書籍『ワクチン:神話、イデオロギー、そして現実』ジョン・リーク、ピーター・マカロー 2025年

ピーター・マカロー、ニコラス・ヒュルシャー医療・感染症の歴史

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Vaccines: Mythology, Ideology, and Reality Hardcover – John Leake, Peter A. McCullough

『ワクチンの真実:その歴史的検証とCOVID-19パンデミックの教訓』ジョン・リーキ、ピーター・マカロー 2025年

目次

  • 第一部 ワクチンの歴史的検証 / Historical Examination of Vaccines
  • 第1章 強力な神話 / A Powerful Myth
  • 第2章 天然痘がボストンに来る / Smallpox Comes to Boston
  • 第3章 親たちのジレンマ / The Parents’ Dilemma
  • 第4章 「牛の」:最初のワクチン / “Of the Cow”: The Original Vaccine
  • 第5章 信仰と幻滅 / Faith and Disillusionment
  • 第6章 大悪臭 / The Great Stink
  • 第7章 ルイ・パスツールのワクチン栄光への探求 / Louis Pasteur’s Quest for Vaccine Glory
  • 第8章 大流行 / All the Rage
  • 第9章 ベル・エポック / The Belle Époque
  • 第10章 黄熱病 / Yellow Fever
  • 第11章 インフルエンザ:間違った病原体を標的にする / Influenza: Targeting the Wrong Pathogen
  • 第12章 その他のインフルエンザの冒険 / Other Influenza Adventures
  • 第13章 製薬会社のインフルエンザ / Influenza di Pharma
  • 第14章 ポリオ:大きな恐怖と救世主 / Polio: The Big Scare and the Savior
  • 第15章 ジフテリア、破傷風、百日咳 / Diphtheria, Tetanus, Pertussis
  • 第16章 麻疹、おたふく風邪、風疹 / Measles, Mumps, and Rubella
  • 第17章 トワイライトゾーン / The Twilight Zone
  • 第18章 アンドリュー・ウェイクフィールド対ワクチンカルテル / Andrew Wakefield versus the Vaccine Cartel
  • 第19章 米国連邦請求裁判所の陰謀 / Intrigue in the U.S. Court of Federal Claims
  • 第20章 今日の自閉症 / Autism Today
  • 第二部 バイオテロと新時代のワクチン / Bioterror and New Era Vaccines
  • 第21章 バイオテロ・ラケット / The Bioterror Racket
  • 第22章 新しいワクチン時代の新しい病気 / A New Illness for a New Vaccine Era
  • 第23章 モデルナの驚くべき先見性 / Moderna’s Amazing Prescience
  • 第24章 無謀な新世界 / Reckless New World
  • 第25章 ワクチンに我らを信頼せよ / In Vaccines We Trust
  • 第26章 臨床操作 / A Clinical Sleight of Hand
  • 第27章 結論 / Conclusions

本書の概要:

短い解説:

本書は、18世紀の天然痘接種からCOVID-19 mRNAワクチンまで、ワクチンの歴史を批判的に検証する。ワクチンが「聖なる牛」として無批判に崇拝される現状を問題視し、科学的検証とリスク・ベネフィット分析の重要性を訴える。医療従事者、政策担当者、そしてワクチンについて真実を知りたい一般読者に向けて書かれた。

著者について:

ピーター・マカロー博士は循環器内科医であり、COVID-19パンデミック初期から早期治療プロトコルの開発と普及に尽力した。ワクチンの危険性を警告したことで、医療界からの激しい批判と検閲に直面した経験を持つ。ジョン・リーキはノンフィクション作家であり、マカロー博士との共著『The Courage to Face COVID-19』に続く本書で、ワクチンの歴史的・科学的検証に挑む。

主要キーワードと解説

  • 主要テーマ:ワクチンの歴史的検証とリスク・ベネフィット分析 [ワクチン開発の歴史をたどり、その有効性と危険性を客観的に評価する]
  • 新規性:感染症死亡率減少におけるワクチンの貢献度の再評価 [公衆衛生、栄養改善、衛生環境の向上が感染症減少の主因であることを示す]
  • 興味深い知見:自閉症とワクチンの関連性をめぐる政治的圧力 [科学的調査が製薬会社の利益によって妨げられてきた歴史を暴露する]

