
英語タイトル:『Vaccines, Amen: The Religion of Vaccines』Aaron Siri 2025
日本語タイトル:『ワクチン、アーメン:ワクチンの宗教』アーロン・シリ 2025
目次
- 序論 / Introduction
- 第一部 聖職者たち / The Clergy
- 第1章 大祭司:スタンリー・プロトキン / High Priest: Stanley Plotkin
- 第2章 弟子たち:ワクチノロジスト / Disciples: Vaccinologists
- 第3章 司祭たち:医療専門職 / Priests: Medical Profession
- 第二部 教会 / The Church
- 第4章 原罪:1986年法 / Original Sin: 1986 Act
- 第5章 公の顔:規制当局 / The Public Face: Regulators
- 第6章 真の権力:製薬会社 / The Real Power: Pharma
- 第三部 信仰 / The Faith
- 第7章 「ワクチンは何百万人もの命を救っている!」 / “Vaccines Save Millions of Lives!”
- 第8章 「ワクチンは何百万人もの人々を障害から救っている!」 / “Vaccines Save Millions From Harm!”
- 第9章 「ワクチンは感染伝播を防ぐ!」 / “Vaccines Prevent Transmission!”
- 第四部 金の子牛 / The Golden Calf
- 第10章 「ワクチンは認可前に徹底的に研究されている!」 / “Vaccines Are Thoroughly Studied Pre-Licensure!”
- 第11章 「ワクチンは認可後も慎重に研究されている!」 / “Vaccines Are Carefully Studied Post-Licensure!”
- 第12章 「科学」 / The “Science”
- 結論 / Conclusion
- 追記:/ Postscript
本書の概要
短い解説:
本書は、ワクチンに関する公的な主張の多くが科学的証拠ではなく「信仰」に基づいていると論じる。著者は弁護士としての経験から、ワクチンの安全性と有効性に関する一次資料を精査し、製薬会社が免責され、規制当局がプロモーションと安全確保の間で深刻な利益相反に陥っている構造を明らかにする。ワクチン接種を強制する側が「熱狂的信者」であり、接種を拒否する側がむしろ一次資料を読み込み理性的判断を下していると主張する。
著者について:
アーロン・シリは、米国の大手法律事務所でワクチン訴訟を専門とする弁護士。100名以上の専門家を擁する法律事務所を率い、ワクチン傷害、免除、政策に関する訴訟を扱う。スタンリー・プロトキン博士を含む世界有数のワクチノロジストの尋問を実施し、ワクチンに関する主張を法廷で立証・反証するために一次資料の厳密な分析を行ってきた。本書ではその経験に基づき、ワクチンをめぐる言説を「宗教」として批判的に分析する。
テーマ解説:
- ワクチン業界の構造的問題:1986年ワクチン傷害法による製薬会社の免責、規制当局の利益相反、製薬会社による科学の支配という三層構造が、ワクチン安全性の実質的な検証を妨げている。
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ワクチンの便益神話の解体:「ワクチンが何百万人もの命を救った」「伝播を防ぐ」といった主張が、実際のデータと矛盾することを統計的に示す。
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臨床試験の不備と安全性検証の欠如:小児用ワクチンのほとんどが、プラセボ対照群なし、数日間の安全性観察期間、不十分な被験者数で認可されている現実を暴露する。
キーワード解説:
- 1986年ワクチン傷害法(1986 Act):製薬会社にワクチン傷害に対する金銭的免責を与え、被害者は製薬会社ではなく政府を訴えることを義務付けた法律。著者はこれを「原罪」と位置付ける。
- ワクチノロジスト(Vaccinologists):ワクチンを専門とする科学者集団。スタンリー・プロトキンを「大祭司」とし、その弟子たちが製薬会社の支援を受けて科学的言説を支配していると著者は論じる。
