リソソーム障害と神経変性疾患(オートファジー)

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概要

リソソームはオートファジーやエンドサイトーシスによって細胞内または細胞外から取り込まれた生体分子を加水分解する細胞内のリサイクル工場。オートファジーおよびエンドサイトーシス経路の最終目的地でもある。

細胞内の不要な物質を取り込むオートファゴソームと融合したリソソームはオートリソソームと呼ばれ、

細胞外の分子を取り込むエンドサイトーシスから形成されたエンドソームと融合したリソソームはエンドリソソームと呼ばれる。

「マクロオートファジー シャペロン マイクロオートファジー」の画像検索結果

bsd.neuroinf.jp/wiki/リソソーム

リソソーム機能障害

リソソームの機能不全は、リソソーム蓄積症(LSD)、神経変性、パーキンソン病、自己免疫疾患、癌など、さまざまな疾患と関係する。

リソソーム機能障害の生化学的特徴としては、リソソーム酵素の発現および/または活性の変化、リソソームのサイズ、リソソームの数、pH 、細胞のポジショニング、運動性の変化、リソソーム膜特性の変化などが含まれる。

リソソーム機能障害は、分解されなかった物質の蓄積を引き起こし、オートファジーなど、リソソーム関連経路の妨害を引き起こすことがある。

onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/tra.12613

リソソーム膜の透過性亢進(LMP)

リソソーム膜の透過性性亢進 Lysosomal membrane permeabilization(LMP)

リソソームの内容物が細胞質へと放出されようなリソソーム膜の損傷を「リソソーム膜の透過性亢進」英語の頭文字をとってLMPと呼ばれる。

さまざまな形態のストレスがLMPを誘発し、リソソーム内の成分を細胞質への漏出を引き起こし細胞死を引き起こすことが観察されている。

リソソームが関与する細胞死経路

onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/tra.12613

エンドサイトーシス経路

エンドサイトーシス経路でのアミロイドβ生成

エンドリソソームネットワークではアミロイドβ前駆体タンパク質(APP)からAPPアミロイド末端C断片(APP-CTFS)とアミロイドβ両方の生成に関与する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16203860

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15325590

しかし、APPがエンドリソソームネットワークで切断されない場合、ゴルジ装置に輸送されるか、原形質膜にリサイクルされてα-セクレターゼによって処理される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16174740

エンドソームで生成されるアミロイドβ

これまでの証拠からはアミロイドβはエンドソームで生成することが示唆されている。

APPを切断しアミロイドβを生成するβセクレターゼは、エンドソームで見つかっているが、リソソームにはない。

マクロオートファジーは直接的にはAPPの代謝に関与しておらず、リソソーム分解がアミロイド生成プロセシングの防止に重要であることが最近の研究で強調されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20864542

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22675659

リソソームでのAPP分解

標的TFEBはリソソームでのAPPの分解を促進し、アミロイドβ生成とアミロイドプラークを減少させる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26338325

エンドサイトーシスネットワーク障害 作用機序仮説

エンドサイトーシスの上昇(エンドサイトーシス活性はDS線維芽細胞で増加)

初期エンドソームでのカテプシンDの増加

エンドソームカーゴの蓄積

リソソーム機能の低下

オートリソソームカーゴの蓄積

onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jnc.13935

リソソーム酵素

リソソームにはタンパク質や脂質、糖質をアミノ酸、リン脂質、核酸などに分解することのできる加水分解酵素が約60種類存在する。

リソソームに存在するタンパク質分解酵素プロテアーゼはカテプシンと呼ばれ、AからZまである。(A-Z以外も存在する)

βセクレターゼ分解の低下

通常βセクレターゼは、リソソームと融合したオルガネラで分解されるため、リソソームプロテアーゼの欠如はベータセクレターゼを蓄積させアミロイドβ産生を促進する可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26124111

カテプシン

カテプシンDは、アルツハイマー病患者の皮膚線維芽細胞で減少することが報告されているが、一方で脊髄液内においては上昇する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23173743

カテプシンB発現の増加はアミロイドβレベルの低下を示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23024364

ESCRT-III複合体

 

