PQQ / ピロロキノリン・キノロン
概要
PQQは体内にくまなく偏在し、多くの生理学的な影響を与える分子であることが示されている。
PQQは経口投与では毒性、遺伝毒性が示されておらず、脂質血漿、血糖コントロール、心臓血管、神経変性疾患の予防、脳機能の改善と関連した潜在的利益があることが示されている。
これまでの研究で、PQQが、レドックス活性、ラジカル消去、細胞シグナル伝達経路の調節と関連して健康を促進する可能性が示唆されているが、PQQの作用の根底にある分子メカニズムは明らかになっていない。
独特の生理活性作用をもつPQQ
PQQは他の生理活性作用をもつ化合物と比べて独特であり、比較的低い薬理学的用量でミトコンドリアの応答を誘導する。
例えばレスベラトロールもミトコンドリアの生合成を誘発することが可能だが、200~500mg/kgの投与が必要であり、実際の投与は現実的ではない。[R]
PQQ 認知症への効果
- αシヌクレイン、アミロイドβの凝集を防止する。
- NMDA受容体の長期的な過剰活性を防ぎ、ニューロンを保護する。
- 水銀やヒドロキシドーパミンなどの神経に作用する毒素から保護する。(3型)
- PQQ20mgはCRPとIL-6を有意に減少、酸化ストレスを減らす。(1型)
- CREBはミトコンドリアを成長させ、BDNFを増加させる。
- PI3K/Aktシグナルを活性し、神経成長因子、シュワン細胞を増加、記憶機能を改善させる。
- インスリン抵抗性を低下させる(1.5型)
ミトコンドリア生合成の増加
cAMP、CREB、PGC-1aの活性によりミトコンドリアの生合成を増加させる。[R][R][R]
PQQの抗酸化作用
ビタミンCの7.4倍のラジカル消去活性[R]
6.3倍の一重項酸素消去活性[R]
PQQはαトコフェロールとの相乗効果により、αトコフェロキシルラジカルの消去活性を増加させる。αトコフェロールによりPQQのプロオキシダント効果は抑制される。[R]
PQQによるマロンアルデヒドの減弱、脂質過酸化物の減少[R]
PQQのプロオキシダント効果
PQQは、酸化促進作用により細胞内タンパク質機能の調節に寄与する可能性がある。[R]
PQQは低濃度(~10μmol)では抗酸化剤として作用するが、高濃度(50μmol)ではプロオキシダントとして作用する。[R][R]
PQQは酸化還元サイクル反応を連続的に触媒する能力を有する。[R]
神経成長因子NGFの増強
PQQ誘導体の1つであるオキサゾピロロキノリントリメチルエステルはラット脳の神経成長因子NGF含有量を増加させた。[R]
PQQはアストログリア細胞でNGF合成を促進する最も強い活性を示した。in vitro[R]
臨床研究
脳血流の増加・認知機能向上の可能性
ランダム化比較試験 PQQを投与された健康な被験者の右前頭前皮質における局所血流が有意に増加。前頭前皮質の絶対組織酸素飽和度(SpO2)が有意に減少。[R]
血中濃度
PQQは投与後3時間でピークを迎え、24時間以内に80%が腎臓から排出される。[R][R]
摂取方法
自然界に少量存在するPQQ
大豆、茶、ピーマン、パセリ、キウイフルーツ、母乳[R]
ヒトは一日平均的に0.1~1.0mgのPQQを食品から得ていると推定されている。[R]
サプリメント
一日一錠10~20mg 朝食後、または運動前推奨。
コエンザイムQ10(200mg)との組み合わせがライフエクステンション社で推奨されている。
睡眠の質を改善するヒトでの研究の証拠が存在していることから、睡眠障害が見られる場合は寝る前の摂取が望ましいかもしれない。[R]
安全性が確かめられている最大摂取量は60mg/日[R]
運動前・朝
PQQ/ピロロキノリンキノン 10mg
PQQの吸収率、用量には個人差があり、10mgで効果を得れる場合とそうでない場合がある。運動などで体感しやすいサプリメントでもあるため10mg、20mgをそれぞれ摂取してみて判断してみるのもひとつの方法かもしれない。
睡眠前の摂取(徐放剤)
1~2錠