タウを標的とした認知症治療 個人で実行可能な18の戦略

強調オフ

タウ

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タウオパチーへの神経保護アプローチ
タウのメカニズム(認知症・神経変性疾患)
タウタンパク質の研究 キーワード:タウ、タウタングル、NFT、神経原線維変化、タウ蛋白、pタウ、リン酸化、アミロイドβ、タウ凝集、タウ蓄積、p-tau タウ標的 10つの治療アプローチ(認知症・アルツハイマー) 概要 アルツハイマー病におけるタウタンパク質の病態生理学的役割は、実
アルツハイマー病におけるタウ:アルツハイマー病におけるタウの病理学的変化と魅力的な治療標的
Tau in Alzheimer's Disease: Pathological Alterations and an Attractive Therapeutic Target 2021年1月11日 概要 アルツハイマー病は加齢に伴う神経変性疾患であり、主に以下の2つの特徴があ

1.タウリン酸化の阻害 キナーゼの阻害

アルツハイマー病患者の脳にあるタウは、同年齢の健常者と比べて4~5倍高い。この増加分はすべてリン酸化されたタウ。

キナーゼとホスファターゼとのバランスが崩れていることが、タウタンパク質の過剰なリン酸化の原因。タウキナーゼの過剰なアップレギュレーション、タウホスファターゼの過剰なダウンレギュレーションがリン酸化に寄与し得る

タウのリン酸化 キナーゼ 
  • GSK-3β  グリコーゲン合成酵素キナーゼ3
  • CDK5 サイクリン依存性キナーゼ5
  • PKA cAMP依存性プロテインキナーゼ
  • CaMKII カルシウム/カルモジュリン依存性キナーゼII

プロテインキナーゼ阻害剤(チデグルシブ、バルプロ酸、リチウム、L-NBP)

GSK-3β

アルツハイマー病におけるグリコーゲン合成酵素キナーゼ-3(GSK-3β)のシグナル伝達
Glycogen synthase kinase-3 signaling in Alzheimer's disease 概要 アルツハイマー病は、認知症を伴う神経変性疾患の中で最も一般的な疾患であり、全症例の約70%を占めている。現在、米国では580万人がアルツハイマー病患者とし
アルツハイマー病・てんかんにおけるGSK3βとタウ蛋白質
GSK3β and Tau Protein in Alzheimer’s Disease and Epilepsy オンラインで公開2020年3月17日 要旨 アルツハイマー病は、高齢者に存在する認知症の最も一般的な形態である;その病因は、遺伝的要因と環境要因が含まれる。近年の疫
リチウム

GSK-3β、JNKはタウ蛋白をリン酸化する酵素。リチウムがGSK-3βを抑制する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23596350

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3460520/

リチウムの神経保護作用(認知症・アルツハイマー)
リチウムの効果  認知症・アルツハイマー関連情報 概要 リチウムというとリチウムイオン電池を思い浮かべる人が多いかもしれないが、 ごく微量には動物の体内にも存在する。 ヒトの体内でいくつかの酵素、ホルモン、ビタミン代謝、成長因子とも相互に多彩に関連していることがわかっているが、明
アルツハイマー病の治療薬としてのリチウム システマティックレビューとメタアナリシス
Lithium as a Treatment for Alzheimer’s Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis 2015年6月10日に受諾 要旨 背景 本試験は,アルツハイマー病(AD)患者および軽度認知障害(MCI)患

CDK5阻害剤

www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/07391102.2019.1696709

ケンペロール、ケルセチン

pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/np034011s

漢方薬Danggui Longhui Wan

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11013232/

Fynキナーゼ阻害剤

ロスマリン酸

pubs.acs.org/doi/10.1021/jm0607202

ペラルゴニジン
ベリー、ザクロ果実などに含まれるアントシアニジンの成分のひとつ。

pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jf0108765

  • ミリセチン
  • フィセチン
  • アカセチン
  • バイカレイン
  • ゴシピン
  • モリン
  • アピゲニン

pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jf0108765

www.semanticscholar.org/paper/Flavonoids-As-Inhibitors-Of-Lck-And-Fyn-Kinases-%C4%8Cali%C4%87-Jeli%C4%87/f3a3e632ea338d84cd441c4b2a640c7ee60251cf

2. タウリン酸化の抑制 タウホスファターゼの活性

タウの脱リン酸化 フォスファターゼ・酵素
  • PP2Aの活性
  • Pin1活性の適正化

en.wikipedia.org/wiki/PIN1#Activation

PP2A

タウの主なホスファターゼはPP2Aであり、このPP2Aはタウに関わるホスファターゼ全体の70%以上に関与しているため、最も決定的なホスファターゼとみなすことができる。

PP2Aはタウの脱リン酸化を媒介しており、PP2Aとその活性化因子のレベルは、年齢をマッチさせた対照群と比較してアルツハイマー病脳ではダウンレギュレーションされていることがわかっている。

