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リコード法 進行ステージにおける改善可能性と課題

MCI・初期・中期・末期でのリコード法

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リコード法 難易度を決定する10の要因

リコード法 進行ステージにおける改善可能性と課題

概要

リコード法に効果を判断することの難しさ

リコード法が難しいという以前の問題として、リコード法を行って本当に改善するのかどうか、多くの人が気になるところだろう。

しかしリコード法の改善可能性は、いわゆる36の穴がどこにあるのか、どれだけあるのかのみならず、病院や家族の協力、本人の意志など多くの環境要因も関係してくる。

そのため、その判断は一般の人はもとよりリコード法の関係者であってもむずかしい。

患者さんによって異なる難しさ

「リコード法で認知症は改善しますか?」という質問は「歩いて山に登れますか」という質問に似ていて非常に答えにくい。

患者さんによってその難易度は「富士山へ登る」~「エベレストへ登る」ほどの違いがあるからだ。

夏季の富士山なら、多くの人はなんとか一人で計画して登れる人が大半だろう。

エベレストは、ご存知のかたも多いかもしれないが一般の方でも登れる山にはなってきている。しかし、そのためには当然周到な計画と準備、多くの人のサポーターが必要だ。

取り掛かるタイミング

難易度を決定する大きな要因のひとつとして「リコード法の開始時期」がひとつあげられる。

ブレデセン博士も述べているように早ければ早いほど、改善回復の見込みは高まる。

では、アルツハイマー病が進行したケースではどうすればよいのか、リコード法を取り組んでも駄目なのだろうと考えられる方も多いだろう。

また、MCI・SCIと比べると、初期・中期・後期と後半になるほど単に実行の難易度が高まるだけではなく、改善可能性の度合いの予測も難しくなる。

ただし、エベレスト登山の比喩で言うなら、登頂を諦めたとしてもなお登る、QOLを目指したトレッキング的な選択もあるということは伝えておきたい。

以下、管理人がこれまで得た情報、経験を元に、その改善可能性とステージごとの課題について考えられることをありのままに書いてみた。

主観的な意見と表現が多分に含まれているが、よかったら参考にしてもらいたい。

SCI・MCI(軽度認知症障害)

SCI  MoCA:26~30点 MMSE:28~30点
MCI MoCA:19~25点 MMSE:24~27点
※正確にはMoCA、MMSEのスコアだけでは認知症のステージは定義づけられるわけではなく、目安までに記載している。
SCI・MCIで実行しないという選択肢はない

SCI、MCIであればブレデセンプロトコルは、100%すべきと断言できる。

ブレデセンプロトコル(リコード法)を行ってもっとも大きな改善結果を得られるのは、SCI、MCIの患者さん

リコード法と言わずとも、少なくともそれらに準ずる代謝障害への改善治療、取り組みは行うべきで、行わないのは無知か狂気のどちらかとしか思えない。

いやそれは選択だと言う考え方もあるかもしれない、しかし、その選択によって生じる甚大な結果を鑑みると、それは考え方というよりも思想。

そのような自由主義的思想に基づいて選択しないというのなら反対しない(むしろ尊重する)、しかし、それならオートバイのヘルメット着用義務もなくして選択にするべきだ、これはそのレベルの話。

そしてもっとも実行されない SCI・MCI、、

一方で本人の症状が深刻ではなく、皮肉にもリコード法に取り組もうというモチベーションがそもそも働かない。

またリコード法に取り組むとしても、コグノスコピーの検査を省略したりと、多くの方がまだMCIだからと、検査をしないまま不完全に実行してしまう。

おそらく、SCI、MCIの最大の課題は深刻さの欠如と実行率の低さだろう。

症状は軽度でも実は末期

SCI、MCI(軽度認知症障害)という言葉が非常に良くないのだが、

軽度というのは症状が軽度にすぎないということであって、

細胞レベル、分子レベル(病理学的には)ではすでに末期

こういった体感的な症状と実際の進行のギャップが激しい病気であることが世間的に認知されていないことが災いし、「まだ自分は軽度だからそんなたくさんの検査もいらないし、治療そこまで必要ないだろう」と判断されてしまう方がほとんど。

医療関係者も、アルツハイマー病は治らない病気だという認識であり、SCI、MCIについても診断自体がむずかしく、アルツハイマー病への進行を抑制できる実証された改善方法はないという考えが支配的になってしまっていることが影響している。

