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Peing 質問&回答 2019年8月

8/31 葉酸レベルの一般基準値とリコード法基準値の違い

こんにちは!いつも参考にさせて頂きまして有難うございます! 葉酸についてお聞きしたいと思います。

目標値は「血清葉酸レベル10-25の範囲」との事ですが、一般的な血液検査での基準値は「3.6から12.9ng/ml」と書いてあります。

「10-25」というのはアルツハイマーの治療に関してと言うことで宜しいのでしょうか?

私は「8.9」でしたので、サプリメント(今は1,000mgで継続中)を増やした方が良いか、考えています。

お時間のあります時に教えて頂けると有り難く思います。どうぞ宜しくお願い致します。

回答

こんにちは!参考いただきありがとうございます!

血清葉酸の正常と考えられる基準値は検査会社や、クリニックによってかなりのばらつきがあります。

以下のサイトでは上限値の12.9というのは過去の基準となっており、検査方法の違いからか 3.89~26.8ng/mL に変更されています。

www.okayama-u.ac.jp/user/kensa/kensa/sisitu/fola.htm

葉酸に関しては少なくとも短期的には高レベルでの悪影響は知られていません。主に下限値を気にしたほうがいいのですが、正常な血清葉酸レベルの下限値も研究によって異なり、2~7あたりでばらついています。

一般的な葉酸の下限値の3あたりの数値は、欠乏症状を示すラインでありそれ以上であっても葉酸低値の影響がないという意味ではありません。葉酸はそれ自体においても神経新生の維持に重要な役割果たします。

認知症とは異なりますが、女性の妊娠時の葉酸レベルは子供の神経管欠損症を予防するために13あたりが推奨されています。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5597708/

脳に脆弱性がある認知症患者さんで、一般下限値ぎりぎりの葉酸レベルが、認知機能へ生化学的なレベルでなんらかのネガティブな影響があったとしても不思議ではありません。

また、葉酸レベルはビタミンB12と代謝経路で強く連動しており、リコード法ではB12も高レベルを目指すため、葉酸レベルも伴って一定レベルの高値の必要性が高まります。

ただ、葉酸投与はB12との併用でホモシステインを低下させることも同じかそれ以上重要な役割をもつため、ホモシステイン値を検査し、最適化(7以下)していくことを目指してまずは葉酸の投与量を調節したほうが良いかと思います。

イメージとしては、ホモシステインが仮にすでに正常値であれば少量の増量投与で葉酸レベルをリコード法の最適値内にすることを目指し、(8.9はそこまで悪い数値ではありませんが)ホモシステインが6~7以上であれば、葉酸レベル25を大きく超えない範囲で葉酸をより多く増量していく(B12も忘れずに)といった感じでしょうか。

8/30 ニコチンアミドリボシドのがんリスク

アルハカさん、ニコチンアミドリボシドについて詳しく教えていただき、本当にありがとうございます。 以降、追加で調べてみたことです。

ニコチンアミドリボシドを日本で購入するなら、アマゾンのTruNiagenは信頼がおけそうです。 ニコチンアミドリボシドの主要なサプライヤーであるChromaDexのwebサイト

www.chromadex.com/tru-niagen/のBUYNOWボタンのリンク先が

www.truniagen.com/product_page.htmlですが、

その最下部SUPPORT、Internationalで

www.truniagen.com/international.html、

日本での購入先がamazon.co.jpとなっています。

アマゾンで、TruNiagenの購入が一社からしかできないので、一応信頼はおけるかと思います。

しかし、NAD+とがんとの関係についての記載を見つけ、アルハカさんの「代替サプリメントと組み合わせることができるのであれば、100mg程度のニコチンアミドリボシドはさほど必要性は高くない」とのご意見もあり、コチンアミドリボシドの使用はどうしようか思案中です。

www.scientificamerican.com/article/cancer-research-points-to-key-unknowns-about-popular-antiaging-supplements/

回答

ニコチンアミドリボシドの入手情報ありがとうございます!

NAD+は、欠乏も過剰もがんリスクにつながる可能性が潜在的にはあります。

腫瘍の初期段階ではNAD+は保護の役割を果たし、腫瘍が成長すると促進の役割を果たす可能性があるという研究があります。

www.scitechnol.com/peer-review/nad-in-cancer-prevention-and-treatment-pros-and-cons-zR4d.php?article_id=5285

一般的には、例えば高齢者であったり認知症患者ではNAD+の欠乏が見られるため、おそらく適度なNAD+促進剤は癌に対してはおそらく保護に傾くであろうという研究者の見解が多いです。

ヒトへの投与研究では500mg、1000mgといった用量のニコチンアミドリボシド(NR)が用いられることが多く、いくつかの研究では用量依存効果があり、NRの300~1000mgあたりでNAD+の増強効果は高止まりするようです。

journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0186459

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5876407/

www.biorxiv.org/content/10.1101/680462v1.full

ただ、ヒトでの長期の臨床研究や観察研究などはないので、確実なことはわかりません。癌を発症したことがあり再発リスクが高い方ではリスクの側に傾く可能性も否定はできないと思います。

認知症患者さんにとってのニコチンアミドリボシドの主なメリットは、ミトコンドリア機能の改善と概日リズムの調整効果(+糖代謝の改善)だと考えています。

逆に言えば、その二つにどれだけ問題が生じているかが、ニコチンアミドリボシドの必要性を決めるといえるかもしれません。認知症患者さんでは大なり小なりその問題を抱えているのですが、リコード法のタイプで言うと、3型でより深刻だと考えることができる理由がいくつか存在します。