- プラセボ対照試験(Placebo-Controlled Trial):新薬・新ワクチンの安全性評価における「黄金基準」。著者は、小児用ルーチンワクチンのほとんどがこの基準を満たさずに認可されたと主張する。
- 予防接種諮問委員会(ACIP):CDCのワクチン政策を決定する委員会。著者は、委員の多くが製薬会社と資金的な関係を持ち、公正な審査が行われていないと批判する。
- ワクチン傷害補償プログラム(VICP):ワクチン被害者が政府に対して補償を請求できる制度。しかしHHSが被告となり、安全性研究の公表を抑制する構造になっている。
要点要約
著者は冒頭で、「ワクチンを信じる」という表現が日常的に使われること自体、ワクチンに関する主張が証拠ではなく信仰に基づくことを示していると指摘する。彼は18年前にワクチン訴訟に携わるようになり、1986年法によって製薬会社がワクチン傷害に対して免責されていることを知った。この「原罪」が、ワクチン安全性の検証を阻むすべての構造的問題の起点である。
CDCのデータによれば、ワクチン未接種の子供を持つ親は高度に教育されており、一次文献を自ら読み解いている。彼らは社会からの強い圧力にもかかわらず理性的判断を下している。対照的に、「ワクチン・アーメン」の群衆は証拠に反する信念を感情的に固守し、反対者を検閲・強制しようとする。著者は自分の偏見を認めつつも、証拠に基づいた議論を提示すると宣言する。
第一部では、ワクチノロジーの「聖職者」たちを解剖する。世界最高権威のスタンリー・プロトキン博士の証言録取を通じて、彼が製薬会社から巨額の報酬を受けながら「 impartial な科学者」として振る舞い、ワクチン安全性について証拠なく「原因ではない」と断言する姿勢を暴く。特に、新生児に接種されるB型肝炎ワクチンが、わずか5日間の安全性観察しか行わない臨床試験で認可された事実を明らかにし、プロトキン自身がその試験の主任研究者でありながらその詳細を知らなかった衝撃的事実を指摘する。
プロトキンの弟子たちも同様に製薬会社から資金提供を受け、CDCやFDAの委員会でワクチン認可・推奨を決定している。キャサリン・エドワーズ博士は、製薬会社から資金提供を受けながら同時にCDC委員会の投票メンバーとしてワクチン認可に関与していた。2000年の議会調査報告書は、これらの委員会の「圧倒的多数」が製薬業界と「実質的な関係」を持つと結論づけた。
第二部では、ワクチン業界の経済的・規制的構造を分析する。1986年法により、製薬会社はワクチン傷害に対する金銭的責任を免れ、被害者はHHSを相手に訴訟せねばならない。これにより、製薬会社は安全性の検証に投資する経済的インセンティブを完全に失い、むしろ安全性問題を発見しないインセンティブが働く。HHSはワクチンの促進と安全性確保という相反する責任を負い、さらにワクチン傷害訴訟の被告も務めるという三重の利益相反に陥っている。
HHSは1986年法で義務付けられた「より安全な小児用ワクチンに関する作業部会」の報告書を一度も提出しておらず、作業部会自体も1998年に解散した。CDCの免疫安全性オフィスは年間約2,000万ドルの予算しか持たず(ワクチン購入には80億ドル以上を支出)、その責任者フランク・デステファノは製薬会社と政策を共に策定していたことがCDC自身の文書開示で明らかになった。
第三部では、ワクチンの便益に関する神話を統計データで解体する。麻疹死亡率は1900年から1962年の間に98%以上減少しており、最初の麻疹ワクチンが登場したのは1963年である。つまり、麻疹ワクチン以前から死亡率はほぼ消滅していた。麻疹ワクチンが導入される直前の数年間、米国では年間約400人が麻疹で死亡していたに過ぎない。
さらに衝撃的なのは、麻疹・おたふく風邪に感染した人は心血管疾患で死亡するリスクが有意に低いという日本の大規模研究(10万人以上、21年間追跡)の存在だ。麻疹・おたふく風邪に感染した男性は、感染しなかった男性と比較して脳卒中リスクが17%、心血管疾患リスクが20%、心臓発作リスクが29%低下していた。ワクチンによってこれらの自然感染を防ぐことが、むしろ多くの死因を生み出している可能性がある。