これは、ブレデセンプロトコルの問題というよりも、これまで認知症の実態に蓋をしてきたわれわれ社会の側の問題であろう。

認知症ロシアンルーレット

人によってどの程度リコード法を実行すべきか、開始時期だけではなく、タイプなどによっても大きく異なる。

例えば3割程度の実行率でも、実際発症を食い止めることはある。

そのため検査ができないからといってやらないのではなく、やはり実行しておいたほうがよいことには間違いない。ただし、そのことがわかるのは発症後だ。。

これは認知症ロシアンルーレットをしているようなもの、、

SCIだから、MCIだから検査は不要とは考えず、可能な限り検査を行い、リコード法水準のアプローチを実行してほしい。

リコード法改善事例<MCI>

・68歳女性 MoCA:25→29点 記憶、道順の大幅な改善

健忘性軽度認知症障害(MCI)実行機能障害

・77歳男性 MoCA:24→28点

健忘性軽度認知症障害(MCI)計算障害

・83歳女性 MoCA:23→27点 MSQ:31→20

健忘性軽度認知症障害(MCI)

・75歳男性 MoCA:21→29点

健忘性軽度認知症障害(MCI)実行機能障害

・68歳男性 MoCA:18→27点 4年間改善を維持

健忘性軽度認知症障害(MCI)脳萎縮

www.omicsonline.org/open-access/reversal-of-cognitive-decline-100-patients-2161-0460-1000450.pdf

アルツハイマー病初期

MoCA:13~19点  MMSE:20~23点
一定の人たちで大きく改善

初期の患者さんでは一定の人たちで改善が認められている。具体的な改善率は明らかになっていない。米国でも患者さんによって実行率が20%であったり80%であったりとバラバラであるため、その中で平均的な改善率を算出することが無意味と判断したのかもしれない。

初期の開始時期にもよるが、リコード法の実行が100%に近いレベルでなされるなら85~90%程度の改善率があり、仕事への復帰といったレベルにまで改善することは、けして特殊な事例ではないようだ。

リコード法をどこまでできるか

問題は、特に日本では完全なリコード法を実行することはむずかしく、不完全なリコード法でどこまで改善してくれるのかということだ。

リコード法の障害、難易度を決定する要因は多くあるため、このことの判断自体もむずかしい。

リコード法 難易度を決定する10の要因

自分の経験の範囲だと、不完全ながらもとにかくスタートを切り、その後積極的に学習して、自分のバイアス(思い込み)を利用しつつも修正していくポジティブなタイプの参加者は、いくつか上記の記事に掲げる障害があったとしても乗り越え改善を示す人たちが多い。メンタルな要素、患者との関係性も大きい。

ただ検査で障害に見落としがあると、長期的には改善に一定の歯止め感が生じるように見受けられる。(なのでやはり検査が大事)

進行抑制としてのリコード法

それより不完全なリコード法であっても、中期への進行を食い止める可能性は十分にある。 少なくともアリセプトなどの抗認知症薬よりもQOLと進行を先延ばしする可能性は十分にある。(さすがに「サプリを3つ摂ってブロッコリーを食べるようにしました」というのでは無理だが。。)

中期がもっとも介護者がつらい時期を過ごすと考えられているため、それ以上の進行を食い止められるのであれば、たとえリコード法が十分にできないとしても、やってみるべきだろう。

個人差、そして環境的な運の要素も含むため単純には言えないが、検査と実行率によってその後の改善率が敏感に変動し、また体感的な意味での利益を感じやすいのがこのステージの方たち。

リコード法改善事例<初期>

・71歳女性 MoCA:18→23点 著しい記憶の改善、再び車の運転

健忘性アルツハイマー ApoE3/3

・63歳男性 MoCA:17→29点 仕事に復帰

健忘性アルツハイマー ApoE3/4 実行機能障害、計算障害、灰白質の萎縮

・78歳男性 MoCA:16→20点 ビジネスの経営に復帰

健忘性アルツハイマー ApoE4/4 海馬容積1パーセンタイル以下

・57歳男性 MoCA:15→27点

健忘性アルツハイマー 実行機能障害

・77歳女性 MoCA:14→18 著しい主観的改善

健忘性アルツハイマー ApoE3/4

www.omicsonline.org/open-access/reversal-of-cognitive-decline-100-patients-2161-0460-1000450.pdf

アルツハイマー病中期

MoCA:5~12点  MMSE:12~19点
判断がもっともむずかしい

アルツハイマー病中期または後期、そして80歳、90歳の高齢者では、実行にかかる時間やコストと得られる対価の判断が、技術的にも倫理的にもむずかしくなる。

まず、中期・後期では検査によって問題をすべて特定する必要がある。このこと自体が国内では簡単ではない。

またリコード法の実行そのものに対して、本人の実行能力も進行にともなってより低下するため、その分だけ周囲のサポートも必要になる。

根治療法的なBPSD対策として

中期では一部で相当な改善(日常生活の多くが自分で行えるレベル)を示す患者さんも少なからず存在する。

アルツハイマー病中期はもっと大変な時期とも言われているため、踏み込んで実行できる場合には、BPSD(認知症の行動・心理症状)の緩和の観点から大きな利益があるかもしれない。