NR 100mgの用量はリコード法でも採用されている用量ですが、その他のNAD+を促進させるリコード法プロトコルとの併用を前提に、おそらく証拠の蓄積がまだないことも加味した上で設定された用量だと推測しています。

主観的な意見ですが、100mgという用量は劇的な効果まではない代わりに、癌のリスクもほとんど生じないのではないかと思います。

価格的にも高価なサプリメントの部類に入るためコスパも考えるとこのあたりが現実的な用量かなと思いますが、効果を最大化させたい場合は300mg以上の摂取が必要かと思います。

ただ、個人差がけっこうあるようなのでヒトによってはあまり効果を感じれないかもしれません。おそらく300~500mgを超える用量での体感レベルでの変化があった報告が多いため、その容量であれば判断できる可能性が高まると思います。

1000mgまでの摂取量は短期的には十分に許容されると研究で報告されていますので、裏技的な方法ですが、短期的に増やしながら最適量を探るというのも一つの方法かもしれません。

100mgからスタートして最終的に1000mg投与まで、それによって睡眠の質が上がったとか、快活さが増したといった反応の高止まりが見られればその量を継続するか、もしくは低用量でも効果はあると判断し低用量摂取を継続していくという方法です。

理論的な見解ですが、100mg程度の投与は朝、午前中の摂取のみで、高用量摂取では例えば朝は2錠夜は1錠といった感じで、一日2回摂取で摂取量に差をもうけると良いかもしれません。あと高用量ではTMGを併用したほうが良いという意見もあります。

8/30 受験のための認知機能強化サプリメント

初めて質問させてください。今年受験なので集中力や脳の働き、記憶力を高めたいと思いTrueFocusやPQQ、ヤマブシタケサプリをとっています PQQ、調べると脳関係に効果があるということがわかっているらしいのですが、色々なところでレビュー見てもイマイチ反応が良くない気がします。

実際効果はどれくらいあるのでしょうか また、手当たり次第サプリを取っているのですがこういうことはあまりよくないのでしょうか。

回答

PQQに限らずですが、もし、あるサプリメントを一つ摂るだけで本当に目覚ましい効果があるとすると、それは不正行為と見なされる可能性があり、極端な話、禁止されてしまう可能性もあります。

短期的にはともかく、脳機能は高度なレベルで恒常性を保っているため、そうそう認知機能をベースラインから高めることができるようにはなっていません。

一時的に認知機能を高める方法は数多くありますが、その多くは時間経過で適応してしまいます。

認知機能を増強するスマートドラッグを摂取して効果を出すことのできた受験生は、その後より強い薬に手を出して中毒になる傾向があるという一部のデータもあるため、あまり安易に認知刺激的なサプリメントをおすすめすることもできません。

ただ、認知症の治療上認知機能を高める方法論と、健常者が認知機能を高める方法論は重複するところが結構あったりします。

基本的な受験生の戦略は、認知機能の増強よりも認知機能が低下するマイナス要因を潰していくことが先だと思います。

一般健常者でもマイナス要因がまったくないというのはむしろ珍しいケースなので。

睡眠をしっかりとる、朝太陽を浴びる、運動、瞑想も取り入れる、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の欠乏を防ぐといったことです。あと、こういう生活習慣的な改善効果をバカにしないことでしょうか。

例えば、ヤマブシタケの認知機能に寄与する効果は総合的には有酸素運動の数分の1もあればいいところだろうと思います。

まず、手当たりしだいに今述べたような生活環境を整えるというのはありです。サプリメントはその土台の上で載せていくものだと思います。

サプリメントは、手当たり次第というよりは基本栄養素などの土台に相当するもの、神経栄養因子やホルモン、神経伝達物質に作用する認知刺激剤的なものなどあれこれあるので、それらを区別して摂取したほうが良いように思います。

BDNFが認知機能に重要な役割を果たすことを否定する脳機能の研究者はいないと思いますが、血中BDNFが例えば1.5倍増加したからといってああ今BDNFが増えていると気づくことはまずありません。

その意味でも効果のレビューはあまり当てにしないほうが良いのではないかと思います。

健常者の認知機能増強も本当に追求すると、多分リコード法に近いようなものになっていくとは思います。

8/24 ニコチンアミドリボシドの購入・代替品

いつも読ませていただいています。ありがとうございます。
iHerbで、ニコチンアミドリボシドの取り扱いがどんどん少なくなって、現在はThorne Research レスベラセルだけのようです。

Thorne Research, ナイアセル-250がずっと在庫切れの状態が続いていることから、レスベラセルもそうなってしまうかもしれません。できればiHerbで購入できるといいのですが、難しい場合、代替品はどうお考えですか?

例えばアマゾンで、NIAGENやNMNなどどうでしょうか?

