投稿日: 2022年3月24日

ネオコンがプーチンに対して行ったように、敵対者を悪魔化するという戦略がある一方で、まさに同じ戦略が、ドナルド・トランプを絶対に嫌うように人々を仕向けるために使われたのだ。今でもトランプを嫌っている人ほど、簡単なマインド・マニピュレーションのテクニックに弱い。このため、多くの人がウクライナ人がロシア人を倒すのを応援し、ホワイトハウスはプーチンを戦争犯罪者と呼んでいる。偽りの口実で果てしない戦争の武勇伝を始めたり、テロリストと間違って民間人をドローンで殺したりしたアメリカのリーダーたちにも同じことが言えるかもしれないのに、だ。

 

ホワイトハウスは、常に戦争を提唱するネオコンの影響下にあるように見える。間違ってはいけないのは、このネオコンは民主党や共和党だけにとどまらないということだ。これは歴史上ずっと問題になってきたことだ。ネオコンは、共和党か民主党かに関係なく、戦争を愛し、敵と認識するすべての人を憎むという点で共通している。彼らは、戦争という自分たちのアジェンダを押し進めるために、どちらかの党に属しているふりをする。

プーチンが敗北を喫し、ロシアで民主主義が復活する可能性があると考えたくなる。それはサンタクロースと同じレベルだ。より可能性の高いシナリオは、世界の完全な混乱である。ロシアはイスラム教徒も多く、その数は約1,400万人、全人口のおよそ1割を占める。そして、異なる文化があり、内部の混乱や核兵器で武装した分離主義運動が起こるだろう。ネオコンは、サダムを除去する際にも同じような無意味なことをした。彼らは、サダムが宗教的狂信者を抑制していたことを理解できず、その結果、テレビで人々の頭を撃ち落とすISISと一緒になってしまった。

プーチンは馬鹿ではないし、彼は実際に約束を守っている。彼はウクライナを征服しようとしているわけではない。彼の戦車の列は、ただそこに座っているだけの力と威嚇のショーとして停止していた。ウクライナ人は彼らを攻撃しなかったからだ。プーチンは、ただ全滅を命じたわけではない。アメリカの戦略は、水や電力網を含むすべてを破壊し、それを再建するために1兆ドルを渡すというものである。プーチンは発電所を奪ったが、電力は止めなかった。西側諸国はこれを、プーチンが行き詰っており、ウクライナ人がロシア人を打ち負かすことができると描いている。しかし、これはロシア軍のモラルを低下させ、ウクライナのために世論を揺さぶるためのプロパガンダのように思える。

マスコミは、プーチンの国は今、歴史上どの国も経験したことのないほどの孤立を強いられているとも描いているが、日本が真珠湾攻撃をしたのは、アメリカの制裁で日本への燃料を絶たれたことが原因である。その後、FDRについて議会で調査が行われ、アメリカが第二次世界大戦に突入する状況を意図的に作り出そうとしたのかどうかが問われた。しかし議会は、その疑惑は決定的なものではない、と言っただけだった。彼らは彼を免責することも非難することもなかった。

2月下旬から、ロシアは懲罰的な経済、貿易、金融制裁に見舞われている。プーチンは反撃し、非友好的な国へのエネルギー販売はすべてルーブル建てにすると言った。サウジアラビアも中国と人民元建てで石油を販売することで合意した。これらは、世界経済を引き裂いた歴史的に重要な出来事である。正常な状態に戻ることは決してないだろう。バイデン政権は世界経済を破壊するものであり、人々が互いに自由に取引できないとき、彼らは戦争を起こす。

だから、西側のマスコミがロシアが債務不履行に向かっていると喝采して報道する一方で、債務不履行は西側に起こるということを忘れている。世界経済を分断する非常に急速な技術的デカップリングも進行中であり、自由貿易と経済成長の終焉を脅かすことになる。実際、米国のGDP成長率は実質的にピークに達している。世界のGDPは、ロシアの政権交代を目的とした、決して機能しない愚かな制裁のおかげで、減少する一方だろう。

ロシアからアメリカ企業が大量に撤退することは、前途に大きな悪影響を及ぼし、世界経済は急速に縮小していくだろう。ロシアはイラクのような弱小国ではない。ロシアは、最近までその人口がより大きな地球環境と深く結びついていた大国である。ホワイトハウスは、ロシア人がバイデンではなくプーチンを非難すると考えている。セルビアのような東欧諸国や中東では、米国が傲慢で、他の国の問題に干渉していることが問題視されている。