GSK-3βとPP2Aは相互に調節し、タウリン酸化に影響を与える。

プロテインホスファターゼ2A(PP2A)を調節する16の方法
PP2Aとアルツハイマー病 概要 細胞は、機能を維持するために細胞内をタンパク質のリン酸化と脱リン酸化反応を繰り返している。 リン酸化タンパク質へリン酸基を付加する酵素をプロテインキナーゼ(リン酸化酵素)と呼ぶ。 反対に、リン酸化タンパク質からリン酸基を脱離させる酵素をプロテイン
朝鮮人参

PP2A活性によるマウスのタウ過剰リン酸化の減少

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21945003/

葉酸
葉酸は、糖尿病マウスにおけるPP2Aメチル化を調節することによってタウタンパクのリン酸化を低下させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28422052

Pin1の調整

link.springer.com/article/10.1007/s12035-020-02179-8

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16945100/

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17317113/

www.frontiersin.org/articles/10.3389/fcell.2020.00355/full

3. タウリン酸化の軽減 その他

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)を増やす

Ca2+過負荷に起因するカルパインIの過剰活性化は、ニューロン特異的グルコーストランスポーター3(GLUT3)をタンパク質分解し、結果としてアルツハイマー病脳におけるタウO-GlcNAシリル化の低下につながる

インスリン分泌を促進するホルモンにはGIPとGLP-1の2つがある。GLP-1は、糖化最終生成物によって誘発されたタウタンパクの過剰リン酸化から海馬ニューロンを保護する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24183963

GLP-1増加ハーブ・化合物

  • レジスタントスターチ
  • 酪酸
  • ペクチン
  • オリーブリーフ
  • オリーブオイル
  • シナモン
  • ベルベリン
  • レスベラトロール
  • ベリー
  • 柑橘類
  • 地中海ダイエット

Sirt1の活性、SIRT2の阻害

タウの脱アセチル化はヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)6またはサーチュイン1(SIRT1)によって触媒される。

AβおよびタウのクリアランスにおけるSIRT1の活性の関与についての良好な証拠はまばらである。タウの場合、SIRT1の脱アセチル化をブロックすると、アセチル化されたタウおよびリン酸化タウの持続性が増強されることが知られている(Min et al 2010)。しかし、別の報告では、広範なサーチュイン阻害剤ニコチンアミドがSIRT2を阻害することにより、アセチル化α-チューブリンと微小管の安定性を増加させ、その結果、プロテアソーム分解による可能性が高いリン酸化タウの減少も効果的にもたらしたことが示されている(Green et al 2008)。Aβに関しては、シロスタゾールによるSIRT1活性化がオートファジーのアップレギュレーションを介してAβを減少させることが最近の報告で示唆されている(Lee er al)。

アルツハイマー病の治療標的としてのSIRT1
SIRT1 as a therapeutic target for Alzheimer's disease 2016年12月1日 要旨 アルツハイマー病は、世界的に高齢化が進む中で認知症の最も一般的な原因となっている。SIRT1 は、ヒストンや転写因子の脱アセチル化により、複数の
神経変性疾患の治療標的としてのNRF2
オンラインで公開2020年1月21日 要旨 活性酸素種の増加と酸化ストレスは、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、フリードリッヒ失調症、多発性硬化症、脳卒中など、多くの神経変性疾患の発症に関与している。 内因性抗酸化反応経路は、細胞保護酵素の発現を増加させることで酸

SIRT1活性

  • カロリー制限
  • 身体運動
  • レスベラトロール
  • シロスタゾール

SIRT2阻害剤

  • ニコチンアミド
  • レスベラトロール(弱い阻害活性)
  • クロモン由来の天然物、クロモン(フラボン、イソフラボン)、クマリン

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29724067/

リン酸化タウ阻害剤

リファンピシン
アルツハイマー病におけるリファンピシンの治療的役割
Therapeutic role of rifampicin in Alzheimer's disease 2018年2月10日 要旨 リファンピシンは複数の実験モデルにおいて有意な脳保護機能を発揮する。ここでは、リファンピシンの抗炎症作用、抗タウ作用、抗アミロイド作用、コリン作
リファンピシンのアルツハイマー病予防効果は1日450mgを1年間以上必要とする FDG-PETによる追跡...
Preventive Effect of Rifampicin on Alzheimer Disease Needs at Least 450 mg Daily for 1 Year: An FDG-PET Follow-Up Study オンラインで公開2017年6月19日 要
セレノメチオニン

セレノメチオニンをADマウスへ投与、タウの総量とタウの過剰リン酸化が減少、

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28137967

ブドウ種子由来ポリフェノール

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20569300/

セージ

セージに含まれるロスマリン酸

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16495207/

タンノシン
サフラワーイエロー

サフラワーイエロー(ベニバナから取れるベニバナ黄色素類)はマウスの損なわれた認識能力を改善し、タウタンパクのリン酸化を減少させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27311611

カプサイシン
カプサイシンは2型糖尿病ラットの海馬のリン酸化タウを減少させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28225806

デカフェのグリーンコーヒー

グリーンコーヒーがタウ病変を有する2型糖尿病マウスの認知機能、運動能力を改善

www.degruyter.com/view/j/tnsci.2014.5.issue-2/s13380-014-0213-y/s13380-014-0213-y.xml

