アルツハイマー病リスク ホモシステインが上昇する8つの要因と8つの改善方法

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4型(血管性) 36の発症因子

ホモシステインと認知症

概要

ホモシステインは、メチオニン代謝サイクルでアミノ酸メチオニンからシステインを生合成する際に必須の中間代謝物(含硫アミノ酸)。ホモシステインは毒性作用をもち、血中の高いホモシステイン濃度は、心血管疾患の危険因子として知られている。

血管内皮細胞へも影響があるため、血管と関与する血管性認知症の危険因子としても考えられている。[R]

ホモシステインの代謝図

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27973419

高ホモシステインによるアルツハイマー病リスク

高ホモシステインは血管性認知症だけでなく、アルツハイマー病の危険因子としても、これまで多くの研究が行われてきた。ホモシステインレベルが14μMより高いと、アルツハイマー病の発症リスクはほぼ倍増する。[R]

相反する証拠もあり、ホモシステインがアルツハイマー病のリスク因子であるのか、単なるバイオマーカーにすぎないのかは依然として議論の余地がある。[R]

高ホモシステインを伴う認知症の多因子説

高いホモシステインレベルは、多因子によって発症する認知症発症原因の一つの要素に過ぎない。高ホモシステイン血症が単独で認知症発症に寄与する役割の強さは単独では決定されず、その他の認知症発症リスクに依存する。[R]

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高ホモシステインによる一般的リスク

・血管内の炎症を引き起こし内皮細胞障害を生じさせる。

・アテロームを発生させ虚血性損傷を引き起こす可能性

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3159702/

酸化ストレス

チオール基による過酸化水素の生成[R]

グルタチオン活性の低下[R]

ホモシステインのタンパク質への結合により酸化ストレスを誘発[R]

金属イオンの毒性を増大化させる[R]

ビタミンEによる救済[R]

脱メチル化

高ホモシステインは、PP2Aの脱メチル化を介して、タウおよびAPPリン酸化の増加を示し、APPプロセシングの変化によりアミロイドβ産生促進する。[R][R]

血液脳関門障害

BBBの完全性は、アルツハイマー病患者の脳脊髄液アルブミンの上昇と関連する。しかし年齢、性別、ApoE遺伝子、血管危険因子、ベースラインのMMSEスコアとは関連していない。

高ホモシステイン血症が脳脊髄液アルブミンに寄与することが示唆される。[R]

BBB障害によるGABAシグナル伝達異常[R]

ADマウスのアミロイドβ上昇に起因するBBB崩壊[R]

グルタミン酸毒性

ホモシステインはグルタミン酸およびアスパラギン酸の類似体であり、NMDA受容体のアゴニストとして作用する。[R]

アミロイドβの上昇およびタウのリン酸化

食事により誘発された高ホモシステイン血症は、ADマウスのアミロイドβ形成および沈着を増加させる。[R][R]

葉酸、ビタミンB6、B12欠乏食によるADマウスのアミロイドーシス形成[R]

ERストレス(小胞体ストレス)

高ホモシステインはジスルフィド結合をは歌詞、小胞体をクロスするタンパク質のミスフォールディングを引き起こすことによりERストレスを誘導する可能性がある。[R]

小胞体ストレスと神経変性疾患 作成中
小胞体 概要 小胞体は、真核生物の細胞小器官のひとつ。発見された当初は細胞核で作られたたんぱく質をゴルジ体へと橋渡しする輸送のための廊下程度にしか考えられていなかったが、その後の研究で多くの細胞機能に関わっていることがわかってきた。 小胞体の主な役割 タンパク質の折り畳み、切断、糖鎖の付加など たんぱく質の品質管理...

γセクレターゼ切断

小胞体ストレスはγセクレターゼの切断を増加させ、アミロイドβ形成の増加を誘導する。[R]

アルツハイマー病標的/APP γセクレターゼ・γ切断の過剰を改善する7つの方法
ガンマセクレターゼ阻害剤 概要 アミロイドβ40およびアミロイドβ42は、細胞外においてまず最初にβセクレターゼによって切り出され、後に細胞内でγセクレターゼによって切り出されることで産生される。 そのためγセクレターゼ阻害剤は、当初は期待の高いアミロイドβ阻害剤として開発されてきた。 γセクレターゼ阻害剤の問題点...

