
『Survival Nutrition:How to Use Food, Herbs and Water to Stay Alive During a Collapse, Civil War, Riots or Grid-Down Scenario』Mike Adams (2020)
『サバイバル栄養学:崩壊、内戦、暴動、電力網ダウン時に食料、ハーブ、水を活用して生き延びる方法』マイク・アダムス (2020)
目次
- 第1章 サバイバル栄養学入門 / Chapter One:Survival Nutrition
- 第2章 栄養に関する神話 / Chapter Two:Nutrition Myths
- 第3章 食料戦略 / Chapter Three:Food Strategies
- 第4章 水 / Chapter Four:Water
- 第5章 ハーブと抽出物 / Chapter Five:Herbs and Extracts
- 第6章 元素と化学物質 / Chapter Six:Elements and Chemicals
- 特別報告書 食料のマイクロキャッシング:/ Special Report:Food Microcaching
本書の概要
短い解説:
本書は、社会崩壊や長期の非常時において、栄養学を駆使して生き延びるための実践的知識を提供する。食品の選別から保存、水の確保、ハーブによる自然医療まで、科学的根拠に基づいた具体的な戦略を網羅する。
著者について:
著者マイク・アダムスは「ヘルス・レンジャー」として知られ、ISO認証を受けた法医学食品研究所のオーナーであり、『フード・フォレンジクス』の著者である。20年以上にわたり栄養と健康を追求し、世界中の先住民の知恵や自らの実験室での分析経験を基に、現代の食料産業の欺瞞を暴きつつ、実践的なサバイバル戦略を提供する。
テーマ解説
過酷な生存状況では、身体のパフォーマンスと認知機能を維持するために、通常以上の栄養が必要となる。
キーワード解説
- サバイバル栄養学:単なる食料備蓄ではなく、栄養、水、ハーブ、化学物質を戦略的に活用して崩壊状況を生き抜く総合的な学問。
- 発芽シード:種子を発芽させることで、短期間でビタミンCをはじめとする強力な医薬品分子を自然合成する方法。非電力的で隠密栽培も可能。
- イオンシルバー:抗菌作用を持つ銀イオン。ローズマリー抽出液と組み合わせることで、実験的な自家製ナノ粒子抗癌剤を作成できる可能性がある。
- グレイウォーター:風呂や皿洗いなどに使った後の比較的きれいな排水。適切な石鹸を使用すれば、庭や果樹園の灌漑に再利用できる。
- ローズマリン酸:ローズマリーに含まれる分子。銀イオンと結合してナノ粒子を形成し、標的とした薬剤送達システムとして機能する可能性がある。
3分要約
本書は、単なる災害備蓄マニュアルではない。著者は食品科学者かつサバイバリストという稀有な視点から、社会崩壊時に身体的・認知的機能を最大限に発揮するための「栄養」戦略を説く。多くの人が備蓄する缶詰や加工食品が、実際にはビスフェノールAや遺伝子組み換え原料、有害なトランス脂肪酸に満ちているという事実を指摘。これらは「死の食料」であり、真のサバイバルにはならないと警告する。
真のサバイバルフードとは、全粒穀物や豆類、そして何よりも発芽シードである。発芽は、わずか数日でビタミンCやスルフォラファンなどの抗癌・抗炎症分子を植物に合成させる「魔法」のプロセスだ。電気も土も必要とせず、クローゼットの中で隠密に実施できる。備蓄すべきは完成品ではなく、種子と基礎元素(塩、重曹、銀貨)であり、これらは永遠に劣化しない。
水については、雨水が最も清浄であり、井戸水は重金属や医薬品で汚染されていると断じる。雨水の貯留と、UV殺菌や自家製フィルター(砂と活性炭)による処理法を解説。また、体内での栄養吸収を最大化するには「咀嚼」が極めて重要であり、咀嚼不足は事実上の栄養喪失につながると述べる。
最も特筆すべきは、ローズマリー抽出液とイオンシルバーから自家製ナノ粒子抗癌剤を製造する方法だ。超音波洗浄機と銀貨を用いて、実験室レベルの標的薬剤送達システムを自宅で作るプロセスを詳細に開示する。これは現代のがん産業が恐れ、抑圧しようとする情報である。
著者は、現在の「ピースタイム」においてすら、人々は自ら毒を摂取して「栄養自殺」を犯していると断言する。社会崩壊は、むしろこのサイクルを断ち切り、真の健康を取り戻す機会となりうる。本書の核心は「知識こそが究極の備蓄品」であり、元素と植物の循環を理解することで、医薬品や食品を自給自足する力を読者に与えることである。