回答

他のサイトもいくつか除いてみましたが、たしかに売り切れ、販売終了が多いですね。

アマゾンで売られている異なるメーカーのNIAGENは、品質がはっきりしないので推奨まではできないのですが、ニコチンアミドリボシドは比較的体感でわかりやすいサプリメントの部類になりますので、摂取してみて効果を感じられるのであればそちらを購入されてもいいのではないかと思います。

ニコチンアミドリボシドは、NAD+ブースターとしておそらく最も効果的なサプリメントです。

NMN

NMNは、ニコチンアミドリボシドに比べると証拠が少なく、ヒトでの臨床試験はなされておらず、どのように代謝されるのかも明確にはわかっていません。

最近の研究では、NMNが細胞内へ侵入するには特異的な輸送体を必要とするようですが、その前段階として経口での摂取だと、腸管でニコチンアミドリボシドに代謝されてしまう可能性もあるようです。

www.leafscience.org/nad-transporter-identified/

NMNが静脈内注射か舌下だとニコチンアミドリボシドと同等程度かひょっとするとより高い効果があるかもしれませんが、経口では効果がほとんど無い可能性がそれなりにあります。

ニコチンアミドリボシドもそれほど強い証拠があるわけではありませんが、証拠の相対的な強さからは、ニコチンアミドリボシドが無難です。

NAD+の増加方法

その他、ニコチンアミドリボシドには劣りますが、リンゴ酸、低用量ナイアシンアミド、レスベラトロールサプリメントなどがNAD+を増加させる作用があります。

NAD+は、運動、断食、サウナでも上昇します。それらを上記の代替サプリメントと組み合わせることができるのであれば、100mg程度のニコチンアミドリボシドはさほど必要性は高くありません。

8/22 歯の詰め物 銀歯とレジンどちらがおすすめ?

アルハカさん、こんにちは!夏バテしてませんか? 早速ですが、虫歯になってしまいました。歯の治療で詰め物をするなら銀歯とプラスチックレジンどちらがおすすめですか?

回答

うーん、完全に専門外な質問ですが ^^;

ざざっと調べたことを書いてみます。

まず、歯の詰め物に何を求めるか、いくつかの要素があり、個人の選択もあると思います。

・強度
・審美性
・費用
・生体適合性(アレルギーなど)
・メンテのしやすさ

など

生体適合性について、

詰め物によって口腔内の健康に影響が異なるようで、口内炎、口腔内の色素沈着、過敏症、苔線様反応、細胞毒性などがあります。

コバルト、クロム、ニッケル、パラジウムを含む銀歯は、アレルギーの可能性がある場合はパッチテストが推奨されるかもしれません。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26573458/

それらの金属から浸出するイオンがDNA損傷に影響を与える可能性があります。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21120674/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5946530/

レジンは、唾液や口腔環境、強い咀嚼、熱による変化、食事のph、口腔内の微生物環境によって劣化することで、化学物質が放出される可能性があるようです。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3532765/

レジンと上記の金属のどちらの毒性を気にかけるべきなのかは、正直よくわかりません。口腔衛生も大きく影響するように思いました。

銀歯はパラジウムが使われることが多いので、パラジウムフリーで保険診療がもし可能であれば、ひとまずそれをおすすめしたいと思います。

8/20 この夏の三大思い出は!!!

回答

あー、受験生に聞いて出てくる答えと同じです^^;

LLLTを配りまくったっていうのは夏の思い出とは言わんし。

8/18 ヨウ素の摂取量について

>いつもお世話になっています。 ヨウ素の事なのですが、取りすぎも不足も問題になって最適な範囲も狭いのですがアルハカさんはどのように調整されていますか?

回答

あまり気にしていないですね。海藻類や昆布だしを使った料理が時々入る食事ならまず欠乏することはないです。

ヨウ素の生体内での代謝はまだ分かっていないことが多くて、過剰なヨウ素摂取はかえって甲状腺機能を抑制してしまう(ウォルフ-チャイコフ効果)と考えられています。

しかし、日本人ではそれらが生じているように見えないことから、ひょっとすると日本人にだけ特異的な代謝機構があるのではという可能性も考えられています。

実際の日本人の食生活では、ヨウ素の摂取量は変動があり加熱によっても大きく減少することから、多く摂取しいてることは確かなんですが、正確にはどれくらいの量のヨウ素を摂取しているかも分かっていません。

ただ、大学生が海藻類や昆布だしを摂らない食生活でヨウ素欠乏が生じている事例もあるため、明らかに不足している思えばサプリメントで補給することも考えても良いと思います。

生昆布などからの補給はヨウ素過剰症になりやすいので注意が必要です。

8/15 アルハカとのベストなコンタクト方法は?

お盆やすみにもかかわらず、丁寧なご回答ありがとうございました。 アルハカさんに、いろいろ具体的に現状や経緯をご説明したいですが、この場で細々と記載していいものかどうなのか、悩ましいところです。

母一人子一人ですから、出来る限り母親には改善しうる可能性があるのなら、試してみたいとは考えています。 アルハカさんの知識をお借りして、頑張っていきたいと思います。

アルハカさんに詳細を説明したい場合、どういう方法がベストでしょうか?

回答

多くの方法がありますがメールでしたら

info@alzhacker.com

その他、ツイッターやフェイスブックでのメッセージ送信などがあります。

ベストといいますか、コミュニケーションを継続していく場合は、できるだけスカイプのチャットでのやり取りをみなさんにお願いしています。

半分はぼくの側の事情ですが、コミュニケーションツールを一元化して、レスポンスを効率よく行う目的としてスカイプを利用しています。(スカイプはチャット機能としてしか使っていません)

患者さん側でのメリットとぼくが考えているのは、スカイプですと、やり取りの中で個人情報やプライバシーに関わるメッセージを送信側が、後で削除したりすることができることです。

また、リコード法関連の少人数のスカイプグループがいくつかありますので、興味があれば別途参加して、他の方と相談したり交流を深めたりすることもできます。

ただしアカウントIDをとる必要がありますので、そういったことが難しいようであれば他の連絡手段を使ってもらって構いません。

スカイプアカウントが取得できたならば、スカイプID 「alzhacker」で検索してもらって、一言声をかけてもらえればすぐに承認します。

8/12 過去の記憶の著しい喪失があります。

早々のご回答ありがとうございます。 病院では検査いたしました。結果、アルツハイマー型認知症と判断されました。 ただ、50年あまりの記憶がすっぽり抜けてしまったので、本当にそうなのか疑念がわき、相談させていただきました。

