Alzhacker-LLLT ユーザーガイド
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セットアップ
9V角型アルカリ電池
デバイスの背面下部に電池蓋を下方向にスライドさせる。
9Vのアルカリ角型電池を挿入。(別途用意)
挿入方向はプラスが上向きでマイナスが下向き。
本体正面の緑色丸ボタンを押して、緑色のインジケーターが点灯することを確認
アプリケーターのジャックを本体へ差し込む
使用するアプリケーターのプラグを本体のピンジャックへ差し込む。
動作のチェック
LEDの位置確認&補正
LED素子がまっすぐノズルに対して垂直に位置しているか確認
LEDが斜めになっていたりすると、透明プラスチックノズルの球面部分が照射された光の散乱方向を変えてしまうため、照射の方向が変わるだけではなくパワー密度も低下する。
LED素子がまっすぐではない場合、透明のプラスチックノズルを外し(簡単に外せる)LED素子を垂直に補正する。(修正を繰り返すとハンダ付処理部分が外れるかもしれないため注意が必要)
発光をデジカメでチェック
鼻に挿入して緑のボタンを押すと緑色のLEDインジケーターが点灯する。
LEDからの発光はヒトの目では見えないが、実際には光を放出している。
赤外線カットされていないデジカメ、スマホのカメラなどでは以下の写真のように、うっすらと紫色または白色に発光していることが暗闇で確認できる。
iPhone4以降のメインカメラでは赤外線をカットするフィルターが追加されているため、写真のように確認ができない。自撮り用のカメラ(FaceTimeカメラ)にはフィルターがないため、そちらで確認してもらいたい。
片方だけが発光していない場合は、片方で断線している可能性が高い。
両方とも発光していない場合は、LEDの端子がノズル内部で接触してしまっている可能性がある。
※万が一発光が確認できない場合は管理人に連絡してください。
アプリケーターのノズルを差し込む
ノズルを鼻に深目に差し込む
アルツハッカーLLLTは、完全なビーム特性ではなく放射状に(約30度)光が広がっていくため、なにもない空間であっても距離が長くなるにつれ面積あたりの照射エネルギー密度は二乗に比例して低下する。(15mmで約半分に低下)
組織での減衰は当然のことながらより激しく、1cmの距離の違いが照射エネルギー量を10分の1にまで低下させることが示されている。
そのため、角度よりもおそらく脳まで到達する組織の厚みがより大きな影響をもつかもしれない。
デバイスの操作
緑色の丸ボタンで点灯
点灯後15分経過すると、本体の緑色のLEDインジケーターが消える自動的に電源がオフとなる。(機種によってこの自動オフの時間は異なるかもしれない)
電源をすぐにオフにしたい場合は、LEDノズルコードを本体から抜く。(緑色のインジケーターが短い時間でオフになる。)
ノズル
808~850nm(10~20mw/cm2)
可視光線の上限は760-830nm。アルツハッカーLLLTは850nmの近赤外線であり、ヒトの視覚領域できる光の波長域をわずかに超えている。そのため発光を直接視認することはできない。
850nmはより深く組織の深部へ到達する。(3~4cm)脳の神経核、海馬といった深い脳部位へ照射し影響を与えうる。
830nmの照射による副鼻腔炎治療としての研究が存在し、850nmも同様に認知機能の向上だけではなく鼻腔の炎症を鎮める効果は期待できる。
630~660nm(3mw/cm2)
※現在630nmは配布中止しています。(鼻炎がある人は予めお知らせください)
オリジナルの630nmは鼻腔の炎症を鎮めるためのものとしてあるが、630nmの波長も中枢神経系にも影響はありうる。(VieLightにも633nm版がある)
ただし、630nmの波長の光の組織への深達度は850nmよりも浅く、またビームも分散して放射されることから、脳組織の奥深くへ影響を与えることは難しいと考えられる。
またオリジナルの630nmは、850nmと比べて照射エネルギー密度が低い。そのため中枢神経系への影響を与えるためには、最低でも30分以上の照射時間が必要と考えられる。
認知機能改善目的としてはあまり実用的ではないため、鼻炎のある人を除いて現在は配布はしていない。
副鼻腔炎の改善を目的とする場合は10~15分程度。照射エネルギーの違いから照射時間に差があることに留意する。
浅い領域では630nm域の波長がより効果をもつ可能性もあるため、808~850nm帯域を中心に使用しつつも、2~3割、630nm代の波長を長い時間混ぜて使用しても良いだろう。鼻腔が炎症を起こしている場合は、併用がより望ましい。
