書籍『DMSOハンドブック:医療の新しいパラダイム 』2015年

DMSO二酸化塩素・次亜塩素酸

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The DMSO Handbook: A New Paradigm in Healthcare  2015/12/17

English Title:The DMSO Handbook: A New Paradigm in Healthcare by Hartmut P. A. Fischer [2015]

日本語タイトル:『DMSOハンドブック:ヘルスケアにおける新たなパラダイム』ハルトムート・P・A・フィッシャー [2015]


目次

  • 序論 / Introduction
  • 第1章 科学的側面 / Scientific Aspects
  • 1.1 DMSOとは何か?:/ What is DMSO?
  • 1.2 性質:/ Properties
  • 1.3 医薬品としての安全性:/ Safety of the Medicinal Product
  • 第2章 治療的応用 / Therapeutic Application
  • 2.1 一般的な使用上の注意:/ General Instructions for Use
  • 2.2 外部投与:/ External Administration
  • 2.3 経口投与:/ Oral Administration
  • 2.4 注射による投与:/ Administration by Injection
  • 2.5 他物質との併用:/ DMSO Administration in Combination with Other Substances
  • 第3章 応用分野と症例 / Fields of Application and Case Examples
  • 第4章 動物へのDMSO / DMSO for Animals
  • 第5章 供給源 / Sources of Supply
  • 第6章 用量概観 / Overview of Doses
  • あとがき:/ Afterword

本書の概要

短い解説:

本書は、DMSO(ジメチルスルホキシド)という天然由来の物質の驚異的な治療効果を、科学的根拠と実践的な使用法に基づいて総合的に解説する。自己治療を行う患者から医師、代替医療従事者までを対象とした、応用志向の実用参考書である。

著者について:

著者ハルトムート・P・A・フィッシャーは、有機合成の博士課程研究を経て製薬企業で研究に従事した後、自然療法士として開業。化学者としての深い科学的理解と、臨床での実践経験を併せ持ち、DMSOの安全性と有効性を多角的に伝える。ドイツを中心にセミナーも開催している。

テーマ解説

DMSOは単なる溶剤ではなく、抗炎症、鎮痛、組織再生、キャリア機能など多岐にわたる薬理作用を持つ「万能薬」的な天然物質であり、その安全で効果的な活用方法を体系的に学ぶことが本書の核心テーマである。

キーワード解説

  • DMSO(ジメチルスルホキシド):木材から得られる天然物質で、皮膚浸透性が高く、抗炎症・鎮痛・組織再生作用を持つ。
  • キャリア機能:DMSOが他の物質を生体膜を通じて運搬する能力。薬効を増強する。
  • MSM(メチルスルホニルメタン):DMSOの体内代謝産物で、「有機硫黄」として結合組織の再生を助ける。
  • 抗酸化作用:DMSOがヒドロキシルラジカルを捕捉し、酸化ストレスから細胞を保護する働き。
  • MMS(亜塩素酸ナトリウム溶液):DMSOと併用される酸化剤で、感染症や癌の治療に用いられる。

3分要約

本書『DMSOハンドブック』は、代替医療の分野で「秘密の武器」とされてきたDMSO(ジメチルスルホキシド)のすべてを、科学と実践の両面から明らかにする画期的な参考書である。著者ハルトムート・フィッシャーは、化学者としての研究歴と自然療法士としての臨床経験を活かし、この物質が単なる溶媒ではなく、抗炎症、鎮痛、組織再生、細胞保護、さらには他の薬剤のキャリアとして機能する「総合的な治療原則」であることを論証する。

DMSOは1865年にロシアの化学者ザイツェフによって初めて合成された。1960年代、スタンリー・ジェイコブ医師らによってその医療効果が再発見され、スポーツ傷害、関節炎、神経痛などへの即効性で注目を集めた。しかし、動物実験での眼の変化(可逆的で高用量時のみ)を理由にFDAが承認を凍結した後、特許取得が困難な安価な物質であることもあり、製薬業界からは軽視されてきた。それにもかかわらず、何万人もの人々が「地下で」使い続け、その安全性と有効性を証明してきた。

DMSOの特筆すべき特性は、その分子構造に由来する。硫黄原子を中心とした双極子分子は、水とも有機物とも親和性が高く、皮膚や細胞膜を容易に透過する。さらに、他の薬剤を「運ぶ」キャリア機能を持ち、コルチゾンの効果を10倍から1000倍に増強する。体内ではほとんどが有機硫黄(MSM)に酸化され、結合組織の再生を促進する。約0.5〜1%が還元されてジメチルスルフィド(DMS)となり、これがニンニクや牡蠣のような体臭の原因となるが、無害である。