他の方の内容も拝見させていただき、葉酸と毛髪ミネラルは検査しました。結果、どちらも認知症に影響するものではありませんでした。

病院からは、めまりーの処方がありますが、ヒューペルジンAに切り替えてみました。現在300mcgでビタミン、クルクミンなど飲んでいます。

血液検査は、血糖値以外はわるくないので、シナモンなども取り入れ、血糖値低下をはかっています。 ただ、最近とみに認知低下がみられるため、不安になっております。

母親には長生きしてもらいたいし、頭も身体も健康でいてほしいのです。兄弟もいないため、相談相手がいないので焦るばかりです。 これからどうすべきか教えて下さい。宜しくお願いします。

回答

記憶障害がある疾患の筆頭に上がるのが、アルツハイマー病だと思います。

ただし、アルツハイマー病の初期段階では5分前に行った行動などの記憶である短期記憶に影響を与えます。

短期記憶の障害ではなく、家族の記憶などの遠隔記憶(自伝的記憶)が失われるのは、通常、病気の進行が中期以降に進んだことの兆候として捉えられます。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15288331

詳細がわかりませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、病院で脳画像の診断なども含めてアルツハイマー病と診断されたのであれば、病気の進行に伴う記憶喪失なのではないかと一般的には想定されると思います。

それゆえ、逆になぜ認知症では可能性を疑われたのかが気になります。

一般的には、アルツハイマー病では、そういった過去の記憶を失う逆行性健忘症は進行後、徐々に起きるので、初期の段階であまりにも唐突に遠隔記憶が失われた場合、その他の要因が介在した可能性も考えられはしますが、それらを疑う理由がない場合進行が急激的に進んだ結果と見なされるだろうと思います。

ただ、質問箱の限界でもありますが、どういう疾患であるかという問いは情報が不足しているだけではなく間違えたときの取り返しがつきにくい問題でもあるため、あまり予断的に答えることができません。

ちなみに、アルツハイマー病以外で長期記憶を損ねる可能性のある疾患、要因には

  • うつ病
  • ストレス
  • ベンゾジアゼピン(抗不安薬)などの処方薬の副作用
  • ビタミンB12欠乏症
  • 水頭症(脳の周りに過剰な体液がたまる)
  • 薬物、アルコールの誤用
  • 脳震盪などの重篤な脳損傷
  • 重度の脳感染症
  • 脳腫瘍
  • 脳梗塞
  • 酸素欠乏
  • てんかん、特に重度のてんかん発作

などがあります。

このうちのいくつかは、記憶回復の可能性があります。

アルツハイマー病であることを前提にお答えすると、

遠隔記憶が損なわれるメカニズムはまだ解明されておらず、いくつかの仮説があり、異なるメカニズムのいずれかまたは複数にまたがって障害があることによって遠隔記憶が失われている可能性があります。

大きく、記憶を貯蔵している脳部位へのアクセス経路に問題がある場合と、記憶を探索する能力に問題がある、二つのケースが考えられています。

記憶そのものが失われるケースはより進行の最後においてではないかと思います。

リコード法で遠隔記憶の回復が示されているケースが報告されていますので、記憶そのものが失われたと言うよりも、記憶へのアクセス経路または、探索能力に問題がありそれらの機能を担う部位が回復することにより記憶そのものが蘇る可能性はあると思います。

自伝的記憶(想起)の低下に関して言うと、デフォルト・モード・ネットワーク(内側、外側の前頭前野、後内側頭頂葉、角回の複数の脳領域)と内側側頭葉、海馬のコネクションのいずれか、または複数が障害を受けて機能的に低下することに起因します。

これらは、通常の加齢ではある程度損なわれていることが知られています。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21190759/

海馬体積がエピソード記憶、自伝的記憶と関連することが研究でわかっており、

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23071546/

アルツハイマー病の初期の段階であっても、海馬が特異的に著しく障害を受けた場合、症状としての自伝的記憶の喪失は起こりえます。

仮に、記憶喪失が海馬だけの障害に特異的なのであれば、かつ可逆的な回復が可能な閾値を超えていなければ、リコード法で海馬機能を回復させることで自伝的記憶が回復していく可能性もあります。

自伝的記憶の回復方法としては、回想療法、聴覚刺激などがいくつかの研究で改善効果を示していますが、いずれも対症療法であるため、順番としてリコード法を行い記憶障害が生じている理由を特定し、包括的に治療を真っ先に行なっていく必要があります。

さて、リコード法の話に移りますが、まずアルツハイマー病であることを前提にお話をすると、

現在の進行状況がまずもっとも知りたいところで、

初期と中期では目標設定の方向性が大きく異なってくると考えています。

alzhacker.com/recode-difficulty/

alzhacker.com/recode-stage-difficulty/

より細かな検査もですが、介護者さんがどれだけ取り組めるかといったことも目標設定の問題と関連してきます。

alzhacker.com/characteristics-of-success/

・あらゆる時間的経済的努力を行なってでも改善を目指す

・最小限の努力で、維持と寿命の先延ばし、QOLの改善に努める方向に向かう。

現状、国内の貧しいリコード法環境では、大きくこの二つの方向性があります。

判断が難しいと思いますのでこのように言うのも心苦しいのですが、記事を読んでいただいて、まず最初に二つの間の方向性の間のどのあたりに、自分が目指したいものがあるかを考えていく必要があるように思います。