照射時間
一回の照射時間 数分~10分(808~850nm帯域)
適正な照射時間は定まっていないが、Vielightの照射密度と照射時間(一回25分、最大で2回/日)から算出するとアルツハッカーLLLTでは数分~10分あたり
しかし、パルス、レーザー特性、拡散係数などの変数も加わるため、厳密な照射時間を導き出すのは難しい。おそらく5分~15分の間に最適値が存在するだろう。
最適な照射時間のウインドウはそれほど広くない。特定の組織部位に対するホルミシス応答は、仮に6分がベストな照射時間帯だとするとその最大化レベルの閾値は下限で4分上限で8分程度。9分であれば下限が6分上限が12分だ。
ただし組織の深さによって著しく照射パワーは異なるため、全体としての影響は分散されてしまうと考えられる。最終的には繰り返しながら最適時間を見つけていく必要がある。
一回2分から開始
初回は数分から初めて、少しずつ時間を長くしてゆく。
最終的には症状などを見て10分前後の照射時間で調節する。
最小量で効果が感じられれば、その照射時間を維持する。例えば5分と10分で10分の改善効果が高い場合には10分を選択するが、効果に差を感じない場合は5分で維持する。
変化をつける
特定の部位にどれだけの光を照射させるかという計算は変数が多すぎて困難なため、照射時間や照射部位は変動させて脳の広範囲に刺激を与えるランダム効果を狙ったほうがメリットが大きいと考えている。
ひとまず、推奨最適時間は情報がより多く集まることで将来的に変わりうるが、現時点では毎日の使用であれば2~6分(850nm)、隔日使用であれば5~15分(850nm)あたりで最適時間を探ると良いかもしれない。
上記概念図は、特定の組織部位において9分が最も効果の高い数値であった場合の上限と下限の目安。
9分というのはあくまで例えで、人によっては9分が最適レベル外の照射時間の可能性もある。また組織の深さによって照射エネルギー密度は大きく変化するため、脳組織全体で見た時のホルミシス応答の最大化域は実際にはより大きな幅(緑破線)を描くと考えられる。
副作用・有害作用
最適値を大きく上回ると効果が消失するというよりは相対的に効果が低下してしまうに過ぎない。多少の過剰照射では深刻な有害作用は生じない。(怒りっぽくなると言った報告はもらっている。)
LLLTは高い安全性と安全域が示されており、これまでの光線療法の研究結果からは最適値の10倍の照射パワーであっても、観察される有害作用はプラセボグループと有意な差がないことが報告されている。
ラットの研究では最適値の100倍を超える照射量において、負の影響が生じることが報告されている。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16942425
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19233936
LLLTの長期的安全性
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22045511
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3048832/
照射タイミング
808~850nm/朝~昼(夜) 630~660nm/夜
使用タイミングは朝がベストで次に昼か夕方まで。
ただし、赤色光(630nm)はメラトニンを誘発する可能性もあるため、睡眠が困難である、または照射後の覚醒がないまたはぐっすり眠れることができるのであれば夜間、就寝前の照射を試みてみる。(照射量にも依存するかもしれない)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23182016
健康な人では夜の照射はおそらく避けておいたほうが良い。
しかし、脳内でグルタミン酸の過剰活性が起こっている場合(認知症患者さんでは生じていることが多いが必ずではない)は、夜間の照射が緩和し睡眠を誘発してくれる可能性もある。これは実際に照射してみて判断してみてもらいたい。
夜間に照射して、いつもより深く寝れるのであればおそらく夜の照射はあっても良い。
またできるだけ毎日同じタイミングで行うことが重要なため、一貫して行えるなら、朝だったり昼だったりとちぐはぐになるよりもベター。
頻度
毎日の使用