ポリオについても、サルクワクチン導入後に症例が減少したのは主に診断基準の変更による「統計的アーティファクト」であり、ワクチンの効果ではないと、当時の一流ポリオ科学者たち自身が認めていた。さらに、現在米国で使用されている不活化ポリオワクチン(IPV)は感染伝播を防がないことがCDC自身のウェブサイトに明記されている。
百日咳ワクチンについても、FDAの科学者たちがヒヒを用いた実験で、現在の無細胞百日咳ワクチンが感染・伝播を防がず、むしろ症状を抑えることで感染拡大を促進する可能性を実証した。この研究の結果、2018年のコンセンサス会議で専門家たちは「無細胞百日咳ワクチンはコロニー形成を防がず、したがって herd immunity 効果を発揮しない」と認めた。
第四部では、ワクチンの安全性試験の実態に踏み込む。小児用ルーチンワクチンの臨床試験は、プラセボ対照群を使用せず、安全性観察期間もわずか数日間というものがほとんどである。B型肝炎ワクチン(レコンビバックスHB)は147人の乳幼児・小児を対象に、各接種後5日間の安全性観察のみで認可された。DTaPワクチンは、DTPワクチン(乳児死亡率を上昇させることが複数の研究で示されている)を対照として使用し、30日間の観察で認可された。
PCV(肺炎球菌ワクチン)では、プレベナー7が別の未認可の実験的ワクチンを対照として認可され、プレベナー13はプレベナー7を対照として認可され、さらに新しいワクチンも同様の連鎖で認可されている。この「ピラミッド・スキーム」では、安全性の基準がまったく確立されていない。これらの試験では、7〜9%の乳幼児が重篤な有害事象を報告しているが、対照群でも同様の率だったため「安全」と判断された。
自閉症とワクチンの関係について、著者は徹底的な調査を実施した。1986年議会はHHSに百日咳ワクチンと自閉症の関連性研究を命じたが、1991年のIOM報告書は関連性を支持する研究を一つも特定できなかった。2012年のIOM報告書も同様に、DTaPが自閉症を引き起こさないという研究を一つも特定できなかった。2014年のAHRQ報告書は、B型肝炎ワクチンと自閉症について唯一の信頼できる研究が300%のリスク増加を見出したと報告し、リスクがないという研究は存在しなかった。
著者はNIMH所長でIACC議長のジョシュア・ゴードン博士と直接やり取りし、生後1年間に推奨されるワクチンが自閉症を引き起こさないという研究の提示を求めた。ゴードン博士は最終的に「その情報はCDCから得るのが最善だ」と回答し、CDCは既存のウェブページへのリンクを送るだけで、実質的な研究を提示できなかった。
各章の要約
第一部 聖職者たち
第1章 大祭司:スタンリー・プロトキン
著者は世界最高権威のワクチノロジスト、スタンリー・プロトキン博士の証言録取(9時間)の詳細を明かす。プロトキンはメルク、ファイザー、サノフィ、GSKから巨額の報酬(ロタテックワクチンのロイヤルティだけで1億8200万ドルの一部)を受け取りながら、「 impartial な科学者」として君臨してきた。証言録取では、B型肝炎ワクチンの認可試験がわずか5日間の安全性観察しか行っていなかったことに対し、プロトキン自身がその主任研究者でありながら詳細を知らなかった衝撃的事実が明らかになる。また、プロトキンはDTaPワクチンと自閉症の因果関係を否定する証拠がないにもかかわらず、親に「ワクチンは自閉症を引き起こさない」と断言するのは「絶対に」正しいと証言した。この姿勢は「科学」ではなく「信仰」であると著者は断じる。前章の序論で示された「ワクチンは宗教である」というテーマを、具体的な人物像で立証する。
第2章 弟子たち:ワクチノロジスト
プロトキンの弟子たち(ポール・オフィット、ティナ・タン、キャサリン・エドワーズなど)も同様に製薬会社から資金提供を受け、CDCやFDAの委員会でワクチン認可・推奨を決定している。オフィットはメルクから約600万ドルを受け取り、エドワーズは製薬会社のスピーカーズ・ビューローに所属しながら同時にCDC委員会の投票メンバーとしてワクチン認可に関与した。2000年の議会調査は「委員の圧倒的多数が製薬業界と実質的な関係を持つ」と結論づけた。グレゴリー・ポーランド博士(メイヨー・クリニック)がCOVID-19ワクチンで耳鳴りという重篤な傷害を負った後も、ワクチンを推奨し続けた事例は、この信仰の深さを示す。彼らは「メカニズム研究」という実施されない研究を要求することで、因果関係の証明を事実上不可能にしている。前章で明らかになったプロトキンの姿勢が、弟子たちにどのように継承されているかを実証する。