熟成にんにく

熟成にんにく抽出物の硫黄含有成分(S-アリル-システイン)、ジアリルジスルフィドの高アミロイド、抗タウもつれ、抗炎症効果

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16842945/

若いココナッツのジュース(エストロゲン)

若いココナッツのジュース(4週間)には、エストロゲン様成分が含まれており、抗タウ作用を含めた、閉経後女性のアルツハイマー病の病状を有意に低下させる作用を有する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21114897/

4. 異常修飾タウタンパクの阻害

クルクミン
クルクミン(認知症・アルツハイマー)
クルクミン・ウコン・ターメリック 概要 クルクミンはターメリックの香辛料で、インド、アジア、中東でカレーなどのスパイシーな料理として使用されている。 特にインドの伝統医学アーユルヴェーダでは広く一般的に使用されている。 歴史的にはインドで2500年前にウコンが使われており、当初は
ポリフェノール

フェノチアジン、ポリエンマクロライド、ポルフィリン

ミリセチン

ヤマモモの根の樹皮(Myrica cerifera)に含まれるフラボノイド、ミリセチンおよびミリシトリン、ジアリールヘプタノイド、ミリカノールの強力な抗タウ作用。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21141876

タウアセチル化の阻害

サルサレート

非ステロイド系抗炎症薬であるサルサレートによるアセチル化の阻止はマウスの認知機能を保持し、病理学的な改善につながった。治療中の2〜3ヶ月は海馬の体積を保持し、神経原線維変化(NFT)の数を3分の2まで減らした。

サルサレート 9mg/kg マウスの最小有効量

臨床試験 150~250mg/day

HDAC6阻害剤

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4075151/

タウグリコシル化の阻害

  • グリコシドヒドロラーゼ(O-GlcNAcase)阻害剤 チアメットG
  • タウリン酸化の抑制
  • 糖質制限

www.pnas.org/content/111/13/4940

AGE糖化反応の抑制
  • ケンフェロール
  • ゲニステイン
  • ケルシトリン
  • ケルセチン
  • ビタミンC
  • EGCG
  • 身体活動

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5643203/

  • 加工食品、ファーストフードを避ける
  • 低温調理
  • 低pH、酸性pH調理
  • グリオキサラーゼ系の活性(Nrf2、グルタチオン)
  • アスピリン
  • ピリドキサミン
  • バーム
  • ミント
  • 紅茶
  • 緑茶
  • セージ

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4648888/

AGE 食事・台所での対策
  • 高温での調理を避け、低温度で調理する。
  • フライパン、グリル、焙煎よりも蒸し、煮込み、煮込み、ゆでる調理法を用いる。
  • 食材が褐色にならないように。
  • 調理中の食材の温度が高かったり、水分が少ないとdAGEレベルは増加する。
  • フェノール系酸化防止剤(豆など)は、AGEの形成を抑制することがある。
  • 酢、レモン汁などの酸性化させる食材を加えると、AGEレベルは下がる。
  • 緑茶はAGEの形成を阻害する。
  • できるだけ新鮮な食品を料理する。
  • 外食ではなく家で食事をする。

5. タウ凝集の阻害

PHF・NFT形成の阻害

EGCG(緑茶カテキン)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10746177/

タウフィラメントの形成阻害

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15611092/

オーロファジーアダプターたんぱく質NDP52およびp62のmRNA発現を増加させることによってリン酸化タウクリアランスを増強する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26207957/

フルボ酸/Fulvic acid(シラジット)

インド、アーユルベーダ医学で用いられる主成分のひとつ

フルボ酸はタウの凝集を阻害し、PHFタウの分解を促進する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21785188

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22482077

unab.pure.elsevier.com/en/publications/fulvic-acid-inhibits-aggregation-and-promotes-disassembly-of-tau-

シナモン

セイロンシナモン抽出物は、タウの凝集およびフィラメント形成を阻害する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19433898/

フェノチアジン、ポリフェノール、ベンゾチアゾール、ポルフィリン誘導体

www.jbc.org/content/280/9/7614

ローダミン(タラコ、明太子の着色に使われる成分)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20149808

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19189357

ハイスループットスクリーニング

aminothienopyrydazines(AZPZs)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19580328

塩化メチルチオニニウム(メチレンブルー)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17967916/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21316815/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8855335/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25550228/

認知機能と記憶を改善するメチレンブルー
概要 神経保護の歴史をもつメチレンブルー メチレンブルー メチレンブルー(塩化メチルリチオニウム)は1876年にドイツの科学者Heinrich Caroによって作られた。20世紀初頭には、すでに精神科医によって統合失調症の実験的治療薬としてメチレンブルーが用いられている。 その後
リファンピシン
アルツハイマー病におけるリファンピシンの治療的役割
Therapeutic role of rifampicin in Alzheimer's disease 2018年2月10日 要旨 リファンピシンは複数の実験モデルにおいて有意な脳保護機能を発揮する。ここでは、リファンピシンの抗炎症作用、抗タウ作用、抗アミロイド作用、コリン作
オレウロペインアグリコン