3分要約

本書は、ワクチンが「聖なる牛」として無批判に崇拝される現代の風潮に対して、歴史的・科学的な検証を通じて異議を唱える試みである。著者らは「反ワクチン」ではなく、ワクチン技術そのものを否定するのではなく、そのリスクとベネフィットを公正に評価することの重要性を強調する。

第一部では、18世紀の天然痘接種(人痘接種)から始まるワクチンの歴史を詳細に検証する。エドワード・ジェンナーの牛痘ワクチンは、その有効性と安全性について当初から疑問が持たれていた。19世紀を通じて天然痘ワクチンの失敗例と危険性は数多く報告され、イギリスのレスター市のように、ワクチン接種に依存しない公衆衛生対策(検疫、衛生環境の改善)によって天然痘を制御した例も存在した。

ルイ・パスツールは科学的厳密さよりも名声と栄光を求め、しばしば他者の研究成果を流用した。その狂犬病ワクチンで有名なジョゼフ・マイスターの症例も、実際には確固たる実験データに基づいていなかった。19世紀末から20世紀初頭にかけて、感染症による死亡率が劇的に減少した主因は、ワクチンではなく、栄養状態の改善、上下水道の整備、食品衛生(低温殺菌法)の向上など、生活環境の改善であった。

20世紀の主要なワクチン——ポリオ、ジフテリア・破傷風・百日咳(DTP)、麻疹・おたふく風邪・風疹(MMR)——についても、その有効性と安全性は過大評価されてきた。ポリオワクチンはカッター事件のような大惨事を引き起こし、SV40という発がん性が疑われるウイルスで汚染されていた。DTPワクチンは重篤な副作用を引き起こし、訴訟多発の結果、1986年にアメリカで製薬会社への免責法(National Childhood Vaccine Injury Act)が成立した。

自閉症とワクチンの関連性を指摘したアンドリュー・ウェイクフィールド博士は、製薬業界によって組織的に誹謗中傷され、医師免許を剥奪された。米国連邦請求裁判所での「オムニバス自閉症訴訟」では、ワクチンと自閉症の関連を示す証拠が無視され、政府は製薬会社を守るために情報操作を行った。

第二部では、21世紀のバイオセキュリティ体制とCOVID-19パンデミックを分析する。2001年の炭疽菌テロ事件は実際には米軍関係者による内部犯行であった可能性が高く、バイオテロ対策という名目で製薬・軍事複合体が強化された。2005年のPREP法は、緊急時の「対抗手段」(ワクチンなど)に対する製薬会社の免責を定め、COVID-19ワクチン乱用の土台を作った。

SARS-CoV-2ウイルスは中国武漢の研究所で、米国政府の資金提供を受けた機能獲得研究によって作成された。モデルナ社はパンデミック以前からmRNAワクチンを開発しており、その特許にはSARS-CoV-2のスパイクタンパク質のフューリン開裂部位と完全に一致する塩基配列が含まれていた。これは偶然ではありえない一致であった。

COVID-19 mRNAワクチンの臨床試験は、治験の盲検化の不備、誤った主要評価項目、短期間のデータ収集など、重大な欠陥を抱えていた。承認後、心筋炎、血栓症、神経障害など重篤な副反応が多数報告され、VAERS(ワクチン副反応報告システム)への死亡報告数は19403件(2025年4月現在)に上る。著者らは、実際の死者数は報告数の30倍以上に達する可能性があると推定する。

結論として、著者らはワクチン技術の改善には、ドグマ、イデオロギー、商業的利益からの解放が必要だと主張する。COVID-19 mRNAワクチンの市場からの撤退、製薬会社への免責法の見直し、自閉症急増の原因に関する徹底的な調査を提言する。透明性のあるリスク・ベネフィット分析と科学的議論の自由こそが、ワクチン技術を真に安全で有効なものにする唯一の道である。