第3章 司祭たち:医療専門職
アンソニー・ファウチをはじめとする公衆衛生当局者やほとんどの医師は、ワクチンについてほとんど知らず、ワクチノロジストから教えられたマントラを繰り返すだけである。COVID-19パンデミック中、ファウチ、NIH所長、CDC所長、米国医務総監は、自然免疫がワクチン接種者と同じ権利を与えるに十分かという問いに対し、内部で判断できず、プロトキンの弟子たち(ホテズ、オフィット、オスターホルム、イワサキ)を招集した。彼らは全員、自然免疫では不十分だと断言した。HHSはICANからの正式な要求に対し、「多くの小児用ワクチンがプラセボ対照試験で検討されている」と虚偽の回答をしたが、実際にはCDCスケジュール上のルーチン注射ワクチンでプラセボ対照試験に基づいて認可されたものは一つもない。この章は、ワクチノロジストの dogma がどのように医療専門職全体に伝播されるかを示し、次の第二部で分析される制度的構造の土台を提供する。
第二部 教会
第4章 原罪:1986年法
1986年ワクチン傷害法は製薬会社にワクチン傷害に対する金銭的免責を与え、被害者は製薬会社ではなくHHSを訴えることを義務付けた。これにより、製薬会社は安全性検証への投資インセンティブを完全に失った。著者はファイザーの薬剤(エリキュース、エンブレル、リピトール、リリカ)と小児用ワクチンの臨床試験を比較し、薬剤は数年単位のプラセボ対照試験で認可されるのに対し、ワクチンは数日間の観察、プラセボなしで認可される現実を図示する。連邦最高裁は「デザイン欠陥」請求を全面禁止し、ソトマイヨール判事は「製造業者は既に大きな利益を上げているワクチンのデザインを改善するインセンティブをほとんど持たない」と反対意見で指摘した。ワクチンは、傷害を引き起こしてもほぼ完全な免責を持つ唯一の消費者製品である。この章は、前章までの「聖職者」構造がどのような法的基盤の上に成立しているかを明らかにし、次章の規制当局の役割へと接続する。
第5章 公の顔:規制当局
HHSはワクチンの促進と安全性確保という相反する責務を負い、さらにワクチン傷害訴訟の被告も務める三重の利益相反状態にある。HHSは1986年法で義務付けられた「より安全な小児用ワクチンに関する作業部会」の報告書を一度も提出しておらず、作業部会自体も1998年に解散した。CDCの免疫安全性オフィス(ISO)の予算は年間約2,000万ドル(ワクチン購入には80億ドル以上)で、ISO責任者フランク・デステファノは製薬会社と政策を共に策定していたことがCDC自身の文書開示で明らかになった。CDCのMMWRはピアレビューを受けず、CDC政策に一致する研究のみを掲載する内部クリアランスプロセスを経る。この章は、前章の法的免責が規制当局にどのような影響を与えているかを実証し、次章で描かれる製薬会社の支配構造への布石となる。
第6章 真の権力:製薬会社
メルク、サノフィ、GSK、ファイザーは、ワクチノロジスト、医学ジャーナル、医療機関のすべてを資金提供・支配している。ランセット元編集長リチャード・ホートンは「ジャーナルは製薬業界の情報洗浄機関と化した」と述べ、BMJ元編集長リチャード・スミスは「医学ジャーナルは製薬会社のマーケティング部門の延長」と書いた。製薬会社と利益相反を持つワクチノロジストだけが昇進し、 dogma に従わない者は資金を断たれる。キャサリン・エドワーズ博士はファイザーのCOVID-19ワクチン「独立」データ安全性モニタリング委員会のメンバーでありながら、同時にファイザーのアドバイザーとして報酬を受けていた。この「回転ドア」現象は、規制当局者が政府退職後に製薬会社に就職することを見越して、現職中から製薬会社に好意的に振る舞う構造を作り出す。この章は、前章までの法的・規制的構造がどのように製薬会社の支配を可能にしているかを統合し、第三部で批判される神話的便益主張の制度的背景を提供する。
第三部 信仰
第7章 「ワクチンは何百万人もの命を救っている!」