安全性については、LD50値が食塩よりも高く(14,500 mg/kg)、アスピリンの7倍安全であるという研究結果もある。長期間の高用量投与でも重篤な毒性は報告されておらず、発癌性も催奇形性も認められていない。唯一の実質的な「副作用」は、一時的な体臭と、外部投与時の皮膚の赤み・かゆみである。

実践的な用法として、外部投与では患部に60〜80%水溶液をブラシやスプレーで塗布する。経口投与では、水やジュースで薄めて1日3.5〜70g(体重1kgあたり0.05〜1g)を目安に摂取する。注射や点滴も可能だが、無菌調製の厳格なルールを守る必要がある。特に注目すべきは、MMSや過酸化水素などの酸化剤との併用である。抗酸化作用を持つDMSOと酸化剤を組み合わせることで、感染症や癌細胞に対して相乗効果が期待できる。また、プロカインと併用すれば、注射なしで scar(瘢痕)の干渉場治療が可能になる。

応用分野は驚くほど広範である。スポーツ傷害、関節炎・関節症、腱炎、帯状疱疹、副鼻腔炎、褥瘡、火傷など、急性から慢性まで多岐にわたる。さらに、自閉症スペクトラムやダウン症の子供の発達を支援した事例も報告されている。癌治療においては、単独でも、またヘマトキシリンやDCA、乳酸、αリポ酸などの物質と併用しても、有望な結果が示されている。

動物への応用も重要な分野である。馬や犬の関節疾患、怪我、炎症に対して、外部投与や点滴が広く行われている。特に競技馬の治療では定番となっている。

総じて本書は、製薬業界の利益主導から見放された「特効薬」DMSOを、科学的事実と豊富な臨床経験に基づいて再評価し、読者が自らの健康を取り戻すための実践的な道筋を示す画期的な一冊である。


各章の要約

序論

DMSOは、急性炎症や外傷に対して即効性があり、副作用が少ない治療法として、代替医療の分野で注目を集めている。スポーツ傷害、肩腕症候群、リウマチ、変形性関節疾患、神経痛などに効果を発揮するが、その可能性はこれらにとどまらない。本書は、長年「専門家だけの秘密」とされてきたDMSOの包括的な使用法を、患者やセラピストに向けて初めて体系的に解説する実用参考書である。著者は化学者としての研究経験と自然療法士としての臨床経験を活かし、DMSOの科学的特性から実践的な応用までを網羅する。副作用としては、一時的な体臭(ニンニクまたは牡蠣様)や皮膚刺激があるが、これらは可逆的であり、治療効果と比較すれば無視できるものである。

第1章 科学的側面

1.1 DMSOとは何か?

DMSOはジメチルスルホキシドの略で、木材から得られる無色透明の天然物質である。分子式C₂H₆SO、分子量78。1865-66年にロシアの化学者アレクサンダー・ザイツェフによって初めて合成された。体内では大部分がMSM(メチルスルホニルメタン、有機硫黄)に酸化され、結合組織の再生に寄与する。約0.5〜1%が還元されてジメチルスルフィド(DMS)となり、これが特徴的な体臭の原因となる。DMSOとMSMは牛乳、トマト、茶、コーヒー、ビールなどの日常食品にも天然に含まれている。著者は「DMSOは非常にシンプルな化合物でありながら、科学的にも一般的にも多くの論争を引き起こしてきた」と述べる。

1.2 性質

1.2.1 物理的性質:DMSOは水と任意の割合で混合できる。吸湿性があり、空気中の水分を吸収する。融点18.5℃(冬場は固まることがあるが、温めれば戻る)、沸点189℃。密度は1.1 g/ml(水より10%重い)。粘度は水の約2倍。引火点87-95℃で可燃性。無味無臭だが、希釈すると苦味を感じる。

1.2.2 化学的性質:DMSOは水とも有機物とも親和性が高い「両親媒性」分子である。中心の硫黄原子周辺に自由電子対を持ち、ピラミッド型の立体構造をとる。強い双極子モーメント(4.3デバイ)を持ち、誘電率は49。この特性により、生物膜を容易に透過し、他の溶解物質を運搬する能力を持つ。陽イオンは最大8個のDMSO分子に囲まれてミセルを形成する。

1.2.3 薬理学的性質:DMSOの薬理効果は非常に多岐にわたる。抗炎症、鎮痛、抗菌、利尿、血管拡張、筋弛緩、抗酸化(ヒドロキシルラジカルスカベンジャー)、創傷治癒促進、コラーゲン分解促進、免疫調節など。分子レベルでは、生体膜の水和構造に介入し、タンパク質の立体配座を変化させることでこれらの効果を発揮する。特に抗炎症効果はプロスタグランジンなどの炎症メディエーターを抑制する。鎮痛効果はC線維の神経伝達速度を低下させることによる。