各章の要約

第一部 ワクチンの歴史的検証

第1章 強力な神話

20世紀における感染症死亡率の劇的な減少は、主にワクチンによるものだという通説は神話である。公的統計データは、ジフテリア、破傷風、百日咳などの死亡率が、ワクチン導入以前にすでに激減していたことを示している。この減少の真の要因は、栄養状態の改善、公衆衛生(上下水道)の整備、食品衛生(低温殺菌法)の向上、抗生物質の登場、労働環境の改善などであった。ワクチンは、すでに壊滅的な打撃を受けた疾病負荷に「とどめを刺した」に過ぎない。著者はこう述べる。「ワクチンが先進国における感染症死亡率の劇的減少の主因であるという考えは神話である」。

第2章 天然痘がボストンに来る

1721年、ボストンで天然痘が大流行した。牧師のコットン・マザーと医師のザブディエル・ボイルストンは、人痘接種(天然痘患者の膿を健康な人に接種する)を推進した。この処置の有効性と安全性をめぐって激しい論争が巻き起こり、当時唯一の大学で医学教育を受けた医師ウィリアム・ダグラスらが強く反対した。この論争は、2021年のCOVID-19ワクチン論争と驚くほど類似している。当時も現在も、複雑で不確実な医学的状況において、人々は単純な解決策を求め、希望的な観測に基づいて判断を下しがちなのである。

第3章 親たちのジレンマ

18世紀、天然痘の人痘接種は高額な医療行為であり、最初は富裕層にのみ行われた。ベンジャミン・フランクリンは、天然痘で幼い息子を亡くした後、人痘接種の熱心な支持者となった。一方、イギリスのジョージ3世とシャーロット王妃は、人痘接種を受けた二人の幼い王子を相次いで亡くした。親たちは「もし接種を受けさせていたら/受けさせていなかったら」という苦い後悔に苛まれた。このジレンマは、恐怖に直面した人間が、何らかの行動を起こすことでリスクを軽減したいという心理を示している。

第4章 「牛の」:最初のワクチン

エドワード・ジェンナーは1796年、牛痘(牛の天然痘)の膿を少年ジェームズ・フィップスに接種し、その後天然痘を接種しても発症しないという実験を行った(実際には数回の挑戦が必要だった)。彼はこの方法を「ワクチネーション」(ラテン語のvacca〈牛〉に由来)と名付けた。しかし、ジェンナーの発表した症例報告と理論には多くの矛盾と欠点があった。彼は牛痘に感染した者が後に天然痘にかかる事例を無視し、効果があった症例のみを選択的に報告した。また、牛痘の起源を馬の病気「グリース」とする独自の説を展開したが、後にこれを撤回した。ジェンナーのワクチンの実体は、現代のウイル学でも正確には解明されていない。

第5章 信仰と幻滅

ジェンナーのワクチンは当初こそ熱狂的に迎えられたが、接種を受けた者が天然痘にかかる事例が相次ぎ、その有効性に疑問が持たれた。また、「腕から腕へ」という接種方法により、梅毒や結核などの他の疾患が伝染する危険もあった。19世紀を通じて天然痘は流行を繰り返し、1853年には英国でワクチン接種が義務化された。これに反対する運動が起こり、1885年にはレスターで10万人規模の抗議デモが行われた。レスター市は義務接種を事実上放棄し、代わりに迅速な患者の隔離と検疫という公衆衛生対策を徹底した。その結果、レスター市は英国で最も天然痘の発生率が低い地域の一つとなった。天然痘根絶は、ワクチンよりも公衆衛生対策によってもたらされたのである。

第6章 大悪臭

19世紀の都市は、糞尿の悪臭に満ちていた。当時の医学界の主流説は「瘴気説」で、病気は悪臭のある空気によって広がると信じられていた。1858年、ロンドンを襲った「大悪臭」をきっかけに、ジョゼフ・バザルジェットによる大規模な下水道建設が始まった。この下水道整備が、コレラやチフスのような水媒性感染症を激減させた真の要因であった。ロベルト・コッホがコレラ菌を発見するより30年も前に、ジョン・スノウ博士は疫学調査によって汚染された井戸水がコレラの感染源であることを突き止めていた。公衆衛生の改善は、ワクチンよりもはるかに多くの人命を救ったのである。