これは中期・後期に限らないが、リコード法を実行している家族の方が、患者さんとそれまでモヤがかかったような意思疎通であったのが、再び感情面での交流ができるようになったという声をよく聞く。

また、そういった報告をされた方が必ずしもリコード法を必要十分に行っているかというと、そういうわけでもない。

介護殺人に至った介護者へのインタビューなどで「介護をそのものよりも家族である患者と意思疎通ができないのが一番つらかった」という声もよく耳にする。この意義はけして認知機能評価テストなどでは測れない。

そのため、完治を目指すというよりも、元の人格を取り戻す、再び交流を交わす、むずかしくなった症状の緩和をより根治療法的に目指すという方向で検討してみることをおすすめしたい。

特異的3型の著効例?

リコード法患者の中期から著効例のいくつかは、毒素が大きく関係していて中期に差し掛かったケース。例えばその他の代謝障害が大きくは進行していないにもかかわらず、マイコトキシンなどの毒素によって大きく認知機能が低下し中期と診断されたケースでは、その原因が取り除かれることで大きな改善を示しているパターンがひとつとあるように思われる。

将来の見通しも含めて

ひとつ考慮しておいたほうがよいことに、リコード法の実行により改善というよりは、現状維持される可能性もある。

その場合、一番むずかしい中期の時期が長く続いてしまう可能性があるということも踏まえておく必要があるだろう。

リコード法改善事例<中期>

・79歳男性 MoCA:11→15点 MSQ:47→34

健忘性アルツハイマー ApoE 3/3

・53歳女性 MoCA:10→16点

アルツハイマー病 ApoE3/3 実行機能、計算障害

・81歳女性 MoCA:10→12点 主観的に著しい改善

健忘性アルツハイマー ApoE3/4 海馬萎縮

・62歳女性 MoCA:9→17点 仕事に復帰

アルツハイマー病 複数の障害

・78歳男性 MoCA:9→13点 服を着替えられるようになる

健忘性アルツハイマー 実行機能障害

www.omicsonline.org/open-access/reversal-of-cognitive-decline-100-patients-2161-0460-1000450.pdf

アルツハイマー病末期

MoCA:0~4点  MMSE:0~11点

目指す目標の違いを理解する

大きな回復を目指そうとすれば、当然中期よりも難易度は上昇する。しかし、このステージで目指すべきはMoCAやMMSEの上昇というよりは、進行抑制して延命してもらう・または患者の症状や苦痛を和らげる、介護者の負担を緩和するといった対症療法的な改善が主となるかもしれない。

そういったことが理解され、できることを淡々とやってみるという選択であれば、割り切りゆえの容易さがあるとも言える。

とはいえ検査だけはやはり受けておきたい、あれこれはできないので治療の最適化という意味でも重要となってくる。

完全な回復はむずかしい

アルツハイマー病後期においては、完全な回復はむずかしいが、例えばMoCAという認知機能評価テストで0点であった患者さんが5~9点にまで上昇したという事例が、一般例ではないがいくつか報告されている。

完全な回復は示さないとはいえ、喋ることができなくなっていた末期の患者さんが、再び喋ることができるようになるなど、リコード法を行って良かったという患者さん家族も少なくない。

一方で、大きな改善を示し感激はしたものの、介護負担が長期間持続する可能性が生じてきたことで、複雑な心境に立たされている家族の方もおられる、、

www.radionz.co.nz/national/programmes/afternoons/audio/2018663546/beating-alzheimer-s-disease-anne-dredge-s-huge-improvements-with-dale-bredesen-treatment

リコード法を始める前に

・本人・家族、介護者の理解と納得

・リコード法の実行可能度合い

・改善または進行抑制した後の人生設計

この判断自体が難しいためこのように言うことも心苦しいのだが、中期・後期の方はこの3点を可能な限り明確にしてから取り組まれることが望ましいだろう。

リコード法改善事例<末期>

・74歳男性 MoCA:0→3点 4.5年改善を維持

ApoE 3/4 健忘性アルツハイマー

MRI 海馬容積ボリューム <1パーセンタイル

・57歳男性 MoCA:0→5点 MSQ:36→16

複数の重度障害をもつアルツハイマー病

・50歳男性 MoCA:0→9点  浴室を使えるようになる

ApoE 3/4 健忘性アルツハイマー 実行機能障害 計算障害

・63歳女性 MoCA:3→4点 主観的に著しい改善

ApoE 4/4 健忘性アルツハイマー 実行機能障害