バイデン政権ではなく、議会を通じて宣戦布告しなければならないのは国民であるという事実を否定する大統領令によって、米国がロシアに宣戦布告したことは疑う余地がない。こうして第二次世界大戦は、金融市場で各国が互いに攻撃し合うことから始まった。ネオコンはホワイトハウスを簒奪し、ロシアがNATOを攻撃し、議会が宣戦布告することを期待して、FDRのように宣戦布告を回避して議会を迂回したのである。これは、FDRが使ったのと全く同じ手口だ。

ネオコンたちは、中国に矛先を向ける前にプーチンを倒し、ロシアを支配しようと考えて唇をなめているが、明らかに長期的な視野に立っていない。彼らはサダム・フセインを排除し、宗教的狂信者をその場にとどまらせた。彼が排除されると、中東ではISISの台頭が見られた。彼らはその後、彼が彼自身の人々を虐待していたとシリアを転覆させるために同じ言い訳をしようとした。ロシアが介入し、ネオコンがオバマと一緒に作ろうとした別の終わりのない戦争を止めた。アメリカはドンバスとの戦いを続けるために、ウクライナのナチスに密かに資金を供給してきた。二人の共和党ネオコン、リンゼイ・グラハムとジョン・マケインは、ドンバスに対する内戦を継続させるための資金提供を公然と行っていたのである。

ここで間違ってはいけない。ネオコンはCIAを通じて、タリバンを反ソビエトの抵抗勢力として推し進め、資金を供給した。CIA特別活動部はソ連軍に対抗するムジハディーン軍に装備させるために準軍事的な将校を送り込んだ。したがって、アメリカはタリバンに資金を供給した。それはソ連のアフガニスタン占領を終わらせるのを助けるためであり、ちょうどウクライナのドンバスに対するナチスの要素に資金を供給しているのと同じである。ネオコンは終わりのない代理戦争に従事している。

しかし、ネオコンは鼻の先まで考えることができない。長期的な戦略はなく、目の前のことに勝つだけである。タリバンは、米国がロシアに対して行った対外的な軍事支援の拡大から利益を得ている。彼らはその後、911からのテロリストを探していたアメリカ軍に対してその訓練を使用した。その後、アメリカはアフガニスタンから追い出され、アメリカ国民全員に2万ドルに相当する装備を彼らに残した-あなたの税金が使われているのだ。

ネオコンの愚かな考え方は、中東やロシアや中国に民主主義を持ち込めば、何とか友好的になったり安定したりすると考えていることだが、まったく冗談だ。CIAやネオコンの要求に応じるまでロシア国民を罰することで、「モスクワの春」を作ろうという考えは、紛争のコストを割に合わさない。カール・マルクスは自分の考えを持ち込んで、共産主義を導入するために2億人以上の命を犠牲にした。アメリカは、ヨーロッパ、中東、アジアの多くの界隈で、ネオコンによる干渉のために嫌われている。

中国もロシアも、アメリカの傲慢さを共通の敵としている。ロシアや中国の人々は、ネオコンに花束やXmasカードを送らず、1989年以来築いてきたものをすべて破壊してくれたことに感謝するのだろう。しかし、中東の信頼できる情報源によると、UAE、エジプト、そしてイスラエルでさえ、バイデンの制裁が世界経済を引き裂いたことに怒っている。しかしネオコンは、完全な孤立が南アフリカで政権交代を強いたと主張する。しかし、彼らには反撃するための軍事力もなかった。それは、一方の子供が輪ゴムを持っていて、もう一方が野球のバットを持っているときに、喧嘩が公平だと主張するようなものだ。

ワシントンの誰かが、ロシアを孤立させようとするこの試みについて、戦略的かつ現実的に考え始める必要がある。なぜなら、急速なスピードで展開されているのは世界経済の崩壊だからだ。1989年、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領（当時）は、ソ連と共産主義の崩壊に深刻なリスクがあることを理解していた。ロシアは十分に大きく強力であり、世界経済におけるその役割は、国際秩序全体の健全性にとって不可欠である。米国は、敵対者ではなく、経済的な友好国としてロシアを必要としている。

欧米のプロパガンダでは、ロシアと中国は権威主義的な支配の象徴であるとされている。しかし、欧米の政府も同じようなものだ。確かに選挙はあるが、候補者がワシントンに到着すると、党の議案に従って投票すると言われ、自由な選挙というイメージはそれだけだ。ヨーロッパでは、国民は法律を制定する委員会にも国家元首にも投票しない。戦争や平和のような問題について、国民が投票することは許されないのだから、我々は民主主義の中に生きているとは言えない。

プーチンが打倒され、民主主義が突然誕生する可能性は、ゼロに等しいと言える。