ご自身とご家族の協力問題や、協力的な医師が見つかるかどうか、予算など複数の問題が複雑に絡んできますが、最終的な判断は人生の選択問題なので、ぼくのほうがからこうすべきと言うことはありません。

判断のヒントとしては何かお伝えしたいところなのですが、それをするには、より多くのお話を深くお聞きしないと難しいところがあります。

リコード法検査は単に問題を特定するだけではなく、治療方針や目標設定を考えていくさいの材料にもなります。

検査はブレデセン博士も述べられているようにリコード法の出発点でもあるため、検査機関を探すことから始めていくというのが正しいプロセスだと思います。

alzhacker.com/recode-inspection/

70代後半の母親は、父親が亡くなって約2年は自立できていましたが、ある時から父親と結婚したあたりからの記憶がなくなりました。写真をみてもわかりません。

もちろん私を産んだ記憶もないため、私をみても自分の子供の概念がないようです。育てた記憶はあるみたいですが。。 ただ、相手が誰かはわからないが、一緒に旅行や買い物などに行った記憶は断片的にあります。

短期的な記憶もできていませんが、過去の記憶がないのは、家族として辛いです。 これは認知症なのでしょうか?

回答

まず、最初に、認知症ではなかろうか?というご質問ですので、まだ診断を受けられていないのであろうと思われますが、早急に病院で調べてもらうことをおすすめします。

認知症という言葉は、脳の病気の広いカテゴリーのひとつですので、お聞きした感じでは認知症である可能性は高いように思われますが、そのことがわかるだけでは、ほとんど役にたちません。

認知症というカテゴリーの中でも最も一般的なタイプはアルツハイマー病です、その他血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、まれなものとしてはパーキンソン病、正常圧水頭症など、様々にあります。

一般的に記憶障害が目立つ認知症は、アルツハイマー病が疑われます。

しかし、仮にアルツハイマー病だったとしても、アルツハイマー病もまた複数の代謝障害がその根底にあり、どの代謝障害がアルツハイマー病の発症要因になっているかわかりません。

一般的な病院でわかるのはアルツハイマー病なのか、その他の認知症なのかどうかといったことまでです。

一般の病院でアルツハイマー病と診断されれば、そこからぼくがサイトで紹介しているリコード法でさらなる検査でより細かく原因を探っていき、改善方法を模索することはできます。

質問から離れしまうことを語るようですみませんが、もし介護者さん側で「治すぞ」という覚悟と意志をもてそうでしたら、またぜひ声をかけてください。

8/9 記憶障害と糖尿病改善に向けてのリコード法

毛髪ミネラル検査、葉酸検査の結果を、様々な方向性からのご説明ありがとうございました。 まず、糖尿病の改善をリコード法に則って行っていこうと思います。

数値の低下により、少しでも記憶障害が改善していけば、自身もやる気がでてくるはず。しばらくリコード法頑張ります。 アルハカさん、本当にありがとうございます。頼れる人が見つかった安心感でいっぱいです。

回答

こちらこそ、ありがとうございます!

ひとつだけ加えさせてください!

純粋に症状が起きていない段階で認知症予防目的で行うのであれば、リコード法という選択はとても良い選択だと思います。

また、アルツハイマー病の診断を受けていなくても、一般的にありうる程度の物忘れの場合も、リコード法を試みることは良いと思います。

ただ、記憶障害がそれなりに深刻で、周りかも明らかに異常だという認識がある場合は、またはそれらが長期に渡っている場合、その他の重大な疾患を見過ごす可能性もありえるため、まず信頼のおける病院で診断を受けて、重大なリスクがないか除外診断はしておいたほうが良いように思います。

または治療が可能な神経変性やその他の病気、急性期の病気などを、リコード法でひどく遠回りしてしまい悪化させてしまう可能性も心配しています。

そこでもし診断名がつき検査結果がわかれば、仮に標準的な治療では限られた手段しかなくとも、その診断名や検査結果から多くの可能性を絞っていくこともできます。

こういった手続き論、順序は、リコード法に取り組む上で結構重要だと考えていますので、まず一般的な医療の元で診断を受ける見られることをおすすめします。

8/6 フペルジンAの投与判断

フペルジンAのご回答を過去に頂いておりますが、その投与決断ができません。。。重複する質問ですみません。。。

全身代謝機能の改善にはよくなく、多因子的なメリットはあるため、投与判断は非常に難しいとのことですが、記憶障害が多くても、なんとかそれで頑張れるならば、投与しない方がいいですか?

投与を先送りすることで、治療として、後から取り返せないことは大きいですか?投与してその効果が感じられないならば、止めてしまうはありですか?どのくらいの期間で判断すべきですか?

