝集の阻害効果をもつ。

 

MK-4とMK-7

K2はメナキノンと呼ばれ、側鎖の長さ(イソプレノイド残基の結合)によってMK-4(メナキノン4)MK-7(メナキノン7)などと呼ばれる。

このイソプレノイド残基が長いほど、体内の様々な組織に到達する能力が高くなり、血中の半減期も長くなる。MK-4は数時間 MK-7は3日間

 

MK-4

スタチンによるMK-4合成の阻害

MK-4は体内にたくさん存在しており、ビタミンK1からMK-4に変換される。

ビタミンK1のへの代謝には、UBIAD1変換酵素 (prenyltransferase domain containing protein l)とメバロン酸経路から産生される GGPPが必要。

GGPP(ゲラニルゲラニル二リン酸)はメバロン酸経路によって合成されるため、メバロン酸経路を遮断するスタチンの摂取はK1からのMK-4合成を阻害する可能性がある。

www.suzuka-u.ac.jp/information/bulletin/pdf/2015/1.pdf

 

脳のビタミンKの98%はMK-4

脳におけるビタミンKの98%はMK-4として存在する。MK-4の濃度は脳部位によって異なり、中脳の髄質、小脳、嗅球、視床、海馬、および線条体で高い濃度のMK-4が観察された。

酸化ストレス・グルタミン毒性からの神経保護

MK-4がグルタチオン枯渇による酸化ストレスや、グルタミン酸塩からの神経保護効果をもつ可能性がある。

NGFの存在下では、K1と、MK-4の両方が、PC12D細胞における神経突起伸長を促進する。老化とともに減少し、認知機能障害との関連も示されている。

スルファチド濃度の上昇

ラットの海馬中のスルファチド濃度は、血清中のMK-4と有意に正の相関を示す。脳内の低レベルのスルファチド濃度はミエリン損失と関連し、認知機能障害に寄与する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2891353/

骨成長

MK-4は、K1やMK-7とは異なる経路で骨成長を誘導する可能性がある。

骨粗鬆症の治療薬として、MK-4が利用されている。

スフィンゴ脂質の合成

脳内のビタミンKとスフィンゴ脂質の合成には強い関連がある。

ビタミンKの欠乏は、MK-4の保護効果さまたげる可能性があり、MK-4が炎症に対する防御効果をもつ証拠が増えてきている。

 

 

写真、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名は204fig1.jpgです。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3648721/

 

ビタミンKの摂取方法

納豆のビタミンK

納豆に含まれるビタミンK2含有量は、他のビタミンK2含有食品を圧倒している!

文字通り桁が1~2違うため、他のビタミンK2含有食品を紹介したくなくなるほど(笑)

MK-7

3種類の納豆菌(高橋菌、成瀬菌、宮城野菌)の中では、宮城野菌を使ったものがもっとも多くMK-7を含んでいた。

www.jafra.gr.jp/natto4.html

メーカーによって大きな差がある。2.9~16.5μg/g 1パック約150μg~800μg

しかし、他の食品と比べ、納豆に含むMK-7含有量は飛び抜けているため、MK-7摂取目的においてメーカーにこだわる必然性はない。

www.aichi-inst.jp/shokuhin/research/report/food_2003_03.pdf

MK-4

納豆にはMK-4はほとんど含まれていない(0~5μg)

www.neobiotika.com/health-articles/natto-info

www.jstage.jst.go.jp/article/jnsv/53/6/53_6_464/_pdf

納豆菌のダブルの効果

腸内細菌はビタミンKの合成も行っている。納豆菌はビタミンKを生成するため、直接的なビタミンK補給のみならず、腸内細菌のビタミンK合成作用を高めるかもしれない。

MK-4が多く含まれる食品

(100gあたりの平均)

フォアグラ 369μg

卵黄(生) 30~90μg

バター   14~28μg

全卵(生) 4~10μg

※卵は品種によって差が激しい。

ビタミンKの摂取量

ビタミンKの最小有効摂取量 50μg 最大1000μg

MK-4の最小有効量は1500mcg(1.5mg) 

45000mcgまでが安全な投与量

ビタミンK2(MK-7、MK-8、MK-9)の最小有効量は90~360μg

MK-4 最小有効摂取量 1500μg~(4500μgまでは安全)

※MK-4はタンパク質のカルボキシル化において活性があり、K1よりも高用量(1500μg~4500μg)を必要とする。

日本人にはMK-4?

「リコード法」ではMK-7が推奨されているが、これは納豆を食べないことでMK-7が欠乏しがちな米国人の基準であり、納豆を食べる日本人はサプリメントでビタミンKを補充するならMK-4の摂取したほうがよいかもしれない。

 

相互作用

ビタミンD

ビタミンDのサプリメントとセットで摂取することで相乗効果を発揮する。

スタチン

スタチンはビタミンK2を枯渇させる可能性がある。

ビタミンA

ビタミンAはビタミンK2、ビタミンD3と競合するため、ビタミンAを摂取するとビタミンK2が不足するかもしれない。一方でそれらは相乗効果もある。

コレスチラミン

コレスチラミンは、ビタミンK2を回収するためビタミンK2を不足させるかもしれない。

ワルファリン

ワルファリンは血液の凝固を防ぐ作用をもつ薬で、ビタミンKと拮抗作用があることから、ビタミンKの摂取は通常控えたほうが良いと考えれている。

また、ワルファリンによって(おそらくその血液サラサラ作用により)認知症リスクを低下させるという報告がある。

ただ、ワルファリン治療を行っている患者さんはビタミンK欠乏を起こすリスクが相対的に高いため、理論的に認知障害リスクを高める可能性があるという研究者の意見も存在する。

リコード法でのビタミンK推奨摂取量は、納豆と比べると低く、納豆以外の一般的食事から得るビタミンKの量範囲であるため併用しても良いかもしれない。

サプリメント

ビタミンK(MK-7のみ)

ビタミンK2 (MK-7) 90 mcg

一日100mg 1~2錠 食後、脂質と同時接種で3倍吸収力が変わる。

ビタミンK複合体(K1、MK-4、MK-7)

ビタミンKコンプレックス

MK-4が高用量配合されているビタミンKサプリメント

一日 1錠 食後

 

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