認知症を生きるということ
バリー
毎日起きて ”今日は何が起きるのか” ”どんな間違いが起きるのか” と感じてしまって、外に出るのが怖いんだ。
毎日生きているだけで言葉が心に浮かんでしまうんだ。
「おまえは何をしてしまったんだ!」
「おまえは何を壊したんだ!」
「おまえは何を失くしたんだ!」
「おまえは誰にとってもいやなやつだ!」
「なぜおまえはここにいるんだ!」
そういう言葉が続くんだ
オリーブ
「同じことを繰り返してしまうからみんなと話したくないけど、話しができないのはとても辛いわ…」
「まるで自分が世界に存在していないような感覚なの、少なくとも私はそう、私は世界の一部として存在しているというふうに感じることができないの」
「つらいわ、ぞっとする、だって認知症はあなたが最も愛している人を傷つけるのよ。」
ジュディー
「外に出て…買い物に行ったりすることができない。私は死にたい…でも死ねない」
「楽しい日々を過ごしていたのに…」
「もっと生きたい…」
ボブ
「昔は大丈夫だった、でも年を追うごとに少しずつむずかしくなってくる。きみもいつかはこんなふうになるんだ」
NHK「記憶が失われた時…〜ある家族の2年半の記録〜」
www.youtube.com/watch?v=0XvnIAhAhiM&feature=youtu.be
妻と子供をもつ当時38歳の関根さん。障害者のために自身が仕事をしていたが、悪性リンパ腫手術後のビタミンB1欠乏症によりウェルニッケ脳症と診断、記憶障害をを抱える。
動画では、その他の認知機能は生活上問題が見られないが、新しい記憶を留めておくことだけができなくなる。
私の母は純粋な記憶障害が目立つため、一般的な認知症というよりも、この方(関根さん)の症状に近いかもしれない。
他の動画を見た後では、まだ本人が人格が保たれているだけ良いのではと思う方もいるかもしれない。しかし、母の現実感と相まってこの関根さんのはっきりとした病識と聡明さゆえに、私にとっては非常に痛みを伴う動画記録だった。