UPSとオートファジーリソソーム経路のクロストーク

ユビキチン-プロテアソームシステム(UPS)は、オートファジー-リソソーム経路(ALP)と単一のネットワークを構成している。

UPSが処理能力に追われたり、機能が抑制されるとALPは代わりに異常タンパク質を除去する。ALPはUPSとは対照的に傾向としてはタンパク質複合体、オリゴマー、凝集体など高分子の物質を分解することができる。

UPSとALPはそれぞれ独立したメカニズムによって作動していると考えられていが、最近の証拠ではUPSとALPはお互いに密接な経路のクロストークによって協力を行っていることがわかってきた。

doi.org/10.1016/j.febslet.2009.12.047

プロテアソームの阻害は、UPR、p53の上昇、HDAC6の媒介によってオートファジーを増加させるが、オートファジーの阻害はp62を蓄積し、p62がユビキチン化タンパク質と結合してプロテアソームの送達とプロテアソームによる分解を妨げる。

febs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1016/j.febslet.2009.12.047

p62 / SQTM1受容体

マルチドメインタンパク質であるp62 / SQTM1は、哺乳類で発見された最初のオートファジー受容体であり、UPS阻害時に蓄積するユビキチン化凝集体のクリアランスに不可欠。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2171557/

www.liebertpub.com/doi/10.1089/dna.2012.1915

Nrf2の活性化によりp62 / SQTM1の発現はアップレギュレーションされる。

www.dovepress.com/the-clinical-potential-of-influencing-nrf2-signaling-in-degenerative-a-peer-reviewed-article-CPAA

Nrf2はプロテアソーム活性に関与し、酸化ストレスによってNrf2はプロテアソーム遺伝子発現のアップレギュレーションを示す。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4165656/

Rpn11

ユビキチンは76個のアミノ酸からなるタンパク質で、タンパク質分解、DNA修復、翻訳調節、シグナル伝達などさまざまな生命現象に関わる。ユビキチンが結合したものをポリユビキチン鎖と呼び、その結合に仕方より機能が異なってくる。

Rpn11は、ポリユビキチン鎖を切断して解離する調節粒子のひとつで、20Sプロテアソーム活性の低下とも関連する。PSMD14/Rpn11発現はアルツハイマー病脳組織で非常に減少していることが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/pmid/27050411/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25765079

K63ユビキチン鎖

Rpn11によるユビキチン鎖の除去により、多数の遊離K63ユビキチン鎖が生成される。

K63ユビキチン鎖は、オートファゴソームとリソソーム融合に関わる重要な分子であり、タンパク質凝集体のクリアランスを促進する。

www.jbc.org/content/290/15/9455

関連リスク遺伝子

27のアルツハイマー病感受性遺伝子座

ABCA7ACE2ADAM10ADAMTS1APOEBIN1CASS4、CELF1、CLUCR1CD2APDSG2、EPHA1FERMT2、HLA-DRB1、HLA- DRB5、INPP5D、IQCK、MAPT、MEF2C、MS4A6A-MS4A4E、NME8、PICALM、PLD3、PTK2B、SLC24H4-RIN3、SORL1、TREM2ZCWPW1

黒字はリソソームとエンドサイトーシス輸送の調節機能に関連しうる遺伝子座

molecularneurodegeneration.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13024-019-0323-7

エンドサイトーシス輸送関連遺伝子

BIN1

BIN1はAPPおよびBACE1エンドサイトーシス輸送の調節を通じてアミロイドβの生成を制御する。細胞内では、BIN1タンパク質は後期エンドソーム、リソソーム、リサイクルエンドソームを含む広い範囲のエンドソームシステムに分散されており、エンドリソソーム輸送とアミロイド形成プロセシングに関与する。

BIN1の低下は、リソソームの分解能力を低下させる。BIN1はアクチンに結合し、タウアクチン束を安定化させる。BIN1の低下は、エンドサイトーシス経路でのタウ凝集体の蓄積を増加させ、タウ凝集体がエンドソーム膜を破壊しサイトゾルへと漏出し、さらなるタウ凝集体を促進する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27760323

CD2AP

エンドサイトリンおよび小胞輸送だけでなくシナプス形成で機能する足場分子。

CD2APは初期エンドソームにおいてAPPとBACE1を区別する役割をもつ。

CD2APレベルが低下するとAPPはエンドソームの境界膜に閉じ込められるため、後にリソソームによる分解のための分類ができなくなり、その結果、APPのエンドソーム蓄積をもたらし、そのアミロイド形成プロセシングを促進する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27895104

