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Emanuel Pastreich著
グローバルリサーチ 2022年4月25日
米国軍の犯罪行為を世界に暴露した有名なウィキリークス・サイトの創設者であり内部告発者であるジュリアン・アサンジの身柄引き渡しを求める米国政府の要請を尊重するというロンドンの裁判所の決定は、歴史的に重要であることは間違いないだろう。
もし英国政府がこの米国への引き渡しを最終的に承認すれば、アサンジは、めったに採用されず憲法上欠陥のあるスパイ活動法の下で死刑の罪に問われることになるであろう。
その裁判では、アメリカ合衆国の共和制政府が、カリギュラ帝やネロ帝のもとでのローマ帝国の腐敗した帝国統治に似た泥沼に崩壊するのを目撃することになるだろう。
米軍の犯罪的で不道徳な行動を記録した外交機密文書を公開したことで、アサンジに対して起こされた18の刑事責任は、彼が175年間刑務所で過ごす根拠として掲げられている。投獄の結果、彼の健康状態が悪化していることを考慮すると、彼がその期間を全うする可能性は低い。
この告発は、あまりに悲劇的でなければ、滑稽としか言いようのない、見え透いた茶番劇である。
しかし、この事件には見かけ以上のものがある。アサンジは、テクノファシズムと全体主義的統治の台頭に対する抵抗のための大衆的な顔となっている。それはそれでいいのだが、なぜアサンジがこのような特別な地位にあるのか、あえて問うべき疑問がある（問う人がいるとすれば、それはほとんどいないだろう）。
アメリカ人やヨーロッパ人など、職を解かれ、国を追われ、さらに悪い運命をたどった数多くの人々がオルタナティブメディアに存在さえしないのに、なぜアサンジは常にニュースに出ているのだろうか。
アサンジは、その悲劇的な事件にもかかわらず、知識人の限られたたまり場、つまり、世界中であらゆるレベルで全体主義的な統治が広まりつつあることを取り上げず、同様の迫害を受けた何千人もの犠牲者を考慮せずに、市民が自分たちを褒めるための手段として機能するようになったのだろうか？
また、なぜ我々は、アメリカ、イギリス、スウェーデンという国家間の紛争という物語を受け入れ、交渉のプロセスを行っているのだろうか？なぜ、この悲劇を政治家の強欲さ、残酷さ、愚かさのせいにしてしまうのだろうか。
その語り口は、ますます現実から遠ざかっている。実際、米国と英国は共和国としての機能を失い、プライベートエクイティ、超富裕層のロビー活動会社、民間情報企業、幅広い有料コンサルティング業務によって直接運営されており、その構成や構造は、真実を求める人々の報告書でさえも隠されているのだ。
統治の変容に触れず、誰が実際に意思決定をしているのかの詳細な絵も描かずにアサンジの悲劇を語ることは、国民に対する冒涜であり、誤解を招き、制度崩壊という問題の真の原因や真の革命的解決に目を向けさせないものである。
それから、アサンジの選択的報道の問題もある。自分の話を公表し、他の人たちの運命を避けたいという彼の気持ちは理解できるし、共感もする。しかし、彼が真実の語り手に対する迫害の唯一の犠牲者であるという仮定には疑問がある。
アサンジは9.11事件に関する難しい質問を避けるように努め、イスラエル（および他の国）の工作員と協力して、米軍と情報機関の民営化された要素が、米国政府を解体し、イスラエルも含めて権力者の雇われ操り人形に成り下がる役割を果たしたという詳細についての議論からは遠ざかっている。
9.11事件（そしてオクラホマ爆破事件にもつながる）の余波を受けたアメリカの構造的な変化を分析せず、ワシントンとテルアビブの間にある軍事請負業者が住むリンボ地で、9.11のような作戦がいかに計画・実行されたかを考えなければ、特定の犯罪の記録は限られた価値しか持たない。
さらに、アサンジは階級的な問題の分析には取り組んでいない。彼は、我々が見ているのは特定の国家を超えた何かであり（もちろん、他の国家よりも深く入り込んでいるものもある)むしろ、新しいテクノロジーを使って我々全員を黙らせ、すべての資源の支配を強化し、世界全体を支配しようとする超富裕層の努力であるという可能性を真剣に考えることにアレルギーを持っているようだ。
アサンジのショー・トライアルでアメリカが悪者の役割を果たすことは、疑いなく事実である。しかし、老人性のジョー・バイデンや、ウエストエグゼック、パームアイランド・キャピタル・パートナーズ、アジアグループを通じて多国籍企業によって作られた政治家たちの内閣が、カーテンの裏で糸を引く存在になるとは本気で思っていない。
ジュリアン・アサンジを解放することは、法の支配を回復し、報道の自由を守るために絶対に必要なことだ。同じような運命をたどった何千人もの人々について、アサンジがほとんど語らなかったことは残念だが、それはもう過去のことだ。
ジャーナリズムの終焉と正義の終焉は、巨大な富の集中の産物であり、その過程で、メディアではほとんど言及されない新しい政治家が生まれたことを理解しなければならない。
つまり、アサンジを最も罰したがっている人々は、裁判にかけられず、多くの場合、その名前は世間に知られていないのである。