第7章 ルイ・パスツールのワクチン栄光への探求

ルイ・パスツールは、科学史上の英雄として称えられているが、その業績には多くの不透明な点があった。鶏コレラワクチンは、実は助手のエミール・ルーが開発したものであった。炭疽菌ワクチンの有名なポゥイイ・ル・フォールでの実験では、空気による弱毒化を標榜しながら、実際にはアンリ・トゥーサンが発見した化学薬品(フェノール)による弱毒化技術を流用していた。パスツールは透明性を欠き、しばしば自己の栄光のために他者の業績を利用した。

第8章 大流行

パスツールは最も栄光ある標的として狂犬病ワクチンに挑んだ。当時、狂犬病の病原体は不明であった。1885年、彼は狂犬病ウイルスをウサギの脊髄で培養し、乾燥させて弱毒化する方法を開発し、犬に噛まれた少年ジョゼフ・マイスターに投与した。この「成功」はパスツールを世界的な英雄にした。しかし、彼の私的な実験ノートには、この処置を支持する確固たるデータが欠如していたことが記されていた。狂犬病の根絶は、野犬の排除と咬傷後の迅速な傷口の洗浄によってもたらされ、ワクチンによるものではなかった。

第9章 ベル・エポック

19世紀末から20世紀初頭の「ベル・エポック」において、都市の生活環境は著しく改善された。下水道と上水道の整備、石炭煙の規制、ミルの衛生管理(低温殺菌法の導入)などが進み、人々の栄養状態も向上した。これらの要因が結核や腸チフスなどの感染症の劇的な減少をもたらした。ロベルト・コッホら細菌学者たちは病原菌の発見に熱中したが、宿主である人間の健康状態や環境要因にはあまり注目しなかった。

第10章 黄熱病

黄熱病は蚊によって媒介されるウイルス性疾患である。カーロス・フィンライ博士は1881年に蚊が媒介者であるという仮説を提唱したが、当時は嘲笑された。1900年、ウォルター・リード少佐率いる米国陸軍黄熱病委員会が、勇敢な志願者たちの自己犠牲的な人体実験によって、フィンライの仮説を立証した。ウィリアム・ゴーガス少佐はハバナで蚊の駆除と繁殖防止を目的とした大規模な衛生作戦を展開し、1年以内に黄熱病をほぼ根絶した。この衛生対策が、米国やパナマ運河建設現場から黄熱病を排除したのであり、1937年に開発されたワクチンによるものではなかった。

第11章 インフルエンザ:間違った病原体を標的にする

1918年のスペインかぜのパンデミックは、第一次世界大戦の劣悪な環境(塹壕、兵舎、病院)の中で拡大し、多くの犠牲者を出した。当時、病原体はインフルエンザ菌(Bacillus influenzae)と考えられ、多くの無効なワクチンが作られた。実際の病原体はウイルスであった。トーマス・フランシス・ジュニアとヨーナス・ソークは、第二次世界大戦中に米軍兵士を保護するため不活化インフルエンザワクチンの開発を命じられた。しかし、その有効性を証明する試験は、精神病院の患者を使った倫理的に問題のある挑戦試験など、不十分なものであった。

第12章 その他のインフルエンザの冒険

1957年と1968年のインフルエンザ・パンデミックでは、ワクチンが広く行き渡った頃には流行のピークは過ぎており、その効果は限定的であった。1976年、フォート・ディックスでの一兵士の死亡をきっかけに、米国政府は「豚インフルエンザ・パンデミック」の発生を予測し、全国民へのワクチン接種を開始した。パンデミックは結局起こらず、代わりにワクチン接種後にギラン・バレー症候群が多発し、プログラムは中止された。製薬会社は免責と利益を保証され、巨額の富を得た。この「スワイン・フル・アフェア」は、製薬業界と政府の癒着、そして科学的根拠のない恐怖に基づく政策決定の危険性を露呈した。

