神経保護作用をもつ血管作動性腸管ペプチド(VIP) 8つの増加方法

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36の発症因子神経伝達物質・シグナル伝達記憶障害の改善

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血管作動性腸管ペプチドの役割

 

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概要

はじめに

血管作動性腸管ペプチド(Vasoactive intestinal peptide)、頭文字をとってVIPとも呼ばれる。

VIPは腸、膵臓、視交叉上核など、多くの組織にて産生され血管拡張作用をもつホルモン。

VIPは発見された当初、腸ホルモンとして分類されていたが、中枢神経、末梢神経系において神経伝達物質としても作用することが、過去30年間の研究によって見出されてきた。

VIPは脳の多くの領域でも発現しており、特に大脳皮質、海馬、扁桃体、視床下部において高度に発現している。[R]

VIPの神経保護特性

グリコーゲン代謝を促進

VIPは大脳皮質におけるグリコーゲン代謝を高め、胚の成長を調節し、ニューロンの生存を促進することが示されている。[R]

神経保護タンパク質の分泌を刺激

VIPの神経保護特性は、VIPによって刺激されたアストロサイトが活性依存性神経栄養因子(ADNF)、活性依存性神経保護タンパク質(ADNP)、他、多数のサイトカインなどの神経保護作用をもつタンパク質を分泌することによる間接的な機構を含む。

炎症抑制

VIP(およびPACAP)は活性化ミクログリアにおいて、脳内の炎症メディエーター産生を阻害することもできる。[R]

アルツハイマー病

炎症と神経毒性

VIPは活性化ミクログリア細胞の広範囲におよぶ炎症、および神経毒性の産生を間接的に阻害することによって、アミロイドβ誘導性神経変性を阻害する。IL-1β、硝酸塩、一酸化窒素[R]

cAMP経路

VIPの神経保護効果は、サイクリックAMPシグナル伝達経路の活性により起こると考えられている。

VIPの分泌 → cAMP活性 → ADNFの刺激分泌 → ADNFがβアミロイドなどの神経毒性物質を認識することでニューロンの生存が増加。[R]

VIPの役割

VIPの概日リズム調整

VIPは視床下部-下垂体-副腎のHPA軸において部分的に調節されており、哺乳類の概日リズムを駆動させる上で重要な役割を果たしている。

朝にピークを迎える

VIPは午前中にもっとも上昇し、コルチゾールの上昇を直接的に刺激する。[R]

cAMP活性

VIPはノルアドレナリンと相乗的に作用して、大脳皮質のサイクリックAMPを増加させる。[R]

消化器系

VIPは体内の場所によって異なる効果をもつ。

平滑筋を弛緩させ膵液と胆汁の分泌を刺激。

胃酸の分泌と腸への吸収抑制

腸 水分と電解液を強力に分泌させ、腸の平滑筋と血管を膨張させ、膵臓の炭酸水素塩の分泌を刺激。

ガストリンによる胃酸分泌を抑制。

グリコーゲンの分解を増強し、胃や胆嚢、気管を弛緩させる。

運動性を高め、水分から膵液や胆汁の分泌を促し、ペプシノーゲンを刺激する。

en.wikipedia.org/wiki/Vasoactive_intestinal_peptide

心機能

心臓を刺激し、血管拡張させることによって血圧を下げる。

ホルモン

成長ホルモン放出ホルモンの刺激により下垂体前葉において成長ホルモンを分泌する。[R]

下垂体からのプロラクチン分泌を促進する。[R][R]

脳神経

ミエリン鞘の成熟、合成のプロセスに寄与し、ミエリンタンパク質の発現を調節を助ける。

その他

  • 強力なαセクレターゼ活性化因子
  • ソマトスタチン遺伝子発現を増強
  • ネプリライシン活性をアップレギュレート
  • BDNF、Bcl-2発現、RAGE遺伝子のダウンレギュレーション

VIP受容体

VPAC1

肝臓、腎臓、前立腺、乳房、脾臓、肺、胃腸管、リンパ節

アゴニスト:VIP、PACAP-27、VIP3-7、GRF8-27

VPAC2

梨状皮質、被殻、上部視神経、脈絡叢、歯状回、松果体

アゴニスト:N-ステアリル-VIP、Helodermin

PAC2

臓器や血管の平滑筋層、大脳皮質、CNS脳室周囲核、視交叉上核(SCN)、視床、視床下部、扁桃体

アゴニスト:PACAP-38、マクサディラン

 

画像、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はnihms231918f1.jpgです。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2967653/

VIPを増加させる方法

化合物

グリシン

グリシンはラットのAVPおよびVIP発現をそれぞれ4.2倍および3.2倍に増加させた。[R]

アルギニン

長期間にわたるラットへのアルギニン補給はVIP発現を増加させる。[R]

シトラスレモン・リモネン

シトラスレモン、リモネンのエッセンシャルオイルは、ラットのHSP-70とVIP分泌の増加と関連していた。[R]

非薬理学的療法

エクササイズ

急性的な運動はVIPを増加させるが、VIP経路は乳がんおよび前立腺がんの病院に重要な役割を果たしている。

長期的な有酸素運動、筋力トレーニングなどの身体活動は、血漿中の抗VIP自己抗体が増加させ、乳がんおよび前立腺がんの発症抑制に寄与する可能性がある。[R]

迷走神経刺激

雑種犬への迷走神経刺激はVIPを有意に増加させる。[R]

断食

59時間の絶食により、若年健常者のVIP濃度を3倍にまで高めた。[R]

薬理学的投与

VIPの鼻腔内投与

PACAPの半減期は5~10分のため、中枢神経への経口投与、静注は難しい。

天然神経ペプチドPACAP38の鼻孔への噴霧投与がアルツハイマー治療に有益である可能性。

CIRS患者、慢性炎症患者のVIP濃度は低いことが多く、CIRSでは鼻腔内VIP投与による治療法が用いられることがある。[R]

ニコチン

[R][R][R]

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