回答

判断がむずかしいと言った意味には二種類の解釈の余地がありますが、

ひとつは、その判断を間違えた結果、(判断できる材料がないとは限らない)重大な結果が生じるという意味でのむずかしさ。

もうひとつは、証拠がない、不確定な要素が多いため(リスクが大きいとは限らない)合理的な判断が下しにくいというむずかしさ。

フペルジンAの投与判断が非常にむずかしいと言ったのは、基本的には後者の意味においてです。

前者の意味におけるむずかしさ、その判断が重大な事態を招くかというと、リコード法+フペルジンAの併用はそこまで大きなリスクではありません。

フペルジンAの併用がリコード法のプロトコルに干渉する可能性は、間接的な証拠に基づく潜在的な可能性であり、著しくリコード法の効果を損ねるというものではないように思います。(であるからこそ、ブレデセン博士も条件付きの摂取を推奨しているように思います)

一方、記憶障害が生じているときにフペルジンAを投与しないままでいるというのは、その他の抗認知症薬(AchE阻害薬)を休止して生じる認知機能障害のこれまでの研究結果や他の患者さんからの情報を参照するなら、もう少し確実性が高い、そして中程度のリスクのように思われます。

すでに述べたように、記憶障害が生じている状況では、やはり投与しないケースでは絶対ではありませんが取り返しがつきにくい、不可逆的なリスクが大きいように思えます。

記憶障害の回復は、他の実践者の報告からも、自分の経験としても非常に難しく感じています。

順番としては、リコード法のプロトコル通り、記憶障害の治療を、まずリコード法に基づき多因子的な方向で目指す。

そして、それが2~3ヶ月行なっても改善されないようであれば、投与する方向で検討されたほうが良いのではないかと思います。

ただ、リコード法を十全に行なっている人はまれで、実行力や検査の抜けなどによって記憶障害の改善にむすびついていないケースがほとんどのように思われます。

もし、まだ実行努力する余地が本当はあるにも関わらず、なんらかの諸事情(病院が遠い、出費を抑えたい、やる気がわかないなど)でより限られた形でのリコード法を実践している場合は、一ヶ月単位で判断していったほうが良いように思います。

つまり一ヶ月行なって、改善がはっきりしない場合はさらに検査で穴がないか調べる、リコード法で不足している実行項目がないかひとつひとつ洗い出す。

二ヶ月目に同様にさらに検査と実践のレベルアップをマックスまであげて、最後3ヶ月経過して記憶にやはり改善が見られない場合にはAChE阻害薬またはフペルジンAを投与してみるという方式です。

AChE阻害薬の効果には長期的な作用もあるため、短期的な効果だけで判断するのが適切かどうかもちょっと申し上げにくいのですが、仮に投与して効果が感じられないということを短期的に判断するのであれば、できれば体感ではなく、主に記憶能力を測る客観的な指標を用いたほうが良いように思います。

MMSEの評価は大雑把すぎるので、できればMoCA-J、または当サイトでも案内していますがメムトラックスなどの記憶テストを使われることをおすすめします。

AChE阻害薬が引き起こしうるリスクのひとつとして、個人的に心配しているのは夜間の睡眠の質の低下と概日リズムの崩れです。

そのため認知機能へ改善効果もですが、夜間の睡眠時間や質、または日中の活動性なども判断基準に含めたほうが良いかなと思います。

できれば、夜間記録可能なパルスオキシメーターを購入してもらって、初回からずっと経過の推移を把握すると相対的な変化を知ることができるので、おすすめです。

パルスオキシメーターの代替にはなりませんが、スマホやアップルウォッチなどで簡易的に睡眠の質を調べるデバイスやアプリもあっても良いと思います。

個人的な推察ですが(一部の研究者も同じ問題を提起しています)、摂取タイミングとAChE阻害薬の半減期特性を利用してアセチルコリンの概日リズム変動を整えるのであれば、AChE阻害薬のデメリットの半分くらいは相殺できるのではないかと思っています。

仮にフペルジンAを摂取するなら、摂取タイミングは朝か昼に一回摂取することで、アセチルコリンの自然な生理的リズムに近づけることはできると思います。

または、摂取量を非常に低用量に抑える、もしくは多少多くても、概日リズムしっかりとコントロールする。(食事、運動、睡眠環境、夜間の低活動)ことができている場合、リコード法治療への干渉も最小限に抑えられるのではないかと考えています。

8/5 高齢者へのエストロゲン投与の心配

高齢者で、E2、P4のホルモンレベルが、リコード法最適値内を下回っていますので、プロゲステロンクリームとエストラジオールクリームを始めてみたのですが、「年老いた体がしばらくぶりにエストロゲンと出会うことにより、なんらかの弊害が・・・とジーン・カーパーさんの本(2011年頃出版)」に書かれていたのですが、古い情報の一つとして、心配することではないと思っていいでしょうか??

回答

エストロゲン受容体は身体のあちこちに分布しており、非常に多彩な作用をもっているので、枯渇するにせよ、増加するにせよ大きな影響があるかもしれないという意味では正しいと思います。

ただ、それがネガティブな作用なのか、ポジティブな作用なのかについては、白黒ではなく細かく見ていく必要があると思います。

とはいえ、ホルモン療法はリコード法の中でももっとも議論を呼ぶパートで、説明も理解もなかなか難しかったりします。

「なんらかの弊害」というのがどういうものかがちょっとわからないので返事しづらいのですが、ひとまず、エストロゲンの減少は老化に伴う自然な生理的現象なので、そこへホルモンの投入という不自然な介入は、何か良からぬことを引き起こすのではないかという不安?だと解釈した上でお答えします。

ホルモンの動態が非常に複雑なため、非常に多くの研究が行われているにも関わらず矛盾する多くの研究結果が示されています。多くの基礎研究や、いくつかの臨床研究では、ホルモンの認知機能、中枢神経系への良い影響を始め加齢に伴う多くの疾患やQOLを高めるであろうことが示唆されています。

エストロゲンもホルモンの中でもより多彩な作用を有します。これはエストロゲンが脊椎動物の時代からある最も古いステロイドホルモンであり、進化に伴って役割が広がってきたととも関係しています。