(オリーブオイル、オリーブリーフなどに含まれる)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21333710

クルクミン

タウとアミロイド凝集の二重阻害剤としてのクルクミン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27624076

クルクミン投与によるヒトタウモデルマウスのサルコシル不溶性凝集タウの有意な減少

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25659102

6. 微小管を安定化させる

病的なタウタンパク質は微小管から剥離し、アルツハイマー病患者の微小管破裂につながる。したがって、微小管の安定化は、タウによる神経毒性を補うものと考えられている。

ルテイン

キサントフィル、ルテイン、ゼアキサンチン、

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11504633/

低体温を避ける(麻酔を避ける)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27227069

MAP2の増加

トリアゾロピリミジン

全身麻酔の認知機能低下リスク(認知症・アルツハイマー病)
General anesthesia/リコード法 はじめに 全身麻酔 一般的な麻酔薬は脂溶性が高く細胞に浸透し、多くの細胞成分と相互作用する。 麻酔薬は、遺伝子発現、タンパク質合成、プロセシング、細胞機能に影響を及ぼし、多くの組織で長期的にも生化学的な影響をもたらすことが明らかに

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30404654

ダブネチド、エポチロンD、TPI287

軸索輸送障害を改善する7つのアプローチ(神経変性疾患)
軸索原形質輸送(認知症・アルツハイマー病) Improve axoplasmic transport 概要 軸索輸送とは 軸索輸送 軸索輸送とは、神経細胞の軸索の中で様々なものを運ぶ機能のこと。 微小管がレールの役割を果たし、キネシンやダイニンなどの分子モーターによって物質が運ば

7. タウの細胞間移動を阻害する

タウ凝集体は、病理学的に誤ったタンパク質と同様に、細胞から細胞へと移動し、プリオンのような形で細胞外コンパートメントに放出され、タウ病理が脳の様々な領域に転移する可能性がある。

タウタンパク質の細胞間トランスフェクションを阻害することによりタウタンパク質を標的とすることで、アルツハイマー病患者のタウ病変を遅らせることができることが数多くの研究で示されている。

タウの神経細胞間移動を阻害または減少させる3つの経路
  • タウの放出を阻害する
  • タウの取り込みを阻害する
  • タウのオリゴマー化と細胞外タウ濃度を低下させる

8. マクロオートファジーによるタウ分解

オートファジーによるアルツハイマー病治療戦略

マイトファジーを活性化させる10の方法

オートファジー促進因子TFEB(転写因子EB)10の活性方法

ライフスタイル

有酸素運動、間欠断食、ケトンダイエット

食事

コーヒー、緑茶、ココナッツオイル、ジンジャー、MCTオイル、ブロッコリー(スルフォラファン)、グレープフルーツ(ナリンジン)

トレハロース(タウのリン酸化、凝集タウのクリアランスを促進)

サプリメント・医薬

クルクミン、レスベラトロール、霊芝、高麗人参、ウルソル酸
リチウム、メラトニン、DHA、EPA、ビタミンD、ニコチンアミド、

ラパマイシン(マクロファージ誘導剤として研究されている。)
ラパマイシンとアルツハイマー病 臨床試験の時期か?
Rapamycin and Alzheimer’s disease: Time for a clinical trial? 要旨 ラパマイシンは、アルツハイマー病のマウスモデルを含む多くの神経変性や老化の動物モデルにおいて有益な効果を示する。しかし、前臨床試験の記録にもかかわらず
メトホルミン
神経変性疾患におけるメトホルミンの治療効果
The Therapeutic Potential of Metformin in Neurodegenerative Diseases 要旨 神経変性疾患の治療法の研究は、高齢化が進み、個人、家族、社会への負担が増大している今日、大きな関心事となっている。この数十年の間に、これ

9. ユビキチン-プロテアソーム系(UPS)によるタウ分解

ユビキチン-プロテアソーム系/UPS(神経変性疾患)作成中
ユビキチン-プロテアソーム系(UPS) 概要 プロテアソーム プロテアソーム - 脳科学辞典 タンパク質の品質管理 タンパク質の品質管理(恒常性)はユビキチン-プロテアソーム(UPS)、シャペロン、シャペロン媒介の自己貧食、マクロオートファージ-などに複数のシステムによって維持さ

可溶性タウモノマーはプロテアソームの理想的な基質

低アセチル化タウはUPS(ユビキチンプロテアソームシステム)の基質にむいている。

オリゴマー化したタウ、凝集タウは、プロテアソームの好ましい標的ではないかもしれない。

UPS阻害

凝集タウがUPSを阻害する

プロテアソーム活性とタウの高分子量形態との間には逆相関がある。これは、異常なタンパク質自体が、プロテアソームの分解プロセスを妨害しえることを示唆する。

異常タウがプロテアソームと結合すると、プロテアソーム自体の機能が阻害され異常タウを含め他のタンパク質も処理できなくなる。

A152変異体タウ

A152T変異体タウがプロテアソーム活性を損ない、タウだけでなくプロテアソームの基質の蓄積も引き起こす。プロテアソーム基質の蓄積はαシヌクレイン、TDP-43にも影響を及ぼす。