1.2.4 医薬品としての安全性:DMSOは極めて安全な物質である。LD50値は14,500 mg/kgで、食塩(3,000 mg/kg)やイブプロフェン(636 mg/kg)よりもはるかに安全である。1960年代の動物実験で「近視になる」と報告されたが、これは高用量(通常の100倍)での現象であり、ヒトでは再現されていない。発癌性、催奇形性、アレルギー性は認められていない。著者は「DMSOはアスピリンの7倍安全である」という研究結果を引用している。

第2章 治療的応用

2.1 一般的な使用上の注意

DMSOは薬局では単体医薬品として入手できないが、純度99.7%以上の医薬品品質(Ph. Eur.)をインターネットで購入できる。保管は遮光・20℃以下が望ましい。使用方法の基本:純DMSOをそのまま使わず、必ず水で希釈する。混合時は発熱(発熱溶解反応)する。初めて使用する前には必ず耐性テスト(70%溶液を肘の内側に塗布)を行う。副作用としては皮膚の発赤・かゆみ・皮むけ、および体臭がある。皮膚刺激は純水で洗い流せば軽減する。DMSOは優れた溶剤であるため、皮膚に塗布する前に不純物や衣類の染料などを取り除くことが重要である。

2.2 外部投与

外部投与は患部に60〜80%水溶液をブラシまたはスプレーで塗布する。上半身は低濃度(40-70%)、下半身は高濃度(60-80%)から始める。患部を濡らした後、約20分間吸収させる。耳鼻科用点耳・点鼻薬は25-50%、開放創には30-60%の滅菌等張液を使用する。イボには80-90%を綿棒で塗布する。耐性テストは70%溶液で行う。ゲル状の製剤が好まれる場合は、純粋なアロエベラジェルと混合する(例:DMSO 70ml + アロエベラジェル 30ml)。

2.3 経口投与

経口投与は全身投与の簡便な方法である。標準的な初回投与量は体重1kgあたり0.05g(例:70kgで3.5ml)。最大で1g/kgまで安全に使用できる(臨床試験で確認済み)。DMSOは果汁やお茶で希釈して飲むと苦味が和らぐ。著者は「朝食後すぐに摂取するのが人気である」と述べる。利尿作用があるため就寝前の摂取は避けるべきである。

2.4 注射による投与

点滴・皮下注射・筋肉注射は、ドイツでは医師または自然療法士のみが実施できる。DMSOの注射用製剤は承認されていないため、自分で無菌調製する必要がある。PTFEチューブ、ルアーロックアダプター、滅菌シリンジフィルター(ポアサイズ200nm以下)を使用する。DMSOは70-90℃に加熱して生体不純物を変性させてからフィルター濾過する。点滴濃度は2-10%程度が適切で、300滴/分の速度で投与可能である。皮下・筋肉注射ではより高い濃度(20%程度)を使用できる。

2.5 他物質との併用

2.5.1 DMSOとMMS/CDSまたは過酸化水素:DMSO(抗酸化剤)とMMS/CDSや過酸化水素(酸化剤)の併用は、感染症や癌の治療に相乗効果をもたらす。DMSOは酸化剤の組織浸透を促進し、同時に有害なヒドロキシルラジカルを捕捉する。ClO₂(CDS)はpH 7で1.1Vの酸化電位を持ち、選択的で穏やかな酸化剤である。著者は「酸化剤と抗酸化剤は一見相反するように見えても、実際には相互に補完し合う」と説明する。

2.5.2 DMSOとプロカイン:プロカインは局所麻酔薬であり、神経療法(干渉場療法)に用いられる。プロカインは生体組織での分布が悪いが、DMSOと併用することで浸透性が向上する。瘢痕の干渉場治療において、DMSO-プロカイン混合物を外用または皮内注射することで、即効的な改善が得られる。プロカインは塩基性環境(pH 9-10)で非荷電状態になり細胞内へ浸透しやすくなる。

2.5.3 DMSOとヘマトキシリン:ヘマトキシリンはログウッドから抽出される天然染料で、エリ・ジョーダン・タッカー医師によって癌治療に用いられた。DMSO-ヘマトキシリン混合物は癌細胞の細胞外マトリックスを破壊し、栄養供給を遮断する。大細胞性リンパ腫に対して特に有効であり、化学療法の副作用もない。標準的な調製法はヘマトキシリン25gをDMSO 75mlに溶解する。点滴・経口・吸入・外用で使用される。