昼夜が逆転している、毎日の生活リズムが崩れがち、概日リズムに乱れがある場合などは、低用量を毎日照射してみることで改善を示すかもしれない。
照射部は気持ち程度熱を帯びるが、遠赤外線のように暖かくなるなどわかりやすいものではないので、効いている感じがしないからといって照射しすぎないように注意。
体内の多くの活性因子が、当日からその後数日間にわたって増加し影響をおよぼす。
隔日~週2~3回
Vielightでは毎日の照射がデフォだが、おそらく効果の持続と耐性がついてしまうのを防ぐことを考えれば、少し強めに毎日よりも週に3回といった頻度でもいいだろう。
脳内の代謝サイクルが遅い場合、毎日の使用では回復までの期間が不足する可能性もある。
照射量にもよるが、鼻腔は毎日、頭皮へのLLLTは隔日程度の頻度にしておくことをおすすめする。隔日で用量を増やす場合は特に昼の時間帯が推奨される。
一週間に一回
外傷性脳損傷へのLLLT適用 一週間以上の治療中止により改善効果が低下する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21182447
注意事項
- LED発光部位を目に近づけて直接照射させないこと。
- 妊娠中は使用しないこと
- 30Hz以下のパルス照射は、感光性のてんかん患者には発作を引き起こす可能性がある。(アルツハッカーLLLTは連続点灯のため該当しない)
- がん原発部位、転移部位には照射しない。化学療法を受けている場合、末期がん患者の緩和治療には使用が考慮され得る。
ケア
- 定期的にノズル部分を柔らかい布、湿らしたティッシュペーパー、綿棒などで拭き取る。
- 他の人とノズルの仕様をシェアしている場合は、使用後毎回必ずきれいに拭き取る。
- アルコールなどの脱脂綿を使うと良いが、研磨剤などの洗剤は使用しないこと。
- ノズル、またはデバイス本体は水に浸けたりして洗わない。
- 直射日光を避け、埃のない場所で保管。
効果が現れるには
ホルモンや神経栄養因子の活性などの短期的な影響(血清BDNFの上昇など)は初回からありえる。
これまでの研究報告を概観するとMMSEのスコアや体感的なQOLに反映されるには、最低10回程度の中長期的な使用が必要となるかもしれない。
一般的に、中止すれば改善効果も同様に元のラインに戻っていく。
リコード法の実行力増強
特に初期の段階で、LLLTはやる気の上昇、行動への着手が高まるという報告があるため、リコード法での実行維持が難しい運動や、その他の行動療法と併用することでコンプライアンス(実行遵守)を高めることができる。
リコード法との相乗効果
また、LLLTによって活性され高まる血清中の沈着物、老廃物が、運動やサウナなどによって排出されるなど相互作用のメカニズムも期待できる。
LLLTの光学的効果は運動などによって生じる生理的なホルミシス応答のある一面を増強させているため、より総括的に作用する運動などと併用することで、相乗効果だけではなく潜在的なリスクも最小限に抑えることができると理論的に考えられる。
一般健常者
これまでの研究から一般健常者において脳血流の増加、認知機能の増強、軽い抗うつ効果が期待できることが示唆されている。
個人的によく聞く報告は、その日の夜ぐっすり眠れるというもの。
認知機能向上を目的とする場合、使用時間は2~5分ほどで良いだろう。
特に大うつ病の患者さんは、頭部LLLTを購入して額への照射と併用してみることをお勧めする。
トラブルシューティング
・透明のキャップは外さず、そのままつけて使用する。外れやすいため保護キャップと勘違いしやすい。患者さんが勘違いして外してしまいがちな場合は接着剤で固着してみる。
・ノズルをサランラップで巻いて使用してもOK。何重にも巻くと照射エネルギーが低下し、光が散乱する可能性があるため一重巻程度にしておく。
・ノズルのプラグの抜き差しを乱雑に、または差し込んだ状態で力が横方向に加わると差込口の接触不良を起こしやすいので注意。
・バッテリーを交換しても630nmのノズルが赤く光らない場合は、差込口の接触不良が疑われる。半田ごてが使えれば、比較的簡単に修理はできる。もしくは管理人に声をかけてください。
効果が感じられなくなったら
・発光しているかスマホカメラでチェック。
・照射時間を長くする前に照射場所(角度)を変えてみる。
・ノズルの挿入が浅くないかチェック
・照射時間を1.5~2倍長くして変化が感じられない、または効果が逆に下がっていくように感じる場合、照射パワーが強すぎる可能性がある。その場合はオフ期間を数日間あけて照射時間を元のレベルに戻す。