各章の要約
第1章 サバイバル栄養学入門
本書は、ハリケーンなどの短期災害ではなく、社会崩壊や内戦のような長期危機において、身体活動量の増大や精神的ストレスによって栄養必要性が跳ね上がることに焦点を当てる。著者は自身のISO認証実験室での経験から、USDAオーガニック認証が重金属を除外していることや、米国農地が下水汚泥(バイオソリッド)で汚染されている実態を暴露する。主な問題として、①備蓄の失敗、②間違ったもの(ポップタルトなど)の備蓄、③知識不足を挙げる。血液は食べたものから作られるという原則を強調し、劣悪な栄養状態では認知機能が低下し、生存競争に敗れると警告する。
第2章 栄養に関する神話
健康的な人は「脂肪ゼロ」や「糖質ゼロ」食品を求めない。脂肪ゼロは糖の過剰摂取を意味し、糖質ゼロは人工甘味料による発癌性を持つからである。サバイバルにはアボカドやココナッツオイルに代表される健康的な脂肪が必要だと説く。多くの備蓄食品は栄養価がゼロに等しく、遺伝子組み換えトウモロコシ由来のマルトデキストリンやMSGの塊である。コストコで安価に販売される長期保存食は、刑務所食以下の品質であり、「生存食」ではなく「死食」と断じる。真の節約とは、安価な医療費につながる高品質なオーガニック食品への投資である。
第3章 食料戦略
スプレードライ食品は酸化が進むが、フリーズドライは栄養素を保持する。壊血病予防のため、備蓄には必ずビタミンC源(果物)を含めるべきだと説く。最も重要なのは「発芽」であり、乾燥種子には存在しないビタミンCやスルフォラファンが、発芽によりわずか5日で合成される。植物は水と空気中の元素から自ら医薬品を合成する「工場」であるため、備蓄食料はあくまで栽培が軌道に乗るまでの「バッファー」と位置付ける。電動グラインダーではなく手動式を推奨し、主食のベリー(全粒穀物)状態での備蓄が長期保存の鍵である。
第4章 水
雨水が最も清浄であり、井戸水は農薬や医薬品で最も汚染されているという逆説を提示する。雨水はプラスチックや汚染物質を含む海塩に対して、ヒマラヤ岩塩を推奨。緊急時にはペットボトルと金属板を使った太陽熱殺菌法や、砂と自作の活性炭を使った重力フィルターの作成法を解説する。水の輸送には、人力自転車とカートの組み合わせが最も効率的だと述べる。また、非電力的な自動灌漑システムを紹介し、水使用量を大幅に削減できるとする。毒素を含むグレイウォーターを庭に撒かないよう注意を促し、無香料石鹸の重要性を強調する。
第5章 ハーブと抽出物
ハーブはカロリー源ではなく、植物が合成する特殊な「医薬品分子」のために摂取する。オレガノ、バジル、ニンニクには自然の抗生物質が含まれる。抽出方法としては、熱で成分が壊れる煮沸法(煎出)よりも、超音波洗浄機を使った低温抽出が優れていると述べる。最も注目すべきは、ローズマリー抽出液とイオンシルバーを組み合わせて銀ナノ粒子を作る方法である。これは癌細胞に選択的に毒性を示す可能性があり、ローズマリン酸が銀イオンを包み込むことで特定の細胞に送達するキャリアとして機能する。オーストラリアの認証を受けたマヌカハニーや、傷に貼る自然な包帯として機能するアロエベラの効能も詳述する。
第6章 元素と化学物質
分子は時間とともに分解されるが、元素(原子)は永遠に不変である。したがって、ビタミンC(分子)ではなく、重曹や塩、銀貨といった元素の状態で備蓄すべきだ。亜鉛は極微量で効果を発揮するが過剰摂取は有毒であり、正確な計量が必須である。植物は分子を合成するために水と空気から水素・炭素・酸素を利用する。この章の核心は、ミネラルを直接被るのではなく、それらを水に溶かしてスプラウトに与え、植物に「生きたミネラル」へと変換させるという概念である。これにより、体内での吸収率が飛躍的に向上する。また、米国銀貨を使って水中で放電させるイオンシルバーの自家製法を紹介する。
特別報告書 食料のマイクロキャッシング
非常時にはFEMA(連邦緊急事態管理庁)による食料没収のリスクがあるため、備蓄品を隠す技術が必要である。壁の中(石膏ボードを剥がして密閉容器を埋め込み修復する)、不要な家電製品(洗濯機やコンピューターケースの中)、床下などが効果的な隠し場所だと提案する。屋外では、防水性の高いポリエチレンドラムや、軍用の大型弾薬缶を55ガロンドラムの中に入れて地中に埋める方法が有効だ。最後に、没収チームに見せるための「腐った餌用備蓄」として、期限切れの粗悪な食品を用意しておく戦略を提言する。
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