PICALM

PICALMはオートファジーのプロセスに寄与する。PICALMレベルが低下すると、オートファジー機能障害につながり、隔離膜前駆体の数が減少する。

通常の状況下ではオートファジーは細胞内のタウ凝集体を分解に追いつくことができる。

しかし、PICALM枯渇によるオートファジー障害は、アルツハイマー病のタウ病理とも関連し、前頭側頭葉変性症、ピック病、進行性核上性麻痺にもこの相関は見られる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15558718

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27260836

PLD3

ホスホリパーゼDファミリーメンバー3

PLD3はリソソームに局在し、脾臓ホスホジエステラーゼとして機能する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30111894

アルツハイマー病脳内でのPLD3発現は半減しており、その細胞内の枯渇は老人斑の増大と関連している。

PLD3転写はエピジェネティックな障害によって変化し、遅発性アルツハイマー病患者のリスク因子として影響を与える。PLD3変異のない患者においてもニューロンエンドリソソームストレスの影響を受ける可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30208929

ApoE

オートファジー障害

アルツハイマー病の危険因子として最も知られている遺伝子。ApoE4対立遺伝子は多彩な影響を及ぼすが、エンドソーム輸送調節因子の発現にも影響を与え初期エンドソームとリソソームの量を増加させる。

ApoE4キャリアはオートファゴソームの成熟とエンドリソソーム輸送に関わるホスホイノシトール代謝産物の高レベルを示す。オートファジー機能障害は、オートファジーメカニズムのApoE4調節不全に起因する可能性もある。

www.pnas.org/content/112/38/11965

リソソームへの蓄積

ApoE4は反応性リン脂質と結合し、その結果リソソームの漏出と混乱を引き起こし、膜を不安定化する。ApoE4は溶解度が低いため、細胞の脂質過酸化レベルが高く鉄が過剰に存在する場合、リソソームに蓄積されやすくなる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12914965?dopt=Abstract

TREM2

炎症反応だけではない

TREM2は遅発性アルツハイマー病の炎症関連危険因子として分類されているが、おそらくApoEとの相互作用により、アミロイドβの蓄積とエンドリソソーム機能にも悪影響を及ぼす。最も一般的なSNPは rs75932628-T(R47H)オッズ比3

TREM2 – ApoE経路

TREM2はApoEに結合しエンドリソソーム機能に影響を与えることが指示されている。

アルツハイマー病のTREM2調節不全はmTOR経路と関連する。mTORシグナル伝達の異常によりmTORC1、mTORC2エフェクターの活性化が低下する。

ベクリン1、Vps34レベルが低下すると、TREM2のリサイクルが妨害される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28930663

PSEN

プレセセニリン(PSEN)は家族性アルツハイマー病を引き起こす遺伝子であり、γセクレターゼ酵素の活性により、より凝集しやすいアミロイドβ42が作り出され、アルツハイマー病の発症に関与すると考えられている。

PSENホロタンパク質マルチマー仮説

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6099262/

プレセニリンはγセクレターゼ活性以外にも多くの機能をもつタンパク質。PSENはサイトゾルで切断されることでγセクレターゼ複合体に対して活性的な触媒作用をもつが、切断前のPSENホロタンパク質では、他のさまざまな細胞活動に関与する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27060961/

タンパク質ATPアーゼ、H +輸送、リソソーム、シャペロンとしての役割をもち、リソソームの酸性化に必要な液胞ATPase複合体のサブユニットとして機能する。

そのため、PSEN1変異はリソソームの酸性度を減少させ、リソソーム機能を低下させるようである。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20541250/

関連疾患

ライソゾーム病

アルツハイマー病と類似するライソゾーム病

リソソーム蓄積障害(ライソゾーム病)(LSD)はリソソーム機能の突然変異によってリソソーム酵素の欠損や軸索輸送障害が引き起こされるオートファジー代謝障害。

リソソーム蓄積障害は、広範囲の神経変性、細胞内のタウタンパク質凝集体、アミロイドβ前駆体タンパク質(APP)代謝産物の蓄積、神経炎症などアルツハイマー病と病理学的ないくつかの類似性を有する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18067990