オメガ3脂肪酸の効果が失われる

「ホモシステインの目標値である7μmol/L以下を満たしていることを確認してほしい。以前の一貫性のない研究結果を部分的に取り上げた新しいエビデンスによると、ホモシステインの上昇に対処していない限り、オメガ3系脂肪酸は認知機能に効果がないことが示唆されている。」

The End of Alzheimer’s Programより

高ホモシステインの要因

特定の栄養素の不足

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、ベタイン、ビタミンB2、マグネシウム欠乏

処方薬の使用

コレスチラミン、コレスチポール、フェノフィブラート、レボドパ、メトホルミン、メトトレキセート、ナイアシン、亜酸化窒素、ペメトレキセド、フェニトイン、スルファサラジンなど

喫煙

アルコール消費

加齢

肥満

遺伝子変異

葉酸から活性葉酸を代謝する回路の遺伝的変異

MTHRF遺伝子の塩基 C677T多型 TT型

高メチオニン食

赤肉および乳製品など

コーヒー

「コーヒーは多くの健康上の利点があるが、我々 はいくつかの注意を行使する必要がある。1 日に 1 リットル(8 オンスカップ 4 杯分)以上のコーヒーを飲むと、ホモシステイン濃度が 20 パーセント上昇することが実証されている」

「The End of Alzheimer’s Program」より

ホモシステインを減少させる治療戦略

統合的介入

ビタミンB類

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12

ベタイン(TMG)
N-アセチルシステイン
S-アデノシルメチオニン
タウリン
運動
アスピリン

アスピリンが葉酸の尿中への排出を増加させる。

ビタミンB補給の認知症への有効性

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28248558

血液中のホモシステイン酸の標的療法は、アルツハイマー病患者における認知の回復治療法である可能性がある。[R]

高用量ビタミンB補給

認知機能低下アルツハイマー病:無作為化比較試験。ホモシステイン濃度を下げることができた。(ビタミンB補給だけでは)認知機能は改善できなかった。[R]

ホモシステインの低減によるAchE阻害剤の応答の改善

ホモシステインの低減はアルツハイマー病患者へのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤投与の応答を改善する可能性がある。[R]

リコード法によるアプローチ

リコード法 ホモシステイン目標値

7 nmol /ml 以下

(一般的な基準値3.7~13.5 nmol/mL)

ステップ1

ホモシステイン値が6より高い場合

→ P-5-Pを20~50mg、メチルコバラミンとアデノシルコバラミンを合計1mg、メチル葉酸を0.8mg(最高で5mg)を摂取

ステップ2

3ヶ月後にホモシステインを再度チェック

→ ホモシステイン値が6より下がらない場合トリメチルグリシン500mgを追加

ステップ3

さらに3ヶ月後にホモシステインをチェック

→ ホモシステインがまだ高い場合は、メチオニンを多く含む食品の摂取制限

ナッツ、赤肉全般、牛肉、羊肉、チーズ、ターキー、豚肉、魚、貝類、甲殻類、大豆、卵、乳製品、豆類など

※実践医の報告では、これまでステップ3まで進んでホモシステインレベルが最適値にならなかった参加者はいない。

ビタミンB12

「B12は、脳と全体的な健康のために不可欠な栄養素である。現在の米国の基準値(200~900pg/mL)の下限は、「正常」とされる350pg/mL以下では貧血や認知症の症状が見られるため、低すぎるとされている。B12は、葉酸やB6と組み合わせて、ホモシステインの最適化に必要である。ホモシステインの上昇は、認知障害や脳萎縮の増加と関連している。4 推奨されるホモシステインの目標は7μmol/L以下であるが、これはB12や葉酸の最適化以下では達成が困難である。(ホモシステインを下げるためのヒントについては、この章の後半にある「あなたの食事の選択をガイドするために遺伝子を使用する」を参照してほしい)。

B12を提供するいくつかの選択された植物がある:特定のキノコ(シャンテッレ ル、ブラックトランペット、シイタケ)と緑または紫海苔と呼ばれる食用藻類。栄養強化されたものには、栄養酵母(ビーガンの人がパルメザンチーズの代用としてよく使う)や、無糖のアーモンドミルクやココナッツミルクの一部がある。B12サプリメントは容易に入手可能である。舌下メチルコバラミンは良いソースである。ビーガンの真のメチルコバラミンは、動物由来の成分が含まれていない。目標は500~1500pg/mLのレベルを達成することである。」

The End of Alzheimer’s Programより

メチオニン制限食・グリシンの摂取

「沖縄県民のような伝統的な長寿の健康社会では、野生動物や放牧された動物を限られた量しか食べていないであった。これを、必須アミノ酸のメチオニンを豊富に含む筋肉肉(鶏胸肉や牛ひき肉など)を中心に大量に食べる現代の習慣と比較すると、コラーゲン、骨、皮膚、内臓肉に含まれる別のアミノ酸であるグリシンはほとんど消費されない。

メチオニンの制限は、より良好な代謝画像(インスリン感受性と脂肪燃焼の増加)と長寿に関連付けられているが、メチオニン過剰は、適切にリサイクルされていない場合は、ホモシステインの上昇に寄与することができる。健康を最適化するためには、メチオニンはグリシンや他の アミノ酸とバランスをとる必要がある。」

The End of Alzheimer’s Programより