オートファジーを高めることによるタウオパチー治療の可能性。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5382950/

プロテアソームの機能不全

プロテアソームの機能不全がパーキンソン病、レビー小体型認知症発症の根底にある可能性。プロテアソーム機能障害の原因は遺伝子変異、酸化的損傷、ATPの枯渇、環境からの毒素に関連している可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16717251

UPS活性

メチレンブルー

メチレンブルーは、プロテアソームの活性を増強することによって、アミロイドβを減少させADマウスの認知機能を改善する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20731659

認知機能と記憶を改善するメチレンブルー
概要 神経保護の歴史をもつメチレンブルー メチレンブルー メチレンブルー(塩化メチルリチオニウム)は1876年にドイツの科学者Heinrich Caroによって作られた。20世紀初頭には、すでに精神科医によって統合失調症の実験的治療薬としてメチレンブルーが用いられている。 その後
ガストロジン

ガストロジンのプロテアソーム活性 ハンチントン病モデルマウス

journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0020934

レスベラトロール

レスベラトロールは、プロテアソームを含むメカニズムを介してアミロイドβの細胞内分解を促進する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16162502

ベツリン酸(CHAGA)

ベツリン酸はプロテアソームのキモトリプシン様活性により、強力にプロテアソームを活性化させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16973439

亜ヒ酸

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16162502

外傷性ストレス

酸素・放射線・酸化的ストレス

プロテアソームの活性は過剰酸素、放射線、酸化的損傷などの外傷性ストレス因子によって誘導される

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16690988/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10775409/

エクササイズ

有酸素運動

有酸素運動トレーニングは、マウスのユビキチン-プロテアソーム系をアップレギュレートする。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22461440

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22461440

有酸素運動が、ユビキチン・プロテアソーム系の過剰活性を防ぐ

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22870245

自発的な運動

自発的な運動は、外傷を受けた脳のプロテアソームを活性し、シナプス可塑性に寄与する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19368831

筋力トレーニング

高齢者によるレジスタンストレーニング後のロイシン摂取(3.5g)は、オートファジーを減少させるようだが、ユビキチンプロテアソーム系の増加、または骨格筋のタンパク質分解は妨げない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27586837

タンパク質+運動

タンパク質摂取は運動によるHSP70の発現NF-κBの増加を妨げたが、プロテアソーム活性を維持した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28831951

エネルギー欠乏での運動はUPSを活性しない

エネルギーが不足した状態での低強度の運動は、オートファジーの誘導をもたらすが、ユビキチンプロテアソーム系の活性は増加しない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29208687

cAMP活性

PDE阻害剤、フォルスコリン、レスベラトロール、カフェイン

cAMPの活性を介してPKAを刺激すると、異常タウが存在していても、プロテアソームの機能が保たれる。

cAMPとcGMP PDE阻害剤 認知症・アルツハイマー病 メモ
cAMP・cGMPとは cAMP(サイクリックAMP)とcGMP(サイクリックGMP)は、細胞内の情報伝達に重要な役割を持つ、サイクリックヌクレオチドの一種である。 cAMPは、アデニル酸から合成され、キナーゼやリガーゼなどの酵素によって産生される。cAMPは、細胞内のシグナル伝

10. シャペロン系/HSP活性によるタウ分解

熱ショックタンパク質(HSP)の発現は、微小管とタウとの結合を増加させ、タウの分解、ユビキチン化、リン酸化を調節する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12358741

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14962978

HSP70の活性

HSP70は、タウオリゴマーに優先的に結合し、順行性軸索輸送を回復させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22039833

https://alzhacker.com/hsp/

ミスフォールドタンパク質に結合するHSP90をターゲットにする。

温熱療法(HSP入浴法)

テプレノン、ブロッコリー、オリーブオイル、亜鉛、クルクミン、レスベラトロール、ヤマブシタケ

HSP90阻害剤

分子シャペロンHsp90の阻害はリン酸化タウおよびミスフォールドタウの減少にポジティブな効果を示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17304350/

11. AQP4の活性

外傷性脳損傷患者では、アミロイドβクリアランスに関与するAQP4が局所的に破壊されており、これは過剰リン酸化タウのクリアランスを減少させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28533515

タウ・アミロイドβクリアランス 脳のアクアポリンAQP4
アクアポリン4(AQP4) アクアポリンとは アクアポリンとは、細胞膜への水の通過を調節するタンパク質。 水分子を高速で輸送する能力をもち、イオンチャネルの中でも最速、最大で秒間10億以上の水分子を輸送する。 H20は通過させるが、水素イオン(H+)は通さない、などといった特徴を

12. 中枢神経系リンパ管経路

Meningeal lymphatics

中枢神経系には、古典的にはリンパ管はないと考えられていたが、近年の研究で髄膜にも存在し、これらは脳脊髄液から髄液と免疫細胞の両方を輸送できることが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4506234/

 