麻疹死亡率は1900年から1962年の間に98%以上減少しており、最初の麻疹ワクチンが登場したのは1963年である。つまり、ワクチン以前から麻疹死亡率はほぼ消滅していた。導入直前の米国では年間約400人が麻疹で死亡していたに過ぎない。さらに衝撃的なのは、麻疹・おたふく風邪に感染した人は心血管疾患で死亡するリスクが有意に低いという日本の大規模研究(10万人以上、21年間追跡)の存在である。麻疹ワクチンの使用により、予防できた麻疹死亡者数をはるかに超える心血管疾患死亡者が増加している可能性がある。白喉・破傷風・百日咳(DTP)ワクチンについても、死亡率はワクチン導入前から急激に低下していた。発展途上国で最も広く使用されているDTPワクチンは、複数の研究で乳児死亡率を10倍に上昇させることが示されている。COVID-19ワクチンについても、全死因死亡率データはワクチン導入後に死亡数が減少しなかったことを示している。この章は、ワクチンの「命を救う」という神話を統計データで完全に解体し、次章の「障害から救う」という神話への批判へとつながる。
第8章 「ワクチンは何百万人もの人々を障害から救っている!」
ポリオは1890年頃まで無害なウイルスであり、感染してもほとんど症状を示さなかった。その後、先進国で突然病原性を獲得したが、発展途上国では依然として無害だった。ポリオ科学者たち(サビン、グリーンバーグ、コックスなど)は1960年の会議で、サルクワクチン導入後の症例減少は主に診断基準の変更(24時間間隔の観察から60日後の残存麻痺と実験室確認へ)による「統計的アーティファクト」であり、ワクチンの効果ではないと認めていた。また、現在米国で使用されている不活化ポリオワクチン(IPV)は感染伝播を防がないことがCDC自身のウェブサイトに明記されている。これらの事実は、ポリオワクチンに関する現代の神話が歴史的事実と矛盾することを示す。この章は、前章の「命を救う」神話に続き、ワクチンの「障害を防ぐ」という便益主張の根拠の脆弱さを歴史的証拠で示し、次章の「伝播防止」神話の解体へと展開する。
第9章 「ワクチンは伝播を防ぐ!」
多くのワクチンは感染伝播を防がない。IPV(ポリオ)は腸管免疫を誘導せず、CDC自身が「IPVはポリオウイルスの伝播を防がない」と明言する。無細胞百日咳ワクチン(DTaPのaP)は、FDAのヒヒ研究で、感染・伝播を防がず、むしろ症状を抑えることで感染者が気づかずに拡散させる可能性が示された。2018年のコンセンサス会議で専門家たちは「aPVはコロニー形成を防がず、したがって herd immunity 効果を発揮しない」と認めた。破傷風ワクチンはそもそも人から人へ伝播しない。髄膜炎ワクチン(MenACWY)についてCDCは「減少の大部分はルーチン使用前に起こった」と認める。B型肝炎ワクチンを学校で義務化することは非合理的であり、CDCも学校での伝播事例を一件も特定できなかった。COVID-19ワクチンについて、オンタリオ州とスコットランドのデータは接種者が未接種者より感染率が高いことを示し、当局は都合の悪いデータの公表を停止した。この章は、ワクチン接種強制の論理的根拠を完全に崩壊させ、第四部での安全性問題の詳細な分析への橋渡しとなる。
第四部 金の子牛
第10章 「ワクチンは認可前に徹底的に研究されている!」
小児用ルーチンワクチンの臨床試験は、プラセボ対照群を使用せず、安全性観察期間も数日間というものがほとんどである。B型肝炎ワクチン(レコンビバックスHB)は147人の乳幼児を対象に各接種後5日間の観察のみで認可された。DTaPはDTP(乳児死亡率を上昇させることが示されている)を対照として使用。PCV(プレベナー)シリーズでは、プレベナー7が別の未認可実験的ワクチンを対照とし、その後プレベナー13、15、20と続く「ピラミッド・スキーム」が存在する。これらの試験では7〜9%の乳幼児が重篤な有害事象を報告しているが、対照群でも同率だったため「安全」と判断された。HPVワクチン(ガーダシル)は、神経毒性・細胞毒性のあるアルミニウムアジュバント(AAHS)を対照として使用し、2.3%の被験者が全身性自己免疫疾患を発症したが、対照群でも同率だったため認可された。この章は、前章までの神話的便益主張が無効であることを前提に、ワクチン安全性検証の根幹が完全に欠如していることを一次資料で実証し、次章の認可後研究の失敗へと接続する。
第11章 「ワクチンは認可後も慎重に研究されている!」