多くの環境因子、化学合成品、または植物に含まれる栄養素がエストロゲン受容体に対する感受性をもち、ホルモン撹乱物質となりうることも、エストロゲンの広範囲におよぶ作用の特性を示しています。

エストロゲンは女性ホルモンとして知られていますが、男性にも存在し、また身体組織だけではなく脳にもエストロゲン受容体は広く分布しており、認知機能、体温、不安、摂食行動、性行動など多くの調節機能を持っていることが知られています。認知機能改善のためにエストロゲンを含めたホルモンの投与が推奨されるのは、このエストロゲンの認知機能へのポジティブな作用が複数にわたり、また多大な効果をもつためです。

alzhacker.com/estrogen-neuroprotection/

女性ホルモンという名前が紛らわしく、脳性ホルモンと名付けたいくらいです。(笑)

実際に、閉経後のエストロゲンの低下は、晩年期の高い女性のアルツハイマー病リスクと関連しており、低いエストロゲンは女性のパーキンソン病リスクにも関連しています。

また、多くの動物モデル、ヒトでの研究などでも認知機能にポジティブな効果、または認知症リスクを低下させる可能性があることが示されています。

おそらく、認知機能障害に対するホルモン療法に関して、もっとも議論の対象になるのがWHIMSの大規模臨床研究だと思います。

エストロゲンの脳への有益なメカニズムから、エストロゲンを投与することによってアルツハイマー病などの認知機能障害リスクを低下させるだろうという仮定の元行われた大規模の臨床研究です。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15213207/

しかし、結果は閉経直後のエストロゲンが急低下する時期を除き、エストロゲン療法の有益な利益は認められない、または有害な作用をもたらすこともあるというものです。

この研究をきっかけに、現在エストロゲンの神経保護などへの応用が尻すぼみになっていったように思われます。。

この問題に立ち入るには多くのテクニカルな議論が必要となるため、ここでは立ち入りませんが、

多くのパラ-メータが存在し、WHIではそのパラ-メーターが制御されていないゆえに無効または欠陥であるという見解が、機能性医学やブレデセン博士らグループから提出されています。

alzhacker.com/estrogen-risk/

いずれにしても、エストロゲンが分子的なレベルで神経保護作用を持つこと自体は間違いないので、おそらくパラメーター設定に欠陥があるのだろうとぼく自身は考えています。

問題は、どのパラメーターをどのように調節すればいいかですが、、まだ確実な証拠は少なく、調整する変数も多いことから、ホルモンのぞれぞれの生理学的な作用メカニズムを理解して、ホルモン療法に肯定的な臨床医が経験則で試行錯誤をしているというのが実情です。

リコード法で抑えておくべきパラメーターとされているものは、

  • 天然ホルモンを使う(特にプロゲステロン)
  • エストラジオール、プロゲステロンレベルそれぞれ、最適値の範囲におさめる。
  • エストラジオールとプロゲステロンの比率

の3つです。

個人的にさらに加えている条件は、

  • エストラジオールはパッチまたは塗布で
  • 摂取タイミング エストラジオールを午前中 プロゲステロンは午後か夜
  • プロゲステロンの一週間おきの隔日使用。(一部のリコード法医も採用)

といったところです。

このあたりのメリットと潜在的なデメリットを理解していただいて判断していただくといったところでしょうか。

エストロゲンの神経保護効果は過小評価されているか、そもそも知られていないように思います。

8/2 記憶障害の原因は?

毛髪ミネラル検査に関するコメントありがとうございました。簡易なものとはいえ、特別数値の高いものがなく安心しました。

本日葉酸検査の結果がきました。結果はC/Cの標準とのことでした。 私の記憶障害は何が起因しているのかまだまだ追及しないといけないと、改めて思いました。

私は持病に糖尿病があります。HbA1c7.5でここ1年で9.3まであがり、薬で下げています。これも記憶障害に大きく影響してると感じています。

たまに他人からみたら、突拍子もないことをしたりしているようです。もしかしたら、これが原因でしょうか?

回答

これまで頂いた限られた情報からは、いわゆるリコード法のタイプの典型例には合致しません。ただ、高齢者ですと、軽度の記憶障害自体はかなり一般的です。

65歳以上ですと、40%の方が加齢性の記憶障害を経験します。認知症に移行するのは年間で約1%です。

記憶障害はアルツハイマー病だけに生じる症状ではなく、レビー(宣言記憶)、血管性認知症、脳の血管病変、前頭側頭型認知症(エピソード記憶障害の可能性)、海馬硬化症、てんかん患者(海馬萎縮の可能性)、外傷性の損傷などその他の神経変性疾患でも起こりえます。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3898684/

また神経変性疾患とは別に糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)、妊娠、閉経などによるホルモンの変化でも記憶障害が生じることがあるようです。

薬剤では、ベンゾジアゼピン、向精神薬、オピオイド、抗てんかん薬、糖質コルチコイド、抗コリン薬の摂取が、記憶障害を引き起こす可能性があります。

記憶障害と関連しうる疾患
  • 血管性認知症
  • うつ病と不安
  • 薬の副作用
  • 睡眠障害
  • ホルモン
  • 代謝障害
  • 糖尿病
  • アルコールの乱用
  • ライム病
  • 海馬硬化
  • 硬膜下血腫、硬膜外血腫
  • ビタミンB12欠乏症
  • 発作
  • HIV関連の神経認知障害
  • 橋本脳症

books.google.co.jp/books?hl=ja&lr=lang_ja%7Clang_en&id=M52cCQAAQBAJ&oi=fnd&pg=PP1&ots=wNJRSvL16u&sig=0XVBhr8-401Ea-knTOuwVqgswlA&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false