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28027395

スフィンゴ脂質の蓄積によるリソソーム分解の減少

スフィンゴ脂質の蓄積は、オートファジーの誘発を促進する一方で、オートファジーの効率的な代謝回転を損ないスフィンゴ脂質の蓄積を増加させる。

スフィンゴ脂質の蓄積は、APP C末端フラグメント(APP-CTF)のリソソームによる分解を減少させ、γセクレターゼ活性が刺激される。

これにより、アミロイドβの分泌と産生の両方が増加する。

www.jneurosci.org/content/31/5/1837

タウオパチー

オートファジー阻害によるタウの凝集

オートファジーの阻害は、タウクリアランス速度の低下およびタウの凝集を促進する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18294209/

リソソーム

リン酸化タウはオートファジーの基質であることが示されている。

剖検ではオートファジー関連タンパク質であるAtg8(LC3)およびp62/SQSTM1はリン酸化タウと共局在しており、おそらくこれらのタンパク質はオートファゴソームに包まれたままリソソームによっては分解されていないことを示唆する。

このことからリソソーム形成の誘導は、タウオパチーに対する効果的な治療戦略であると考えられている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26936765

パーキンソン病

リソソームはアルファシヌクレインの分解に重要な役割を果たす。リソソーム遺伝子変異

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29860491

パーキンソン病の遺伝的要因は27%であり、一部の集団では33%を占める。

これらの遺伝子(LRRK2、GBA、SMPD1、SNCA、PARK2、PINK1、PARK7、SCARB2)の多くは、オートファジーリソソーム経路(ALP)に関与する。これらの遺伝子の中にはリソソーム酵素をコードするものもあれば、リソソームへの輸送に関与するタンパク質に対応するものもある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26207393

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20844148

academic.oup.com/brain/article/141/8/2255/5025743

リソソームの損傷は、神経変性疾患において広範囲に観察されている。パーキンソン病の細胞モデルおよび動物モデルでは、抗酸化剤、プロテアーゼ阻害剤の投与がLMPによる細胞死を低下させることが示されている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20844148

前頭側頭型認知症の遺伝的変異

CHMP2B遺伝子変異によって引き起こされる前頭側頭型認知症は、リソソーム機能不全が変性経路である。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26358247

逆行性軸索障害

リソソームの障害によるタンパク質分解の阻害は、軸索輸送の障害と関連する。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21613495

軸索輸送障害を改善する7つのアプローチ(神経変性疾患)
軸索原形質輸送(認知症・アルツハイマー病) Improve axoplasmic transport 概要 軸索輸送とは 軸索輸送 軸索輸送とは、神経細胞の軸索の中で様々なものを運ぶ機能のこと。 微小管がレールの役割を果たし、キネシンやダイニンなどの分子モーターによって物質が運ば

リソソーム障害の改善

リソソーム蓄積症の治療戦略

  • スフィンゴ脂質合成阻害剤
  • アロプレグナノロン
  • 神経炎症の低減
  • 薬理学的シャペロン活性
  • 全トランスレチノイン酸(ビタミンA誘導剤)
  • 細胞質phの正常化
  • Atg7の不活性化
  • リチウム
  • CLEARネットワーク遺伝子の誘導(Coordinated Lysosomal Expression and Regulation)

TFEBはCLEAR遺伝子プログラムの転写因子

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3153126/

  • 酵素補充療法
  • 遺伝子治療
  • 幹細胞移植
  • 肝移植
  • 骨髄移植
  • 臓器移植
  • 基質減少療法

www.ingentaconnect.com/content/ben/emi/2014/00000008/00000001/art00002?crawler=true

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4817787/

スフィンゴ脂質とコレステロールを含むリソソーム膜の脂質組性は、重要な膜安定化効果をもつ。コレステロールレベルの増加はリソソーム膜を保護する。

ホスファチジルイノシトール3リン酸がリソソーム膜の安定性に重要。

ヒートショックプロテイン70(HSP70)は、リソソーム膜を安定化することができる。

onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/tra.12613

TFEB標的

オートファジー促進因子TFEB(転写因子EB)10の活性方法
TFEB(転写因子EB)の活性 関連記事 オートファジーによるアルツハイマー病治療戦略 マイトファジーを活性化させる10の方法 オートファジー促進因子TFEB(転写因子EB)10の活性方法 概要 転写因子EB(TFEB)は、オートファジーとリソソーム生合成のマスター制御遺伝子。
カズキカズラ(コリノキシンB)