2.5.4 DMSOとその他の(癌)治療薬:DMSOはDCA(ジクロロ酢酸)、右旋性乳酸、αリポ酸などのミトコンドリア機能調節物質のキャリアとして機能する。これらの物質は癌細胞の代謝を正常化し、アポトーシス(プログラム細胞死)を誘導する。αリポ酸はミトコンドリアの補酵素として働き、グルタチオンやビタミンC・Eの再生を助ける。

2.5.5 DMSOとアスコルビン酸:ビタミンC(アスコルビン酸)は強力な抗酸化物質で、高用量点滴療法が癌、感染症、老化症状などに有効である。DMSOとビタミンCはコラーゲン合成の調節において相乗効果を示す。ビタミンCはプロリンを酸化型に変換し、コラーゲン分子の三次元構造形成を可能にする。DMSOはコラゲナーゼ活性を調節し、過剰な修復組織の形成を抑制する。

第3章 応用分野と症例

本書の核心部分である本章では、DMSOが成功裡に治療した多様な疾患と症例を列挙している。対象はスポーツ傷害(打撲、捻挫、腱炎)、関節炎・関節症、帯状疱疹、副鼻腔炎、褥瘡、火傷、座瘡、アレルギー、喘息、慢性疲労症候群、線維筋痛症、複合性局所疼痛症候群、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、循環障害、脳梗塞、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、自閉症スペクトラム、ダウン症、癌など実に多岐にわたる。

特に印象的な症例として、ダウン症の少女メロディーがDMSO治療により身体的・精神的に劇的な発達を遂げた事例や、脊髄損傷で完全麻痺と診断されたビルがDMSO点滴により感覚と運動機能を回復した事例が紹介されている。また、帯状疱疹の口腔内病変がDMSO洗口液で2日間で消失した事例、踵骨棘にDMSOとジクロフェナクの混合物を外用して痛みが劇的に軽減した事例など、急性から慢性まで幅広い症状に対する即効性が実証されている。

著者は「DMSOの最も重要なメッセージは、どんなに慢性でも重症でも、あなたの病気が不治であると誰にも言わせないことである」と強調する。

第4章 動物へのDMSO

DMSOは馬、犬、猫などの哺乳類にも同様に効果的である。動物では人間より高用量を使用できる(損失を見込むため)。外用は60-75%溶液を四肢に塗布。経口では飲み水に混ぜて与える。競技馬の関節問題や怪我の治療には点滴が広く用いられており、標準的な用量は2.5リットルの点滴に約300gのDMSOである。著者の知り合いの自然療法士は、馬の蹄葉炎( laminitis)に対してDMSOとCDSの点滴を併用し、良好な結果を得ている。体臭の強さは毒素負荷の指標になるという仮説が述べられている。魚、鳥、爬虫類、さらにはミツバチへの応用も可能性として示唆されている。

第5章 供給源

DMSO(純度99.8%以上、Ph. Eur.)はインターネット小売業者から購入可能で、1kgあたり25-35ユーロ程度。MMS/CDS、過酸化水素(3%、30%)、αリポ酸、アスコルビン酸、プロカイン、乳酸、重炭酸ナトリウム、ヘマトキシリンなどの入手先と注意点が記載されている。特に過酸化水素の高濃度品(30-35%)は非常に腐食性が高く、取り扱いに注意が必要である。精製水については、逆浸透膜(RO)装置で家庭で作る方法や、等張性滅菌生理食塩水(点滴液)を薬局で購入する方法が説明されている。

第6章 用量概観

用量の目安が一覧表で示されている。外用:足・脚60-80%、体幹・腕40-70%、首・頭35-50%、耳・鼻点液25-50%、開放創30-60%(滅菌等張液)、イボ80-90%。経口:体重1kgあたり0.05-1g(70kgの人で3.5-70g)。初回投与量は体重70kgで3.5g(小さじ1杯程度)。純DMSOを直接飲まないこと。必ず0.3リットルの水・ジュース・茶で薄める。1日の最大量を超える場合は複数回に分けて摂取する。

あとがき

本書の監修を務めたアントイエ・オズワルド医師(『MMSハンドブック』の著者)によるあとがき。彼女は著者フィッシャーについて、「化学と薬理学の深い知識を臨床経験と融合させた稀有な存在」「彼の言動のすべては知識、深み、そして仲間への敬意を物語っている」と評している。また、フィッシャーが人間性と探究心を兼ね備え、個人的な誠実さを何よりも重視する人物であることを強調している。


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