「髄膜」の画像検索結果

アルツハイマー病マウスの髄膜リンパ管の破壊は、髄膜へのアミロイドβ蓄積を悪化させる。

www.nature.com/articles/s41586-018-0368-8

硬膜リンパ管を機能的に欠損させたマウスでは、タウクリアランスが損なわれる。

molecularneurodegeneration.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13024-019-0312-x

外傷性脳損傷後マウスは脳のリンパ管経路の機能障害を悪化させ、神経原線維変化病理および神経変性を発症した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25471560

加齢による髄膜リンパ管の機能不全 AQP4の広範囲の損失とCSF-ISF交換の減少の関連

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25204284

VEGF-C

髄膜のリンパ管機能障害は、老齢マウスの認知機能障害を誘発する。血管内皮細胞増殖因子C(VEGF-C)で治療すると、脳脊髄液からの巨大分子の髄膜リンパ排液が増強され、脳灌流と学習および記憶能力が改善される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30046111

インターフェロンⅠ型とⅡ型のバランス
インターフェロンⅠ型とⅡ型の不均衡、IFN-Ⅰ 脈絡叢の調整

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26877243

免疫・T細胞・インターフェロンガンマ

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28446786

適切な睡眠

自然な睡眠は間質腔の60%の増加と関連しており、リンパ管を介してCSFとISF液の著しい交換を増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24136970

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27126038

睡眠とサイトカイン・血流

写真、イラストなどを保持する外部ファイル。オブジェクト名はnihms81202f2.jpg

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19075717

概日リズムの適正化(睡眠と覚醒のサイクル)

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29662121

概日リズムとアルツハイマー病
Circadian Rhythm and Alzheimer’s Disease 要旨 アルツハイマー病は、疫学的に重要性が増している神経変性疾患であり、病気の負担が大きいことが特徴である。睡眠に関連した病理学的な症状は、しばしばアルツハイマー病を伴う。サーカディアンリズムの乱れ

13. タウのプリオン様伝播を防ぐ

https://alzhacker.com/prion/

NMDA受容体拮抗薬

NMDA受容体の刺激は前小胞のカルシウムおよびエキソサイトーシスに依存するメカニズムによってタウ放出を増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3615658/

医薬品メマリーの多彩な作用
認知症治療薬メマンチン(メマリー)情報 概要 はじめに メマンチンの基本情報や一般的なメカニズムは、多くの他サイトで解説されているのでここでは省略する。 メマンチン メマンチンはNMDAグルタミン酸受容体の部分的阻害作用により、神経保護効果をもつと考えられているが、意外にもそのす
NMDA受容体の光と影(認知症・アルツハイマー病)作成中
NMDA型グルタミン酸受容体 概要 医薬品メマリーの多彩な作用 3種類のグルタミン酸受容体 NMDA型グルタミン酸受容体とは、Nメチル-D-アスパラギン酸受容体の略。3種類あるグルタミン酸受容体のうちの一種。その他の2つはAMPA、カイニン酸受容体であり、それぞれ類似する構造を有
ミクログリア活性抑制
ミクログリア クリアランス・活性化を調節する32の因子
概要 アミロイドβは脳内において平衡バランスを保っており、アミロイドβの恒常性バランスが崩壊することによってアルツハイマー病を発症するという仮説が存在する。 アミロイドβのクリアランスメカニズムは複雑で複数の経路が存在するが、ミクログリアの食作用が、アミロイドβ原繊維、可溶性アミ
アルツハイマー病におけるミクログリア よく知られたターゲットと新たな機会
Microglia in Alzheimer Disease: Well-Known Targets and New Opportunities 要旨 ミクログリアは、中枢神経系に常駐するマクロファージである。ミクログリアは、脳の発達に重要な役割を果たしており、生活や加齢に伴う生

14. タウの液-液相分離を防ぐ

液液相分離を防止し、混合相を増加させる。

Liquid-‐liquid phase separation

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25288112

ATPは低濃度ではALS・前頭側頭葉変性症に寄与する異常タンパク質FUSのLLPSを増強するが、高濃度では溶解する。

加齢によってATP濃度は細胞内で減少し続けており、老化細胞ではタンパク質のLLPSを高める可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30205960

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6050040/

ATPを増加させる

  • ニコチンアミドリボシド
  • ナイアシンアミド
  • クレアチン
  • アセチル-L-カルニチン

15. ミトコンドリア標的

タウのターゲットはミトコンドリアであるため、ミトコンドリア機能を増大させる方法は、タウ疾患治療の合理的な戦略である。

ミトコンドリア機能を改善する55の方法
ミトコンドリア機能障害の治療 ミトコンドリア関連記事 アルツハイマー病のミトコンドリア仮説 ミトコンドリア機能障害 アルツハイマー病治療標的 ミトコンドリア・ホルミシスの活性 ミトコンドリア機能を改善する55の方法 マイトファジーを活性化させる10の方法 食事療法・ダイエット カ
ミトコンドリア・ホルミシス(ミトホルミシス)の効果と活性方法
お前を殺さないものはお前を強くする。 ニーチェ 概要 ミトホルミシス 過去の研究において「活性酸素」は酸化ストレスを引き起こし、多くの病気につながる悪者とみなされてきた。 一方で、スーパーオキシド、過酸化水素などの活性酸素(ROS)は単なる悪者ではなく、多くの慢性疾患の予防や発症
脳のミトコンドリア機能を改善するサプリメント
  • ビタミンC、E
  • グルタチオン
  • コエンザイムQ10
  • ユビキノン
  • MitoQ