第13章 製薬会社のインフルエンザ

2009年、WHOは根拠の乏しいデータに基づいて新型インフルエンザ(A/H1N1)のパンデミックを宣言し、各国政府は無用なワクチンを大量購入した。この「パンデミック」は製薬会社に莫大な利益をもたらした。2011年、研究者の川岡良弘とロン・フォーチャーは、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)を実験室で改変し、哺乳類間で空気感染する能力を持たせる「機能獲得研究」を行った。彼らは、自然発生を予測するためと称したが、実際には実験室から危険な病原体が漏洩するリスクの方がはるかに高かった。インフルエンザワクチンは、ウイルスの変異が速いため効果が持続せず、また粘膜で増殖するウイルスに対して注射ワクチンで誘導される血中抗体は効果が限定的である。

第14章 ポリオ:大きな恐怖と救世主

1950年代、ポリオは米国社会に大きな恐怖をもたらした。しかし、年間の麻痺患者数は人口比でごく少数であった。ヨーナス・ソークの不活化ポリオワクチンは、大規模なフィールド試験の後、1955年4月12日に「安全で有効」と宣言され、国民的な熱狂を巻き起こした。しかし、カッター研究所製のワクチンに生きたポリオウイルスが混入していたため、4万人がポリオに感染し、200人が麻痺、10人が死亡する大惨事(カッター事件)が起きた。後に、サビンの生ワクチンも、まれに麻痺を引き起こすこと、さらに両ワクチンがサル由来のウイルスSV40で汚染されていたことが判明した。

第15章 ジフテリア、破傷風、百日咳

1948年、DTP(ジフテリア、破傷風、百日咳)三種混合ワクチンがアメリカ小児科学会によって推奨され、現代の小児予防接種スケジュールの始まりとなった。しかし、これらの病気による死亡率は、ワクチン導入以前に、生活水準の向上と抗生物質の登場によって激減していた。破傷風トキソイドワクチンは有効である可能性が高いが、無作為化比較試験は行われていない。百日咳ワクチン(全菌体)は重篤な副作用(脳症など)を引き起こすことがあり、訴訟が多発した。この結果、1986年に製薬会社への免責法(National Childhood Vaccine Injury Act)が成立した。

第16章 麻疹、おたふく風邪、風疹

麻疹ワクチンが導入された1963年以前は、事実上すべての子供が麻疹に感染したが、死亡者は年間450人前後と少なかった。これは栄養状態、特にビタミンAの摂取状態の改善によるものである。麻疹ワクチンは症例数を激減させたが、免疫持続期間は自然感染より短く、集団内で定期的なアウトブレイクが起こる原因となっている。風疹ワクチンの主な目的は先天性風疹症候群(CRS)の予防である。1971年、マーキュリーのモーリス・ヒルマンは麻疹、おたふく風邪、風疹の三種混合ワクチン(MMR)を開発した。風疹ワクチン(RA 27/3)は中絶胎児の腎臓細胞で培養されており、現在も同じ細胞株が使用されている。

第17章 トワイライトゾーン

自閉症は、1940年代にレオ・カナーとハンス・アスペルガーによって記述された稀な疾患であった。しかし、1990年代後半から2000年代にかけて、生後12~20か月まで正常に発達した子供が、予防接種を受けた直後に高熱、痙攣、胃腸障害を起こし、その後自閉症様症状を示すという症例が急増した。多くの親がワクチンとの因果関係を疑うが、医学界は「自閉症の原因は不明だが、ワクチンが原因ではないことは分かっている」という論理矛盾ともいえる声明を繰り返す。この状況は、親たちを「トワイライトゾーン」のような現実認識の混乱に陥らせる。

