吸入性アルツハイマー/IAD(3型)
IAD = Inhalational Alzheimer’s disease
概要
リコード法のサブタイプである3型アルツハイマー病は、CIRSの表現型であり単なる健忘症にとどまらず、実行機能障害やその他の障害を示している可能性がある。
また3型アルツハイマー病患者およびCIRS患者は、IAD(吸入性アルツハイマー病)に罹患している可能性が高い。
IADがなぜCIRSのサブタイプとなっているかはわからない。
(遺伝子が関係している可能性)
IAD患者では下記のCIRS症状を示さない
※CIRSに見られる症状
喘息、掻痒、鼻漏、慢性疲労、鼻出血、運動時の呼吸困難、喀血、下痢、嘔吐、食欲不振、脱毛症、慢性洞炎、(外傷性症状、慢性気管支炎、関節痛または耳炎を含む)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4789584/
3型アルツハイマー病を示唆する症状・検査値
下記記載の特性の2つ以上を有している場合IADを疑うべき
発症年齢65歳未満
症状の開始はしばしば50代または40代後半
アポEε4陰性遺伝子型
他の危険因子がない限り通常ApoE3 / 3
患者の家族ではアルツハイマー病の発症歴がないか、または患者の発症年齢よりもはるかに高い年齢での発症。
更年期障害(男性、女性)に関連した症状
認知機能低下に先行するうつ病
初期症状、先行症状での頭痛
記憶障害は初期の主要な障害ではない
非定型症状では、記憶統合障害は初期の主要な特徴ではない。
典型的な障害には、執行障害、計算の困難、失語症が含まれる。
大きなストレス
大きなストレス(例、失職、離婚、家族の不幸)や睡眠障害などによる、急激な悪化
機能不全の程度がストレスや睡眠不足によって著しく影響を受ける。
マイコトキシンや金属曝露
例、アマルガムによる無機水銀、マグロなどの大型魚の摂取による有機水銀)への暴露、またはその両方
認知機能低下を伴うCIRSの診断
認知機能低下はCIRSの症状と共通している。
典型アルツハイマー病とは異なる脳画像イメージング
FDG-PETは病気の初期段階にでも、前頭葉と側頭頭頂においてグルコース利用能が減少を示すことがある。
特にMRI画像診断では軽度のFLAIRを伴い、大脳および小脳全体の萎縮を示すことがある。
トリグリセリド低値
血清トリグリセリド低値、または低いトリグリセリド:総コレステロール比。
トリグリセリドはしばしば50~を示す。
低血清亜鉛
赤血球亜鉛 <75mcg / dl または、銅:亜鉛比が> 1.3以上
HPA軸機能不全
低プレグネノロン、DHEA-S、朝のコルチゾールによるHPA軸機能不全
血清C4a高値、TGF-β1高値、MMP9高値
低血清MSH
メラニン細胞刺激ホルモンの低値
MARCoNS
鼻咽頭培養でのMARCoNS陽性
バイオトキシン感受性
複数のバイオトキシン感受性または病原体特異的感受性と関連するHLA-DR / DQ
IADに関連する毒素は、治療的に扱うことが可能
そのためIAD患者の診断は重要
患者の予後の診断がついていない状況で、IADの診断が正しくできれば、多くの重篤な患者への治療、改善に大きく寄与する可能性がある。
閉塞性睡眠時無呼吸とアルツハイマー病
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4828426/
・アルツハイマー病患者では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の発症率が通常の5倍。
・アルツハイマー病患者の50%が、ある時期に、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を経験したことを示唆
・CPAP治療をすべきとまで言えるほどの証拠は少ないという指摘もある。
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群を因子とするアルツハイマー病は、修復が可能という論文報告もある。
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群の有無をスクリーニングすることを、臨床医へ警告すべきである。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4716729/
アルツハイマー病患者の睡眠障害治療の戦略
多くの治療の有効性は証拠に乏しい。
唯一の例外として有効である可能性があるものは、光線治療とメラトニン投与である。
参考サイト
evolvingpast.com/podcast/inhalational-alzheimers-mold-illness-real-part-1-assessments/
www.moldillnessmadesimple.com/inhalational-alzheimers-and-mold-illness-with-dr-dale-bredesen/