中国の薬用植物カズキカズラに含まれるアルカロイド、コリノキシンBとその異性体はオートファジー誘導に加えて、神経細胞株のリソソーム活性を増加させる。

コリノキシンは用量依存的に転写因子EB(TFEB)の核移行を誘導した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3846743/

リソソームクリアランス

少なくともインビトロにおいて、リソソームクリアランスが損なわれると、オートファジーの誘導による病理が悪化する。そのため

・リソソームクリアランスの阻害因子を緩和する。

・または、疾病のより早期の段階においてオートファジーを刺激することにより、リソソームクリアランスの阻害因子を前もって除去する。

ことが、アルツハイマー病などの脳疾患におけるオートファジー誘導治療を成功させるための前提となる。

リポフスチン溶解剤

セントロフェノキシン

老化または疾患により蓄積したリポフスチンは、リソソーム系の効率を低下させる可能性がある。

リポフスチン分解剤として知られるセントロフェノキシン(メクロフェノキサート)は、よりリソソーム系の改善に役立つ可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2506844

シャペロン活性

アンブロキソール

アンブロキソールは去痰薬として承認されている。

リソソーム蓄積症であるゴーシェ病の酵素増強剤として1040の承認薬からスクリーニングされた治療薬。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19578116/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27042680

ピリメタミン(抗マラリア薬)

抗マラリア薬として承認されているピリメタミンは、リソソーム加水分解酵素であるβ-ヘキソサミニダーゼの潜在的なシャペロンとして同定された。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17237499/

酵素補充療法+シャペロン

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4817787/

不連続投与

DGJの4日間投与、その後3日間非投与の不連続投与は、毎日投与する場合に比べて、シャペロンの組織クリアランスによりリソソーム輸送が促進され、基質の代謝回転を最大化して利用することができる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19773742/

https://alzhacker.com/hsp/

リソソーム活性

レスベラトロール

レスベラトロールによるAMPK標的mTOR阻害は、オートファジーの促進とリソソームによるアミロイドβ分解を引き起こした。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20080969

リソソーム機能阻害要因

化合物

ナノ粒子

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5936715/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3441384/

カーボンブラックナノ粒子(PM2.5)

www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0008622316308740

新規金属殺虫剤

Mgと2つのフラボノイド(ヘスペリジン、フェナントロリン)[Mg(hesp)2(phen)]との複合体は、MgHPと呼ばれ、都市、農業、および森林の害虫に対する高い殺虫活性をもたらす。ミトコンドリア活性およびリソソーム保持能力は、MgHP濃度が増加するにつれて低下した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31071334

亜鉛の過剰供給

亜鉛(Zn2+)のクリアランス速度がリソソームへ隔離される量を上回る場合、亜鉛は細胞保護作用を示す。しかしリソソームのクリアランス率を超える過剰な亜鉛はリソソームの膜透過性の亢進(LMP)および細胞死につながる。

酸化ストレスの条件下では、亜鉛(Zn2+)がリソソームに蓄積し、リソソーム膜透過性が亢進する。リソソームは亜鉛の貯蔵庫の役割を果たしていることを示唆する。

jcs.biologists.org/content/127/14/3094

疾患

糖尿病性腎症

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31150688

ピロリ菌

ピロリ菌はリソソーム機能を阻害し、胃上皮細胞のオートファゴソーム蓄積を促進することが示された。

高脂肪食

リソソームは脂質代謝と細胞脂質ホメオスタシスの維持に重要な役割を果たしている。

相互的に脂質もまたリソソーム機能の調節に重要な役割を果たす。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22978393/

脂肪酸の流入経路

外因性の脂肪酸はエンドサイトーシスを介してリソソームに入る。

内因性の脂肪酸は主にオートファジーを介してリソソームに入り、リソソーム酸リパーゼによって加水分解される。

理由は解明されていないが、リソソームは内腔のアミノ酸含有量に応じて(脂肪酸ではなく)mTOR1活性を調節し、細胞の栄養状態を感知して脂質代謝を制御する。

オートファゴソーム・リソソームの障害

一部の脂質誘導タンパク質による修飾はリソソームタンパク質および酵素のリソソームへの輸送を促進するが、過剰な脂質供給はリソソーム機能を大きく損ねる。

リソソームに脂肪が蓄積すると、オートファゴソームの代謝サイクルも阻害される。

マウスの高脂肪食は、リソソームの成熟に不可欠な低分子量GTPアーゼ(Rab7)の発現を減少させた。これによりオートファゴソームとリソソームの融合は損われ、オートファジーフラックスを抑制した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10679007/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23258696

