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睡眠リズム、睡眠時刻、睡眠障害の原因・生活
健康に良いことはだいたい嫌われるものだが、人が唯一好むものがある。
それは、心地よい夜の眠りだ
エドガ・ワトソン ハウ
睡眠とアルツハイマー
アミロイドの蓄積は、睡眠の質の低下(睡眠効率の悪化)と関連。
睡眠時間(睡眠の総量)とは関連しない。
頻繁な昼寝はアミロイドの蓄積、認知機能の低下と関連している。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17636060
睡眠の悪化とアルツハイマー病進行のフィードバックループ(相互的に悪化)
睡眠の分散化 > 神経細胞の活性が増強 > アミロイドβの放出 > アミロイドの蓄積 > 局所的な脳部位の起床と睡眠の障害 > 睡眠の分散化(繰り返し)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3676720/
1.寝室の室温
深部体温を低くする
睡眠サイクルを整えるキーワードは光のコントロール、そしてその次に重要なのが室温(体温)コントロール。
ヒトの体温は一日を通じて変動している。
多くの不眠症が体温リズムの異常とも関連している。特に朝予定より早く目が覚めてしまうタイプの不眠症は、深部体温が上昇したままであることによるものという研究もある。
www.smrv-journal.com/article/S1087-0792(08)00011-7/fulltext
ヒトの体温は一般的に18~20時が最も高く、日の出前の4時から6時にかけてがもっとも低い。
www.amerisleep.com/blog/regulate-body-temperature-during-sleep/
電気毛布は使わない
体温リズムは、多くの内分泌系ホルモン、神経伝達物質などの相互作用によって調整されているが、一言でまとめるとストレス(HPA軸の活性)によって体温は上昇する。
また、電気毛布や、過剰な毛布で身体を暖かくしてしまうと、体温のリズムが狂ってしまい、睡眠サイクルが狂うことにもつながる。
ベッドが寒いとダメっていう人は、電気毛布など寝床につく時、布団をあたためるだけに使用するなどをオススメする。
また、注意しないといけないのは電気毛布はスイッチをオフにしてあっても、コンセントが差し込まれた状態では電磁波は電場を作り出しているため、寝床につく際にはコンセントを抜いておくこと。
がんリスク
電気毛布の使用と乳癌の関連性を指摘した論文
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11679786
電気毛布を20年以上使用していた女性は子宮内膜癌の高い有病率を示す。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17415095
コホート研究 女性の電気毛布使用による甲状腺癌リスクは直接的には関連しない。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4743246/
湯たんぽのすすめ
湯たんぽは自然と湯温が朝までに下がっていくので、電気あんかよりも良い選択。
15~20度の室温
研究によると、最適な室温は15~20度。
寝るときは少し肌寒いくらいがちょうどいい。
夕方以降にお風呂に入ると、体温が上昇するためその反動で体温リズムのウエーブが作りやすくなる。
2. 寝る姿勢(横寝)
sb.cc.stonybrook.edu/news/general/150804sleeping.php
横寝でアミロイドβの排出が25%アップ!
夜間寝ている間にアミロイドβは脳から脊髄を通して排出が増加する。
MRIを利用した動物研究で、仰向けや、うつ伏せと比べ横向きの姿勢で寝ることによって、グリオキシル酸経路が活性し、毒素およびアミロイドβが25%多く排出されることがわかった。
研究者の間では、ヒトでも同様の効果があると信じられている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4524974/
横向きに寝るのは脳に良いことが科学的に明らかに
3. ベッド製品
ベッドのへたり
マットレスのほとんどは2年で25%がたわみだす。
特に腰の部分が重たいので、寝てない状態では普通でも、体重をのせた時に反発力が損なわれているため、その面が沈んだりすることもある。
マットレスの微妙なへたりは自覚的には気がつきにくい。
また、痛みや異変が必ずしもその沈むあたりの腰の部位に生じるわけではなく、首や肩、臓器など他の場所に生じることもある。
ベッドの有害成分
古いマットレスは素材に有毒ガスを含む可能性があるため注意。PBDE、メラミン樹脂(ホルムアルデビド)等
4. アーシング
体内の炎症を減少
論文を読まなければ、よくある怪しい健康情報で片付けていたであろう。
睡眠そのものの臨床的な研究はまだ行われていないが、睡眠時のアーシングによって体内の炎症は対照群と比較して有意に減少している。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4241473/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3265077/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4378297/
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3576907/
tidsskriftet.no/2012/02/kommentar/fysisk-kontakt-med-jorden-er-viktig-helsen
5. 朝型にするための朝食方法
- 食事量を多めにする。
- ”相対的に”夜食よりインスリンが出やすい、GI値が高い食事にする。
- ただし、炭水化物単体ではさほど時計遺伝子への影響はない。
- たんぱく質と糖質の組み合わせが、最も時計遺伝子へ影響を与える。
- 炭水化物はイモ類よりも、穀類
- 栄養素では魚油を摂取すると効果が大きい。
※リコード法の食事方法とは異なる。
食事時間
光と温度に次いで重要なのが、食事時間
食事の摂取方法によって、体内の時計遺伝子が活性化され、概日リズムを調整することができる、また食事のとり方によって概日リズムを大きく狂わせる。
※ReCODEプロトコルでは半日断食により朝食は食べないため、昼食と置き換えてほしい。
6 良い眠りにつくための栄養素
- セレニウム (免疫機能を高める。少量で良い)
- ビタミンC (ビタミンC欠乏は夜間目が覚めやすくなる)
- トリプトファン(セトロニンの材料、人によって相性あり)
- カリウム (浅い眠りにはカリウムが効果的という研究がある)
- カルシウム (カルシウム不足がレム睡眠サイクルを乱すという研究)
- ビタミンD (ビタミンD不足は、日中の眠気を誘発するかも)
- ビタミンB6(神経系のリラックス効果)
- マグネシウム(炎症反応を抑制し、睡眠スコアを改善)
7 コーヒーを飲む時間に注意
コーヒーは午前中まで
研究でわかっていること。(注意点)
・コーヒーは就寝6時間前に飲んでも睡眠を阻害する!(カフェインの半減期は5~8時間)
・コーヒーの睡眠阻害作用は、レム・ノンレム睡眠サイクルに適切入ることができなくなり、睡眠時間を一時間短くする。
・コーヒーを寝る6時間前に被験者に摂取してもらい、睡眠日記を書いてもらう。→ 睡眠が阻害されたことに気がついた被験者は誰もいなかった!
コーヒーの摂取は午後二時までにとどめておくこと。
コーヒー依存症を防ぐためのカフェインサイクル
依存症でなければ3日カフェインをストップすれば、身体からカフェインを抜くことができる。カフェイン2日摂取 カフェイン3日オフ のサイクルを繰り返す。