プテロスチルベン
概要
アーモンド、ブドウ、ブルーベリーなどに含まれる抗酸化成分のひとつ。
化学的構造はレスベラトロールと類似する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3649683/figure/fig1/
レスベラトロールとの違い
レスベラトロールと比べて、抗酸化能、吸収率(80%)が高くレスベラトロールの強力版と言える面もあるが、抗炎症作用についてはレスベラトロールよりも見劣りする面もあり、広範囲の作用についてレスベラトロール同様の効果があるか、まだはっきりとしたことはわかっていない。
おそらく、レスベラトロールと併用することで補完し合う作用があると思われる。
レスベラトロールとの比較研究
2ヶ月間の定量量投与実験において、プテロスチルベンではなく、レスベラトロールがマウスの認知機能を改善した。細胞ストレス、炎症、アルツハイマー病のマーカーはプテロスチルベンによって改善されたが、レスベラトロールでは制御されなかった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28242573
細胞ストレス、炎症およびアルツハイマー病のマーカーは、プテロスチルベンによってポジティブに調節されたがレスベラトロールによっては調節されなかった。
これはPPAR-αのアップレギュレーションと関連していた。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21982274
プテロスチルベンはレスベラトロールが有する2つのヒドロキシル基に対して2つのメトキシル基を有し親油性の性質をもつ。このことによりプテロスチルベンは脳へのより高い透過性とバイオアベイラビリティをもち、加齢に伴う脳の変化に対してレスベラトロールよりも効果的である。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29168580
レスベラトロールの生体吸収率20% プテロスチルベン80%(ラット)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21116625/
研究
プテロスチルベンの抗酸化作用と疾患の改善
乳癌、心臓血管疾患、食道癌、胃癌、結腸癌、肝癌、膵臓癌、糖尿病、高脂血症、神経変性、前立腺癌
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3649683/
PC12細胞におけるプテロスチルベンの効果
細胞生存率の増加、アポトーシス率の低下および細胞内ROSの低下、AktおよびBadのリン酸化促進、Bcl-2 / Bax発現の抑制、カスパーゼ-9、カスパーゼ-3およびPARPの切断を阻害。
プテロスチルベンは他の因子に影響を与えずにAktのリン酸化を促進。アミロイドβ誘発アポトーシスに対して包括的な防御効果を示す。
アルツハイマー病予防および補助的治療法としての食事療法の可能性。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26757883
プテロスチルベンはミクログリアの活性を有意に阻害 NO、TNF-α、IL-6によるLPS(リポポリサッカライド)誘導産生を減少。ニューロン損傷の保護効果、マイクログリア活性の阻害と関連してLPS誘発による学習および記憶障害を緩和しえる。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24709550
マウスへのプテロスチルベン投与による海馬ERK回路を介した抗不安作用。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23677525
神経保護作用に関連する因子
PPARαリガンド
Sirt1活性
↑Nrf2,↑HO-1↑,↑NQO → グルタチオン産生、SOD↑
p53経路の活性化
IL-1β、TNF-αの減少
AchE、BchEの阻害
リン酸化jnKおよびタウ
Aktリン酸化の促進を介して別のPI3K / Akt経路に影響をおよぼす。
↓MMP9
摂取量
低用量
低用量のプテロスチルベン(通常10mg以下)は認知機能に一定の利益があると言われている。
高用量
高用量(250~500mg)ではコレステロールを減少させる。
特にインスリン感受性の改善は非常に強力で、メトホルミンに匹敵するレベルという動物研究がいくつかある。
高用量プテロスチルベンはLDLコレステロールを増加させるかもしれない。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23431291
ヒトへのプテロスチルベン投与量 250mg/日までが安全である。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23431291
サプリメント
高用量
レスベラトロールとの混合
プテロスチルベン50mg&レスベラトロール250mg(カプセル)
低用量
レスベラトロールシナジー(カプセル)プテロスチルベン5mg配合
レスベラトロールを含む