シャペロンの阻害

食事由来の過剰な脂質は、マクロオートファジーに加えてシャペロン媒介オートファジーにも影響を与える。高脂肪食マウスでは、シャペロン媒介性オートファジーの阻害をもたらした。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22331875/

LMPの誘発

高脂肪食と脂質暴露の両方が脂肪組織にリソソーム膜透過性の亢進を誘発し、脂肪組織のマクロファージ浸潤と炎症誘発性サイトカインの産生を引き起こし、細胞質ゾルでリソソームプロテアーゼであるカテプシンBの放出と活性化を引き起こした。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22739104/

 

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15599400/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5003162/

酸化ストレス・鉄

酸化ストレスは、リソソーム機能を調節する重要な因子。
例えば、フェリチンなどの金属タンパク質を分解することなどにより、リソソームに高レベルの鉄が含まれると、三価鉄から反応性の高いヒドロキシルラジカルが生成される。

ヒドロキシルラジカルは、タンパク質、脂質、およびそれらの分解を阻害する他の高分子を酸化することで、リソソームでは消化できない廃棄物を生成し蓄積されてしまう。

リソソーム廃棄物は、リソソーム酵素活性を損ない、リソソーム膜透過性の亢進(LMP)を促進することが知られている。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18764739

NADPHオキシダーゼ(NOX2)

NADPHオキシダーゼアイソフォーム2(NOX2)は、好中球に潜在する膜結合酵素複合体。食細胞が病原体と結合し殺傷する際に生み出す活性酸素放出時(呼吸バースト)に組み立てられる。

スーパーオキシドによるpHの上昇

NOX2は後期エンドソーム膜に動員され、そこでスーパーオキシドが生成されることが示されている。

スーパーオキシドは、エンドソーム内腔でプロトントラップすることにより、エンドソームの酸性化を促進できる。しかし過剰なスーパーオキシドは水と反応してヒドロキシルイオンを生成する可能性があり、これが最終的にpHを上昇させることによってエンドソーム小胞の酸性化を損なう可能性がある。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19207039

NOX2によるリソソーム障害

NOX2由来のスーパーオキシドは、正常なオートファゴソームとリソソームの融合にもかかわらず、オートファゴソームの分解を鈍化させるリソソームの酸性化と加水分解酵素の活性を損なう。

NOX2の遺伝的および薬理学的阻害は、スーパーオキシド産生を正常化し、リソソーム機能とオートファジーフラックスを回復する。

パルミチン酸処理はジアシルグリセロールを蓄積しプロテインキナーゼβ2が活性化されNOX2活性が増加した。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)マウスモデルにおいて、NOX2由来のROSがリソソーム生合成とオートファジーの両方を損なうことを発見した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25529920

一価不飽和脂肪酸の保護効果

遊離脂肪酸誘発による脂肪毒性を調べる複数の研究では、一価不飽和脂肪酸ではなく飽和脂肪酸のみがROS産生とリソソーム機能障害を心筋細胞に誘発した。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25529920

研究では、一価不飽和脂肪酸はおそらく、飽和脂肪酸による脂肪毒性から保護できることが示唆される。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24835079

オレイン酸のパルミチン酸塩誘導の炎症とインスリン抵抗性への保護効果

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18281277

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12629214

NOX2阻害剤

NOX阻害剤 総説

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4543484/

ブルーベリー由来ポリフェノール

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22530077

イチョウ葉

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17266329

レスベラトロール

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23731528

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4487914/

高用量ビタミンC

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26541605/

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4928883/

ベルベリン

www.aroniabeere.de/wp-content/uploads/2017/08/Effekts-of-novel-plant-antioxydants.pdf

アポシニン

www.atsjournals.org/doi/abs/10.1165/ajrcmb.11.1.8018341

丹参

www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4667860/

セラストロール(ライコウトウ)

ライコウトウは慢性炎症を治療するための漢方薬として使われる。NOX1はわずかNOX2に強い選択性をもつが、プロテアソームの阻害作用もあるため、NOX2阻害剤としての効果の解釈を複雑にする。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21501142/

 

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