第18章 アンドリュー・ウェイクフィールド対ワクチンカルテル

1998年、英国の胃腸科医アンドリュー・ウェイクフィールドは、The Lancet誌にMMRワクチン接種後に腸炎と自閉症様症状を発症した12人の子供たちの症例を報告した。論文では因果関係を断定しておらず、さらなる調査を求める内容であった。しかし、この論文は製薬業界、特にMMRワクチンを販売するマーキュリーに対する巨大な脅威となった。2004年、日曜泰晤士紙の記者ブライアン・ディアーを中心とした組織的な誹謗中傷キャンペーンが始まり、ウェイクフィールドは利益相反やデータ改竄の濡れ衣を着せられた。2010年、製薬会社グラクソ・スミスクラインの株主でもあった議長が務める英国一般医学協会の聴聞会で、彼は医師免許を剥奪された。

第19章 米国連邦請求裁判所の陰謀

1986年の免責法に基づき、ワクチンによる損害賠償を求める「オムニバス自閉症訴訟」が米国連邦請求裁判所で行われた。5,600件以上の訴訟が、3つのテストケースに集約された。政府側専門証人の一人、アンドリュー・ツィンマーマン博士は、一部の子供(特にミトコンドリア機能異常を持つ子供)ではワクチンが自閉症を引き起こしうると司法省関係者に内密に伝えた。すると司法省は彼を証人から外し、代わりに「ワクチンと自閉症の関連を示す科学的根拠はない」という彼の初期の陳述書を、あたかも包括的な見解であるかのように誤用した。政府は、ジョンズ・ホプキンス大学の神経科医ジョン・ポーリング博士の娘ハンナの症例についてのみ、ワクチンとの因果関係を認めて密かに和解した。これは他の数千件の訴訟に影響を与えないようにするための措置であった。

第20章 今日の自閉症

自閉症の罹患率は1960年の1万人に2人から、2022年には31人に1人へと急激に上昇している。この「自閉症エピデミック」は、診断基準の変更や認知度の向上だけでは説明できない。メディアや医学界は「ワクチンが原因ではないことは分かっている」と繰り返すが、未接種児(アーミッシュなど)の自閉症罹患率が大幅に低いというデータがある。ワクチン接種後の熱性痙攣とその後の神経発達障害(自閉症を含む)との関連も指摘されている。自閉症児の多くは免疫調節異常や食物アレルギーも併発しており、ワクチンが免疫系を過剰刺激し、脳と腸に炎症を引き起こすという仮説は十分に合理的である。しかし、この仮説を真剣に検証しようとする動きは、製薬業界の強い抵抗によって阻まれている。

第二部 バイオテロと新時代のワクチン

第21章 バイオテロ・ラケット

9.11同時多発テロの直後、炭疽菌入りの手紙が米国のメディアと上院議員に送りつけられる事件が発生した。当初はアルカイダの犯行と疑われたが、FBIの調査により、米軍の生物防御研究所フォート・デトリックで炭疽菌ワクチンの開発に携わっていたブルース・アイヴィンス博士が実行犯である可能性が強まった。この事件は、生物テロの脅威を誇張し、危険な炭疽菌ワクチンの接種を米軍に義務づけるために仕組まれたものであった疑いがある。この事件をきっかけに、2004年バイオシールド法、2005年PREP法が成立し、緊急時の「対抗手段」(ワクチンなど)に対する製薬会社の免責と政府の大量購入が保証される体制が整えられた。

第22章 新しいワクチン時代の新しい病気

2002年、中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生した。これはコロナウイルスによる最初の重大なパンデミックであった。この7か月前、ラルフ・バリック博士(ノースカロライナ大学)らは「組換えコロナウイルスの作成方法」の特許を出願していた。バリックと生態系健康同盟(EcoHealth Alliance)のピーター・ダスザックは、NIHから多額の資金を得て、コウモリのコロナウイルスに「機能獲得」実験を行い、ヒトに感染しうる新型コロナウイルスを研究室で作成した。その目的は、パンデミックに備えてワクチンを事前に開発するためと称していた。2018年、ダスザックはDARPAに提出した提案書「プロジェクト・デフューズ」で、コロナウイルスに「フューリン開裂部位」を導入する計画を明記していた。この部位は、後のSARS-CoV-2がヒトに強い感染性を持つための重要な要素となった。

