リコード法 実践編 概要
「僕はずっと山に登りたいと思っている。……でも明日にしよう」
おそらくあなたは永遠に登らないでしょう。
「葉っぱのフレディ」の著者 レオ・ブスカーリア
はじめに
この記事では、過去の論文で発表されている「MENDプログラム」ならびに、ブレデセン博士著「The End of Alzheimer’s」にもとづいて、リコード法の治療プログラムを概括してみた。
本格的に実行される方は、オリジナルであるブレデセン博士の書籍、論文にあたってもらいたい。
書籍
「アルツハイマー病 真実と終焉」(日本語訳)
オリジナル論文や書籍では不明な点は、アップデートされたものを含め、管理人が補正し書き加えている。そのためオリジナルのリコード法とは、部分的に異なる可能性があるものとして参考にしてもらいたい。より新しい情報、良い情報があれば、常に加筆、訂正しているので、常に最新の記事を参照してほしい。
代謝障害の診断
重複するリコード法認知症サブタイプ
まず注意してもらいたいのは、リコード法のアルツハイマー病サブクラスである1型、2型、3型ときれいに区別できる患者さんは少数派だ。ある程度、どの型が優勢であるかということは言えるが、大多数のアルツハイマー病患者さんでは程度の差はあれ、それぞれのタイプが重複している。
例えば、ある患者さんでは炎症の1型がメインで70%を占めるが、萎縮性の2型は20%、毒素3型も10%含まれる、といった具合だ。つまりタイプ診断というのはその傾向を把握するものであるということを、まず念頭においてほしい。
大きな傾向を掴んだ上で、詳細な検査を可能な限り行って個別の要因を洗い出すことが、治療へ向けての重要なステップとなる。
タイプ診断による治療には限度がある
問診や病歴などによる診断では確定できないが、その人の食生活、仕事歴、生活習慣、家族の認知症歴、日本の病院で受けれる一般的な検査数値での判断などで、リコード法のタイプをおおまかに予測することはできる。
予測や傾向に基づいたタイプ診断により認知症治療を行うことは、リコード法で推奨されていない。認知症の36の発症要因に取りこぼしがあるままでは、認知症の改善に一定の歯止めがかかるからだ。
タイプに基づいた簡易治療
とはいえ、どこで何をどう検査し診断すればいいかわからないといって、何も実行しないままでいるぐらいなら、傾向を把握してタイプにそって実行するというのも現時点では苦肉の策として許されるのではないかと管理人は考えている。
特に3型は明確に臨床症状が異なるため、鑑別がつけやすいようだ。ただし3型という大まかな診断であって、3型のさらなる診断(毒素・有害金属、睡眠障害等)には、より詳細な検査が必要不可欠。
公開されていた評価項目を翻訳したもの、具体的な診断基準となる数値はほとんどないので、パラメーターとしてこういうものがあるということだけ。専門家向け、1年ほど前のデータだがリコード法の進化も早いためすでに古くなっている可能性がある。
リコード法の質問・相談
リコード法の診断や実行する上で迷ったり困ったりしたら、サイトトップページに、いくつかコンタクト方法を記載しているので、活用してほしい。
診断ができない場合
する必要がまったくない改善策は少数
リコード法で推奨されている多くの改善策は検査をせずに実行したとしても、それほど深刻な副作用があるとは思えないものが多い。(単に無駄打ちで終わる可能性はある)
運動、睡眠、食事といった生活習慣に関するものはリコード法の検査結果とは関係なく行う必要がある。ここで紹介しているサプリメントなども許容上限量が高いもののみをピックアップし、そうではないものはエビデンスに基づいた保守的な摂取量を記載している。
改善には優先順位とバランス感が必要
診断の大きな意義は、そのほとんどが改善策の優先順位をつけることにあり、まったく実行しなくてもよいと言えるものは、どのタイプであってもそれほど多くはない。
認知症と診断される前であっても、すでに認知機能低下の症状が現れているのであれば、少なくとも36の要因の10項目に穴があり、進行後では36項目のほとんどにおよぶこともある。
認知症をすでに発症している場合、プログラムの実行率は平均的には7割から8割程度が求められる。
引き算の治療
繰り返しになるが、そうであれば検査の仕方がわからないからといって実行しないまま進行させてしまうよりは、とりあえずは可能な限りすべてを実行してしまうほうが合理的という考え方もありはしないだろうか。
これは一方でアレコレしなければならない手間が膨大に増えることを意味するため、実行が難しい人にとっては逆に効率の悪い方法になる。
検査をとるか、手間のかかる治療をとるか
検査をすればリコード法の実行項目を減らすことができる。
リコード法の実行項目を増やせば、検査項目を減らすことができる。
どちらを取るかは選択とも言えるが、どちらも面倒だと両方を実行しない人が多い。
ただ、現実問題としては完全な実行は膨大すぎて困難であり、日本国内ではすべての検査を行うことも難しい。現実的には、その2つを組み合わせながら進んでいくしかないだろう。
以下に、自力でできる検査を中心に組み合わせたサプリメントを中心とした改善プログラムを組んでみたので、参考にしてほしい。
3型(毒素)は特殊な治療アプローチが必要
ただし、「アルツハイマー タイプ診断」の記事でも書いているが、3型の毒性タイプに該当する場合、その毒素または毒素源(重金属・生物毒素・低酸素等)の除去が最優先に実行されなければならない。
特定の改善策は除去されないまま実行すると、かえって悪化する可能性もある。
タイプ診断でリコード法における3型のアルツハイマー病症状や検査結果に該当するかどうかだけは、特に慎重に判断してほしい。
3型の毒性が要因であれば、まずはそれを取り除く、改善することの比重を最優先していかなければならない。
毒素が関連する患者さんは60%を超える
ブレデセン博士によると、3型が主要原因となってアルツハイマー病を発症する患者さんの割合はアルツハイマー病全体では約10%、若年性アルツハイマーではより多く20~30%を超えるかもしれない。
しかし、3型が部分的に関連しているとなると、1型、1.5型、2型がメインであってもその60%以上が3型と関連している可能性がある。
3型毒素検査と治療の特殊性
3型は、サブタイプの中でも、特殊なアルツハイマー病で、治療への取り組みは可能であるが、診断や治療方法もいくぶn特殊で複雑だったりする。
もう少しわかりやすく言うと、3型のアルツハイマー病は症例によって、初期の段階に集中的に取り組めば大きく回復する見込みが高い。(特に水銀、ヒ素)
一方で治していくための診断や治療は他のタイプよりも複雑で、すべきことも多い。
進行が進むと、認知症において生じる脳の組織障害に加えて毒素や重金属などの疾患原因が重なるため、回復の可能性がより難しくなってしまう。
CIRSの専門医
そのため本来ならば、やはりAHNPによるリコード法に参加する、またはCIRSの医師にかかってもらいたい。(おそらくリコード法の医師よりもCIRSの専門医がまだ良いだろう)
3型毒素、またはCIRSを専門とするクリニックは、国内にはまだ存在しない。
選択肢としては2つあり、スクリーニングで可能な検査を受け、毒素のタイプを特定する。
その後、該当するデトックスの専門の病院にかかるか、自力でデトックスを行うかに二択となる。
そういったことがやはり難しいという場合は、メール、掲示板などで声をかけてもらえれば、医者ではないので診断や医療的なアドバイスはできないけれども、できる限りのお手伝いはするつもりでいます。
プログラムから期待できること
以下の記事に、進行改善可能性についてのをまとめている。
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