1986年以降、小児慢性疾患率は10%未満から40%以上に上昇したが、HHSはこの問題を研究していない。自閉症とワクチンの関係について、議会は1986年にHHSに研究を命じたが、1991年IOM報告書は関連性を支持する研究を一つも特定できず、2012年IOM報告書も同様にDTaPが自閉症を引き起こさないという研究を一つも特定できなかった。2014年AHRQ報告書は、B型肝炎ワクチンと自閉症について唯一の信頼できる研究が300%のリスク増加を見出したと報告し、リスクがないという研究は存在しなかった。著者はNIMH所長ゴードン博士と直接やり取りし、生後1年間のワクチンが自閉症を引き起こさないという研究の提示を求めたが、ゴードン博士は「その情報はCDCから得るのが最善だ」と回答し、CDCは実質的な研究を提示できなかった。VAERSなどの受動的監視システムは因果関係を証明できず、HHSが被告となる構造が安全性研究の公表を抑制している。この章は前章の認可前試験の欠陥が認可後も改善されていないことを示し、最終章で「科学」そのものの腐敗へと論を進める。
第12章 「科学」
製薬会社が資金提供し、製薬会社から資金提供を受けたワクチノロジストが実施し、製薬会社から資金提供を受けたジャーナルに掲載された研究が、「科学」としてFDAとCDCの政策決定に利用されている。この閉じた循環において、 dogma に反する研究は資金を得られず、掲載されず、キャリアも築けない。ランセット元編集長は「ジャーナルは製薬業界の情報洗浄機関と化した」と述べ、NEJM元編集長マーシア・アンジェルは「臨床研究の多くを信じることはもはや不可能だ」と結論づけた。CDCのMMWRはピアレビューを受けず、CDC政策に一致する研究のみを掲載する。HHSは1986年法で義務付けられた「より安全な小児用ワクチンに関する報告書」を一度も提出していない。この構造の結果、ワクチンに関する「科学」は信仰によって支えられた自己言及的システムと化している。この章は、前章までの具体的な安全性欠陥を統合し、それが制度的にどのように維持されているかを理論化する。
結論
著者は、ワクチンをめぐる言説の多くが証拠ではなく信仰に基づいていることを改めて強調する。ワクチンには潜在的な便益があるかもしれないが、それはすべての医薬品に言えることであり、そのリスクと便益の評価は個人に委ねられるべきである。ワクチンは強制されるべきではなく、誰もが望むだけワクチンを接種できる自由と、接種を拒否する自由の両方が保障されるべきだ。製品の安全性を確保するための市場メカニズムも規制当局も機能しておらず、製薬会社は免責され、利益相反に満ちた構造がワクチン安全性の真の検証を妨げている。親たちは車や住宅を購入するのと同じ注意を払ってワクチン製品を研究すべきであり、そのための情報を本書が提供する。著者は最後に、本書で明かされた事実は「もう忘れることのできない」知識であると述べる。
想定読者・前提知識・読みどころ
- 想定読者:ワクチンの安全性と公的政策に関心を持つ一般読者、特に子供のワクチン接種について判断を下そうとしている親。また、医療専門職や公衆衛生政策に関わる者で、主流の言説に批判的視点から接したいと考えている読者。
- 前提知識:ワクチンに関する基礎的な知識(予防接種スケジュールの存在、FDAによる認可プロセスの概要)があれば理解しやすいが、必須ではない。医学的・統計的用語は著者が説明を加えている。英語の一次資料への言及が多いが、日本語読者でも主張の論理構造は追跡可能。
- 分量・難易度:本書は約300ページで、証拠の詳細な引用と法廷証言の逐語記録を含む。読み応えがあり、批判的思考を要する内容だが、平易な文体で書かれている。各章は独立して読めるが、全体の論証構造を理解するには序論から通読が推奨される。
- 読みどころ:
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- 第1章(プロトキン証言録取)は本書の核心的エピソードであり、著者の主張の方法的基礎を示す。
- 第4章(1986年法)はワクチン業界の構造的問題を理解するための鍵。
- 第7章(麻疹死亡率データ)はワクチン便益神話の解体の要であり、統計的議論の具体例として最も衝撃的。
- 第10章・第11章(臨床試験の実態)は安全性問題の最も詳細な証拠を提供し、本書の主張の根幹をなす。
- 関心に応じて、第7〜9章(便益批判)または第10〜11章(安全性批判)から読むことも可能だが、全体像を把握するには第1章と第4章を先に読むとよい。
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