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アルツハイマー病患者・高齢者の筋肉の衰え(サルコペニア)、体重減少と7つのアプローチ

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概要

サルコペニア

サルコペニアとは加齢に(疾患を含むこともある)より筋肉量が減少し、全身の筋力低下、身体機能の低下が起こること。加齢以外の要因による筋力と筋肉量の低下をミオペニアと呼ぶこともある。ギリシャ語で筋肉を「サルコ」と呼び、喪失を「ペニア」と言うことからサルコペニアと名付けられた。

サルコペニアは認知症、特にアルツハイマー病患者と密接な関連性があり、アルツハイマー病の進行とともに筋肉強度、筋肉量の両方が減少することが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6121095/

一般に量を制限する食事療法はサルコペニアのリスクを高めると考えられている。

リコード法では、

ダイナペニア

サルコペニアが加齢に伴い筋量、筋機能が低下するのに対して、ダイナペニアは筋量自体は正常だが、加齢に伴って筋肉の機能(質)が低下した状態。ただしどちらの用語も明確に定義されておらず、重複することもある。

早期アルツハイマー病患者の筋力低下

早期および軽度のアルツハイマー病患者では、筋肉量は失われずに上肢および下肢の筋力が低下する。これは筋量が失われずに筋力が失われるダイナペニアであり、より身体機能の低下リスクが高いと考えられている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10798463/

サルコペニアの症状

  • 筋肉量の現用
  • 活力の低下
  • 持久力の低下
  • バランス感覚が悪い
  • 階段を登るのが困難
サルコペニアの診断

サルコペニアの診断基準は標準化されておらず、しばしば個人の報告に基づき医師がサルコペニアを診断する。地域、民族によって基準も異なる。以下代表的なもの。

BMI 18.5以下 ふくらはぎの最も太い部分が30cm未満

弱い握力(男性26kg未満、女性18kg未満)

遅い歩行速度(0.8m/s以下 時速2.88km以下)

少ない筋肉量(生体インピーダンス測定 男性7.0kg/m2、女性5.7kg/m2(DXA 5.4kg/m2))

サルコペニア有病率(アルツハイマー病)

健常者 8.6%

健忘MCI 12.5%

アルツハイマー病 23.3%

www.eurekaselect.com/139398/article

男性80歳代 サルコペニア有病率
  • 健常者(平均MMSE 27.5) 13% 歩行速度 1.15±0.25 m / s
  • 早期アルツハイマー病(MMSE 24.4) 41% 歩行速度 1.01±0.26 m / s
  • 軽度アルツハイマー病(MMSE 22.1) 47% 歩行速度 0.95±0.19 m / s
  • アルツハイマー病中期(MMSE 18.0) 47% 歩行速度 0.93±0.16 m / s

アルツハイマー病高齢男性では、下肢の筋力の低下とサルコペニアが関連する。

女性80歳代 サルコペニア有病率
  • 健常者(平均MMSE 27.3) 11% 握力 20.1±3.3kg
  • 早期アルツハイマー病(MMSE 25.0) 18% 握力 17.4±3.7kg
  • 軽度アルツハイマー病(MMSE 22.0) 26% 握力 16.9±3.7kg
  • アルツハイマー病中期(MMSE 17.4) 45% 握力 15.8±3.8kg

アルツハイマー病高齢女性では上肢と下肢の筋力の低下が、サルコペニアと関連する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6121095/

サルコペニアの原因

多くの慢性疾患がサルコペニアと関連している可能性があり、筋力と筋肉量を低下させるメカニズムは複数のプロセスが関与すると考えられている。

サルコペニアと関連性のある外的要因

  • たんぱく質不足(50歳以上の4割がたんぱく質不足)
  • 微量栄養不足
  • 穀物食品、加工食品、酸性食品、野菜や果物の摂りすぎ
  • 慢性疾患
  • 季節・外気温
  • 歩行速度
サルコペニアによって増加する筋肉の非ヘム鉄

骨格筋に含まれる非ヘム鉄濃度は老化による筋肉量の減少によって上昇する。

鉄調節タンパク質であるIRP2のダウンレギュレーションは筋肉に含まれる鉄の主要が調節因子である可能性がある。

筋肉の鉄レベルの増加はフェリチン発現の増加を促進しない。

鉄キレート剤の長期投与は、筋肉萎縮または筋肉機能障害の程度に影響を与えない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3812819/

骨密度の低下

骨密度の減少と、筋肉の減少には強い相関関係がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4689779/

アルツハイマー病とサルコペニアの共通する寄与因子

  • 炎症
  • 酸化ストレス
  • 栄養欠乏
  • ステロイドホルモン産生と感受性の低下
  • ミトコンドリア機能の低下
  • インスリン抵抗性(HbA1c8%以上で7倍のリスク)
  • ビタミンD欠乏
  • 高いコルチゾール

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23792036/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25878493/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23577254

栄養素の欠乏

ビタミンD

ヒト筋肉組織のビタミンD受容体は、加齢によって減少する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14969396/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19924350/

サルコペニアに有意に関連する因子は、年齢・BMI・活力であり、女性では、血清ビタミンDレベルはサルコペニアと有意に関連していた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26863996

ビタミンE

認知障害のない高齢者の血漿ビタミンEレベルの低下は、虚弱症候群に関連している。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16567378/

カロテノイド

血清カロテノイド、αトコフェロールとビタミンDの欠乏は、女性の虚弱になるリスクを予測する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16799142/