第23章 モデルナの驚くべき先見性

モデルナ社のCEOステファン・バンセルは、武漢のBSL-4研究所の建設に関わった仏企業バイオメリューの元CEOであった。2016年、モデルナ社はSARS-CoV-2のスパイクタンパク質のフューリン開裂部位をコードする塩基配列と完全に一致する12塩基配列の特許を取得した。この一致が偶然である確率は数百億分の1である。モデルナは2016年からNIAIDと共同でmRNAコロナワクチンの開発を始めており、2019年12月12日(COVID-19公式発表の19日前)には、バリック博士にmRNAワクチンを提供するための物質移転契約を結んでいた。パンデミック宣言からわずか5日後の2020年3月16日、NIAIDとモデルナは共同開発したmRNAワクチンの臨床試験を開始すると発表した。

第24章 無謀な新世界

COVID-19 mRNAワクチンの開発( Operation Warp Speed)は、治験データの信頼性に関する重大な懸念(ヴェンタヴィア研究所の内部告発など)を無視して推進された。ワクチンは、自然免疫よりも優れていると喧伝され、リスクプロファイルに関係なく全世界の人々に接種することが目標とされた。妊婦や子供に対する安全性が確認されていないにもかかわらず、接種が推奨・義務付けられた。FDA諮問委員会のエリック・ルービン委員は、「このワクチンがどれほど安全かは、接種を始めなければ分からない」と発言し、子供たちを巨大な実験の対象とすることを公言した。著者(マカロー)は、医学の基本原則が無視され、人類が「無謀な新世界」に突入したと感じた。

第25章 ワクチンに我らを信頼せよ

COVID-19 mRNAワクチンは、従来の不活化ワクチンや弱毒化ワクチンとは根本的に異なり、ヒトの細胞に外来性の毒タンパク質(スパイクタンパク質)の生産を指令する遺伝子治療ともいうべき技術であった。しかし、大多数の人々はその中身を理解しないまま、ワクチンを人類を救う「救世主」として崇める一種の宗教が形成された。アンソニー・ファウチ博士はその教皇として祭り上げられ、異議を唱える者(早期治療を提唱する医師など)は異端者として弾圧された。ワクチンは感染や伝播を防がないことが明らかになった後も、信仰の対象であり続け、接種者は「選民」、非接種者は「堕罪民」として差別される状況が生まれた。

第26章 臨床操作

ファイザー社のmRNAワクチン(BNT162b2)の臨床試験は、治験の盲検化が不十分で、被験者が自分がワクチンを接種されたかどうかを推測できた。主要評価項目は、COVID-19による入院や死亡ではなく、軽微な風邪症状であった。治験参加者のCOVID-19罹患率は一般人口よりはるかに低く、統計的有意性に疑問があった。FDA承認時点で、ワクチン群21名、プラセボ群17名の死亡が報告されていたが、このデータは承認決定から隠蔽された。FDAは、治験の90日間の安全性データの開示を55年間秘密にするよう要求した(後に裁判で否定された)。VAERSには2025年4月25日現在で19,403件の死亡報告があり、過少報告率を考慮すると、実際の死者数は数十万人に上る可能性がある。mRNAワクチンは、心筋炎、血栓症、神経疾患など、多数の重篤な副反応と関連している。

第27章 結論

ワクチン技術を改善するためには、ドグマ、イデオロギー、商業的利益から解放し、科学的探求の領域に置く必要がある。そのためには、議論の自由と完全な透明性が不可欠である。1986年の免責法は見直されるべきであり、製薬会社はワクチンの設計改善に対するインセンティブを持つべきである。小児へのワクチン接種は、「安全第一」の原則に基づき、個々の子供の遺伝的素因を考慮したリスク・ベネフィット分析を行うべきである。著者らは、COVID-19 mRNAワクチンの市場からの即時撤退、および自閉症急増の原因に関する徹底的な調査を提言する。透明性のある科学的研究のみが、ワクチン技術を真に安全で有効なものにするのである。


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