マイトファジー

損傷したミトコンドリアを除去するマイトファジーの刺激が重要

p62、NBR1がマイトファジーに必須、誘導経路はPINK1、Parkin

アルツハイマー病では頭頂皮質のSIRT1発現が45%減少しており、NFTとタウの蓄積に密接に関連している。

SIRT1活性によりPGC-1aをアップレギュレートすることでマイトファジー誘導に重要な役割を果たす。

SIRT3は興奮毒性による障害からミトコンドリアと神経細胞を保護することができる。

マイトファジーを活性化させる10のアプローチ
ミトコンドリアオートファジー 関連記事 オートファジーによるアルツハイマー病治療戦略 マイトファジーを活性化させる10の方法 オートファジー促進因子TFEB(転写因子EB)10の活性方法 概要 マイトファジーはミトコンドリアの選択的オートファジー。 通常オートファジーは、細胞質の

13. タウと相互作用するタンパク質の除去

アミロイドβ
アミロイドβオリゴマーの毒性と蓄積を防ぐ22の治療アプローチ
アルツハイマー病アミロイドβ形成と凝集 関連記事 アミロイドβオリゴマー仮説 APPβ切断(BACE1)を減少させる APPγ切断を減少させる APPα切断を増加させる ネプリライシンを増やす インスリン分解酵素(IDE)を増やす アミロイドβクリアランスを増加させる アミロイド
αシヌクレイン

αシヌクレインは、タウに結合しタウと微小管との相互作用を妨害する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10464279

αシヌクレインとタウの細胞内で相互作用、ニューロン機能不全

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29738880

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27629562

link.springer.com/article/10.1007/s12031-016-0829-1

図4

molecularneurodegeneration.biomedcentral.com/articles/10.1186/1750-1326-9-43

TDP-43
TDP-43 FTLD&ALS(覚書)
概要 TDP-43は前頭側頭葉型認知症(FTLD)、家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症原因タンパク質と考えられている。 ALSでは、TDP-43が90%以上関連する。 FTDではタウとTDP-43が約半々存在する。 アルツハイマー病患者の20~50%にTDP-43 アルツハ

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28960544

前頭側頭葉変性症におけるタウ病理はTDP-43と相互作用しない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24861427

16. 銅キレート

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7533614/

  • ケルセチン
  • EGCG
  • クルクミン
アルツハイマー病におけるタウ関連病理における銅の役割
The Role of Copper in Tau-Related Pathology in Alzheimer’s Disease オンラインで公開2020年9月10日 Klara Zubčić,1 Patrick R. Hof,2,3,4 Goran Šimić,1,* an

17. 酸化ストレスを軽減する

タウのオリゴマー化の根底には、タウを凝集しやすくする構造変化がある。

酸化ストレスのような他のメカニズムがリン酸化と相乗的に作用し、PHFの組み立てに必要な構造変化を誘導するという仮説が建てられている。

性酸化ストレスは、タウのリン酸化に異なる影響を与え得るが、酸化ストレスへの慢性曝露は、タウの高リン酸化を促進し、タウをオリゴマー化およびNFTの形成をより容易にする

酸化ストレスがタウの高リン酸化と凝集に先行していることが示唆された

タウ凝集におけるタウの高リン酸化と酸化の役割 酸化ストレス(OS)はアルツハイマー病関連キナーゼ(GSK-3β、cdk5,p38)を活性化し、PP2Aによるタウの脱リン酸化を阻害し、タウの高リン酸化を引き起こす。酸化ストレスが介在する脂質過酸化は、タウキナーゼをさらに活性化し、高リン酸化されたタウの構造変化を引き起こし、凝集を促進する毒性のあるアルデヒドをもたらす。

脂質過酸化反応

アクロレインは、アルツハイマー病脳で増加しているアラキドン酸からの過酸化産物であり、GSK-3βとp38を活性化することによってもタウの過リン酸化を促進し、タウのリン酸化におけるOSと脂質過酸化の重要な役割を再び強調している(Gómez-Ramos et al 2003)。脂質過酸化の最終産物である4-ヒドロキシ-2-ノネナール(HNE)は、リン酸化された4R-タウの組み立て能力を増加させた。

脂肪酸の酸化は、酸化ストレスとタウフィラメント形成の間のリンクとして、タウの高リン酸化を促進するための必須条件である可能性がある(Gamblin et al 2000)。興味深いことに、ステアリン酸およびパルミチン脂肪酸への神経細胞の曝露は、タウのリン酸化を増加させない。代わりに、飽和脂肪酸で処理されたアストロサイトからの条件付き培地は、アルツハイマー病特異的な部位でのタウリン酸化を増加させた。