65歳以上の高齢者の6年間のフォローアップで、登録時に血漿カロテノイドが低かった参加者では股関節障害リスクが高く、骨格筋力強度が低下することを示唆する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18426961/

セレン

横断研究 血漿セレンの低い65歳以上の高齢者は骨格筋力の低下と関連していた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17684204/

低い中~重度の障害をもつ女性では、血清セレン濃度の低さがが握力の低下と有意に関連していた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17611292/

複合栄養素

エッセンシャルアミノ酸、クレアチン、ビタミンDなどの多成分サプリメント12週間の摂取は、筋肉量、筋力、内蔵脂肪組織にポジティブな影響を与える。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31021358

ホルモンと筋肉量&筋力の密接な関連

コルチゾールのタンパク質分解

高いコルチゾールはAktを阻害し、タンパク質分解を増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25428852

DHEAレベルと筋肉量の減少の相関

DHEAレベルは年齢によって低下する。この低下は、筋肉量の減少と筋力の減少に相関する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16760618

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15123757

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10879447

DHEAレベルの上昇は、転倒リスクの減少とも関連する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18351428

エストロゲン

エストロゲンを投与されている閉経後の女性では、投与されていない女性よりも筋力が強いことが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19561145

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11595778

男性の短期間のエストラジオール投与は、好中球浸潤を軽減し、骨格筋の脂質代謝を増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21368271

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20484157

グレリン

グレリンおよびグレリン類似体は、一酸化窒素合成お嘘の活性化により食事の摂取量と成長ホルモンの放出を増加させる。グレリン類似体であるオレリン(アナモレリン)は、筋肉量を増加させるが、筋力は増加させない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26675382

成長ホルモン

成長ホルモンの補充は筋肉量を増加させるが、筋力は増加しない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24054930

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17336743

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2515076/

インスリン

インスリンはPI3K、AKT経路を介して筋肉量を増加させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16600922

真性糖尿病の患者は、一般健常者よりも早い年齢でサルコペニアを発症する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27569712

ミオスタチンA

ミオスタチンAの欠乏は筋肉量の増加につながる。ミオスタチン抗体は筋肉量の増加を引き起こすことが示されている。

テストステロン

疫学的研究ではテストステロンの減少は、筋肉量と筋力の減少と密接に関連することが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27543675

男性のテストステロン補充は筋肉量を増やし、脂肪量を減らすことが一貫して示されている。

journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0162480

甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモンは、骨格筋の収縮機能と筋肉の再生に重要な役割を果たす。トリヨードサイロニン(T3)は、MYOD1を誘導することにより静止筋衛星細胞の発達を促進することが報告されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24322650

T3はATP消費と生成の両方を増加させることから、甲状腺ホルモンの働きは筋肉の修復と機能に重要な役割を果たす。加齢に伴うT3の変化はサルコペニアに関与する可能性がある。

サルコペニアの治療

運動

3か月以上の運動介入は、骨格筋量、筋力、および歩行速度が向上する可能性がある。

onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ggi.13322

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30498820

運動と栄養の併用

運動と栄養(ビタミンD、ホエイプロテイン、必須アミノ酸・HMB)の併用療法は、サルコペニア患者全員の除脂肪体重と筋力の改善を示した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25241753

食事

たんぱく質の豊富な食事

3ヶ月の必須アミノ酸の補給は、筋力の改善に貢献する可能性がある。

onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ggi.13322

ケトンダイエット+たんぱく質

アミノ酸サプリメントと糖質制限ケトンダイエットの併用は、筋肉量減少を誘発することなく体重を効果的に減少しサルコペニアのリスクを防ぐことを示した。二重盲検無作為化プラセボ対照試験

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27383313

地中海料理

抗炎症性の食事

栄養・サプリメント

ロイシン・HMB
EAA(必須アミノ酸)
クレアチン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21394604

ビタミンD

ビタミンD欠乏によるサルコペニア誘発リスクの分子的メカニズム

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31203824

13週間のビタミンD投与とロイシン強化ホエイプロテインサプリメントは、サルコペニア高齢者の慢性炎症を軽減する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31049877

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31312865

ビタミンE
カロテノイド
セレン

薬剤

テストステロン

メタアナリシスでは、テストステロン低値を示す患者のテストステロン治療により除脂肪体重の重量と強度で改善を示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16117815

50mg×2/日のアンドロゲン受容体モジュレーター投与は、高齢女性の筋力や機能を改善し除脂肪体重を増加させたが、たんぱく質とビタミンDを投与したプラセボ集団との比較では改善を示さなかった。ランダム化比較試験

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23732550

高齢男性への3年間のテストステロン補給

3年間のテストステロン投与は、プラセボグループよりも階段を登る力、筋肉量、筋力の有意な改善と関連していた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27754805

テストステロン両方のメリットとリスク

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20497841

その他のホルモン補充療法
アナボリックステロイド
グレリンアゴニスト anamorelin

二重盲検無作為化プラセボ対照試験 体重減少を示すがん患者への投与

アナモレリンはプラセボ集団と比較して除脂肪体重を増加させ、握力を改善した。これは、インスリン様成長因子1の増加と相関していた。さらにアナモレリンの投与によりQOLの向上が見いだされた。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25524795/

がん患者へのアナモレリン投与 筋力は増加させない。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26675382

link.springer.com/article/10.1007%2Fs00223-015-0022-5

アクチビンⅡ型受容体標的モノクローナル抗体

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28905498

アンジオテンシン変換酵素阻害剤
βアドレナリン遮断薬

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28244261

幹細胞療法