本来は、もっと細かく話をお聞きしたり検査を多くしないと具体的なことは何も言えないのですが、記憶障害が深刻で、生活上の問題が生じているレベルであれば、一度病院で認知機能のテストを受ける、MRIでの脳の皮質、海馬の容積測定、CSF(脊髄液)バイオマーカーのAβ、T-タウ、p-タウを測定してみるといったことも検討されてみるといいのではないかと思います。

いただいた情報だけで想像すると、HbA1c9.3は高いため糖尿病が記憶障害と関連している可能性を疑うことはできると思います。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5027005/

2型糖尿病では海馬萎縮が観察され、健康な人と比べ脳全体の萎縮が示されています。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17334649/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24958596/

2型糖尿病によって低下する可能性のある認知機能
  • 情報処理速度
  • 記憶力、注意量、実行機能
  • 作業記憶
  • 偶発的記憶
  • 視覚記憶
  • 言語記憶
  • 視空間認知

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5528145/

東洋医学にも通じる話ですが、西洋医学では一般的に疾患が何であるかを特定してからでないと治療を始めることができないのに対して、リコード法は多くの神経変性疾患が、その疾患名の診断がつかなくても、検査値ベースで治療に取り組むことはできます。

ただし、脳炎や特発性正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など治療可能な認知症もあり、その他の疾患の見過ごしリスクも伴います。

糖代謝障害向けの1.5型プロトコル、つまり1型と2型の要素が入ったプロトコルが最善になると思います。

糖尿病は慢性炎症も引き起こしうるため、炎症関連の検査を行い結果から、1型プロトコルをどの程度含めるかといった判断もするとと良いのではないかと思います。

それらを行なって糖代謝が改善するが症状が回復しない場合は、他の疾患を疑ったほうが良いと思います。

個人的には最低ラインとして、睡眠時無呼吸症のチェック

炎症が起きているか アルブミン、高感度CRP

すでに深刻かつ長期にわたるのであれば、MRIで海馬容積、血管病変の有無も調べて、より正確な診断を病院でつけておきたいように思います。

8/2 高用量の葉酸摂取の有害作用について

「大量の葉酸摂取を、数千回繰り返しても即時には害は及ぼさないが、高用量での摂取を続けるとガンのリスクを上昇させる」とのことですが、「リコード法の目標値の葉酸=10~25(ng/mL)の上限を超えなければ、その人の摂取している葉酸摂取量は、高用量とはいわない」と思ってよいでしょうか?

回答

長期的な葉酸補給は大腸がんの発症率の増加の可能性があるという疫学的データがあります。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17626997/

大腸がんの病因のひとつに異常なメチル化(遺伝子発現の変化や抑制)が起こっているという潜在的な可能性があります。

葉酸はDNAのメチル化に影響を与えることから、葉酸の過剰または欠乏は、ガンの発症に影響をおよぼす可能性があるメカニズムのひとつとして考えることができます。

epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/312.html

しかし、ランダム化比較試験のメタアナリシスでは、そういった効果は観察されていません。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20085565/

大腸がんは20年かけて発症する複雑なガンであり、すでに極めて初期の大腸がんを有している個人に対して葉酸摂取が影響を与えた可能性があります。

また、葉酸が欠乏する場合において適切な葉酸摂取はむしろ大腸がんのリスクを40%低下を示します。

葉酸摂取そのものではなく、血漿の葉酸濃度がリスク要因ではないかという研究データがあります。

以下の研究では、1mg(1000mcg)の葉酸サプリメントを3年間摂取することによち、結腸がんの前駆体である結腸がん腺腫のリスクをむしろ低下させています。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23682073/

ただし、これらのデータはみなアルサプなどで紹介している活性型のメチル葉酸ではない(体内を循環していない)葉酸です。(市販サプリメントの多くがこの一般的なタイプの葉酸)

発がんリスクは、おそらく、この代謝されていない葉酸の蓄積が原因ではないかと研究者の間で考えられています。

葉酸遺伝子(MTHFR677)の変異を有する男性では、このタイプの葉酸摂取によりリスクの増加が観察されています。

journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/2326409816661357

リコード法で設定されている10-25のレンジの理由はわかりませんが、比較的一般的な葉酸レベルの正常範囲だと思います。

ただ、より高用量の葉酸摂取ではこのレンジを大きく越えることはよくありますが、そのことによってガンのリスクが高まるかというといくつかのコホート研究ではそうでもないようです。むしろ低下させる可能性もあります。

ガンリスクではありませんが、高い血漿葉酸濃度ではテロメア長が短くなるという研究があります。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4218881/

まとめると、

・メチル葉酸塩の摂取
・B12など他のビタミンBと併用
・血清葉酸レベル10-25の範囲。

を守っていれば、高用量かどうかと関係なく摂取リスクはほとんどないか、むしろ多くの疾患リスク低下させるように思います。

過去に大腸がんを発症したことがある、前がん病変、遺伝的な大腸がんリスク、前立腺ガンリスクが高い。場合厳密に問われるなら研究途上であり、わからないという言い方になってしまいます。前立腺がんリスクを低下させる可能性と、上昇させる可能性(わずかではある)の両方のデータがあります。

ods.od.nih.gov/factsheets/Folate-HealthProfessional/