18. HSP90の阻害?

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19363271/

タウのリン酸化と凝集は、タンパク質の構造変化と関連している。このような構造変化は、熱ショックタンパク質などのシャペロンによって制御されている可能性がある。Hsp90とタウタンパク質との相互作用を確認し、Hsp90がタウタンパク質に結合することで、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3によるHsp90のリン酸化や糸状構造への凝集などの構造変化が促進されることが示された。

神経変性疾患の治療標的HSP90 16のHSP90阻害剤
ヒートショックプロテイン HSP90 関連記事 ヒートショックプロテイン(分子シャペロン) シャペロン介在性オートファジー(CMA)と神経変性疾患 HSP70の抗アルツハイマー病作用 30の活性方法 神経変性疾患の治療標的HSP90 16のHSP90阻害剤 ミトコンドリア熱ショッ

proteolysis.jp/forum/thread/pid_92.html

その他

有酸素運動

軽度の糖尿病を有する軽度認知障害の高齢者(55~89歳)の45~60分間、週4回(6ヶ月間)の有酸素運動(HRR70-80%)は、脊髄液中の総タウおよびリン酸化タウレベルを有意に低下させた。

プロトコルの遵守率は92%であり、特に70歳以上の高齢者でより大幅なタウレベルの低下を示した。

www.alzheimersanddementia.com/article/S1552-5260(15)02617-5/abstract

タウパチーマウスモデルのトレッドミル運動は、脊髄中の総リン酸化タウ、可溶性リン酸化タウを有意に減少させる。しかし、海馬および皮質の可溶性タウ、不溶性タウは12週間の運動では軽減できなかった。

molecularneurodegeneration.biomedcentral.com/articles/10.1186/1750-1326-9-54

体温の低下を防ぐ

低体温はリン酸化タウを増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4843920/

腹膜透析

腹膜透析は、過剰リン酸化タウを軽減させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28477083

深部脳刺激(DBS)

嗅内皮質への持続的な脳深部刺激は、ADマウス皮質総タウおよびリン酸化タウを有意に減少させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29246746

タウ免疫療法

最も有望なタウ標的化方法は、タウ免疫療法である可能性がある。P-タウペプチドまたはリン酸化タウに対する抗体を介した受動的または能動的な免疫化は、タウ病理および行動異常を減少させ、認知パフォーマンスを効果的に改善する。

  • AADvac-1
  • Acl-35
  • BMS986168

アンチセンス療法

タウの抗アセチル化

 

LRP1

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7786302/

LRP1はタウの取り込みと拡散のマスターレギュレーター

Rauchらは最近の研究で、神経細胞表面の低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質-1(LRP1)が生理的タウと病原性タウの両方のオリゴマーの内部化を仲介し、それに続く神経細胞への広がりを示すことを明らかにした(3)。研究者らは、LRP1の欠損が細胞培養においてタウの内部化を減少させることを実証した。

LRP1をダウンレギュレーションして変異タウを発現させると、LRP1野生型マウスと比較してタウの広がりが制限されることを示した。

個人で利用可能な抗タウ治療 トップ22

  1. メチレンブルー → タウ、タウオリゴマー阻害剤・ミトコンドリア・UPS
  2. オロチン酸リチウム → UPS活性・GSK-3β抑制
  3. 適切な睡眠 → リンパ管クリアランス・グリンパティック系活性
  4. サウナ&HSP温浴 → HSP70・グリンパティック系・金属キレート
  5. 有酸素運動 → オートファジー・UPS・リン酸化タウ・グリンパティック系
  6. トレハロース(リポソーム) → オートファジー
  7. リファンピシン(リポソーム・鼻腔投与) → タウの直接阻害
  8. クルクミン(キレート化)→ タウモノマー阻害・タウ凝集阻害・Aβ阻害・抗酸化剤、鉄キレート、銅キレート
  9. ミリセチン 異常タウ阻害・Fynキナーゼ阻害
  10. オリーブリーフ → PHF、NFT形成阻害・GLP1増強
  11. グルタチオン → タウによるミトコンドリア機能障害の回復
  12. ニコチンアミドリボシドまたはナイアシンアミド → ミトコンドリア
  13. CoQ10(ユビキノール)→ ミトコンドリア
  14. ガストロジン → UPS活性
  15. フルボ酸 → PHF形成の阻害
  16. セージ(ロスマリン酸) → リン酸化タウの阻害・Fynキナーゼ阻害剤
  17. ルテイン → 微小管安定
  18. 遠志(テヌイゲニン) → UPS活性
  19. EGCG → タウモノマー阻害・タウ凝集阻害・鉄キレート、銅キレート
  20. アスタキサンチン → AQP4、抗酸化活性
  21. メマンチン(低用量) → NMDAR阻害によるプリオン伝播の抑制
  22. ケルセチン → cdk5活性の阻害、タウの安定化、銅が多い場合は使用を控える?

個人の見解として、重要度の順位で利用可能なものを並べてみたが、それぞれ単独で強い効果を発揮するわけではなく、またタウを除去するメカニズムが異なるため、順位に関わらず可能な限り含めるのが望ましい。特にタウによる機能障害が亢進しているケースにおいては、これらのほとんどをカバーしていく必要があるように思う。

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